じめり、と。
梅雨の終わりを告げるにはまだ早い、湿気を含んだ生温かい空気が、毛利蘭の部屋を満たしていた。
道場の稽古で流した汗とはまた違う、肌の内側からじっとりと湧き出る熱が、彼女の理性を鈍らせていく。
日課、と呼ぶにはそれはあまりにも倒錯的で、しかし、もはや彼女の生活の一部として組み込まれてしまった抗いがたい衝動だった。
うつ伏せになり、ベッドに顔を埋める。
大きく開かれたむっちりとした太ももは、まるで蛙のような無防備な姿態を晒していた。
豊かな肉付きの尻は重力に従って左右に流れ、その中心にある秘裂を惜しげもなく天井へと向けている。
ジャージのズボンも、その下の小さな布切れも、とっくにベッドの脇に追いやられていた。
「んぅ…っ♡」
自らの指が、その熱源へと吸い寄せられる。
二本の細長く綺麗な指。
その指先がまず触れるのは、黒々とした叢だった。
手入れなどは大和なでしこ精神で、生い茂る彼女の成熟してきた証の陰毛。
濃く、硬く、一本一本が強い生命力を主張するように縮れている。
その毛をかき分けると、そこにはもう待ちきれないとばかりに蜜を湛えた肉の割れ目が潜んでいた。
「ふ、ぁ…♡…んん…っ」
指が触れるか触れないかの距離で、彼女の腰がびくんと跳ねる。
それだけで、入り口からはぽたり、と透明な雫がシーツに染みを作った。
自分の身体ながら、その淫らな反応に蘭は顔をしかめる。
しかし、指は止まらない。
「ん…っ、…きもち、ぃ…♡」
一本目の指が、ぬるりと内側へ侵入する。
ひだを押し広げ、熱く濡れた粘膜を撫でる。
それだけで、背筋に甘い痺れが駆け上った。
すぐに二本目の指が、窮屈そうに後を追う。
きゅ、と内壁が締まり、指を締め付ける。
「あ、…♡…おっきぃ、胸…、邪魔だなぁ…」
うつ伏せの姿勢では、彼女の誇るべき乳房が圧迫されて苦しい。
巨乳と爆乳のちょうど中間、といったところか。
柔らかな脂肪の塊はベッドに押し付けられて潰れ、その側面がぷにりと脇にはみ出している。
その感触すら、今の彼女には新たな性的興奮の材料でしかなかった。
「は、ぁ…っ、もっと、…もっと、ほしい…っ♡」
指の動きが速くなる。ぐちゅ、ぐちゅ、と品のない水音が部屋に響き渡った。
腰も連動して、自ら指を迎え入れるように激しく前後する。
ぷるん、ぷるんと豊満な尻が揺れるたび、汗で光る肌が照明を鈍く反射した。
「あっ、あっ、…♡ん、…そこ、だめぇ…っ♡」
指先が、壁の一番浅いところにある硬い膨らみを的確に捉える。
ごり、と擦り上げられるたびに、脳が真っ白に焼かれるような快感が走った。
もう、思考はできない。ただ、目の前の快感に溺れるだけ。
「ひ、ぅあっ!♡…んく、…ッ、…イっちゃ、う…!」
自分の声が、まるで他人事のように遠くに聞こえる。
身体が言うことを聞かない。もっと、もっと激しく。
突き上げられる指の快感に、蘭は嬌声を上げた。
「あ、ア゛ッ!♡…あ、ぁ、ぁあああ〜〜〜ッッ!!!」
びくぅんッ!と、それまでとは比較にならないほど強く身体が弓なりになった。
つま先までぴん、と一直線に伸びきり、全身がわなわなと痙攣する。
顔は快感に歪み、半開きの口からは「は、ひ、ぅ…」と途切れた息がマン汁と共に漏れるだけだ。
指が挿入されたままのマンコからは、びゅく、びゅくッ、とヌメっこい愛液が何度も迸り、太ももを伝ってシーツに新たな染みを広げていく。
蘭の、雌臭い香りを部屋に色濃く撒き散らして、
「は、…ぁ、…ぅ、…はぁ、…っ」
数秒か、あるいは数分か。痙攣の嵐が過ぎ去り、蘭の身体から力が抜けていく。ぐったりとベッドに沈み込むと、汗で湿った髪が頬に張り付いた。身体の中心で、まだひくひくと粘膜が脈打っている。
「…はぁ~~~…なんで、かなぁ…」
絶頂後の浮遊感タイム特有の、気だるい思考の海の中で、ふと、あの日の光景が蘇る。
溺れていた灰原哀を人工呼吸しようと思ったら、キスをされた。
今でも混乱している。
どうして、あんなことを。
あの時の、哀ちゃんの顔。
唇に感じた、柔らかさ。
私、あの子にキスされて…とても事故というものではなく、意図的に感じられた。
「っは~~~…わかんない、よ…ど、どういうことなのぉ~!」
考えても、答えは出ない。
ただ、胸の奥がざわざわと騒がしい。
「…う、ん…」
思考は、快感の後の心地よい疲労感に飲まれていく。
濡れたままの下半身の不快感よりも、今はただ、この眠気に身を委ねたかった。
「…もう、…ねちゃお…」
蘭はそれだけ呟くと、すぐにすぅ、すぅ、と穏やかな寝息を立て始めた。
蘭は…元々性欲が強い上に、どこぞのいつまでたっても満足に連絡もとれない彼氏の性で更に色々と溜まっていたのだった…
◇
薄暗い阿笠邸の地下研究室。
そこは、彼女、灰原哀――宮野志保にとって、唯一心の安らげる実験室であり、忌まわしい過去へと繋がる檻でもあった。手にした試験管の中で、試作品のAPTX4869解毒薬が琥珀色の光を鈍く放っている。
「…本当に、うまくいくのかしら…今回は大きく変えてみたけれど…体調不良がなくとも、一定時間は解毒できるとみているけれど…」
ひとりごちる声は、容姿の年齢のそれとはかけ離れた、冷徹な科学者の響きを帯びていた。
今回の試作品は、これまでとは根本的にアプローチが違う。
成功すれば、元の姿に戻るための大きな一歩となる。だが、失敗すれば…今回はそのリスクが死亡ではないことは知っているが、何が副作用で起こるかはわからない。
彼女の小さな身体は、このために用意した大人用の、それもかなり大きめのバスローブに包まれていた。
万が一、元の姿に戻った際に着るものに困らないように、今の彼女にはまるで借り物の衣装のようで滑稽ですらある。
「…でも、やるしかないのよ」
躊躇を振り払うように、彼女は一気に試験管を煽った。
苦い液体が喉を焼く。直後、予測していた灼熱が、胃の腑から全身へと駆け巡った。
「あ゛、ぐ…ッ!―――――――――――――う、ぅぅうううッ!!!」
声にならない悲鳴が漏れる。熱い、熱い、熱い! まるで体中の血管に溶けた鉛を流し込まれたようだ。
骨が、肉が、皮膚が、一度原子レベルまで分解され、再構築されていく。
ぶかぶかだったローブの中で、小さな身体が無理やり引き伸ばされ、ミシミシと悲鳴を上げる。
「は、…ッ、…あ゛、あ゛あ゛あ゛ッッ!!」
数分間のたうち回っただろうか。
灼熱の嵐が、まるで嘘のようにすっと引いていった。ぜえ、ぜえ、と荒い呼吸を繰り返しながら、灰原はゆっくりと身体を起こす。視線が高い。手足が長い。
紛れもなく、宮野志保の身体だった。
「はぁ…! はぁ…! はぁ…! と、とりあえずっ 第一段階は…成功っかしら…はぁ…はぁ…」
肌が熱く、大量に溢れた汗をぬぐいながら呼吸を整えて鏡を見る
すらりとした手足に、女性らしい丸みを帯びた腰つき。
我ながら、悪くないスタイルだ、と冷静に分析する自分がいる。
身体の各部を触り、問題がないか確認していく。だが…。
「? 何…かしら…。なにか、違和感があるのだけれど…」
妙な感覚だった。特に、股の間に、これまで感じたことのない奇妙な重量感と存在感がある。
ゆったりとしたローブを着ているはずなのに、そのシルエットの中心、下腹部から垂れ下がる部分が、不自然に盛り上がっているように見えた。まるで、そこに…何か、長いものがぶら下がっているかのような。
まさか。そんなはずはない。
恐る恐る、ローブの合わせに手をかける。指が微かに震えていた。ゆっくりと、布を左右に開いていく。そして、視線を、下へ――
ボロン♡
「きゃっ!?」
思わず、短い悲鳴が漏れた。
ローブが開かれた瞬間、それまで布の裏に隠れていた“それ”が、重力に従って勢いよく躍り出たのだ。
そこにあったのは、断じて女性の身体には存在しえない、雄の生殖器、まごうことなき…チンポだった♡
「な…、何よ、これ…!?どういうことなの!?」
萎えているというのに、それは成人男性の平均的な勃起時のサイズを超えている勇ましい、肉棒。
太さはそこらへんの木の棒では歯もたたない。
赤黒ずんだ半皮被りの先っぽと肌色をしっかり受け付いている竿がだらりと垂れ下がり、包皮の上からでも分かる、鋭く反り返ったカリ首が鎮座している。
竿の根元には、巨根に見合ったクラスの金玉が、重そうにぶら下がっていた。
全体が、むわりと雄臭い匂いを放っている。
「き、気色悪い…わ…じょ、女性の私の身体にこんな…っ グロテスクよっ! そ、それに、なんて…規格外なの…? ま、まるで…馬鹿げてる…」
震える声で呟きながらも、科学者としての思考が働き始める。
原因の推測。
おそらく、今回の試作品の作用で、ホルモンバランスに致命的なエラーが生じたのだ。一種のバグ。
そして、この異常なまでの大きさは…。
もしかしたら、投与する前の身体から今に至る期間の成長が、しっかりとこのできた器官にも反映されてしまったのか。
そんな馬鹿な仮説を立てている間にも、その“バグ”は新たな変化を見せ始めていた。
じわり、と。熱を持ち始めたかと思うと、意思とは無関係にむくむくと起き上がり始めたのだ。
「ちょ、…え…? な、なんで…っ」
ビクン…ビクン…
みるみるうちに、それは硬度と太さを増していく。
だらりと垂れていた肉棒は、まるで生き物のように鋭角に屹立し、青紫だった血管がみみず腫れのようにくっきりと浮かび上がる。
濡れたように艶めくカリ首は、さらに一回り膨張し、今にも何かを吐き出しそうに微かに震えていた。
ブルン!!♡
「!? こ、こんなのもしかしなくとも勃――――――――」
凶悪な巨根は天井に向かって鋭角に突き立ち、その長さは優に15cmを超えていた。
成人か小さい馬のどっちかはわからないがそのどれかのオスのモノを想起させる長さはマンコにいれれば簡単に子宮までキスできそうなモノ。
太さも尋常ではない。
志保の細く小さい女性らしい滑らかな片手では到底握りきれないほどだ。指を回しても一周することが叶わないだろう。
むくりと鎌首をもたげた亀頭は熟練の果実のように完熟し、勃起と同時に自然に皮が剥けた。
赤黒く充血したカリ高雁首が露出し、その傘のようなカリ笠は女性のGスポットを容赦なく抉る凶器の形状をしている。雁首の溝には粘稠性の高い我慢汁が大量に分泌され始め、糸を引いて滴り落ちようとしていた。
竿には太ったミミズのように太く、青黒い血管が幾筋も浮き上がり、脈動に合わせてドクン、ドクンと波打っている。
その表面はカチカチに硬化した海綿体が張り詰め、硬さも柔軟さを備えた刀のごとき剛と柔度を誇示する。
角度はまさに湾曲の極地。股間から反り返りながら屹立し、天井を付かんばかりの鋭利な角度を保っていた。
裏筋は凹凸が浮き彫りとなり、そこを手で這えば狂おしい程の快感をもたらすであろう官能的なラインを描く。
根元にぶら下がる睾丸は握り拳程度の大きさで、皺一つないツルリとした質感で精液を煮詰めた重量感があった。しかしそれが二つだ。
全体からは熟成された牡の生臭い雄臭がむわりと漂い、湿気と汗と欲望の混合臭が研究室内に立ち込める。
この怪物は明らかに容姿端麗な灰原哀――宮野志保の肢体には不釣り合いな凶器だ。
細い手足、華奢な肩幅、スタイルの良い柔らかな双丘を持ちながら、その中心には醜悪で逞しい巨根が脈動し、雌の本能と雄の欲求を前面的に押し付けている。
このアンバランスな肉体は性的な禁忌そのものであり、見る者の倫理観を粉砕し凌辱する淫猥な芸術品と言えよう。
女神のような面差しとは対極にある獣じみた性器が、今にも雌と交尾を始めんと鈴口から汁を出すたびに開口しながら動く様子は似合わない異物感があったが、しっかり彼女のもであるように境界線もなくしっかりぶら下がっていた…
「う、嘘でしょ…? な、何を勝手に…っ!」
どうすればいいのか分からない。混乱の極みの中、彼女は無意識にそれをローブの中へ隠そうと、手を伸ばした。
その指先が、熱く張り詰めた竿に、触れた。
「ひぅッ!?」
瞬間、脳天を電気で撃ち抜かれたような、未知の感覚が全身を貫いた。なんだ、これは。この、快感は。男の身体は、こんなにも敏感だというのか。
ローブの布地の隙間から滑り込んだ指先が、硬く熱い肉塊に触れた瞬間、灰原哀――宮野志保の全神経が一瞬マラへと集った。
「ひぅッ!?」
思わず声が漏れる。指先から伝わる異様な熱と脈動。
それが彼女自身の身体の一部であるという事実が結びつく。
指先が触れたのは、ぬめりを帯びた亀頭の側面だった。
その柔らかさと同時に、芯にある鋼鉄のような硬さ。まるで別の生き物が宿っているかのようだ。
「な、何よこれ……気持ち……悪い……」
生理的な嫌悪感と共に、しかし同時に奇妙な好奇心が湧き上がる。
科学者としての探究心が、この異常事態のメカニズムを知りたいと疼く。
「こ、これは……間違いなく勃起状態……血液が集中して……陰茎海綿体が……」
思考は冷静であろうとするが、その対象が自身の股間に生えた異物であるという現実は、彼女の思考を容易に乱す。
触れた指先を、彼女は反射的に引っ込めようとした。
しかし、その動きは鈍い。
むしろ、指の腹は確かめるように、もう一度、ゆっくりと亀頭の…敏感といわれる部分に触れた。
「……ぉ゛!♡」
今度ははっきりとした快感が背筋を駆け上ったとともに、思わず口が突き出した価値で変な声が出てしまった。
ただ触れただけ。それなのに、腰が勝手に震え、腹の奥が疼いて止まらない。あまりの衝撃に指を離そうとするが、もう遅かった。
「あ、…ッ、だ、め…、な、に、こ…ッ、んぐぅッ!――――――――――――お゛ォオオオオ!?」
ドッピュルルルルルルル♡♡!!!
ドッピュルルル♡♡!!
突如として尿道、内側からまるで股間が軽く開くような感覚と共に腰が感電したように痙攣♡
そしてその痙攣と共に強烈に抗えない勝手な足腰の動きと共に、竿が勝手により硬くなって動く感覚と共に尿道を何かが駆け抜ける感覚を覚えた♡
「お っふ ぉ おふぅ ッおぉ おお♡おッお、お ふひ♡!?!?」
声を出そうと思って出しているわけではない灰原。
痙攣と共に勝手に腹の底から、白く濁りきった黄ばみ汁と一緒に自動で声が出ているだけだ♡
その量は凄まじく、鈴口から放たれたそれは研究器具のビーカーやフラスコなど透明なガラスの色に変色させていく♡
やがて、大惨事になったところで…ビュル…ビュル…っと、零れるような弱い勢いになったところで身体の抑制が戻った。
「お゛ぉ゛……♡おほっ♡んん……はぁ…はぁ…そ、そんな…い、今のは、間違いなく…っふぅ~~~…酷い…疲れだわ…」
射精。
チンポと思しきものから出る白い液体など、それ以外にない。
壁に精液をまき散らし、灰原はその場にへたり込んだ。
賢者タイム特有の気だるさの中で、自分のしでかしたことに愕然とする。
とにかく、掃除をしなければ。誰かに見られたら、冗談では済まない。
だが、彼女がティッシュでそれを拭き取ろうと、再び手を伸ばした。
が。
掃除のために軽く触れただけのその刺激に、萎えかけていた肉棒が、またしても即座に反応を示したのだ。
「ま、…また…!? や、やめ…っ」
フェザータッチ。
そうとしか言えないほどの軽い接触。しかし、それは引き金としては十分すぎた。
「んッ、…ぁ、…だ、だめ、とまらな…ッ、イ゛くぅッ!」
再び、腰が勝手に痙攣し、二度目の射精が訪れる。
もはや、彼女にこの新しい感覚を制御する肉体を制御する術はなかった…
◇
「んぐ゛!! そ、そんなっ゛ も、もう時間がッ」
一体、どれほどの時間が経ったのか。何度目かのしようと思ってしていない絶頂の後の倦怠感の中で、あの灼熱の痛みが、再び彼女の身体を襲った。
解毒薬の効果が、切れたのだ。今回の実験は、結果として失敗に終わった。
「…っ、…また、…この身体…」
再び、骨が縮み、肉が若返る苦痛。
やがて、彼女は元の、灰原哀の小さな身体に戻っていた。疲労困憊で床に横たわりながら、彼女は恐る恐る、自分の股間に視線を落とす。
ある意味、元の身体に戻ったのだ。
「っはぁ…っはぁ…っはぁ…今回は…大失―――――――――敗…?」
当然、あの忌まわしいモノも消えているはずだ。
だが。
視界に飛び込んできた光景に、彼女は絶望で息を呑んだ。
華奢で小さな身体。
まだ成熟していない、なだらかな曲線を描く腰。細く、白い、年相応太もも。
その、か細い足の付け根に。
「ど、どうして!?」
股間を見ると…そんな年相応の身体には…さっきまであったはずのチンポが……無くなってい…いなかったのだ。
しかも、サイズは…先ほどの、仮説である大人になるまでの成長分が一気にチンポに集中した、という仮説が正しければ、縮小した分だけ小さくなっているはずなのだ。
しかし、そうではない。
子供の身体になったのに、股間のそれは、その小さな身体に不釣り合いな大きさで、だらん…♡とぶら下がっていた。
まるで、この肉体に最初から備わっていたかのように。
「うそ……。こんなの……こんなのって……!」
絶望的な呻きが漏れる。元に戻るどころか、事態はさらに悪化した。
この少女の姿で、成人のサイズ、しかも成人男性のよりさらにデカいイチモツが彼女の足の間で垂れ下がっていた。
「ど、どうしろっていうのよ…! この身体だから、大きすぎて膝まで届きそうだわ……」
呆然と呟きながら、灰原は再び股間に目を落とした。
その異様な光景は、彼女の理性を蝕んでいく。
これからどうすればいいのか、まったく見当もつかない。
「…取り合えず…掃除と…晒か何かでバレないように隠すしかないわよこんなのっ こんなモノを隠し通せるかしら……」
これから始まるであろう苦難に、ただただ途方に暮れるしかなかった。
◇
「ん…ん~…」
翌朝。
差し込む朝日が、灰原哀の薄い瞼を苛む。
気怠い身体を起こして、体を見る。
「…そう、悪夢よ…。あんな馬鹿げたこと、現実にあるわけがないわ…」
自分に言い聞かせる。そうだ、きっと疲れていたせいだ。
新薬の副作用で、酷い幻覚を見ていただけ。
自分の身体に、あんなグロテスクなものがあるなんて、あり得ない。安堵のため息をついた。
「――――――――――――」
身体を覆う、ゆったりとしたローブ。
その下の、下腹部に奇妙な圧迫感がある。
掛け布団が、そこだけ不自然に持ち上がり、かなりのテントを形成していた。
嫌な汗が、背中をすっと伝う。
まさか、と。震える手で、ゆっくりと布団をめくる。
視界に飛び込んできたのは、ローブの合わせ目から、恥も外聞もなくはみ出した“それ”の先端だった。
「ひ…っ」
息を呑む。
昨夜よりもさらに硬く、熱く、元気になった肉棒が、意思とは無関係に屹立していた。
その身体には不釣り合いな凶器が、その存在を主張するようにドクン、ドクンと脈打っている。
紛れもない、朝勃ちだった。
「な、…なんで…っ! し、静まりなさいよ! この…っ、こ、これどうすればいいのよ…!」
顔を真っ赤に染め、灰原はパニックに陥る。必死にローブの上から押さえつけようとするが、鋼鉄のような硬度はびくともしない。
むしろ、その刺激に反応して、先端のカリ首がさらに濡れていく始末だ。このままでは、博士にさえ顔を合わせられない。絶望的な状況に、彼女は半泣きになりながら、その猛りが自然に収まるのを、ただひたすらに待ち続けるしかなかった。
◇
時間は飛び、その日の夜。
毛利探偵事務所の給湯器が壊れたとかで、蘭が阿笠邸の風呂を借りに来ていた。コナンは、何やら事件で疲弊しきっていたらしく、とっくに風呂を済ませて客間で寝入っている。
博士と三人でリビングで談笑していると、博士がおもむろに立ち上がった。
「おお、そうじゃ!蘭君、哀君!わしの新しい発明品、『全自動ケーキ製造機』を見ていかんか!」
「…嫌な予感がするのだけど」
「ケーキが食べられるの!? あぁでもこの時間にケーキは…」
「っふふふ、大丈夫じゃ、この発明品はカロリーも抑えれる代物じゃ」
「えぇ!?なら見たい!」
得意げに博士が披露したのは、無駄にパイプと歯車が絡み合ったガラクタの塊だった。
「スイッチ、オンじゃ!」
博士が自信満々にレバーを引いた瞬間、機械はけたたましい警告音と共に、激しく痙攣を始めた。
「ぬ! いかん!」
「「えっ!?」」
ガコン!バキッ!ゴゴゴゴゴ…!
次の瞬間、一番太いパイプが破裂し、そこから粘性の高そうなピンク色の液体が、間欠泉のように噴き出した。
ビシャァァァッ!
「「きゃああああああっ!!」」
時すでに遅し。
噴出した液体は放物線を描き、見事に灰原と蘭の頭上へと降り注いだ。
べっとりとした生温かい液体が、髪から服から、全身を瞬く間にコーティングしていく。
「な、なによこれ!ベトベトする…!」
「い、いかん…パイプが耐えきれんかったとは…古いパイプじゃったからの…潤滑剤とガムシップが…」
蘭が悲鳴を上げる。
灰原は、それら液体にかかってすぐに察した。頭がいい彼女である。
全身が飴細工のように固められていく不快感など、どうでもいい。彼女の頭を支配していたのは、たった一つの、絶望的な事実。
顔が、さっと青ざめる。最悪。
これ以上ないくらい、最悪の事態。蘭と、一緒にお風呂に生かされそうな展開。
この身体を、見られるわけには…。
「ど、どうするの博士ぇ! これぇ!」
「す、すまん二人とも! こ、今度しっかりとしたケーキを買うから許してくれんかの…」
悪びれもせず、博士が説明する。
この潤滑油とガムシップが実質混ざってしまってかかってしまったことで、専用の溶剤を混ぜたお湯で尚且つコツもないと綺麗に落ちないのだという。
その言葉を聞いて、灰原の中でまた次の流れを察して嫌な予感がする。
そして、博士は、追い打ちをかけるように、悪魔の提案を口にした。
「哀君!君はわし化学に精通しとるし、女の子同士じゃ!蘭君に、この溶剤の効果的な使い方を、お風呂で教えてあげてくれんか?」
その瞬間、灰原は完璧な四面楚歌に陥った。
博士は、自分が宮野志保だと知っている。
科学者である自分に、化学薬品の扱いを指南しろ、と。あまりにも理に適った、正論。
隣では、蘭が「お願い、哀ちゃん!髪が固まっちゃうよぉ!」と、涙目の、純粋な好意と信頼に満ちた瞳でこちらを見つめている。
ここで断れば、不自然極まりない。
博士には訝しがられ、蘭を深く傷つけることになるだろう。
断ろうにも、断ったら余りにもイメージが悪いし、そもそも一人で洗い流せる状態でもない…
選択肢は、なかった。
美味い事やり込めるはずだ、蘭という人は言ってしまえば…抜けているところがあるので大丈夫なはずだ。
灰原は、まるで処刑台へ向かう罪人のように、小さく、か細く、頷いた。
「…わかったわ」
「本当!?ありがとう、哀ちゃん!」
天真爛漫に喜ぶ蘭に腕を引かれ、灰原は、まるで魂の抜けた人形のように、着替えの準備をすることに…腕を引かれる際、阿笠博士を憎たらしい目で見るしかなかった。
一歩、また一歩と、運命の脱衣所が、近づいてくる。
◇
脱衣所の扉が、ギロチンの刃のように見えた。
一歩、足を踏み入れれば、もう後戻りはできない。
灰原は、蘭に腕を引かれるまま、なすすべもなくその運命の場所へとたどり着いた。
(ど、どうするのよこれ!)
思考が、絶望で白く染まる。
だが、ここで逃げ出す、あるいは頑なに入浴を拒否すれば、それはそれで別の疑念を生む。
博士の前で、蘭の前で、これ以上不審な行動は取れない。
意を決するしかなかった。
「…先、入ってて。私、少しトイレ…」
かろうじてそれだけ言うと、蘭は「うん、待ってるね!」と無邪気に答え、先に浴室へと消えていった。
残された灰原は、震える手で、備え付けの大きなバスタオルを手に取った。
これを、鎧にするしかない。幸い、今の身体は小さい。
身体を二周しても、まだ余るほどの大きさだ。
彼女はタオルをきつく、きつく身体に巻き付けた。
そして、股間の“それ”が、タオルの上からでも存在を主張しないよう、腰を不自然に折り曲げ、奇妙な前屈みの姿勢を取る。
萎えているとはいえ、子供の身体にはあまりにも巨大なイチモツだ。少しでも気を抜けば、タオルのシルエットが、ありえない形に盛り上がってしまう。
「……行くしかないわね」
腹を括り、彼女は浴室の扉を開けた。
湯気が立ち込める中、蘭はすでに洗い場でシャワーを浴びていた。ピンク色の粘液が、お湯を弾き、なかなか落ちる気配がない。
「あ、哀ちゃん! おそ~い! 哀ちゃんも早く洗わないとおちなーーーーい?」
シャワーを浴びながら、蘭が振り返る。そして、灰原の奇妙な姿に、きょとん、と首を傾げた。
「あら? 哀ちゃんなんでバスタオルなんて羽織ってるの?」
その問いは、死刑宣告のように灰原の鼓膜を打った。
「…す、少し、肌寒くて…」
我ながら、苦しすぎる言い訳だ。
湯気に満ちたこの空間で、肌寒いなどという戯言が通用するはずもない。
案の定、蘭はぷくーっと頬を膨らませた。
「だーめ。私と一緒で、哀ちゃんだって頭からあのベトベトなの浴びたの、私、見てたんだから! そんなの着てたら綺麗に落とせないでしょ! だから――――――――――それ!」
「あ…」
蘭は悪戯っぽく笑いながら、シャワーを止め、一気に距離を詰めてきた。
灰原が反応するよりも速く、その手が、タオルの端にかけられる。
「だ、だ――――――――――め!?」
悲鳴は、間に合わなかった。
その時、彼女は思い出した、蘭は命がけで自分を助けるような衝動的な人間であることを。
蘭の力強い腕が、灰原の最後の砦であったバスタオルを、いとも簡単に引き剥がした。
ボロン♡
ふわり、とタオルが床に落ちる。
そして、灰原哀の、小さな少女の、ありのままの姿が、そこに晒された。
「「え…………」」
時が、止まった。シャワーの蛇口から滴る、ぽたん、ぽたん、という水音だけが、やけに大きく響く。
蘭の視線が、灰原の顔から、ゆっくりと下へ…下へと、落ちていく。
そして、その足の付け根で、ぴたり、と固まった。
そこにぶら下がっていたのは、現実感を失わせる、逞しすぎる雄のイチモツ。
華奢な少女の身体。その白い、か細い太ももの間に、不釣り合いなほど黒々しく、ぶっとい肉棒が、だらりと垂れ下がっている。その重量感だけで、周囲の空間が歪んで見えるかのようだ。
その先端から滴る、透明な雫が、やけに淫猥に光っていた。
「あ…、あ…」
灰原の顔が、羞恥で爆発したように真っ赤に染まる。
み、見られる!!
そう思った彼女は反射的に、その“モノ”を両手で隠そうとした。
自分の身体の一部として認識しているからこそ。
だが、無駄だった。
あまりにも巨大すぎるそれは、その小さな両手では、肉竿の一部を覆うのが精一杯。
その脇からは、重そうな金玉がはみ出し、先端のカリ首も、悪びれることなくその姿を晒している。
隠そうとすればするほど、その異常な存在感が、より一層際立った。
「……え……え? え?」
蘭は、完全に思考が停止していた。ぱくぱくと、金魚のように口を開閉させるだけで、何一つ、言葉を発することができない。パニックになりながらも、その視線は、目の前の信じがたい光景に釘付けになっていた。
「な…なに…? なにあれ…? おとこの…ひと、の…?)
やがて、混乱の極みにあった蘭の口から、か細い、震える声が、ようやく漏れ出た。
「そ、そ、それって…お、お、おちん…ちん!?」
裏返った、甲高い声が、浴室に響く。
「お、おちんちんだよね!? え? で、でも哀ちゃんは、おんなのこで、ええええ!?」
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