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しばりしばられ10 その⑫ 救いの猿轡

「ん…!」


「どういうこと……」


「何も…しない…?」


縄原の調教は“なにもしない”ことだった。

沙希たちが木馬に乗せられて30分ほど経過していたが、その間縄原は沙希たちを見ているだけだった。物理的な責めはもちろん、言葉による責めもすることはなかった。

また、彼女たちが跨っている木馬も特別なものだった。木馬の頂点は柔らかなシリコンで作られていた。そのため木馬に乗った直後こそは異物感で痛みを感じたものの、数分もしないうちに痛みは無くなった。

だが…、その木馬は沙希たちに“快楽”を与えることになった。


「ん…っ(うそ…私、この木馬で…)」


初めに違和感を覚えたのは光姫だった。

全身を縄で縛られている状況ではどうしても身体が敏感になってしまう。股間に食い込む木馬は股縄にも似た感覚を光姫に与えていた。


「っ…!」


ビクッと光姫の身体が震える。


「ん………」


自身の意図しない身体の震えに驚く。無意識的に身体が反応し、甘い吐息が漏れ出たのだ。


「うふふ、貴女は感じやすいのかしら?」


ようやく縄原は口を開いた。

その言葉は精神的に光姫を責めるものだった。いや、責めるという表現は間違っているかもしれない。正しくは光姫の心すら拘束するもの…調教するための言葉だった。


「悪人の縛りと拘束で感じるわけないでしょ!」


光姫は木馬の刺激に耐えながら啖呵を切った。


「あら?さっきも縛られている時にあま〜い声を漏らしていたような気がするけど。」


「そ…そんなこと…」


「ならもう一度聞いてみましょう。」


縄原はパチンッと指を鳴らした。するとザザ…と何処かでスピーカーが起動した音がした。


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


『沙希、私は大丈夫だから…。縛って…!』


『うん…。ごめん……。』


『ん…』


『痛かった?』


『ううん、大丈夫だよ。縄で縛られると変な声出ちゃって…』


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


「しっかりと感じてるじゃない」


ニヤニヤと縄原は微笑む。

スピーカーから流れたのは先程光姫が縛られていたときの会話だった。


「っ…どうしてこんなものが…!?」


「市長といっても湯水のようにお金を使うことはできないのよ。」


「そんなことは聞いてないよ…!」


「あらあら察しが悪いわね。」


「どういうこと…?」


「若い女の子の縛られている映像ってのはマニアに高く売れるのよね。」


「っ!?」


その瞬間、沙希たちの顔は青ざめていった。

今この瞬間もカメラが回って…。


「っていうことで…そろそろ最後の仕掛けを起動させましょうか。」


そして縄原は指をパチンッと鳴らした。


〈ブィィィィィィン〉


「んひぃ…!私のローターがぁ…」


突如として優奏の股間でローターが震え始めた。逆海老縛りで吊るされている優奏の身体はローターの振動に反応した。ビクッと身体は震え、身を捩らせるたびに優奏の身体は空中でゆらゆらと揺れた。


〈ブィィィィィィン〉


「お姉ちゃん…!」


優奏の視線の先にはローターのスイッチを握っていた和奏の姿があった。


「あらあらローターの設定は“弱”ですよ。私の妹はこんなに感じやすくなってしまったのですか?」


「んひぃ…!解けてよ……!」


ギチギチと縄が鳴く。優奏は縄抜けを試みるが縛りが解けることはなかった。もがけばもがくほどに縄が身体に食い込み優奏を刺激する。縄で締め付けられた身体はさらに敏感になりローターの振動を感じてしまう。


「縄抜けもできなくなってしまったのですね。お姉ちゃんは残念ですよ。」


「お姉ちゃん…がぁ…!キツく縛る…から…でしよ!」


「それと優奏は視野も狭くなったようですね。」


「どういうこと…?」


「貴女の守るべき人たちの姿を見てください。」


そういうと和奏は優奏から視線を逸らした。優奏もそれを追うように視線を動かす。


〈ブィィィィィィン〉


「なに…この木馬…」


「っく…ぁん……!」


「み…光姫ちゃん……!」


優奏の瞳に映ったのは木馬に跨り悶え苦しむ沙希たちの姿だった。


「みなさん!?」


先ほどまでと打って変わり、沙希たちは身体を捩らせながら木馬に跨っていた。


「木馬が震えて…っん!」


「ウチの木馬は普通の木馬だったはず…」


「私が改造したのですよ。」


ドヤ顔で口を開いたのは和奏だった。


「この短時間で……」


「私を舐めてもらっちゃ困りますよ。運動からプログラミングまでなんでもござれのくノ一ですよ。」


「っ……」


「あの木馬は頂点部分をシリコンに張り替えて、縄原様の指示で振動するように改造したのです。」


「それじゃ…あの木馬って…。」


「はい。巨大なローターと思って良いですよ。」


「そんな……」


〈ブィィィィィィン〉


「これ…木馬が押しつけられて……」


光姫は身体をくねくねと捩らせていた。


「光姫さん…!」


「あはは…恥ずかしいところ見られてるね…。」


「そんなことないです……。」


「あらあら仲のよろしいことね。」


その会話に割って入るように縄原が口を開いた。その顔はとても嬉しそうに不適な笑みを含んでいた。


「っ…!」


「高浜光姫さんは随分と気持ちよさそうね。」


「気持ち良くなんかない…!」


「あら?そんなに身体を捩らせて…妖艶な声を出しているのに?」


「…これは貴女が…!!」


「まぁ良いわ。貴女が気持ちよさそうな声を出すたび、この動画の価値はあがるしね。」


「そうか、撮影…。」


光姫は思い出した。

今の状況はカメラで撮影されているのだ。

こうして木馬に責められている間も…。


「ぁん…でも……木馬がぁ…!」


「光姫!」


「光姫ちゃん!」


抑えようとしても声は漏れ出てしまう。

そんな光姫に対して縄原は救いの糸を垂らした。


「ボールギャグを噛めば甘い声を漏らさずに済むわよ。」


そう言う縄原の手には赤いボールギャグが握られていた。


「っ…へ…?」


「人の言葉を奪うボールギャグなら艶かしい声を漏らすことはないわよ。くぐもった声に変換されるだけなんだから。」


それは救いの“糸”ではなかった。縄原の罠。いわば女郎蜘蛛の“糸”だった。

だが極限状態の光姫に正常な判断をすることなどできなかった。


「…大人しく猿轡するから……。だから…早く…!」


光姫はボールギャグを求めた。

だが縄原はさらなる羞恥を光姫に与える。


「頼み方があるでしょ?」


これが縄原の常套手段。

自ら拘束を懇願させることで心を縛る。


「ひ…ぐ…。くそ……。」


光姫は唇を一文字に結んで意を決して口を開いた。


「私に…猿轡……、してください…!」


「仕方ないわねぇ。」


縄原は光姫の口元にボールギャグを垂らした。


「え…」


「自ら咥えるのよ。」


「っ…!」


光姫は赤面しながらも大きく口を開きボールギャグを自ら迎えに行く。


「ぁむ……。ほご…ほごぉ…」


大きな猿轡は光姫の言葉を奪った。

縄原の言った通り、艶かしい声が漏れることは無くなった。

しかし、ボールギャグを咥えた光姫は涎を垂らし、強烈にフェチズムを刺激する雰囲気を醸し出していた。


「あらあら可愛らしいわね〜。」


「ほごぉ!!(うるさい…!!)」


「こんなに可愛いと妹ちゃんたちにもつけたくなっちゃうわね。」


縄原は新たに3つのボールギャグを取り出した。


「せっかくだしお姉ちゃんにつけてもらおうかしら。」


「かしこまりました。」


「ではお願いするわね。」


和奏が了承したことを確認すると縄原は3つのボールギャグを和奏に向かって投げた。


〈ポトリ…〉


「あれ…?」


和奏はボールギャグを取れずに床に落としてしまった。


「…おかしいですね……」


和奏はボールギャグを拾おうと歩き始めた。


〈ズル…〉


和奏は躓いて転んだ。

何も段差はなかったはずだが、盛大に転けたのだ。


「いてて…」


「和奏ちゃん…!」


その光景を見ていた沙希と友梨はほんの少しだけ光が見えた気がした。

それは優奏も同様だった。


「お姉ちゃんのドジが戻ってる…。」


それは見慣れた和奏のドジ。

縄原の薬で消えていたドジが戻っていたのだ。


「和奏ちゃん!元に戻って!お願い!」


「お姉ちゃん!!!」


沙希たちは必死に呼びかけた。


「むぐぅぅぅ!!!(和奏!!!!)」


猿轡をしている光姫も必死に読んだ。


「うぅ…。」


和奏は頭痛で頭を抑える。


「お姉ちゃん!!!」


涙を浮かべながら優奏は姉を呼んだ。


「っ……!!!」


和奏はスッと立ち上がった。


「お姉ちゃん……?」


そして和奏は口を開いた。


「ご心配をおかけしました!みんなの古町和奏、ここに復活なのです!!!」


和奏はいつものようなドヤ顔で高らかに宣言した。

Comments

次回の更新を楽しみにしておきます^^

hayate

今回の和奏ちゃんは一味違いますよ…!(たぶん。。。)

のべ

復活即緊縛な未来が見えますね(笑)

hayate


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