平素は格別のご厚誼を賜り厚く御礼申し上げます。
うだるような暑さが続き。
勤め先からの帰り道、公園のベンチに座り休んでいると。
突然、美少女が声を掛けてきた。
「暑くて疲れちゃうよね~? そんなあなたに美少女扇風機の涼しい風、いかが?」
1分1万円――それが提示された額。
頭がぼうっとしていたせいか、つい頼んでしまった。
「ほ~ら、美少女の風だよ~♡」
ハンディーファンのスイッチが入る。
少女の白いワンピースがぱたぱたとはためき、その中をすり抜けて涼やかな風が吹いてきた。
じっとりと汗ばんだ体を洗い流すように、ほんのり甘い香りの風が抜けていく。
ああ、体から疲れが抜けていく・・・!
・・・・・・すんっ。
突然止まる風。思わず少女を見ると、ニヤついた顔が目に入った。
「はーい1分経過~。ここからは追加料金になりまーす♪」
まだだ、まだ足りない・・・!
気が付けば財布に手を伸ばしていた。
猛暑日が続き蓄積された疲労が徐々にほぐされていく。
何度か延長を頼んでいた、その時――
突風が駆け抜けた。
ビュオワアアアアア!!!
「にょわああああああああ!?!?」
悲鳴を上げる少女。
すさまじい風が少女のワンピースを巻き上げる。
さっきまでのゆるゆるとした風とは違う、力強い風!
「くっ・・・自然なんかに絶対負けない!」
キッ!っとくやしそうな表情を浮かべ、栄一をつかんだまま少女は走り去ってしまった・・・。
たしかに人間は大自然の前では無力だ。
風の力だって雲泥の差だ。
しかし自分はそれでも・・・美少女扇風機の風が愛おしいのである。
突風で鳥の巣みたいになったぼさぼさ髪で、そんなことをぼんやり考えながら、家に向かって歩き始めるのだった。
心身癒され、足取りも軽く。
それではまたお会いできる日までごきげんよう。
天魔銀
2025-07-01 09:29:14 +0000 UTCかにビーム
2025-07-01 08:07:38 +0000 UTCSo
2025-07-01 07:10:24 +0000 UTC猫男爵@最新単行本10月予定
2025-07-01 06:57:00 +0000 UTCはぐ
2025-07-01 06:15:17 +0000 UTCゼンマイうるふ
2025-07-01 06:06:13 +0000 UTC