4月ー
私立新星大学

「っほ!っほ!」
青山春夫 大学一年生
彼は入学したての大学生活への期待に胸を膨らませていた。
高校時代、勉強漬けの毎日を送ってきた彼にとって、大学は青春を取り戻す絶好の機会。恋に、遊びに、全てを満喫したいという思いで一杯だった。

サアァ・・・・
「!」

入学から数日が経ったある日、青山は講義に向かう途中、ふと足を止めた。
彼の目に飛び込んできたのは、一人の女性の姿だった。
さっと吹き抜ける風に、彼女の長い栗色の髪がなびいていた。
その姿に、青山の心臓が大きく跳ねる。
時が止まったかのような感覚。
青山にとってこの出会いは、運命のように感じられていた。
その後、青山は必死の調査の末に、彼女の松下真利亜という名前と、彼女がテニスサークルに所属していることを知る。
青山は、即座にテニスサークルへの入部を決意した。
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5月ー
それからの日々、テニスコートでの時間が青山の大学生活の中心となっていった。
和気あいあいとした雰囲気の中、サークルのメンバーたちは勉学よりも大学生活を楽しむことに重点を置いていた。


テニスコートの向こうで、松下真利亜が軽やかにラケットを振る姿が目に入る。
彼女の動きには無駄がない。それでいて、どこか優雅さがあった。
青山は思わず、ため息をついてしまう。
「春夫くん、ボールお願ーい」
「あ、はーい!」
テニスサークへルの入部直後、初めてのサークル活動で緊張していたに対して、
松下が話しかけて来てくれた。
それ以来、練習の合間に、松下は青山にテニスのコツを教えてくれたりする。
青山は、慌てて転がるボールに手を伸ばした。
ボールを拾い終えて顔を上げると、そこには優しく微笑む松下の姿があった。
「ありがとう、春夫くん」 その笑顔に、青山は必死に平静を装いながら、頬が熱くなるのを感じる。
松下との接点が出来た青山は、なんだかんだで大学生活を満喫しているのであった。
____________
6月ー
「春夫くんって、ほんと面白いわね」
サークル活動の合間に、好きな映画の話で盛り上がったりしてから、青山は松下と休日に映画を見に行ったりなど、一緒に過ごすことが多くなった。
そういった中、お互いの趣味や価値観が似ているところが有ることに気づく。
松下はよく青山をからかった。そういう態度にも、青山の心は揺さぶられ、同時に喜びに満たされた。


春から初夏にかけて、青山と松下の関係は少しずつ深まっていった。
自宅での勉強会や、大学の構内を一緒に歩きながら交わす会話。
それらの時間が青山にとってはかけがえのないものとなっていった。
しかし、青山には彼女が自分の事をどう思っているのかわからなかった。
別の先輩と付き合っているという噂もあったが、確かめることはできなかった。
それでも、二人の間には不思議と相性の良さがあった。
自然と言葉が弾み、笑い合える関係。青山にとって、それだけでも幸せだった。
__________________
しかし、そんな中で青山には新たな出会いがあった。

岩崎みどり
同じ一年生で、明るく活発な性格
朗らかな笑顔から伝わる優しさ。
テニスが上達しない青山に熱心に教えてくれる面倒見の良さ。
「違うよ!こうだよっ、こう!」ブン!ブン!
「え・・こ、こうか!」モタモタ・・
みどりは松下とは対照的だった。積極的で、自分の気持ちに正直。彼女が青山に好意を寄せていることは明らかだった。
学食で一緒にご飯をとったり、同じ選択科目の勉強を一緒にしようと声をかけてくれたりした。週末に新作映画を見に行く約束もした。
彼女は自分に好意を寄せてくれている。
まっすぐな分、その気持はすぐにわかった。
彼女は素直で快活な性格で、その上かなり可愛い部類の子だ。
正直、悪い気はしなかった。
しかし、青山の心の中では常に松下の存在は大きかった。

松下のことを想いながら、みどりと過ごす時間。
それは、みどりを、もしかしたら松下先輩もを裏切っているような気分にさせた。
しかし同時に、これだけの子に好意を寄せられる優越感と満足感。
今のこの複雑な関係を、青春時代だからこそ許される特権だと勝手に解釈していた。
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7月-

その日は珍しく、練習の最後まで残ったのは松下、岩崎、そして青山の3人だけだった。
青山は内心嬉しくなっていた。「このまま3人でどこかご飯でも食べに行けたらいいな」そんな期待を胸に、汗を拭きながらラケットをしまっていた。
しかし、松下の次の言葉は青山の期待を裏切るものだった。
「春夫くん、今日はここまでにしましょう。私とみどりちゃんで、もう少し練習するから」
青山は驚いて目を丸くした。「え?じゃあ僕も残ろうかな・・」
松下は穏やかに微笑んだが、その目には決意のようなものが浮かんでいた。
「ごめんね、今日は私たち2人で話したいことがあるの」

コートの隅でラケットを握りしめている岩崎の表情には、普段見せない真剣さが漂っていた。
彼女も青山に向かって申し訳なさそうに微笑んだ。
「大丈夫だよ、春夫くん。また今度3人で出かけようね」
岩崎の声には、いつもの明るさの中にわずかな緊張が混じっていた。
青山は戸惑いながらも、ゆっくりと荷物をまとめ始めた。
納得はできないが、2人の様子を見ると何か重要な話があるのだろうと感じた。

コートを後にする青山。背中越しに聞こえる2人の声が、いつもより少し低く感じられた。
振り返ると、松下と岩崎が向かい合って何か話し始めている姿が見えた。
___________
7月第2週ー
サークルの飲み会は、いつもどおり賑やかだった。
狭い居酒屋の座敷に二十人ほどが集まり、ビールや焼酎を片手に談笑している。青山は松下とみどりとは少し離れた席に座っていたが、周りの話に上手く入れず、どこか落ち着かなかった。
「ちょっとトイレ行ってきます」と青山は席を立った。

ワアァッ
トイレから戻ってくると、なぜか歓声が上がり、場の雰囲気が一変していた。
みんなが興奮気味に何かを話している。
「どうしたの?何かあった?」青山は不思議そうに尋ねた。
サークルの先輩の一人が、にやにやしながら答えた。
「おう、春夫!大変なことになったぞ。松下先輩と岩崎さんが、学祭でプロレスマッチをすることになったんだ!」
「え?プロレス?」青山は目を丸くした。
松下: 「うちの大学の伝統で、学祭の最終日に女子同士でプロレスマッチが有るのよ。
そこで私と岩崎さんで対戦することになったのよね」松下が説明を加えた。
青山:「え?岩崎と?ホントに?」
青山は慌ててみどりにも確認する。
青山:「えっと、岩崎。ホントにプロレスなんてするの?」
岩崎:「うん、やるよ。
本気で行くつもりだから。春夫くん、応援してくれる?
ぜったい私が勝つところ、見せてあげるから!」
松下は微笑んだが、その目は冷たく光っていた。
松下:「ふぅん、随分と自信があるのね、みどりちゃん」
岩崎:「当然ですよ。私の方がぜったい強いですからっ」

ピキ

場の空気が一瞬凍りついたかのようだった。
しかし、ある先輩が呟いた。
「あ、ああ...これは面白くなりそうだな」別のメンバーが、ぎこちない笑顔を浮かべながら「ど、どっちが勝つと思う?」と尋ねた。
その声には興奮と共に、かすかな緊張感も混ざっていた。
「さすがに松下先輩だと思うけど、岩崎さんも侮れないよな」
「いやいや、やっぱり先輩が有利じゃない?」
サークルのメンバーたちは二人の間の緊張感に戸惑いながらも、新たに表れた面白いイベントに好奇心を抑えきれず、あれこれと想像を巡らせている。

青山は困惑した様子で松下に質問する。
「え、えっと...松下先輩。
なんで岩崎とプロレスなんかすることになったんですか?」
松下が人差し指を唇に当てて、答えた。
「それは秘密」
松下が秘密といった以上は、彼女の性格からして粘ってもはぐらかされて教えてもらえないだろう。
青山は聞き出すことは諦めて席に戻った。
その後も飲み会は盛り上がったが、青山は松下と岩崎の様子を気にかけずにはいられなかった。
帰り道、青山は頭の中で今夜の出来事を思い返していた。
なぜ2人はプロレスの勝負などをするのか。
2人の間に漂うあの剣呑な雰囲気は何なのか。
家路につく青山の頭の中は疑問でいっぱいだった。
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7月第4週ー
夏の暑さが本格的になり始めるころ、学祭の前日となった。

試合前日の夕方、青山のアパートの呼び鈴が鳴った。
「春夫くん、いる?」岩崎みどりの声だった。
「あの、ちょっと見てほしいものがあって...」みどりが少し緊張した様子で言った。

青山は彼女を部屋に招き入れた。みどりは深呼吸をして、おもむろにシャツを脱ぎ始めた。
「ちょ、ちょっと!」青山が慌てて声を上げる。
「大丈夫、見てて」みどりは真剣な眼差しで言った。
上着を脱ぐと、その下から明るいグリーンのワンピース競泳水着が姿を現した。みどりはズボンも脱ぎ、スニーカーを脱いでリングシューズに履き替えた。
青山は思わず息を呑んだ。いつもの元気なみどりとは違う、真剣で凛とした雰囲気が彼女から感じられた。

「ど、どう?」みどりが少し恥ずかしそうに尋ねた。
青山は言葉を失いながらも、「似合ってる...」と正直に答えた。
みどりの顔に安堵の表情が浮かぶ。
「ありがと。明日、絶対に勝つからね」
みどりの姿に、明日の試合の重大さを改めて実感した青山だった。
彼女の決意に満ちた表情に、青山は言葉を失った。
________
みどりが帰って1時間ほど経った頃、再びノックの音が響いた。
「春夫くん、少しいいかしら」

ドアを開けると、そこには松下の姿があった。
青山は先ほどのみどりとの出来事を思い出し、動揺を隠せない。
「先輩、どうしたんですか?」
松下は部屋に入ると、青山をまっすぐ見つめた。
「みどりちゃんが来たでしょう?」
青山が頷くと、松下は小さくため息をついた。
それから、松下はゆっくりと上着を脱ぎ始めた。青山は状況を察し、慌てて目をそらした。
「見ていて」松下の声は静かだが、芯が通っていた。
淡いピンクのワンピース競泳水着姿になった松下は、みどりとは違う大人の色気を醸し出していた。
「どうかしら?」

「と...とても素敵です」青山は顔を赤らめながら答えた。
松下は満足げに微笑んだ。しかし、その目には何か複雑な感情が浮かんでいた。
「明日、この姿で勝負するわ」松下は青山の目をじっと見つめながら言った。「しっかり見ていてね」
松下は再び服を着ると、部屋を後にした。
ドアが閉まった後、青山は深いため息をついた。みどりと松下、二人の姿が頭の中で交錯する。どちらも彼の心を掴んで離さない。
明日の試合が、単なるプロレスの試合以上の意味を持つことを、彼は予感していた。
__________________
ドン!ドン!パァーン!

『空に大きく花火が打ちあがり、本日のメインイベントの幕開けが近づいたことを告げております。
美しい打ち上げ花火にも負けないであろう、美しい花々の戦いが、このリングの上でも繰り広げられようとしております!
さあ、久々にこの瞬間です!
こんばんわ!全国ガールズプロレス放送局の時間です!
実況・解説はわたくし、タコ山ヤキ介が担当させていただきます!』

『本日は大学での学園祭で行われる試合がメインイベント!
同じテニスサークルに所属する美女同士の戦いという事です!
美しい女子大生同士の対決とあって、多くの男性客が詰めかけております。』
青山はリングサイドで落ち着かない様子で立っていた。
周りの観客たちはワイワイと盛り上がっているが、彼の心中は複雑だった。
『さあ試合直前!会場の熱気と期待は最高潮だ!
まずは一人目の選手が入場してきたぞ!』

『白いジャージを羽織り、小走りに駆けてきたのは岩崎みどり!
可憐かつ明るいキャラクターとそのルックスで、キャンパス内にも日々ファンを増やしております!』

タン!
『テニスサークルでも少ない高校テニス経験者!
そのスポーティな健康美に、やられたファンも少なくない!
テニスサークルのニューアイドル!岩崎みどりだぁ!』
ワアアアアッ
グッ
バッ!
ワアアアッ
『羽織っていたジャージを脱ぎ捨て、あらわになったリングコスチューム姿!
グリーン色のシンプルな、ワンピースタイプの水着です。
その艶姿に、観客からも熱い歓声が上がっております!』
ッワア

『今度は赤コーナー側から松下真利亜の入場だ!』
ワアアア!

『昨年の大学ミスコン優勝者の美貌は、やはり会場を一気に盛り上げます!
まさにこの大学のマドンナ的存在と言っても良い彼女の登場に、観客席のテンションも一気にマックスだ!
カジュアルなチェックシャツとスカート姿での入場は、これからプロレスで戦うとは思えない軽やかさであります。』
『そんな昼下がりの街歩きのように、軽やかな足取りでリングにさっと登る松下!』
パサッ
バッ!

ワァアアアア!
『リングインしてシャツとスカートを脱ぎ捨てた!
その下から現れた、ピンク色のリングコスチュームも華やかに!
会場中のファンの視線を一身に集めるのは・・・・』
『美しき大輪の花!ミス新星大学!松下真莉亜だぁーっ!!』
ワァアアア!
「フフフ・・・
「・・・ずいぶん楽しそうですね?
そのお気楽な態度・・・約束の事、忘れてるわけじゃないですよね?」

「フフ・・」
「もちろん、忘れてないわよ?
負けた方は、サークルを辞める。
それと、春夫くんとの接触を完全に断つ。でしょ?
試合が終わったら、部室の荷物も片づけておきなさいね。みどりちゃん♪」

「片付けが必要なのはアンタの方よ!」
「アンタ・・・ねぇ。もう生意気な態度を隠さなくなったのね」
「居なくなる先輩に、今更気を使う必要ないでしょ?」
「へえ・・・」
『両者、リングインして早々に火花を散らすようなにらみ合いだ! これは激しい試合になりそうだ!』
チラ
「え?あっ!」
リング上の二人が同時に自分を見つめている事に、困惑する青山。
その視線は、二人の間を行ったり来たりする。
カーン!
『そして今ゴングが鳴った!
ついに始まる学園祭の目玉イベント!
女子プロレス対決の火蓋が切って落とされました!
松下!岩崎!同じサークルの先輩後輩対決!
プライドをかけた一大決戦の幕開けです!』
【↓②話へつづく!】
https://www.patreon.com/posts/nu-zi-da-sheng-2-111052527
_____________
という感じで始まりました女子大生プロレス!
大人っぽい松下先輩か。キュートな岩崎みどりか。
みなさまはどっちが勝つと思いますか?
私も実はまだ決めておりません!
皆様の予想・希望をぜひお聞かせください!
アンケートも継続中です↓
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takoyaki
2025-02-17 08:49:03 +0000 UTCCfshep
2025-02-17 01:24:28 +0000 UTCtakoyaki
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2024-08-14 23:28:24 +0000 UTCtakoyaki
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2024-08-09 12:07:54 +0000 UTC