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明けない夜の館にて

「絶対、変な場所だって……こんなの、本当に行くの?」


そう言ってスマートフォンの画面を見つめる高梨真紀(たかなし・まき)は、声に出さずとも明らかに怯えていた。

夜道を照らす街灯のオレンジ色の光が、彼女の表情をわずかに陰らせている。


運転席に座る相川修二(あいかわ・しゅうじ)は、そんな彼女を横目で見ながら、「大丈夫だって、ほんのちょっと写真を撮ったらすぐ帰るからさ」と軽い調子で言葉を返す。車のフロントガラス越しには、まばらな民家の明かりが遠ざかり、黒々とした林の影が広がっていた。


「そもそも……なんで深夜に行く必要があるのよ?」


「そうじゃなきゃ面白くないだろ? それに今日の所はすごいみたいだぞ。

最近でも、屋敷の近くで殺人事件が起きたり、女の子が行方不明になったりしたんだってさ!」


「もう、怖がらせないでよ!」


修二はいつも、“オカルトスポット巡り”を夜に行う。

怖いもの見たさもあるだろうが、何より写真や動画映えすると考えているのだ。

彼が撮った廃墟や心霊スポットの写真はSNSでそこそこ反響を呼んでいるらしい。


「……まあ、行くだけ行って、やばそうだったら帰ろう。無理はしないって約束するよ。 もう着くみたいだし!」


「え? まだ結構住宅地のなかだけど、そんな町中にあるの?」


そう言っている間に、暗闇の中から、壮麗なシルエットをした大きな洋館が姿を現した。

住宅地の上の小高い丘。 草生して、立入禁止の看板が立てられている。

その風貌は、まるで日本にある建築物とは思えず、振り向けばごく普通の住宅地が広がっているのがウソのようだ。


「すっげぇな! こんなに立派な建物なのに、地図に載ってなかったんだぜ?」


「ちょっと、本当に行くの?」


「ここまで来て何言ってんだよ? ほら行くぞ!」


修二は車を降りると、真紀の手を引きながら門扉に手を掛けた。


錆びた鉄製の柵がきしむような音を立てて開き、耳障りというよりも不気味に静寂を切り裂くかのようだった。


周囲は深い闇に包まれ、車のヘッドライトだけが門とその先の敷地を照らしている。門の奥には広い庭が続いているようだが、雑草が背丈ほどに伸び、樹木も伸び放題でまるで手入れされていない。


「うわ、これは……」


真紀は車を降りて門の前に立ち、暗闇を見つめた。庭の奥に大きな屋敷の輪郭が、黒い塊のようにうずくまっている。シルエットだけでも相当な大きさだとわかる。ここまで荒れ果ててもなお、威圧感のようなものを感じさせるところに、かつての栄華を思わせる名残がある。


「うわあ……ネットの噂通り、すげー不気味。まじで“貴族の幽霊が出る”って言われても納得しそう。」


修二は興奮混じりに言うが、真紀はまったく笑えなかった。

どちらかといえば、この空気自体が既に異常だ。屋敷に近づくほど、夜の湿気とは違う、肌にまとわりつくような冷たさが増してくる。


「修二……なんか寒い……」


真紀が不安げに言うと、修二は少し彼女の肩を抱くようにして「大丈夫?」と声をかける。


「やめようよ……本当に大丈夫なの?」


「せっかく、ここまで来たんだ。 せめて例の”金髪の貴婦人の絵”があるのか確かめようぜ!」


真紀は最後まで渋っていたが、修二に半ば引っ張られる形で屋敷の中へ足を踏み入れた。

その瞬間、何とも言えない古いホコリとカビの匂いが鼻をつく。


だが、その玄関ホールの壮麗さに、二人は、思わず息を飲んだ。


「うわ……すげぇ、本当に、貴族の屋敷じゃん……」


修二は、思わずつぶやいた。

玄関ホールは、まるで美術館のように広く、天井も高く、そして美しい装飾の施されたシャンデリアが吊り下がっている。


「ここ……、廃墟なんだよね? あんまり荒れてないし、だれか住んでないの?」

「いや…、もう50年は空き家のはずだけど・・・。」


修二はカメラのライトを足元に向けながら先へ進む。真紀も照らされた明かりを頼りに、靴の裏に注意を払う。

ホールから正面の廊下に入ると、壁には何かの絵が飾られていた形跡がある。

今は外されているのか、あるいは盗まれたのか、フックだけが残されていた。


「ねぇ……あれ、肖像画じゃない?」


真紀が声を上げた先、廊下の端に一枚だけ残された大きな絵がある。近づいてみると、薄暗い中でもはっきりとわかる美しい金髪の女性――黒いマントのような衣装をまとい、微笑を浮かべている姿が描かれていた。背景には赤いカーテンとややゴシック調の室内装飾。まるで中世ヨーロッパの貴婦人を思わせる雰囲気だ。


「おお、これが噂の“金髪の婦人”か……!! 噂通り実在したんだ。

この屋敷、噂が沢山ある割になぜか中の写真も動画も誰も撮れてないんだよ。

すげぇや・・・! 俺たちが第一発見者じゃん!」


修二がカメラを構えて夢中でシャッターを切ると、フラッシュの光が闇を一瞬切り裂く。

その後に訪れる暗さが、より一層不気味な静寂を強調した。真紀は息を飲み、まるでその女性の瞳が自分たちを追っているような錯覚に陥る。


「綺麗だけど……、この人怖いね。ずっとこっちを見てるみたい……。

それに、なんだか変じゃない? こういうのって普通ドレスとか着ているものでしょ?  


こんな不気味なマントなんか着てて、まるで吸血鬼みたい・・・。」


「いやいや…、マントなんて、昔のだったら女の人も着てるって。 

てか、こんな屋敷で吸血鬼は洒落にならないって・・・。」


「ねぇ、もういいよ……。早く撮影終わらせて、帰ろう……」


真紀はそう促すが、修二はさらに廊下の先へライトを向ける。


「おい、大きな扉があるぞ! 入ってみるか。」


「修二!!」


修二がカメラを構えたまま扉を押すと、軋んだ音が鳴り、中の様子が見える。そこはかつてのサロンだったのだろう。壁には美しい装飾が施されており、豪華なソファーやテーブルらしき家具が散乱している。中心には大きな暖炉があるが、煤けたまま長い間使われていないようだ。部屋全体が埃(ほこり)まみれで、カビの匂いに混じってかすかに獣臭のようなものがする。


修二はハンディカメラで部屋をぐるりと撮影して回る。テーブルの上には割れたグラスが転がり、赤いワインか何かの染みが黒ずんで残っていた。その色はまるで血液のようにも見え、真紀は背筋が凍る。


「ちょ、ちょっと……ここ、本当におかしいよ。誰もいないのに、さっきからなんだか見られてるような気がするの。」


「はは・・・、もしかしたらさっきの金髪の美女が隠れてるのかも。」


「やめてよ・・・!!」


真紀は部屋の隅や天井を何度も見渡す。古い屋敷で感じる圧迫感以上に、何か別の存在が潜んでいる気がして仕方ないのだ。


「大丈夫だって。ほら、ネズミかなにかがいるんじゃない? それか、外の風で音が響いてるだけだよ。」


そう言う修二の声も、わずかに震えているように感じるのは、真紀の思い過ごしだろうか。

だが、一方で、彼もまた怖がっているのに、何かに引き寄せられて、踏み込もうとしているようにも見える。


「ね……ねぇ……もう帰ろうよ・・・。修二……」


真紀は訴えかけるように声をかけるが、修二は聞こえぬ振りで撮影を続けている。

そして、彼は一番奥の壁にかかっている大きな絵画の前で足を止めた。

そこは、かつて飾り棚があったのであろう。その上の額縁に入れられた古い絵は一部が破れている。


何者かが故意に引き裂いたようにも見えるし、経年劣化で破れた可能性もある。


「また同じ女の人……かな? 顔の部分が破けてよく分からないや。」


それは、先ほどの絵と対になるように描かれたもので、同じ女性と・・・、もう一人の女性が並んで描かれている。

しかし、先ほどの肖像画とは様子は違った。


金髪の女性は、さっきよりも若く幼い姿に見える。黒いゴシックなドレスを身にまとい、頭にはヘッドドレス。

そして、やはりドラキュラのようなマントを羽織っている。 しかし、その絵に描かれている姿はさっきの肖像画のような邪悪な雰囲気はない。 同一人物には違いないのだが。


そして、隣に佇むもう一人の女性。 顔の部分が破られているが、わずかに白銀の髪と白いマントがのぞいている。

彼女と対になるような白いゴシックドレス。 姉妹なのだろうか・・・。


これほど大量に同一人物の肖像があるということは、よほどこの女性が大切にされていたか、あるいは本人の強い意向で描かせたのだろう。


「修二……やっぱり、今日は帰らない? ねえ、もう十分撮ったでしょ。」


真紀が怯えた様子で言葉をかける。


「もう少しだけ……もうちょい奥を見たら、すぐ帰ろう。せっかく来たしさ。」


そう言いつつも、修二自身も内心では早く退散したい気持ちが半分以上を占めている。

しかし、ここまでに見つけた絵をはじめ、この屋敷は踏み込むほどに”発見”がある。


この先にもっと凄いものがあるんじゃないか、という想いで彼は止まらなくなっていた。


ここの写真をSNSに上げたら、一気に注目を集められるかもしれない。

下手をすると有名心霊系YouTuberの仲間入り――などという打算も働いているのだ。怖さと好奇心が綱引きをする中で、彼は結局先へ進むことを選んだ。


__


しばらく廊下を慎重に進むと、行き止まりに見える壁の一角に、小さな扉があることに気づいた。高さは腰のあたりまでしかないが、取っ手がついている。まるで物置か階段下の収納のような雰囲気だ。修二がそっと扉を引くと、薄暗い階段が下へ向かって続いているのが見えた。


「地下……があるんだ。やっぱり広そうな屋敷だからな、ワインセラーか何かかもね。」


軽口をたたく修二だが、真紀は少しも笑えず、震えた声で「やめたほうがいいよ……」と訴える。

だが修二の探究心はここにきて限界を超えたらしい。もしかすると地下にはあの金髪の肖像画の女性にまつわる、何か決定的な資料や品物が残されているかもしれない――そんな予感がするのだ。


「ちょっとだけ見て、何もなさそうだったらすぐ引き返すから。ね?」


言いながら修二は足を踏み出す。真紀も一人は嫌だから嫌々ながら後に続くしかない。

だが・・・。



だめ・・・! 入ってはダメ・・・!!


「え・・・?」


真紀の頭の中に、突然声が響く。

今の声は・・・! 真紀は周囲を見回すが、誰もいないし何もない。

いや、いる・・・。


暗がりの向こうに・・・、女の子?


「あ・・・あなた・・・!!」


その少女は今にも泣きそうな顔で真紀をみていた、

長い金色の髪の少女。ゴシックなドレスと大きなマント・・・。


間違いない、二つ目に見た絵の少女だ。


「お願い・・・、そこに入らないで・・・。 いますぐに帰って・・・。

じゃないと、貴方達が・・・。」


「貴女・・・、さっきの絵の・・・。 どういうことなの・・・? この先に何が・・・」


「うぅぅ・・・!!」


突然、少女は頭を抱えて苦しみだす。


「やめて・・・!! もうやめてっ!! 

もう、殺さないで・・・!!!

たす・・・けて・・・、たすけて・・・アデライン・・・。」


そして、次第に姿が薄れていき、消えた。


「ど、どうしたの!? ねぇ!!」


「に・・・げて・・・、 私から・・・。」


真紀は少女の姿が消えるまで呼び続けたが、返事はなかった。


「修二…、修二はどこ……? 逃げなきゃ…!! 早くここから出なきゃ!!」


彼は既に、階段のかなり下まで降りてしまったようだ。

真紀は急いで彼を追いかけた。


か細い木製の階段がギシギシと悲鳴を上げる度に、心臓も跳ね上がる。狭い通路を下ると、空気が一段と冷たく、湿気も濃くなっている。


やがて足元が平らになり、真紀の小さな懐中電灯が左右の壁を照らした。そこは思っていたより広い空間で、石造りの壁面には何本もの燭台が取り付けられている。ただ、その大半が錆びや埃で覆われており、照明器具として使えそうにはない。床には割れた壺や木箱が散乱し、一角には朽ちた家具のようなものが山積みになっていた。


そして、奥の方に修二のライトが光っていた。


「真紀、遅かったな。見ろよここ、すごいぞ!

ここでワインを保管してたとは思えないな……なんか儀式に使う道具でもありそう。」


修二が冗談めかして言った言葉が、奇妙にリアルに聞こえ、真紀はぞっとする。奥の方には重厚な扉が見える。鍵穴のような金具がついているが、錆で朽ちているのか、ひび割れた石壁との間に隙間がありそうだ。修二が手をかけて力を入れると、わずかに扉が動いた。


「修二、もう帰ろうよ!! ここやっぱり危ないよ。 たぶんさっきの女が・・・!!」


そのとき、修二のライトが照らしたものをみて真紀は息を詰まらせた。

扉の向こうに広がっていたのは、さらに広い部屋だった。空間中央が少し高くなっており、そこに黒々とした長方形の物体――巨大な棺――が鎮座している。


あまりにも異様な光景に、真紀は声を失い、修二も思わず「うわ……」とつぶやいた。


「な、なんでこんなものが……?」

真紀の呟きに答えるように、修二は懐中電灯をその棺へ向ける。表面には何やら文様のような彫刻があり、黒檀のような高級な輝きを放っている。


「……まさか、本当にいるのか。あの肖像画の女性が……。」


修二は動画を回し始める。ここまできたら、ただのホラー探検では済まされない何かを掴めるかもしれない、そんな期待と恐怖がないまぜになった興奮が彼を支配する。


真紀はそんな修二の後ろに隠れるようにして、棺を見つめる。

遅かった…。 もう修二を止めることができない。


心のどこかで「開けないで、どうか開けないで」と願っていたが、修二の好奇心がそれを許すはずもなかった。


修二が意を決して棺の縁に手をかける。まるで悪い夢を見ているようだと真紀は思った。だが現実は夢よりも残酷で、とめどない不安が彼女の呼吸を乱す。


石棺の蓋は重い。それでも何百年もの錆や埃によって隙間が生じているのか、修二はゆっくりと力を入れるとギギギ……という音と共に蓋がわずかに開いた。


真紀は心臓が止まりそうになるほどの緊張で固まる。修二はライトを差し込み、慎重に中を覗き込んだ。

はたして、そこには美しい金髪の女性――まるで先ほどの肖像画から抜け出してきたかのような姿が横たわっているではないか。



黒いマントを羽織り、肌は死者のように白い。唇は魅惑的な紅色を帯びており、その閉じられた瞼の奥からは、漆黒の闇が漂っているように思える。まるで人形のような、いや今にも動き出しそうな生々しさを感じる。


「おい……嘘だろ……? すげぇや…、バズどころの話じゃない……!!」


修二は声を失いかけながらも、カメラを石棺の中に向けて撮影を続ける。真紀はあまりの恐怖に耐えかね、思わず悲鳴を上げそうになるが、声が出ない。


そのとき――


ふ、と微かに空気が動いた。金髪の女の睫毛がピクリと震えたように見えたのだ。まるでこちらの存在に気づいたかのように。真紀は目の錯覚だと思いたかったが、次の瞬間、棺の中の女性はカッと目を開き、真っ赤な瞳を露にしたのだった。


「ぎゃああっ!」

悲鳴を上げたのは修二か真紀か、もはや分からない。

悲鳴を聞いた”彼女”はいよいよ眼を開き、闇の中で妖しく微笑んだのだった。



「ふふ……、ふふふふ……。

また、愚かな子が、好奇心に駆られて忍び込んだようね!」


艶めかしい女性の声、彼女の真っ赤な瞳が修二の目をまっすぐに捕らえる。


「私に見惚れてしまったの? ボウヤ……。 」


「ああぁ・・・、ああ・・・」


修二は恐怖で言葉にならない声を上げる。彼は必死に抵抗するが、びくともしない。

身を乗り出して、棺の中を覗き込む姿勢のまま、まるで金縛りにあったかのように硬直している。


真紀もまた恐怖に駆られている。彼女は直感したのだ。

この”女”はさっきの少女とは違う…。 間違いなく自分たちに害を成す存在だと。


「修二!! どうしたの・・・!! 早く逃げて。」


「あらぁ……?」


真紀が叫んだ時、修二の肩越しに女性の目がこちらを捕えて妖しく笑う。


「あらあら、女連れで来たというの? これは面白いひと時になりそうね♪」


そして、その目は再び修二を捉える。


「そう、貴方の恋人というわけね・・・。面白いじゃない・・・。

それなら・・・、寝取るとしようかしら❤ 恋人の目の前で・・・ふふふ」


「うぁぁ・・・!!」


女が横たわる棺の中から、真っ赤な瘴気とともにドロドロに甘く蠱惑的な匂いが溢れ出る。

遠くにいる真紀も、一瞬平衡感覚を失いそうになった。


「うぁぁ・・・、 な・・・なんだ!!」


女の身体から出た赤い瘴気は修二の身体に纏わりついていく。

そのたびに彼の呼吸は段々と激しく。意識はだんだんと溶けていくようだった。


「ふふふ、興奮してきたでしょう・・・?

愚かなオスの心など簡単に奪ってしまえるわ・・・。」


修二の身体が見えない力で、まるで操り人形のように動かされる。


「さぁ、もうガマンはできないでしょう!! 身体が熱くてたまらないでしょう・・・!!

いいわよ・・・、こちらへ入ってきなさい! 私と愉しみましょう!!」


「ああぁ・・・。」


修二は、着ている物を破かんばかりの勢いで脱いでいく。


やがて、全裸になると、棺の淵に足を掛けそのまま棺の中へ入っていく。

彼の意思ではない。まるで見えない力に引っ張られるかのように、棺の中へ吸い込まれていく。


「修二っ! だめ!! やめて!!」


真紀は必死に呼びかけるが、その声は届かない。


「ふふ……、さぁ……ボウヤ……♪  貴方の欲望を私に見せて……」


バサァァァッ!!


女がマントを開くと、真っ白で美しい肢体が露になった。

修二は、その現実な離れした美しさに目を奪われる。


「あぁ・・・!!」


修二の心が、だんだんと邪な感情に支配されていく。


女の白い肌が、真っ赤な瞳が、そして誘うような笑みが、彼を魅了する。その全身から妖しいフェロモンを発しているかのように感じられたのだ。


「ふふふ・・・、酔い痴れなさい・・・、私の魅力に・・・」


「う・・・あぁ・・・」


真紀は必死に修二の名を呼ぶが、その声は彼には届かない。そ


「さぁ、遊びましょう・・・! 私の可愛いボウヤ」


「ああぁ……、俺を…、 俺を……!!」


女は、横たわったまま、足をゆっくりと開いていった。

修二の心が、完全に支配される瞬間だった。彼はその美しくたおやかな脚の間に自分の下半身を


滑り込ませたのだった。


「ふふふふっ!! お望み通りにしてあげるわ・・・。」


女の足が修二の腰に巻き付き引き寄せると、股間同士が密着する。


そして修二の両脚は彼女の腰に回され、ガッチリと絡み合うような形となった。


「さぁ、もっともっと深く・・・・・♡」


女は両足で修二の腰を引き寄せる。


ヌプヌプ……、ぬちゅ…ッ !!


「はぁ……っ!!?」


いきり立つ修二のペニスが、彼女の陰唇に飲み込まれる。


女がほほ笑みながら腰をわずかに捩ると、膣内の肉襞がきゅうぅ~っ!っと絡みつくように締まり、修二を追い詰めていく……。

そして、その刺激に呼応するかのように彼の腰は勝手に動き出し……。


二チュ…、くちゅ……、ニュル‥‥ジュプ…ッ!!


「ああぁ‥‥‥!! ああぁっ!!?」


「ふふふ‥‥‥っ!! まるで童貞みたいにウブじゃない……!! 

その子とは、どんな生ぬるいセックスしてきたのかしらねぇ……!!」


女がクスクスと笑うと、彼の身体は無意識に動く。腰が勝手にピストン運動を始めてしまうのだ。女の膣内の感触を貪るように味わい尽くすかのように。


シュッ!シュッ!!・・・グチュ……ヌプゥ……!! パチュンッ! パチュンッ!!!


「ああぁ・・・、 や…ひぅぁぁ!!  ひゃめてぇぇ・・・・・、」


「ふふふふ!! あっははは・・・!! なんて哀れなのかしら!!」


女は手馴れたように足一本だけで彼を拘束し、操る。

修二の意思に反して、彼の下半身がまるで別の生き物のように激しく動き始める。そのたびに股間から脳天まで突き

抜けるような快感が走り抜け、彼はただ喘ぐしかなかった。


パチュ!……グチュッ!! パンッ! パンッ!!・・・


女も腰を動かす。修二の股間に自らの陰唇を押し付けるようにしながら、膣内でペニスを締め付けながら上下に動かす。そのたびに膣壁は別の生き物のように蠢き、彼の性感帯を責め立てるのだ・・・。その刺激に修二は我を忘れてよがり狂うしかない。


「まったく、オスは歯ごたえが無くて困るわね。 

もういいわ。 貴方は恋人の前でヤリ捨てられるのがお似合いね。 さっさと私に命を捧げて狂い死ぬがいいわ♡」


女の脚がさらに力を込めて修二の腰を引き寄せる。同時に女の膣内の締め付けが一気に強まった瞬間、修二は悲鳴を上げた。


ドプッ!!!……ドピュ..!!・・・ビュルルルルーーッッ!・・・・・・・ドクンドクン・・・ビクビクビクッ!……ピューーーッ!!!!

女の太ももと、修二の腰の接合部から、精液が噴水のように迸る。


「修二・・・、しゅ・・・。」


あんな量、真紀も今まで見たことない・・・。


妖しい女に、腰を振り屈服した彼の姿を見て、真紀は本能的にもう修二は返って来ないのだと悟ってしまった。



「ほらぁっ❤ ほらぁぁっ❤❤ もっと可愛く鳴きなさい・・・❤

可愛く頂かれなることができないオスなんて価値など無いわよ!」


バチュンッ!! バチュン…!! バチュッ、バチュ…ッ!! ばちゅ・・・!!


「ああぁぁ、あああぁぁぁ・・・・・・っ!!」


射精の瞬間を待っていましたとばかりに女は両足にさらに力を込める。その瞬間、修二の口からはもはや獣のような叫び声しか出てこない・・・。


そして最後の一滴まで搾り取るかのように彼女の子宮口が亀頭を咥え込み、なおも激しく腰を動かし続ける。


ズチュッ! ズリュゥ!!グチュリ!!ヌチャッ!!!クチュルッ!!!ニュプゥーッ!!


パンッパンッパンッパンッ!!!!

「あひぃぃぃっ!!  あぁぁ・・・ああぁ!! あはぁぁぁぁっ!!!」


女の上で必死に腰を振り続ける修二

真紀は目の前で展開される光景に言葉を失い、思わず顔を逸らした。

女と少年の肌が激しくこすれ合う音と、修二の荒い息遣いだけが辺りに響く。


お互いの性器が擦れ合う感覚と快楽に全身を支配された修二は、もう何も考えられなくなっていた。ただ目の前の女を求めるだけの獣に堕していたのである。


結合部からは、グチュグチュと湿っぽい音が狭い地下室に響き。その淫靡な音は、真紀の精神を苛み続けるのだった。


いや…、いや


……、いやっ!! 真紀は耳を塞いで叫びたい衝動に駆られる。だが、身体は金縛りにあったかのように動かない。

やがて修二の腰がガクガクと震え始める。そして、彼の身体は段々と細くなり枯れ始めて行った。それはまるで命を最後まで搾り尽くしてでも射精を行おうとしているかのようだった。


「ふふふ・・・、見なさい、この哀れなオスの姿を・・・!! どう思う?」


女は、急に真紀に語りかけた。


「貴女はこんな”物”と愛を語らっていたの? ふふ、滑稽な話ね・・・!! 

御覧なさいよ、もう貴女なんてすっかり見えなくなっているわ。」


女は笑いながら言う。相変わらず手すら触れずに修二を犯し続ける。

修二は女の中に精を放ちつづけ、そのたびにエビのように身体を反らせる。

あまりにも哀れでみっともない姿に、自分の中にどす黒い感情が渦巻いていくのを感じた・・・。


「もう間もなく事切れるわ……。人間のオスなんて私にとっては単なるオモチャか食べ物よ。

こんなでも普段に比べたらまだ長く楽しんでいる方よ‥‥‥。」


そして、真紀に視線を送る。


「私ね、貴女の方が興味あるの……。」


真紀は、全身に鳥肌が立つのを感じた。

女の真っ赤な瞳が真紀を捉えて離さない。まるで心臓まで掴まれているような錯覚に陥るほどだった・・・。

女はゆっくりと足を伸ばし、修二の萎えた肉棒から自らの陰唇を離す。その蜜壷から白濁液が流れ落ちる様をわざと見せつけるようにする女・・・。その光景に嫌悪しつつも目が離せない真紀だった。


「マキ‥‥‥、それが貴女の名前ね?」


「‥‥‥っ!!!」


「楽しみながら、このオスから魂も記憶も奪ったのよ……。 ふふふ‥‥‥もうすっかり空っぽね。」


すっかり枯れ果てた修二、否、修二の抜け殻はひゅ~ひゅ~と乾いた息をするだけでもうどこも見ていない。


「私の名はロザリンド、これからよろしくねマキ❤」


「ロザ…リンド…!!」


「ふふふ‥‥‥、私、貴女とお友達になりたいわ!! 

この屋敷には、貴女のような可愛い女の子が沢山いるのよ。 み~んな私のお友達❤」


ロザリンドと名乗った吸血鬼は、狂気的な笑顔を真紀に向ける。


「とどめを刺すとするわ…、もう生かしておく価値もないし。

その次は貴女…、楽しみよ、マキ…、ふふふ…!!」


そのとき、真紀の身体が急に自由になった。


「遊びましょうマキ❤  猶予をあげるわ。

この抜け殻の中に僅かに残っている精気を一滴残らず吸うわ。その間だけ貴女を追わないであげる❤

ふふ…、果たして逃げ切れるかしら?」


グチュッ!・・・ぬちゅ・・ッ!・くぱぁ・・・!!


女が自らの両の足を大きく開き、股間をさらけ出す。そこには見るもおぞましいグロテスクな形をした女性器が広がっており、膣内には愛液が溢れんばかりに満たされていた・・・。


女は再び、修二を引き寄せた。

そして、女は真紀に見せつけながらゆっくりと挿入していく・・・。その艶めかしさに思わず見惚れてしまいそうになる自分を必死に抑え込む真紀だった・・・!


そのまま彼女たちの身体は抱き合ったまま棺桶の中に没し、


そして・・・・・・・


ズプッ……ズブブッ……!グチュリッ!!!ヌチャアッァァーーーー!!!!!!!

プシュッ!!!ビュゥゥゥゥ~……ドクッドクドク・・・ピュルルルー!! ビクッ!ビククンンンッッ!!!!!ガクッ……!!


「ぎゃぁぁぁあああ・・・・・・っ!! ああぁぁぁぁ・・・・・・っ!!!」


修二の断末魔が、地下室に響き渡る。

彼の残り全てが、今、女に吸い尽くされようとしている・・・!!


「い・・・いやっ!! いやぁぁぁぁ・・・・・・っ!!」


何かが噴き出す音がした。果たしてそれが血なのか、それとも別の何かなのかはわからない。

真紀はその光景を直視できず、目を背けた。


逃げろと本能が叫び、彼女は足をもつれさせながらも地下室の扉へ向かう。背後では修二が断末魔の叫びを上げ、それが次第に弱々しいうめき声へと変わっていくのを耳にしながら、真紀は扉を引きちぎるように開けて、闇の回廊へと転がり出た・・・。


---

廊下に飛び出した真紀は、もはや修二を振り返ることさえできなかった。彼女の頭の中には、「逃げなきゃ」「ここにいたら殺される」という思いだけが渦巻いている。


震える手でスマホを取り出そうとするが、画面は圏外の表示。助けを呼ぶこともできない。


「ああ……! 誰か!」


誰がいるわけでもない屋敷の中で叫ぶが、その声は埃にまみれた空間に吸い込まれるだけだ。とにかく出口へ――そう思って来た道を必死にたどろうとする。ところが、何度も曲がり角を間違えるうちに、どこをどう進んできたのかすら分からなくなってしまった。


「こっち……玄関はこっちのはず……!」


真紀は息を切らしながら、廊下の先にある扉を開ける。だがそこは見覚えのない部屋だった。古い食器棚が倒れ、テーブルが横転していて、壁には先ほどまでの肖像画とは違う小ぶりの絵が飾られている。


もはや、あの小さな女の子の絵はどこにも見当たらない。

どれもあの子とは似て非なる邪悪なロザリンドの肖像画ばかりだ…。 


ぞわり――と鳥肌が立つ。まるで「あなたは逃げられない」とでも言うように、彼女(ロザリンド)の絵があらゆる場所から真紀を見つめているかのようだ。真紀は半狂乱になりながら、部屋を飛び出して再び廊下を走る。扉が自分の背後で軋みを上げて閉まる音に、悲鳴を飲み込みそうになった。


「なんで! 一回しか曲がってないはず! なんで玄関ホールにも出られないの!!?」


圧倒的な恐怖が理性を奪う。彼女は叫びながら走るが、何故か屋敷は先ほどよりも広くなったように感じる。暗闇に似た廊下がいくつも枝分かれし、出口に続くはずのルートが見つからない。


さらに悪いことに、さきほど地下室で立ち上がったロザリンドの姿が脳裏から離れない。あの不気味な微笑み、そしてわずかに覗いた血塗れの牙。修二が……修二が惨たらしく吸われた光景が、何度もフラッシュバックしては真紀の思考を狂わせる。


「嫌、嫌……どうしてあんな化け物が……!」


思わず彼女は壁に手をついてうずくまりそうになるが、そこで廊下の奥から、コツ……コツ……と規則正しい足音が聞こえてきた。


ロザリンドがもう来たのか‥‥‥

つまり、修二はもう‥‥‥


「いや……来ないで……!」


懇願するように心の中で叫ぶが、足音は止まらない。それどころか、マントの衣擦れのようなかすかな音まで混じってきた気がする。あの黒マントが闇の中を滑る姿が目に浮かぶ。


――コツ、コツ、と規則正しいリズムで。まるで“獲物がもがいているのを楽しむ”かのように、ゆっくりと近づいてくる。それは、かつて真紀が映画や小説で見た“吸血鬼の優雅なステップ”を彷彿とさせるものだった。


背後から冷たい風が吹き、彼女は肩をすくめて振り返る。


闇の中でロザリンドが立っていた。

寝ていた時には気づかなかったが、立ち上がった彼女はマキよりも、あるいは修二すらも超すほどの長身で、その立ち姿だけでも威圧されるようだった。


黒いマントを羽織り、金髪を垂らした彼女の姿は、まるで夜会に赴く貴婦人のように高貴さすら感じさせる。そして、その紅い瞳は人を寄せ付けぬ冷酷な光を宿していた。


「かくれんぼは終ね、真紀‥‥‥❤ 」


「いや……来ないで……!」


真紀は泣きそうな声で後ずさるが、ロザリンドはゆっくりと微笑む。マントの裏地が闇の中で怪しく映え、その輪郭が人ならざる存在であることを示しているようだ。まるで獲物をいたぶる猫のように余裕ある態度で近づく吸血鬼。その静かな気配が、かえって極限の恐怖を煽る。


「私は、貴女みたいにカワイイ女の子が大好きなの…、さっきのじゃ前菜にもならないわ‥‥‥。やはり、女の子の芳醇な血と魂でないと‥‥‥❤」


ロザリンドの唇が動き、妖しい微笑みを浮かべる。


「あぁ・・・、貴女からとっても美味しそうな匂いがするわぁぁ❤❤」


バサァァァッ

ロザリンドがマントを大きく広げ、美しい裸体を真紀に見せつけるようにした。その白い裸身は、闇の中に浮かび上がるように輝いているかのようだ。

その美しさに、同じ女であるはずの真紀も息を飲んでしまう。


「だめ……、何考えてるの、私……!!」


「ふふふ‥‥‥、欲望が抑えられないのね? あなたも‥‥‥❤」


ロザリンドは、真紀の動揺を見透かすかのように笑う。その赤い瞳が妖しく輝くと、まるで催眠術にかかったかのように頭がボーっとしてきた。


「ち‥‥‥ちが…う…。」


「いいえ、だれであろうと、私の誘惑からは逃れられないわ‥‥‥。

マキ‥‥‥、貴女の心はもう私のものになりつつあるの‥‥‥。 ふふふ、抵抗はしないほうがいいわ。

無駄なことだから‥‥‥❤」


ぶわぁぁ、バサァァァッ


「いやぁぁぁぁ!!!」


次の瞬間、大きく広がったロザリンドのマントが、両側から真紀を覆いこんできた。

巨大なサテンの奔流が、真紀の小さな体をいとも簡単に絡めとる。



そしてロザリンドは、マントの中で真紀の体を背後から抱きしめると、耳元で甘く囁いた。


「快楽の闇に堕としてあげるわぁ❤ いっしょに気持ちよくなりましょうマキ❤」


その吐息が首筋を撫でるたびに、ぞくりとする感覚に襲われる。


(あ……あぁ……。)


恐怖に強ばっていた体が徐々に弛緩していく。それは決して心地良いものではないのだが、同時に抗いきれない誘惑でもあった。

この甘い囁きに身を任せれば楽になれるかもしれないという期待感すら覚えてしまうのだ。


(なに‥‥‥、きもち…いい‥‥‥)


マントに撫でられるたびに、体が熱を帯びていくような感覚に襲われる。まるで全身が性感帯になってしまったかのようだ。


真紀は無意識のうちに腰を動かしてしまっていたらしく、その動きを察知したロザリンドがククッと喉の奥で笑ったのがわかった。その笑いも今の彼女にはとてつもなく蠱惑的だ。


必死に逃れようと手を動かしてみるものの、マントの拘束は全く緩む様子がない。それどころかさらに強く締めつけられてしまい、ますます身動きが取れなくなってしまう始末だった……。


(あぁ駄目……、おかしくなる……!)


マントの中に満ちる、ロザリンドの熱く甘い匂い。彼女の体臭が鼻腔を満たすたび、頭がくらくらするような感覚に襲われる。


(ダメ……流されちゃダメ……っ!)


必死で抵抗しようとするも、そのたびに全身を撫でまわすマントのツルツルとした感触に力が抜けてしまう。恐怖と快楽が入り混じった複雑な感情が湧き上がり、それが下腹部へと集まっていくのがわかった。

それは彼女が今まで経験したことのない感覚だった。


ああぁ‥‥‥あつい‥‥‥、もう…だめ‥‥‥。


ぷしゃぁっ!!


そして、彼女の股間から熱いものが迸り滴り落ちた。それは彼女が絶頂に達してしまったことを表していた。

修二と同じ。真紀もまたロザリンドに屈服したのだった。


「いい子よ❤ さぁ、可愛がってあげるわ‥‥‥❤」


ロザリンドの甘い囁きは止まらない。耳たぶを甘噛みされながら、まるで呪文のように言葉を流し込まれると、それだけで頭が真っ白になってしまうのだ。そして、そのまま首筋にキスをされた瞬間……真紀は完全に屈服してしまった……。


「はぁ・・・、あむっ」


ロザリンドの唇が一瞬、首筋を離れたのちに、牙が突き刺さる。

その瞬間、全身に電流が流れたかのような衝撃が駆け抜け、真紀はビクンと体を仰け反らせた。彼女はロザリンドに噛まれた部分から全身へ広がっていく熱量の正体を理解できなかった。


首筋を襲った異物感ですら強烈な快感となり、彼女の意識を白ませていくのだ……。

(ああぁ……なにこれ……気持ち良すぎる……。こんな感覚知らない……)


今まで経験したことのない未知の快感に恐怖すら感じるものの、その恐怖すらもすぐに快楽へと変換されてしまうのだ。


ロザリンドが喉を鳴らし、真紀の血を呑み込むたびに、真紀自身もビクンッ、ビクンッと反応してしまう。そしてまた吸血される快楽によって腰が砕けそうになるのだ。


血を吸い出されるたびに背筋を駆け上がる悪寒にも似た感覚に翻弄され、恐怖が快感へと変わっていく……。


自分の中の何かが壊れていくのを感じながらも、決してそれを拒むことができない。


(あぁ……もうダメぇ……)


全身の力が抜けていき、意識を失う寸前まで追い詰められたところでようやく解放された……。首筋から牙が抜ける瞬間は痛みすら覚えるほどだったが、それも一瞬のことですぐに甘い疼きへと変わる。


ロザリンドは真紀の体をマントで包み込み、そのまま抱き寄せた。そして耳元で囁くように語り掛ける……。

その甘い吐息と官能的な囁きが脳髄まで染み渡っていくような感覚に、思わず身悶えしてしまうほどだった。


だがそれも束の間のこと……。

真紀は、もはや立っていることもできず、ロザリンドの柔らかな胸に顔を埋めながら、彼女のマントの中に沈んでいった。


「ふふふ…、可愛いお友達がまたできたわね‥‥‥❤」


ロザリンドは、マントのドレープをたっぷりと手繰り寄せて、マントの中に包み込んだ真紀を、ざわざわ、コシュコシュと、まるでシルクの繭で締め上げるように包み犯していく……。

(ああぁぁん・・・❤  ああぁぁぁ‥‥‥❤❤)


そのマントはロザリンドが動くたびに形を変え、真紀の体を撫で回していく。

それはまるで巨大な舌で全身を舐められているような感触だ。

しかも、ただ舐め回すだけではない……。

ドレープの一つ一つが、真紀の敏感な部分を掠めるように撫で上げていくのである。そのたびに彼女はビクンと反応してしまいそうになるのだが、全身を包むように巻き付けられた布によって身動きが取れず快楽から逃れることはできない。

ここは、快楽の牢獄だった。

真紀はロザリンドの身体に抱き着き、快楽の責め苦に焼かれ続けた。

びゅる。びゅる、と、まるで射精のように愛液を垂れ流し、マントの中をベトベトに汚す。

そして、真紀は快楽の牢獄の中で何度も果て続けたのだった……。

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地下室の中にマントの衣擦れの音が響く。

ロザリンドが自らを巻いたマントの中には、今宵も新たな眷属となった少女が抱かれている。


彼女の向かうのは、屋敷のもっと奥深いところ。

そこには、真紀と同じようにロザリンドに捕まった女性たちが眠る寝室があった。


皆同じように裸で、ロザリンドのキスの痕にまみれ、あたたかなベッドに身を横たえていた。

ロザリンドの毎夜の寵愛を受ける為だけにここで待ち続ける彼女の”友人”であり”恋人”たち。


今宵、そこにあらたな一人が加わった。


ロザリンドは、マントの中の真紀に頬ずりをして優しくキスをしたあと、その体をそっとベッドに横たえた。


(ああぁ・・・❤)


彼女は今、快楽に染まった夢を見ているのだろう……。その表情は幸せそうだ……。


「ふふふ‥‥‥、可愛らしいこと❤」


そんな少女を見下ろし頭を撫でながら、吸血鬼の女王は恍惚に浸った。

しかし、そのうち興奮を抑えきれなくなり、マントを広げて彼女に覆いかぶさるのだった……。


(終)





明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて 明けない夜の館にて

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