「 緊急巨人女性警報。ただちに対巨人シェルターへ避難せよ。」 不安を煽るような不協和音のサイレン。 群衆のパニックは増幅に増幅を重ね、その不快なサイレンをも上回る悲鳴を上げていた。 だが、まだ彼らのパニックは最高潮ではない。 まだ「 彼女」本人が来ていないからだ。 ズーーーン… ズーーーンン… ズーーーーーンンン… 規則的に轟く重たい音がその肉体の巨大さを物語る。 その次第に強まる巨大重低轟音に競うように群衆の悲鳴も強さを増す。 しかし、その何万人もの悲鳴も途轍もない重量を秘めた巨人少女の足音に、文字通り、足元にも及ばない。 機械的な緊急避難情報のアナウンスが続く。 「 なお、先刻被食災害に罹災した12市町の消化に伴い、巨人女性の腸が活動を開始。」 巨人女性の腸は活火山よりも遥かに脅威だ。 「 そのため、放屁災害・糞塊災害に警戒せよ。避難シェルター等は糞塊により圧壊のおそれ有り。」 したがって、どうあがいても生存不可能、とまではアナウンスされない。 アナウンスされずとも、無理だということは気付いている人もいる。 しかし、大半が現実を見ようとはしない。 一体どこに逃げられるのか? 逃げ場などない。 という事実があるにも関わらず。 押し合いへし合い、 「 彼女」の来る方角から遠ざかろうと 逃げる群衆。 無理もない。 誰だって人生の終わり方くらい選びたい。 せめて「 尊厳ある終わり」を、と。 人口過密都市のため、人も車も渋滞する。 外にも関わらずすし詰め状態になる。 必死に逃げる群衆はついに満員電車のように一歩も動けなくなった。 一方、対照的に何者も止めることのできない、 最強の存在である「彼女 」は、 一定のリズムで超巨大縦揺れ地震を起こしながら、 歩く。 ただ歩く。 それだけで一歩も動けず固定されていた 人々や車を跳ね上げる。 そして、この阿鼻叫喚地獄絵図のこの大通りにも…。
ひときわ大きな地面の突き上げが群衆を襲う。 大地が波打つ。 その大地が人々を押し上げ、 空高く跳ね上げようとする。 しかし、その前に…。
圧倒的巨大な力によって大地のエネルギーが、 乱暴に押さえつけられる。 巨人少女がしゃがんだ。 ただそれだけ。 それだけで「 ダウンバースト」と呼ばれる 現象が発生する。 巨大質量の巨人少女の臀部が突然降下したことで、 大量の大気が一気に圧縮される。 直下のビル、車、人は一瞬で爆縮。 これからこの巨人少女が巻き起こすであろう 暴力災害に比べたら、尊厳のある終わりと言える。 巨人女のデカ尻に圧縮された大気は、 今度は逃げるように爆散する。 人々が埃のように舞う。 いや、人間がしゃがみ込むだけで こんなにも埃は舞わない。 この巨人少女がどれほど強大なのかを物語る。 人間は彼女にとって埃以下。 体重比で言えば埃の十億分の一以下。 人類80億人は埃8粒でしかない。 しかし、実際彼女は人類が埃だとは思っていない。 食糧、嗜虐心を満たすオモチャ、 または性欲を満たすオモチャ。 大気がねっとりした臭気に支配される。 肛門特有の匂い。 匂いの元凶の巨人の肛門は、 体液でテカっている。 そこから先の悲劇は驚くべき速さで起きた。
巨人少女がTバックのように細いブルマをずらし、 その砲口を群衆に向ける。
そして…
巨人少女💬
「ん💗」
ブーーーーーーーッ!!!
すべてが爆ぜた。
巨人少女💬
じゃあ、 今からとびきりデッカい極太うん…
は?
巨人少女💬
糞出す前に消えてんじゃねえよ、ゴミカスども。
💬
放屁災害である。 加災者の少女はただの放屁でクレーターを一つ創造した。 山で囲まれた谷を、ただの生理現象で形成する。 ナンセンスな馬鹿げた神話のような出来事だが、 今は亡き被害者からしたらたまったものではない。 群衆が、数区画の都市が、丸ごと消滅した。 その残酷な所業を為したのは、 核エネルギーではない。 巨人の肉体のエネルギーだ。 しかも力んだわけではない。 むしろリラックスさせ、解放しただけだ。 人間がどれだけ身体中の筋肉を総動員させても、 一瞬で山と谷を作り、 何万人もの人間を蒸発させる などということは出来ない。 それだけの所業をこの巨人は ただの生理現象で起こしてしまう。
武蔵坊pencase
2024-09-02 03:49:37 +0000 UTCtake
2024-09-02 03:05:14 +0000 UTC