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ハルカナ
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暴虐王女の国2ー⑦

⑦侮りの代償  正直……皇女マリリアが女王の言う次の“拷問官”であったという事実を知って、ミシェルはほんの少しだが心の中で安堵する事が出来た。  見た目は10歳前後の可愛い幼女……  そんな幼い見た目の皇女が次に自分を責める役を担うのだと分かり、尋問に対する脅威度は随分と緩和されたと彼女は思えた。  何せ……子供だ。女王本人や傍に控えるメイド達などの大人の女性から責められるのであれば恐ろしいと思えただろうが、見た目が幼女であるマリリア皇女に責められるのであれば子供の戯れ程度に終わる事になるだろう……  力も技術も無いであろう皇女の責めなど……先程受けた羽根の刺激を越える苦痛を生むなど到底思えない。これこそくすぐりの本来のイメージである“子供の戯れ”程度の責めにしかならないだろう……と、皇女マリリアの責めを受ける前のミシェルは思ったものだ。  しかし、その子供であるという油断が……  子供だから生温いだろうと考えていた思い込みが……  ミシェルに致命的な読み違いをさせてしまう。  女王がなぜ皇女を“最高の拷問官”と称してココへ呼んだのか……その言葉の意味を知る頃にはミシェルは後悔する事となる……。幼女だと侮っていた自分の愚かさを…… 「じゃあ……まずはマリリアの為に邪魔な、服の袖と脇の部位を切って肌を露出させてあげてくれないかしら?」  女王がパンパンと手を叩いてその様に合図すると、ミシェルの背後に控えていた二人のメイドがスッと彼女の両サイドに立って「承知しました」と義務的な言葉を返す。  皇女よりも先にこのメイド達が両サイドに立った事でミシェルは緊張が募り顔を強張らせてしまうが、メイド達は彼女を肉体的に責める事はせず女王の指示通りに彼女が着ている服にだけ手を加えようとした。 「ちょ、なに?」  メイド達はミシェルの着ていた給仕服の肩付近に手を添えフリル部分を強く掴むと、そのフリルと半袖部分を力任せに引っ張って強引にその袖を破り抜いてしまった。 「やっ! な、何すんのよ!!」  破って分離させた袖とフリルは、すぐにポケットから取り出したハサミで切れ目を入れて腕から外し、傍に置いてあったゴミ箱へと放り投げてしまう。  強引に破かれた袖は縫われていた糸が飛び出した状態のままにされ、生地も乱暴に千切ったせいでギザギザな切れ目を見せたまま肩を露出する格好に仕立てられる。  両手を斜め上に掲げる格好を強いられているミシェルは、この乱暴な服の破きによって当然のように“腋”の部分を露出させられ……今までのように服によって守られ隠されていた状態から見せつけるように表に出す状態へと変化を余儀なくされた。 「くっ! こ、この……」  メイド達はミシェルの腋を露出させた後すぐに手に持っていたハサミを腋下に入れ、今度は腋から横胸の少し下付近までの生地を縦に切れ目を入れるように裁断を始める。  切り込みが入ると服の生地は上から左右に広がる様にハラリとはだけ、ミシェルの腋は勿論その下の胸の横端や肌に浮き出るように見えている肋骨の凹凸……脇腹の上半分位までを露出させる格好に仕立て上げられてしまう。 「フフフ……♥ 最初からハサミで袖を切らずにワザワザ破ってからハサミを入れてるあたり……私の“こだわり”を熟知しているようで嬉しいわ♪ お陰で……華奢な身体がワイルドに露出されているようでワキがよりエッチに際立って見えて最高よ♥」  両メイドは“お褒めにあずかり光栄です”と言わんばかりのお辞儀を返し、ミシェルの両脇からサッとハサミを引かせて後退っていく。そして最後に、皇女が乗る為だろう少し背の高い“踏み台”をミシェルの背後に設置して音も立てずにまた控えの位置まで戻っていった。  ミシェルはメイドにハサミを入れられる瞬間こそ緊張を強いられたが、彼女達が何もせずに後ろへと下がっていったのを感じてホッと胸を撫でおろす。 「(本当に……何もせず戻っていったみたいね……助かった……)」  破かれた袖と、切り込みを入れられた脇下の部位……そこから露出させられた腋や胸横の肌が地下室の外気に晒され若干空気の冷たさを感じるが、メイド達にそこを触られなかったというだけで安堵せずにはいられない。  露出された腋を大人の彼女達に触られるなどと想像してしまうと……実際に触られなくともくすぐられた刺激の記憶が蘇り思わず身震いしてしまう。  服を破られ守る事が出来なくなった腋にメイド達の手が妖しく触れようものなら一体どれほどの苦悶を強いられることになるか……想像するだけでもおぞましい。だから、そうならずに済んだことはミシェルにとって幸運であり最大の危機を脱したかのような安堵が心に生まれた。  しかし、彼女はそれが故に気付けなかった……  メイド達が去った後……いつの間にかミシェルの背後に回り込み、静かに踏み台に足をかけ皇女マリリアが責めを始める準備を整えていた事を……  ミシェルの破かれた服から零れている“腋”を背後から顔を斜めに傾けてジッと覗き込み、口元に女王と同じいやらしい笑みを携え頬を紅潮させて見せている皇女の事を……。  そんな、自身に迫る本当の危機を察する事が出来ず、ミシェルはあろうことか意識を目の前に座る女王の方へと向けてしまっていた。  服を乱暴に破かれた事に対して抗議の一つでも返してやろうと女王を強く睨んで彼女は口を開くが……  その口から零れたのは、抗議の途中で虚を突かれて与えられた刺激に対する……素直な反応だった。 「ちょっと! この服どうしてくれるのよ? 袖の所がビリビリに破けてしまったじゃ――にャひっッ!?!?」  間の抜けた素っ頓狂な声……それが抗議の言葉の最後に吐き出され、ミシェルは目を丸くしてしまう。  自分は抗議の言葉を放ってやろうと口を開いた筈だが……途中で差し込まれた“強い違和感を感じる刺激”に思わず言葉を最後まで言い切る前に口が歪んでしまった。  その強い違和感が何であるか……? ミシェルは嫌な予感を過らせつつも恐る恐る刺激を受けた場所へと視線を向けてみる。  すると、子供のように小さく可愛らしい手の指が……自分の露出させられた“ワキ”の中心をツン♥ ツン♥ と無邪気につついている様子が確認できた。  女王の手の半分ほどの細さと長さの子供の“人差し指”……それが腋の伸びきった肌を面白がるようにつついてミシェルの反応を確かめている。 「あっ……ヒゃッ! ちょ!?」  指先が腋の肌に僅かに沈むくらいの力加減で何度もつつかれている状況に、ミシェルは一瞬何事かと目を丸くしてその様子を見てしまうが……しかし、その行為が両脇同時に与えられ始めると次第にはっきりとしたくすぐったさが知覚され、唇が勝手にムズムズと何かを咀嚼しているかのような動きを取り始めている。 「ちょ、や! やめ!! ヒャぅっ!? そこ……つつかないでっ!! くふっッ!?」  突かれる度に腋の肌がゾワッゾワッっと沸き立ち、身体は勝手にビクンビクンと震え、喉の奥から徐々に強い圧が込み上げて来る感覚が意識させられる。  触られている箇所は腋の窪みの中心付近だけだが、その細い指先がそこに触れるだけで背筋が痺れる程の寒気が湧き上がる。  膝を叩かれて条件反射で膝がカクンと持ち上がる様に……ミシェルの手は……足は……意志とは無関係に拒絶の反応を示し、無性に暴れたい衝動が湧いて枷に力を込めてしまう。  しかし、ミシェルの手足をしっかりと拘束している枷は繋がれた金属の音を虚しく響かせるだけで彼女の手足を自由にする事はない。ミシェルはそれでも、腋に送られてくる強い不快感に抗おうと必死に枷を鳴らせて抵抗しようとする。 「お姉さん……ここ弱いでしょ? ユナお姉ちゃんよりも嫌そうに暴れちゃってるよ♥」  嫌がるミシェルの耳に皇女の幼さの残る囁き声が入れられる。その声は子供っぽい声質であるにもかかわらず、声のかけかたや間の置き方がいちいち大人びていて……先程までの幼女の振る舞いからかけ離れた怪しい印象をミシェルに植え付けた。 「ひっ! ンヒッ!? や、めっっ! やめろって……言って――んひゅっ!?!?」  ツン……ツン……ツン……と、何度か突いた後、一番反応の良かった箇所にその指を静かに置いて“ココでしょ?”と言わんばかりに腋の肌をクニクニ優しく摩り始める。  その触り方は特殊な刺激の仕方などしておらず、肌の状態を確認するかのような優しい愛撫に過ぎなかったのだが……腋の中でも“ココだけは触られたくない!”と強く思っていた箇所を的確に触られた事にミシェルは動揺を隠せず、そこを一発で探り当てた皇女の勘の良さに今更ながら畏怖の念を抱いてしまう。 「腕の付け根のぉ……ちょっと膨らんだトコの右下の場所ぉ♥ ココだけお姉さんの反応が、ヤメテヤメテって嫌がってた♥」  ピンポイントで最も弱い箇所に指先を置き、そこをマーキングするように指の腹で優しく撫でる仕草を行った皇女に……ミシェルの額には血の気の引いた影が浮かんで皇女に対する警戒心が強められる。  言葉の使い方は幼くて無邪気な印象しか持てないのに、弱点に置かれた指の動かし方は笑うか笑わないかのギリギリに調節して動かしていて、まるで大人の女性にくすぐりを焦らされているかのような錯覚さえ覚えてしまう。 「ま、待って! そ、そ、そこは……触らないで……。お願い!」  このまま指がくすぐる体勢を取ってしまえば自分は確実に笑わされてしまう……そう危機感が募ったミシェルは早々に意地を張る事を諦め、そのプレッシャーをかけている本人にこれ以上の刺激は送らぬよう訴えかけようとする。  女王やメイド達であればミシェルの言葉に耳を貸そうともしないだろうが、子供である皇女になら大人の自分から制止の言葉が出れば躊躇してくれるかもしれない……その様な打算もあってミシェルは必死に言葉を重ねてみるのだが…… 「た、確かにそこ……そこ、弱いわ! 私……そこを触られるの耐えられない! だ、だから……もっと別の所を触ってくれない? 例えばほら……私の胸とか……その……触ってみたいでしょ? 大人の女の人のオッパイ……触ってみたいって思うでしょ? ね?」 「う~~~~ん、そうだねぇ……お姉さんのお胸……おっきくて……触り心地……良さそう……」 「で、で、でしょ? マシュマロみたいに柔らかくて……揉み心地もよくって……触ったらきっと気持ち良いと思うよ? だから……」 「……もしかしてぇ~? お姉さんって……あたしにお胸を触られたいって……思ってる?」 「う、う、うん! そう! マリリア皇女に……触って貰いたいなぁ~~なんて……思ってるよ? うん……」 「そっかぁ……うん、わかった♥」 「わ、分かってくれた?(よし!)」 「それじゃあ……そのお胸は、最後のご褒美に取っておいてあげるね?」 「……へっ??」 「あたしに触って欲しいって事は……ご褒美として触られたいってことでしょ? だったら……お仕置きをした後に……頑張ったお姉ちゃんにご褒美として触ってあげるね?」 「い、や……えっ? ちょ……違っ……」 「だって……母様はいつも言ってるもん♥ ご褒美はお仕置きを頑張って耐えた人に最後に与えるべきものよ……って♥」 「はっ? ひ? ぇ??」 「だから、あたしが……いっぱいお仕置きして、後でい~っぱいお胸をモミモミしてあげる♥」  その様に言葉を零したマリリアは、狼狽えるミシェルの背後でニンマリと笑みを浮かべ子供らしからぬ低い声で彼女を追い詰める。 「だからぁ~♥ お姉ちゃんは……しっかり反省しなきゃ……駄目だヨ? 途中でギブアップなんて……させないんだから♥」  雰囲気の変わった皇女の喋り口調にミシェルは不安を煽られ「ヒィ」と怯える声を吐いしまう。  皇女はその消え入りそうな悲鳴を聞き、大人顔負けの妖艶な舌なめずりを一つして見せ、腋に置いていた指に少しずつ力を込め始める。 「ほ、ひゃ!? は、ひっっひゃ!?!? やっっ……」  腋の柔らかな肌に少しずつ食い込んでいくその幼い指先に、ジワリジワリと嫌なこそばゆさが湧き上がって来る。それを敏感に感じ取ったミシェルは……腰を震わせ、肩も震わせ……そして笑みの形に歪んだ唇さえも震わせて、声にならない悲鳴を口端から零し始める。 「いっっひっ!? ひぎっっ……はひっ!」  ゆっくりと……しかし確実に……耐え難いこそばゆさが両方の腋窩から湧き上がって来る。  そのこそばゆさは、刹那的な激しい鋭さは持たないが……時間の経過と共に段階を踏むようにこそばゆさが募っていき確実にミシェルの我慢を砕こうと外堀を埋めていく。  伸びきったワキの肌に指先が完全にめり込み、刺激が我慢ならない程に強まった頃合いを見計らって皇女は指を“クニクニ♥”と小さく動かしてその刺激を倍以上に膨れ上がらせようとする。  ミシェルにはその小さな動きがこそばゆくて堪らない。  肌だけを撫でている刺激である筈なのに腋の奥の骨にまでその刺激が届いて、その周りに走っている神経を直接刺激してくる。まるでワキの内側に指が入り込んだかのような錯覚さえ覚えるその巧みなくすぐりに、ミシェルの我慢など泡と消える勢いで吹き飛んでしまう。 「ひゃ、ぎゃはっっっ!?!? ぃぎゃははっっ!! いひひひひひひひひひひひ、ぁはははははははははははははははははははは!!」  皇女がミシェルの耳元で『コチョ……コチョ……コチョ……』と小さく囁きを入れ始めると、ミシェルは途端にこそばゆさが耐えきれなくなり、閉じてムズムズさせていた口を豪快に開いて笑いを吐き出し始める。 「あはっっ、はひゃ! うひゃひゃひゃひゃ……くひひひ、イヒヒヒ! ちょ、やだ! くははははははははははははは……ぃひゅふふふふふふふふふふふ……ンヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ……」  しかし、豪快に吹き出しだしてしまったのは最初のキッカケだけに留まった。吹き出した後は笑いの勢いが徐々に収まりを見せダラダラと力の無い笑い方に変化させられる。  そのくすぐりは決して激しい笑いを強いる類の刺激ではないものの、ミシェルの全身から力を抜かせ脱力させるような笑い方を彼女に強制する。 「はっっはっっはっ、はひ、あひひひ、イヒヒヒ……や、め……へへ、へへ……へへへへへへへへへへ……くふふふふふふふふふ、んくくく……」  ダラダラと垂れ流される笑い……  止めようと思えば止められそうに思える程に笑い方は貧弱だが、ミシェルはこの脱力するような笑いを自分の意思で止める事は出来ない。  皇女の指の位置が彼女の弱点を的確に突いていて、力が加えられる度に強烈な脱力感と反射的な拒絶感を同時に引き起こしてしまっているのだ。今はまだ本格的に“くすぐる”という行為に至っていないからこの程度の脱力的な笑いで済んでいるが、もしも皇女が本気を出してくすぐり始めればミシェルは有無を言わさずに笑わされる事になるだろう。  この……手の拘束さえなければ、子供の皇女の手などに怯える事なく不遜な態度の一つでも取れていたであろうに……  “手が下ろせない”という制約が付けられただけでこんなに不安を煽られ、生きた心地がしない気分にさせられるとは思いもよらなかった。  こんな事になるなら拘束される前に一暴れしておけばよかった……。まぁ、暴れても無駄ではあっただろうが……  ミシェルは引き攣る笑いを零しながらもその様な後悔を自身の胸の内に浮かべるしかなかった。 「くっっふ、ふぐっ! っっははははははは……ひっく……っく……くくっっ! くふふふふふふふふふふふふ、んくくくくくくく……」  クニクニと指先がくねる度にこそばゆさが二段飛ばしで強くなっていく。ムズ……ムズ……っと神経がじれったさを覚え、喉元に“笑いたい”と訴えかける衝動が募って勝手に横隔膜が小刻みに痙攣を始める。  腋を庇いたい……腕を降ろして皇女の手を払い除けたい……床を転げ回ってくすぐりの魔の手から逃れてしまいたい……  その様な思いが強くなるが、ミシェルの手や足はその思いに応える自由を与えられていない。  皇女がくすぐるという行為を行いやすくするために腕は万歳の格好を強制され、くすぐりに弱いとされている腋の肌を触り易くするために袖と脇下の服は破かれ肌をしっかりと露出させられている。  これら“くすぐり”の為に準備された拘束やら露出やらをミシェルは一切拒否する事など出来なかった。すなわちそれは、皇女が自身をくすぐる事を何一つ拒否できないという事と同義であり、どんな辛くても皇女の行いを容認し続けなくてはならない立場を取らされているに等しい。  だから、今更皇女に脅威を覚えようと後悔を覚えようと後の祭りなのである。  拘束され“くすぐり”に無抵抗を強いられたミシェルは例えお遊びであろうとも皇女の戯れに最後まで付き合う事が義務とされてしまっているのだ。 「くくくっ! くふふ……くひひひひひひひひひひ、ぃひひひひひひひ……や、め……触らな……ぃでっ!!」  だったらせめて皇女がこのまま“戯れ程度”の刺激で留めてくれるのがミシェルにとっては望ましいのだが…… 「フフフ……お姉さんのワキ、温かくて……ムチムチしてて……触るの気持ち良いなぁ~♪ あたし……こういうワキがあると……ずっと触っていたくなっちゃうんだぁ♥」  人をくすぐる事が大好きになってしまった皇女にその望みが届くはずもない。  血管が浮いて見える程にキツく伸ばされたミシェルの無防備な腋を楽し気にツンツンとつついたり、意地悪く指先で優しく撫で回したりを繰り返して彼女を無理やりに笑わそうと悪戯を続けていく。 「ちょ、いい加減にっひひ……して!! 触るなって言ってるでしょ! さっさと手を下げなさいっひひひひ!!」  いつまで経ってもその悪戯をやめようとしない皇女に、焦れたミシェルは声に怒りを纏わせてハッキリと拒絶の意を示してあげた。  するとマリリアは、その怒声に驚くようにビクリと指の動きを止めワキへの刺激を一時的に中断させる。ミシェルは自分の言葉で静止させる事が出来たと一瞬安堵の息を零そうとするが…… 「あれ~? お姉さん……あたしにそんな事言っていいの?」  指の動きを止めた皇女の口から低く凄むような声が発された事で再び緊張の糸を張り直す事を余儀なくされた。 「お姉さんは悪いことをした犯罪者さんだよね? 犯罪者の人は反省するのが仕事だよって……お母様から聞かされているんだけど……その反省……お姉さん……全くしてないよねぇ?」  低い声でボソボソと囁かれるその幼女らしからぬ圧をかけてくる彼女に、ミシェルは自身が拘束され無防備な姿にされている事を再度意識させられ嫌な予感を過ぎらせてしまう。そして、皇女に対して強い態度を取ってしまった事に今更ながら後悔の念が募ってしまう。 「反省しているなら……ずっとこのままイイコイイコってしてあげても良かったんだけど……そうじゃないんだったら、反省するまでもっと“意地悪”な事をしてあげなきゃいけなくなるネ♥」  その様に言うと、皇女の手がピクリと動いて僅かに腋の肌を刺激した。ミシェルはその小さな動きに敏感に反応しギクリと身体を硬直させ大きな身震いを一つ返した。  皇女はそのミシェルの怯えた身体を見てクスリと上品な笑いを零し、遊ばせていた他の指達を動かして次々に人差し指の所へ合流させていく。 「お姉さんの弱いトコもう全部分っちゃったから♥ ここからは、その弱いトコ……い~っぱいイジメちゃうね?」  両手の指が全て合流し終えるとその指先を全てミシェルの腋の肌に触れさせ、それぞれの指先に力を込めていく。  腋の柔肌に僅かに沈んでいく指先の感触を無防備に味わっているミシェルは、その恐ろしくムズ痒くなっていく自分の腋に不安がこれでもかと掻き立てられていく。 「沢山笑って……沢山苦しんで……沢山反省してね? 犯罪者の……お・姉・さ・ん♥」  このすべての指が一斉に動き出してしまったら……ワキは一体どれだけのこそばゆさを与えられて自分を苦しめてくるのだろう?  きっと我慢など出来ない……きっと無様に笑い狂わされてしまう……  そんな想像が一層不安を助長しミシェルを震え上がらせてしまう。  心音は不整脈を疑いたくなるように出鱈目な鼓音を胸に響かせ、緊張に身体の各所から冷たい汗がじっとりと浮かび上がって来る。  皇女の指先はただそこに置かれていて動いてもないのに無性にこそばゆさを感じられてじれったい。  全ての指がミシェルの腋の弱い箇所の上に的確に置かれている……そう感じられてしまうから、彼女は刺激を想像してしまって一層こそばゆさに敏感にさせられてしまう。  考えなくていい事を考えてしまっているから余計に肌が敏感さを増してしまう。  自分で勝手に自身の身体をその様に追い込んでしまっているのだから、皇女がくすぐりを開始した時にはミシェルは“笑いを我慢する”という抵抗を行うことなど出来る筈もなかった。  ミシェルは本番を迎えた皇女のくすぐり責めに成す術なく笑わされ、苦悶の渦中に身を投げ出す事を余儀なくされるしかなかったのだった……


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