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くのいち姉妹と恐怖のくすぐり屋敷 オマケ②ー2

②ー2  薄暗い地下室……  雰囲気を重視しているのかその部屋は、石造りの壁に石造りの床……そして光源はランプの光という江戸時代の拷問部屋を彷彿とさせるような陰鬱な空間として視界には映っていた。  部屋には……侵入してきた敵を拷問する為であろう数々の拘束台や拘束器具……拷問道具が並べて飾られてあり、部屋の雰囲気と合わせて異様な威圧感を捕らわれた美月や時雨に与えている。  美月は任務の情報を吐き終えるとすぐさま口にボールギャグ(球状の口枷)を噛まされ喋れないよう施されてこの部屋へと連れて来られた。そこで同じ様に口枷を噛まされた時雨と再開する事になるのだが、彼女の方は観音様を模したようなカラクリに捕らえられていて身動きが取れない格好を強いられていた。  そのカラクリは腕が8本ある異形のカラクリで、時雨の手足はその内の4つの手によって身体がX字になるよう伸ばされて拘束されている。  その姿を見て美月は彼女を助けようと手を伸ばそうとするが、いつの間にやら背後に移動していたもう一台のカラクリ観音像にその手を掴まれ身動きを封じられることになった。右の手首を掴んだ観音像は次に左の手にも腕を伸ばしガシリと手首を掴み上げる。そしてそのまま力任せに美月を持ち上げて、足が床から離れるくらいまで持ち上げられる。足が宙に浮いたら8腕の内の下の方に待機してあった2つの手を使って美月の足首を掴み、彼女の足の動きも封じてしまう。これにより美月は時雨と全く同じ格好で宙に浮かされ拘束されることを余儀なくされた。  美月たちを拘束したのは“くすぐり観音”と呼ばれる8腕を持つカラクリで、時雨を責めていた6腕の観音よりも一回り大きく設計された女性型の人形だった。  顔は目を閉じ上品でにこやかな微笑みを浮かべている慈悲深そうな見た目の作りをしているが、その異形とも呼べる8つの腕は見た目の華奢そうなイメージとは裏腹に力強く……一度掴まれれば人の力では振りほどく事が出来ない程にしっかりとした頑丈さを備えている。  時雨と同じように腕を掴まれ万歳の格好を強いられた美月は服こそ剥ぎ取られはしなかったが、履いていた草履は脱がされ裸足の格好にされ宙に磔の状態で晒されるという屈辱的な格好を強いられ無抵抗を強制された。  口枷が噛まされているからうまく言葉が発せないが……時雨もまた悔しそうに涙目になって美月を見ている事からも、彼女もあの梢の尋問を受けて屈服させられたのだろうと察しがついてしまう。  美月はそんな彼女を見つつも、自分が愚かしい判断をしてしまったと後悔の念を抱き自身の甘さを悔やんで申し訳ない気持ちになってしまう。  自分が喋りさえすれば……時雨だけでも助かるのでは? という甘い考えがあの時は過ったが……蓋を開けて見れば、敵である自分や時雨を簡単に解放してくれるというような事はなく……今のように拷問部屋へと二人並んで拘束されて新たな拷問に掛けようと仕向けられている事が目に見えている。  喋る事は全て喋った筈なのに……なぜまだこのような場所に引き立てられる必要があるのか?   時雨は自分達が拷問室に入れられて拘束されているという事実に疑念と不安が湧き上がり顔から血の気を引かせている。 「うん♪ これで準備完了ねぇ♥」  美月は時雨の身が五体満足である事を確認し少しの安堵を浮かべようとするが、自身の背後から聞き覚えのある甘い喋り口調が聞こえギクリと身体を強張らせてしまう。 「もう良いわよ。二人の身体をこっちに向けなおして頂戴♥」  その声は語尾を間延びさせたような独特な口調で、甘さの中に陽気さと非情さが混在する大人の色っぽい女性の言葉遣いで美月の耳に届いた。  その女性がパンパンと手を二回打つ音を鳴らすと、それを合図にしたように時雨と美月を捕らえていた2体の観音が同時に身体ごと振り替えるように動き……拘束された彼女達を強制的に部屋の中央を向かせるよう姿勢を変えていった。 「……ッっ!?!?」  観音達の身体が部屋の中心の方へと向くと当然その手に拘束されている美月や時雨も中央を向く事となり、今まで見る事が叶わなかった部屋の中央部分に視線が向けられる事となる。  てっきり自分達だけが拘束されてこの場所に連れて来られたのだろうと思い込んでいた美月は、先だってそこに拘束されたもう一人の人物が居た事に驚き目を剥いてしまう。 「……おひゃあ様ぁ??」  口枷のせいでキチンとは喋れていないが、美月はそのもう一人の拘束された人物を見て“お母様”と発した。それは時雨も同様で、彼女も喋れないなりに驚く様な声でその言葉を発し美月と同じように目を剥いて驚く表情を作ってしまう。  二人の視線の先には、座椅子のような拘束台に拘束された義理の母……延琉寺 稲穂の姿がそこに在った。 「くっ……」  少し床から高さを持たせた特製の台に足を前屈の姿勢にする様に両足を揃えて前に出し、台に固定された枷によって足首部分を拘束されている。  膝は曲げる事を許されず台の下から伸びたしっかりとしたベルトで固定され、足を伸ばして座椅子に座っているような格好を強いられている。台座から縦に伸ばされた幅の狭い“背もたれ”は背骨の中ほどまでしか背中を支えておらず……それより上の部位は、床から天井までを貫通している丸い鉄柱が背面と後頭部を支えている格好となっている。  鉄柱の途中には“鉄製の首輪”が備え付けられていてその首輪は鉄柱に固定してある為、稲穂は首を鉄柱から離す事が出来ないよう施されている。更にその鉄柱の遥か上の部分には革製の枷が固定して備え付けられていて、稲穂は両方の手首にその枷がはめられ腕を降ろせない格好に仕立てられてしまっていた。  長い黒髪をポニーテールに結って身体の側面にその長髪が垂れている姿は普段見る母としての稲穂そのものではあるが、彼女の着ている服は普段美月たちが見る事は無い露出の多い服であり稲穂を一瞬別人ではないかと錯覚させる程に新鮮さを覚えさせた。 『母様が……あんな短い丈のタンクトップを? 初めて見た……』  その格好は、普段から露出の少ない稲穂からは考えられない程の薄着で無防備な姿であった。  上半身は紺色の質素なタンクトップ……  しかしこのタンクトップは丈が極端に短く、臍や腹……横腹などの部位を過剰に露出するスポーツブラのような体裁の衣服となっている。  胸上から大きく膨らむように張った二つの双丘は下着を着せられていないというのが分かり切った形に膨らんでいて、頭頂部の突起もくっきりと見えてしまっている。  その胸の下乳部分はタンクトップの丈部分から僅かにはみ出てしまっており、母性を象徴する豊満な彼女の双丘を完全には隠しきれていない。下乳から臍までの緩やかなライン……引き締まった腹部と綺麗に括れた脇腹も隠すものが無く丸見えで、下に穿かされた茶色のホットパンツと合わせるととても三十代前半の年齢とは思えない健康的な美貌と若さを振り撒いて見せていた。  美人で気立てがよく穏やかで面倒見も良い自慢の母だと常に感じていた美月は、彼女がこのような“隙だらけ”の服を着ているのを見た事が無い。家では着物でいる事が多いし……美月達の目の届くところでは下着になった姿すらも見た事は無かった。だから、この……無防備に肌を晒した格好というのが新鮮すぎて本当にアレが自分の母の姿なのかと美月達は疑問を持ってしまう。 「……くぅ…………」  一方の稲穂の方はと言うと、こんな無防備な姿を娘達に目の前で見られ“恥ずかしい”と思っているのと“申し訳ない”と思う気持ちで何とも複雑な表情を浮かべて俯いてしまっている。  目を見て娘達に謝罪や申し開きをしたいとも思っているが……それは最後までしてはならないと、梢との“勝負のルール”で決められている為口を開く事も出来ない。  それがもどかしく感じていて、頬を真っ赤に染めた稲穂は唇に悔しさを滲ませつつひたすらに視線を彼女達から外す行為を繰り返していた。  そんな事をしていると、稲穂の背後から彼女と同年代であろう女性がハイヒールの音を響かせながら前へと歩み出て来る。 「さて、賭けは私の勝ちって事で……良いわよね? 稲穂?」  ウェーブの掛かった緩い薄灰色の長髪を左右に流して、忍び服とは違う黒いボンテージ服に身を包んだ妙齢の女性。彼女の唇には赤い口紅が塗られていてその口元にあるホクロが妖艶さを醸し出している。目は垂れ目でいかにも優しそうなお姉さんという雰囲気を纏っているが、美月達を見る目は自身の欲を発散するのを楽しみにしているかのようにいやらしい光を宿らせているように見える。  美月は、彼女がこの屋敷の師範代である“霧ヶ埼 梢”であると一目で理解した。  声の調子……伝え聞いていた容姿……そして、想像通りの欲にまみれた視線……それら全てを鑑みれば自ずと答えは勝手に紡がれていく。彼女が自分をあの縦穴で責め立てた張本人である……と。 「…………えぇ」  下を向いたまま梢の言葉に諦める様に言葉を返す稲穂……。彼女はさも悔しそうに唇を噛み顎を小刻みに震えさせている。 「んんっっ!! んぐぅぅぅぅ!! んうぅっ!!」  なぜ屋敷で待っている筈の母がこのような場所に居るのか? なぜ敵の梢にあのような破廉恥極まりない格好で拘束されているのか? なぜ敵の言いなりになって大人しく捕まってしまっているのか? この不可解な状況に理解が追い付かず時雨は何かを言いたげに唸り声を上げてしまう。しかし、口枷が彼女から紡ぐべき言葉を消し去り、声にならない唸り声に変換し理解出来る言語を話させないよう仕向けて来る。これによって時雨はまともな言葉が喋れず抗議の言葉すらも相手に伝えられない。 「じゃあ、早速今回の罰を執り行おうと思ってるけど……覚悟は良いわよね?」  時雨の唸り声など耳に入っていないかのようにスルーしながら梢は稲穂に問いかける。  その問い掛けに稲穂は力のない溜息を吐いて忌々し気に簡潔な返事を彼女に返す。 「好きにしたら良いわ……」  その声は酷く冷静で、まるでこの“罰”とやらを事前に知っていたかのような落ち着き方を見せている。美月は母のその返事を見て“二人の間で何かしら約束か何かをしていたのかも”と思いを巡らせた。  母が裏切ったというのは疑いようがないが……しかし、彼女が拘束されているという点は不可解でしかない。母も梢に協力しているというのであれば時雨や自分だけが処刑なり拷問なりを受けさせられるのは当然の流れであろうに……自分達と同じように母も拘束されているというのは納得がいかない。何か自分達の知らない場所で二人の間にあったのだろうか? 美月はその様に疑いの念を抱き、時雨とは違って冷静に事の成り行きを観察していった。 「そ? じゃあ……罰のルールを教えてあげるわね?」 「………………」 「見ての通り……任務を全うできなかったあんたの可愛い娘ちゃん達はあんな風に拘束させて貰ったわ♥ ほら、見なさい?」  梢は稲穂の顎を摘まんで彼女の顔を無理やり上げさせ娘達の拘束された姿を見るように促す。  稲穂はそれを見ても視線を横に逃がして苦々しい表情を浮かべ悔しそうに言葉を紡ぐ。 「……くっ! 美月……時雨……」  その表情は彼女の申し訳ないと思う気持ちと悔しいと思う気持ちを代弁するかのように沈んでいて、決して二人の失敗を責める様な表情ではなかった。 「あの子達は私が予想した通り……任務を全うできずに敵に情報を漏らした。だから、約束通り忍びの厳しさを教える為の罰を与えるし、賭けに負けたあんたにも同じように罰を与えるわ♪」  クイッと自分の方を向くよう顎に力を込める梢……それに嫌そうに応じて彼女を見る稲穂……二人のやり取りは仲間同士という訳でもなく、かといって敵同士でもないような振る舞いに見え美月を困惑させてしまう。 「でも……私ってば優しいからぁ……ただ罰を与えるんじゃなくて、あんたにも少しのチャンスを与えてあげようって思ってるの♥」 「……チャンス?」 「そ♪ あんただって……可愛い娘達を無駄に苦しめたいとは思っていないでしょ?」 「………………」 「だからぁ♥ 娘たちの前にまずはあんたの“根性”を試そうと思ってるの♪」 「……根性を……試す?」 「まぁ、あんたも母親として子供の事を守ってあげたいって思ってるんでしょ? だったら……声を出さずに“我慢”する事くらい出来るわよね? 娘の為なのだから♥」 「……声を……我慢? あぁ……成程。梢らしい陰湿なやり方で私に罰を下したいって思ってる訳ね?」 「陰湿とは失礼な! 私はあんたにもチャンスを与えたいと思ったからワザワザこのルールにしてあげたのよ?」 「……はいはい、そうね。そのご厚意には感謝させて貰うわ……」 「あらあら、強がっちゃって♥ そのツンツンした態度……いつまで崩さずに取り繕っていられるかしら?」 「……フン! 娘達の前でこんな辱めを企むなんて……ホントに貴女のその捻じ曲がった性格には辟易するわ……」 「フフフ♥ そんなのとっくに分かってた事でしょ? それでも私と“賭け”をするって聞かなかったのはあんただったんだから……腹括りなさいよ♪」 「別に……こうなる事は覚悟していたわ。だから、貴女の罰も怖くはない。賭けの部分も……娘達を信じたいって思うのは母の務めでしょう?」 「おっと! あんたからのネタ晴らしは後にしてって言ったでしょ? 今はまだ悪役を貫いて頂戴? でないと……私もやりにくくなっちゃうから♥」 「うくっ!! くぅぅ!!」  二人の会話の流れから、美月は何となく今回の顛末や裏の事情を察していく。  どうやら母は本当の意味では自分達を裏切ってなどいなかった感じだ。賭けという言葉も飛び交っている事から、二人の間ではこの任務は予行演習的な感覚で私達に挑戦させたのだろうと想像がつく。大方……本番前の最終試験というような感じでこの任務は与えられたのだろう……。っと、美月はこの緊張感のないやり取りを見てその様に想像を膨らませた。 「さて、今回の賭けの敗北者である稲穂への罰なんだけど……“この椅子”に“こんな格好”で座らせたんだから……何をされるか分かっているわよね?」  梢がそう言って稲穂の耳に顔を寄せてフッと吐息を吹きかける。稲穂はその吐息が耳奥に入った事で嫌悪感を覚え、焦る様な表情を浮かべつつ嫌がる様に顔を左右に振り乱す。 「……この椅子……貴女の趣味を反映して専用に作らせたらしいわね?」 「そう♥ 捕まえたくのいちちゃん達を尋問する為に作らせた最高の拘束椅子よ♪ 手も足も……全く動かせないでしょ?」  稲穂は万歳の格好を強いられている自分の手の方を見上げて、試しにと言わんばかりに手首を動かそうとしてみる。しかし、手首を枷に拘束された手は身動ぎする程度の動きしかさせて貰えず枷も外れる気配を見せない。それは脚の方も同様で、足首にはめられた金属製の枷が稲穂の足を座面に固定する様拘束し暴れても動きを封じられるよう施されてしまっている。  更に足の拘束には座面から伸びた2本のワイヤーが稲穂の素足の足先に絡んでいて、1本は彼女の親指の根元を……もう1本は彼女の小指の根元に巻き付いて解けないよう結びが入れられている。  親指を拘束しているワイヤーは辿っていくと稲穂の膝くらいの位置までピンと伸びていて、その膝の横に空いた小さな穴の中に取り込まれている。小指を拘束しているワイヤーもまた膝の逆側に開いた穴に向けて伸ばされており同じようにピンと張った状態で取り込まれているのが見える。  互いのワイヤーは脛の所でクロスしていて、指の有る箇所とは逆の位置に開けられた穴に繋がっている。つまり、小指を拘束しているワイヤーは膝の内側(内太腿のある側)の穴に繋がり、親指に繋がったワイヤーはその逆の膝の外側に開いている穴に取り込まれている形となっている。  美月はそれを見て“何でわざわざこんな面倒臭そうな拘束の仕方をしているのだろうか?”と疑問を呈してしまうが……  しかし、自分の方に向けられた稲穂の“足裏”の状態を見れば何となく梢の意図を察することが出来てしまう。  親指を引っ張りつつ小指も引っ張る格好を強いられれば、稲穂は嫌でも足裏を“反る”様な格好を強いられてしまう。それだけでも足裏は無防備を晒していると言っても過言ではないが、更にそのワイヤーを指の位置とは逆の位置に引っ張る事で指は僅かに外側を向くように反らされる事になり、より足裏を強調するように反らすことが可能となる。  ワイヤーは恐らく座面の下にある巻き取り機か何かで限界まで巻き取ってあるのだろう……足の親指と小指は限界まで引っ張られ反る姿勢を強いられている。  その引っ張りがクロスするような格好になっている為彼女の足裏は皺の1本1本まで伸ばされ隅々まで見てくれと言わんばかりに晒されてしまっているのだ。  徹底した足裏の見せつけ拘束を施された母の姿が目の前にあり、美月はそれを自分が見つめて良いものかどうか困惑してしまう。  屋敷では素足どころか足袋を履いた足自体も着物に隠れて殆ど見た事が無かった美月にとっては、足裏が稲穂の隠したい秘密の箇所と思えてならず心が落ち着かない。  大人の女性らしく全体的に肉付きがよく大きくてムチっした稲穂の足裏……    指を引っ張られている事で突き出すように晒された母指球の丸い膨らみと、その隣に控えめに膨らんでいる小指球の膨らみ……  皺の一つすらも伸ばされ切った土踏まずの肌は、指の引っ張りによってほぼ平らになるよう肌を伸ばされ血管の青筋が僅かに浮かんで見えている。  カサついたカカトの肌は座面に押し付けられるように圧が加えられている為ボールが僅かに凹んでいるかのように楕円を形作っている。  稲穂はそんな完全拘束された足を必死に左右に動かそうと試みているが、引っ張られている親指と小指は全く動かせず指先を微妙に震わす事しか出来ていない。逆に拘束されていない他の3本の指は動かせない指の代わりを務めるようにジタバタと上下に首を振る様に動き回り拘束を外せと態度で示しているようだ……  そんな母の無防備な足裏の状態を“見てはいけない”と目を逸らそうとする美月だが、普段見る事の出来ない母の秘密を垣間見ているような感覚に陥り……ついつい好奇心が勝ってしまって横目でその足裏を眺めてしまう。 『うぅ……お母様の足の裏……初めて見た。私よりもおっきくて……大人の足って感じで……何か……色っぽい……』  母の足裏を見て思わずそのような感想を零して何やら恥ずかしい気分にさせられる美月だが、隣の時雨も同じように感じているようで……彼女も頬を真っ赤に染めて食い入るように稲穂の足裏を見つめ続けている。 「う……うぅ……。見ないで……時雨……美月……」  自身の足裏を見つめられていると知った稲穂は、悶えるように首を横に振って恥ずかしそうにその様に呟く。しかし、そう言われれば言われる程に見たいという衝動が強まり、ついつい視線が彼女の足裏に吸い寄せられてしまう。  別に……ただの人間の足であって……特別な部位とかそういうものではない筈なのに……  こうして“強調”する様に拘束された姿を見ると……ソコがさも特別な秘所であるかのように感じられ倒錯感が増して不思議な気分にさせられる。  たかが自分の母親の足裏を見ているだけなのに……特別な部位を見せつけられているかのように感じられ、美月の胸をドキドキと高鳴らせてしまう。 「この椅子に拘束されたら……もう私の手からは一切逃れられなくなるわ♥ あんたが泣こうが叫ぼうが……椅子は無慈悲にあんたの身体を拘束し続けて弱点を無防備に晒させ続ける……」 「……くっ!」 「特に……足の裏なんて凄いでしょ? 足指をすぼめて足裏を隠す事も逃がす事も出来ない……完璧な拘束よ♪ 」 「うっっ……うぅぅ……」 「こんな格好にされて……声を出さずに居られると思う? 我慢できると……思う?」 「………っ………」 「あんたがもしも……声を出さずに1時間我慢出来たなら、約束通り娘ちゃん達には手を出さないでいてあげる♥」 「…………それ……本当でしょうね?」 「えぇ、勿論。でも……少しでも笑い声を出したなら……」 「……っ!?」 「あの“くすぐり観音”が容赦なく娘ちゃんの身体をくすぐって……彼女達を死ぬほど笑わせる事になるから……気を付けてね?」  そう言って梢は稲穂の首に巻かれていた首輪の裏に手を回し何かしらのスイッチをオンにする。すると、首輪の前に飾りのように付けられていた宝石型のライトが赤く発光し何かしらの電源が入った事を稲穂に示した。  それと同時に美月と時雨を拘束していたくすぐり観音からもピピっという電子音が鳴り、くすぐろうと構えていた手が一斉に蠢くように行動を開始するのが目に入った。 「んんっっ!?」  観音の手はまだ直接肌には触れず宙をくすぐるフリをして見せているだけだが、その手の動きは二人に刺激を想起させるに十分な仕草を取って彼女たちの不安を一層煽る事となる。 「この首輪にはあんたが笑ったかどうかを判断出来る機能を搭載してあって、機械が笑ったと判断したらすぐさまくすぐり観音に“くすぐれ”っていう指示を飛ばすようプログラムが組まれているの♥ だから、あんたが“笑う事”を我慢すればする程……自分の娘ちゃん達を助ける事が出来るのだけど……逆に言えば、あんたがだらしなく笑えば娘ちゃん達はそのせいで苦しむ事になるって寸法よ♪」 「くっ! とことん趣味が悪いっ!」 「おっと……ほら、無駄口を叩くと運悪く機械があんたの声を笑ったと判断して指示を飛ばしちゃうかもよ? 音声読み取りの機能……そんなに高性能じゃないからさ♥」  梢にその様に告げられ稲穂が美月達のくすぐり観音の方に目をやると、確かに自分が言葉を発したせいで観音たちの手がピクリと動いて彼女達をくすぐろうとする仕草を取ったが確認できた。  その動きはすぐに思いとどまる様に止まってくれたが、梢が言うように声を拾うマイクは高性能ではないらしく少しの会話でも笑い声を発したと認識してしまいそうな勢いを感じた。  稲穂はその事象を見て反論したいと思っていた言葉をグッと飲み込み、極力声を発するという行為を行わないよう自重しなければならなくなった。 「……うぐっ! くっ!!」  言葉で罵倒できなくなった稲穂は、その鬱憤を晴らす勢いで強く梢を睨みつけて悔しそうに唇を噛んで見せる。その顔を見て梢は優越感に浸る笑みを浮かべてゆっくりと稲穂の足元へと向かって歩み始める。 「大丈夫♥ あんたが我慢強いくのいちである事は同期の私がよぉ~~く知っているわ♪ あんたならきっと大事な娘ちゃん達を守ってあげられるわよ♥」  歩くついでに片手で稲穂の膝を撫で、脛を撫で……枷の巻いてある足首まで撫で上げて足元へと到着すると、梢は彼女の足裏と目線が同じ高さになるよう腰を落として姿勢を屈めていった。そして両足共に揃えられた足裏を見て自身の唇をペロリと舐め上げて得意げな笑みを浮かべて見せると、両手をワザと見えるように大袈裟にかまえて指をワキワキさせ始める。それを見た稲穂は「ヒィ」と声を上げる代わりに顔色を曇らせて顎を引けるだけ引かせて嫌悪の表情を浮かべる。 「だから……私にこんな事をされても、あんたはちゃんと我慢出来るわよね? 娘ちゃんの……為に♥」  梢は嫌がる稲穂の顔を見てニコリと慈愛に満ちた笑みを向け、ワキワキ動かして見せていた手の動きを一瞬止める。そしてその止まった手の中から人差し指だけを立てて見せてそれを稲穂の足裏へと近づけさせていく。 「ほ~~ら♥ 触るわよぉ?」  その様に言葉を零すと梢は、早速と言わんばかりに稲穂の足指の付け根付近に人差し指を触れさせ、その部分をカリカリと指先で引っ掻いて差し所の刺激を送り込み始める。  その指が触れた瞬間、稲穂は目を見開かせ刺激の強さに驚きの表情を作ってしまう。 「コチョコチョ~~♪ ほら、どう? くすぐったいでしょ? コチョコチョコチョ~♥」  反る様に後ろに引っ張られている親指の付け根を爪の先でカリカリと優しく引っ掻かれる刺激があまりにもこそばゆく感じた稲穂は、思わず吹き出してしまいそうになる衝動を必死に抑えて顔を俯かせながらクックッと顎を震わせ苦しい我慢を強いられる。声こそ出てはいないが、そのじれったい刺激が稲穂にはとてもこそばゆく感じているんだろうなと分かる態度をすぐに示したため、それを見ていた美月も自身の足裏に同じ刺激を想像し身震いを起こしてしまう。 『母様が……あんなに嫌がる顔をして我慢している姿……初めて見た。母様って……くすぐり弱かったのかなぁ? とても辛そう……』  一切抵抗できない足を震わせて、襲い来るこそばゆさに声が漏れないよう必死に堪えようとする稲穂だが……止まる事のない指の動きが次々にこそばゆさを上乗せして伝えてくるため徐々に我慢する余裕がなくなって来る。 「フフ……♥ 稲穂ぉ? 大丈夫ぅ? もう笑いそうになってるみたいだけどぉ?」  首を左右に振って気を紛らわそうと苦心する稲穂の姿を見て、梢はさも楽しいと言わんとするような表情を浮かべ煽り言葉を吐いていく。  稲穂はその言葉を聞いても言葉を返す事など出来ない為首を激しく横に振り直して「もうダメだ」と言いたげな態度を返す。 「稲穂ってば昔からココ……弱かったもんね? 私にココをこんな風に触られるの……苦手だったもんね?」  梢は口元にフッと軽い笑みを浮かべ人差し指に小指を付近をくすぐらせた後再び親指の付け根の方へとその指を戻していく。そして、少し爪を肌に強く押し当てたかと思ったら、その指を若干“下”の方へとずらして足裏の“本命”の方へと位置を移動させ始めてしまう。 「……っッひィっ!?!?」  梢の人差し指が、親指の下……母指球の膨らんだ肌に移動しそこをカリッと軽く引っ掻くと、稲穂は横に振っていた顔を今度は天に向かって顎を突き上げさせ小さな悲鳴を漏らしてしまう。  その瞬間、美月と時雨を拘束していたくすぐり観音の手がピクリと反応を示して二人を再び警戒させてしまうが、センサーの反応に稲穂の声は笑い声と認識されなかったようで手の動きはそこで止まってくれた。 「どう? くすぐったくて……笑いたくなってきたでしょ? この膨らんだ肌をカリカリ〜って引っ掻かれるのはくすぐったくて耐えられないわよね? 私もあんたにこんな風にされるの……昔から苦手だったもの……」  悲鳴を上げた後は口から声を出さないようにと必死に唇を噛んで出そうになる声を押し殺そうと試みているが、稲穂の口は緩く波打つように唇が曲がり口角筋をヒクヒクと引き攣らせて今にも笑い出しそうな表情になってしまっていた。 「うくっっくくっ……くっっ……」  普段は娘達に母性を向けるような優しく穏やかな笑顔を見せてくれていた稲穂だったが、今では顔にその微笑みを浮かべる余裕などなく……逆にその強制的な笑いの衝動に必死に耐えようとする苦しそうな半笑い顔が形作られてしまっている。  そんな余裕のない母の顔を見た事が無かった美月は、稲穂の普段の姿とのギャップを大きく感じ何とも言えないモヤモヤした気分にさせられる。 『母様って……あんな風に余裕のない表情もする事あるんだ? 笑うのを我慢してる顔……いつも見てるお淑やかな母様と違って必死そうで……なんだか新鮮……』  捕まっていてピンチである状況なのに何を考えているんだ……と、言い聞かせたい気分ではあるが、しかし美月は自分の知らない母の裏の顔を見せられているようで見ていないと勿体ないと思える気持ちが膨らんでしまう。  忍びとして雲の上の存在であると思っていた母が、自分達と同じように苦しむ表情を浮かべてくれているのが妙に親近感を持てて嬉しく感じてしまう。  そして、その親近感は美月に良からぬことを思いつかせ場の緊張感にそぐわない思考を巡らす事を促してしまう。 『私でも……母様の足……あんな風にくすぐったら、母様を悶えさせる事が出来るのだろうか?』  真面目な美月らしからぬその思考はそれを浮かべた瞬間、美月自身の頭の横振りによって霧散した。こんな事考えている場合ではないと……自分の自制心によってその思考は取り払わられた。  しかし……  目の前で母親が足裏を晒し、その足裏を敵である梢にくすぐられて悶えている様子を見せつけられると……考えたくなくても自然とよからぬ考えは浮かび上がってきてしまうものである。  時に厳しく……時に優しく自分達を育ててくれたあの尊敬する母が……娘に対して隙など一切見せようとしなかったあの母が……目の前で隙だらけにされ責められているという今の状況は、いかに真面目な性格である美月でも倒錯感を覚え不可思議な期待が湧き上がって来てしまうのだ。 『……笑い悶える母様の顔も……見てみたい……かも……』  駄目だと分かっていてもその様なよからぬ思考と期待が湧き上がって来る。  ギリギリ笑わずに耐えている稲穂の苦悶する顔を見て、どうしても“その先”を期待させられてしまう。  笑えば自分達も苦しめられると分かっているのに……  本当は笑わずに耐えて貰うのが一番良い事だと分かっている筈なのに……  期待してしまう。見たいと切望してしまう。  目の前の嫌がる稲穂を見て……劣情だけが強く湧き立ってしまう。 「ほ~~ら、母指球と小指球の間の溝部分もぉ……カリカリ♥ コチョコチョ~♥」  母を追い立てる梢の言葉が妙に艶やかで淫靡な言葉のように感じられ堪らない……  その言葉に追い詰められている母の姿も辛そうで……悩ましげに呻く声は大人の色っぽさを感じてしまう。 「どう? 娘ちゃん達の前で私に好き勝手足裏をいじくりまわされる気分は? 羞恥心が刺激されて普段よりこそばく感じちゃうでしょ?」 「…………ッっ! っ~~~~~~!!」 「ほら……娘ちゃん達……あんたの悶える姿に興味津々みたいよ? エッチなモノでも見てるみたいにあんたの足裏に釘付けになってる♥ 恥ずかしいねぇ~? こんなでっかい足裏を娘達に見られるのは……恥ずかしくて堪らないわよねぇ?」 「ッっ!! くぅぅぅぅっっ!!! うぐっっ!!」 「どうせあんたの事だから、娘達に完璧な母親像を見せたくて見栄を張って日々を過ごしてきたんでしょ? 昔からプライド高かったもんね?」 「くっっふっ! うぅぅ……」 「でも……今のあんた見て……娘ちゃん達はどう思っているかしらね? こんな子供っぽい刺激に喘いでる母を見て……娘達はどう思うかしらね?」 「ひぐぅぅぅぅ!! んくっっ!! くっ!!」 「ほら、もっとよく見て貰いなさい? 完璧を演じていた母の姿は、実はこんな刺激にも勝てないヨワヨワで情けない虚構の姿だったんだって……見て学んで貰いなさい♥」 「くっっっ!!! んっっくっっ!! み、見ない……で……美月っ……そんな目で……私を……」 「ほ~ら、娘ちゃん達……あんたを見て期待してるみたいよ? あんたが無様に笑うトコ……見たいって期待してるわよ?」 「うく……くく……時雨……そんなに……ジッと……見ないで……」 「期待には応えてあげないと……でしょ? だってあんた……この子達の母親なんだもの♥」 「んぎっ!? ぎひっ!?!?」  母指球と小指球の膨らみを交互に撫で、更にはその間の溝の部分もカリカリと引っ掻いて刺激を何度か加えた梢はその様に稲穂を責め立てると、人差し指の動きを止め更にその下に広がる肌を見降ろして狙いを定めた。 「や……め……っ!」  梢が次に狙う箇所が何処であるかを敏感に察した稲穂は、もはや次の刺激は我慢など出来ないと悟り首を激しく横に振って怯えるような顔を作り彼女に“そこだけはやめて”と慈悲を乞う訴えを無言で行う。  しかし、その怯えた顔は梢の加虐心を煽ってしまうだけで彼女に慈悲の心を芽生えさせるには至らない。  梢は母指球の膨らみの上にあった人差し指をツツツと肌に触れさせながら下へとなぞって移動し、目の前に広がる広大な“土踏まず”の肌を一望して指先に力を込め始めた。 「さて、娘ちゃん達もあんたの辛そうな我慢顔を見るのにも飽きてきた頃でしょうから……そろそろ、楽しく笑う母の顔ってやつをお披露目してあげましょうか♥」  指は土踏まずに侵入する寸前の所に配置され、その肌に爪を食い込ませていく。そして…… 「貴女達のお母様はね……ココがと~っても弱いの♥ だから、私がちょっとココを“コチョコチョ”って触ってあげたら……彼女、我慢できずに笑ってしまうと思うわ♥ そうなっても恨まないであげてね? だって仕方ないんだもの……娘の心配よりも……くすぐったさの方が……勝っちゃうんだから♥」  梢がその言葉を言い終わると同時に……無慈悲な刺激は稲穂の土踏まずの肌に一気に駆け巡った。  稲穂はその刺激を受けて……無様に笑わされることになる。  娘たちの見ている目の前で……梢のくすぐりに屈服したと言わんばかりに……とても無様に……

Comments

娘の前で恥ずかしい自分を見せたくないって思っている稲穂ですが、彼女自身はくすぐったがりで弱々です♥ 娘達共々次回は稲穂にもたっぷり笑ってもらいます♪

ハルカナ

大人であればあるほどギャップって刺さりますよね♪

ハルカナ

じっくりじらしてるのにすぐに限界が来ちゃうのいいですね 大人の女性のくすぐり、それも攻守逆転という最高のシチュをたっぷり堪能したいので、次回以降のボリュームも楽しみにしています!

ななや

稲穂の本編での余裕ある姿とのギャップが素晴らしかったです 次回も楽しみにしています!

ぱんぷきんぐ


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