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こちょクエ!? ⑪『ただの優しい売り子のお姉さんだと思ってたのに……どうやらドS過ぎる女王様が擬態していたようで』

11:『ただの優しい売り子のお姉さんだと思ってたのに……どうやらドS過ぎる女王様が擬態していたようで』 「あらあらあら~♥ 素敵じゃない♪ はだけた服を纏ってる姿も良かったけど……何も纏っていない裸の貴女もとっても可愛くて素敵よ♥」  転送されるなりX字型の拘束台に裸の格好で拘束された格好になっていて驚愕してしまっている私の背後から、コツンコツンとハイヒールの音をワザとらしく鳴らせながら近づく影がその様に語って来る。その声は酷く低音で威圧感に満ち溢れており、顔を見なくても責め欲にまみれた表情をしているのだろうなと察する事が出来てしまう。 「ウフフ♥ ピリカ様ったら……素晴らしいサプライズをして下さったのですね? 服を脱がす手間も、拘束する手間も省いてくださったんですもの……流石、分かっていらっしゃる方ですわ♥」 「そうだろう? まぁ、操作主がいつログインして来てもおかしくない時間になってきたから……なるべく余計な段取りは省いた方がいいかなって思ってこうしたんだけど……満足してもらったなら嬉しいよ♪」  背後から徐々に近づいて来て、私の左右から同時にイライザ(ルカ女王様)とピリカ(コチョバ氏ぃ)が姿を現す。  ピリカはまぁ……いつもの通り妖精の姿で登場したけど……  イライザの方は……こちらは転送中に衣装をチェンジして貰ったのかさっきまで纏っていた牧歌的な商人らしい服装とは異なり、かなり“攻撃的”な衣装にチェンジされてあった。  黒を基調にしたエナメル質のハイレグ型レオタードを身に着け、脚には目の荒い網タイツ・足に履いているのは真っ赤な光沢を放つ背の高いハイヒール。頭に付けた可愛らしいカチューシャの代わりに顔には蝶を模した黒い顔隠し面が付けられ、そして唇には真っ赤なルージュがこれでもかと塗られ口をセクシーに目立たせている。 「あ、あ、あの? い、イライザさん……ですよね?」  私が出会った優し気なお姉さん的なイライザの姿はそこにはなく、目の前に立ったのはまさに動画の中で見たSМ嬢のルカ様その人だった。イライザの面影を残していると言えば唯一栗毛色の長いストレートの髪だけなのだが……それ以外は、表情も言動もコスチュームも態度も全てルカ様のそれに成り代わってしまっていた。 「……ウフフ♥ やだわぁ~沙織ちゃんったら♥ 今の時間、私の事は“ルカ様”って呼んで頂戴? イライザって呼ばれるのは呼ばれ慣れていないから気分が高まらないのよぉ♥ だから……ね?」   目を細め妖艶な顔を近づけつつ私の顎をクイッと片手で摘まみ上げその様に零すイライザ……もとい、ルカ様……  彼女の纏う女王様オーラは凄まじく、顔を覗き込まれただけで私は言う事を聞かなければ駄目だと本能が震え「はい」と返事を返す事しか出来ない。 「うん、よろしい♥ それで……ピリカ様ぁ? この変態勇者様をわたくしはどんな風に調教してあげたらよろしいのかしら?」  顎から手を放してピリカの方を向きその様にこれからの行動方針を問うルカ様……私は視線が外されただけで彼女の圧から解放され、緊張が解けたかのように深い呼吸を吸えるようになる。  別に息を止めていたつもりはなかったが……ルカ様に睨まれるとその場の空気が凍ったかのように酸素濃度が低下し途端に息苦しさを感じてしまうのだ。 『うぅ……これが間近で受ける女王様オーラなのか……。威圧感が半端なくて……逆らえない……』  私は心の中でその様に緊張と安堵を同時に重ね、自由になった呼吸を最大限行使する。 「そうだねぇ……なるべく、くすぐりを怖がるように仕向けたいんだけど……まぁ、ルカ様のやりたいようにやってくれて構わないよ♪ 僕はそれを見るのも楽しみにしてたからさ♥」 「まぁ♥ ピリカ様ったら……よろしいのかしら? わたくしが“自由”に調教すると……ろくなことにはなりませんわよ?」  その様に告げて再び私の顔を下から覗き込むルカ様……  私は目を細めた美人顔にドキリと身体を強張らせ、再び緊張を強いられてしまう。 「沙織ちゃん? 貴女はどう思う? 私に……どんな調教をされたいとか……リクエストはあるかしら?」  私はその問い掛けに必死に首を横に振って拒否の姿勢を見せる。 「あら……嫌? 私に……触られる事とか……私に……イジメられたりするの…………貴女は、嫌だと言いたいの?」  私の態度に気分を害したのか、私を見る睨み目が鋭さを増す。  その目を見て私は思わず「ヒィ!」と情けない悲鳴を上げてしまう。 「ウフフ、そんなに怯えないの♥ 私はね……可愛い女の子にはなるべく優しく接したいと思っているのよ? そんなに怯えた顔されちゃ……思わず……イジメたくなってしまうじゃない♥」   ルカ様はその様に私に告げると、右手だけをワキワキさせて私の顔の前に見せつけ始める。  その妖艶にくねる5本の指先を見て、私はゴクリと生唾を呑み込んでしまう。 「ほら見て? この指ぃ♥ とってもくすぐったそうでしょう?」  人差し指からゆっくりと見せつけるようにくねらせて……最後の小指までを折り切ると、また人差し指から順番にくねる様子を見せつける。その途中でたまに親指もクニっと折り曲げてくすぐるフリをさせてみせるものだから、私はその指達の動きに腋に警戒感が募り肌を緊張させてしまう。 「私の指で……沙織ちゃんの、この綺麗に伸びきった腋をくすぐったら……一体どんなリアクションを返してくれるんだろう? 驚いちゃうかなぁ? それとも……笑っちゃうかなぁ? その可愛いお顔を歪ませて……情けなく笑っちゃうのかなぁ?」  ルカ様が私の耳元に口を寄せてそのように囁いて来る。  言葉を終えた後、オマケと言わんばかりに彼女は甘くて湿っぽい呼気を耳孔の奥に吹き込み……私から身震いと悲鳴を捻り出させる。 「私は……可愛い女の子が苦しんでる顔を見るのが好き。可愛い女の子が笑っているのを見るのも好き……。だから、その両方を同時に与えられる“くすぐり”というプレイが大好きなの♥」  手を更に私の目に近づけ、くすぐる指の動きを至近距離で見せつけて来るルカ女王様。黒い光沢を放つマニキュアを塗ったその指の動きは目の水晶体に妖しく揺れる影を刻み込み、私はその動きに意識を奪われてしまう。 『あんな細くていやらしい指にくすぐられたら……どんなこそばゆさを味わうだろ?』 『裸にされて敏感になってるこの腋をあの指で掻き回されたら……一体どれだけ……苦しい笑いを搾り取られる事になるだろう?』  私は目の前で蠢く黒い影を追い続けて、その様な想像を掻き立てられてしまう。それは、身体が身震いを起こす程の嫌悪感を生み出すが……同時に、その刺激を味わってみたいという好奇心も刺激され複雑な気持ちを胸に抱く結果となる。  その気持ちを察したのか、ルカ様はニヤリと口端を吊り上げ意地悪な笑みを浮かべて……私の耳に再び甘い誘惑の言葉を挿し込んで来る。 「ウフフ♥ 期待……しちゃった? 今……沙織ちゃん、期待しちゃったでしょ? 私の指に“コチョコチョ”される想像をして♥」  “コチョコチョ”という言葉がルカ様の口から直接耳の奥に入れられ私は更にドキリとしてしまう。ただのオノマトペである筈のその囁きに耳奥の鼓膜さえも震わされ……思わずくすぐったい感情を想起させられてしまう。  指の動きを見続けているとまるで催眠術をかけられたかのように頭がボーっとなり、刺激を想像して勝手に身体の芯がゾクゾクと震えあがってしまう。その刺激を受けてみたいという気持ちと、受けるのが怖いという相反する気持ちがぶつかり合ってジレンマを引き起こしてしまう。 「私から……コチョコチョって……囁かれるの……好き? 好きなら……もっと囁いてあげよっか?」  ルカ様からその言葉が囁かれると、途端に身体がゾワゾワと寒気を帯びて落ち着かなくなってしまう。刺激を想像し、腋の肌が勝手にヒクヒクと刺激を得たいと小刻みに震えてしまう。 「……ほ~ら、コチョコチョ~♥ コチョコチョ? コチョコチョコチョ~♥♥」  耳奥から直接脳に届けられるその“コチョコチョ”という連呼された甘い言葉は、私の快感中枢を痺れさせる程の強烈な電撃を細胞内に流し込み、私の身体を存分に震え上がらせる。  ただの言葉である筈なのに……間近に見せられている指の動きと、口調のいやらしさが私の淫靡な思考をこれでもかと呼び覚まし……眠っていた自身の“変態性”を目覚めさせてしまう。 「はひ、はひ、はひ♥ だ、だ、だめ……なんか……頭が……クラクラしてきたぁ……」  まだ何もされていなのに私の股間はじんわりと湿り、心臓の鼓動は不整脈を疑う程に鼓音を響かせ胸を勝手に上下させてしまう。呼吸は更に浅くなり……目の端には期待の涙が溜まり続けている。  そんな発情しきった私の姿を見て……ルカ様はクスリと妖艶な笑みを浮かべ直すと、目の前でくねらせていた指をゆっくりと下の方へと移動させ、私の真っ赤に熟れた頬をその指でサワリと撫で下ろして見せる。 「ぅっひぃぃぃぃ!?」  触られた瞬間、頬がゾクッと湧き立ち……私は思わず悲鳴を上げてしまう。  触れた瞬間は違和感と嫌悪感が走って気色悪く感じたが、しかし頬の肌で感じたルカ様の指の感触はしなやかで温かく……不思議と嫌な気持ちは持続しなかった。 「……綺麗な頬……緩やかに曲がる顎のライン……そして、少し尖りの有るシャープな顎先……」  頬から顎のラインへと手の撫下げは移動し、それから更に下の顎先まで優しい愛撫は続いていく。その触れていったラインは彼女の指の感触を惜しむように跡を残し……指の繊細さをジンジンとした痺れで肌に覚えさせていく。  その指が顎下まで下っていくと、そのまま猫を愛でるように私の顎下をコショコショとくすぐって喉上と顎裏を同時に刺激し始める。  私はその刺激に驚いて顔を天井に向けて再び悲鳴を上げさせられてしまう。 「ひにゃぁぁっッっ!?!?」  顎下がゾワっと気色の悪い寒気に襲われ、その寒気が体中の拒否反応を駆り立てて同時に震えを引き起こしていく。  私はその刺激を嫌がって顔を手から逃がそうとするけど、顎下をくすぐる手は私を逃がすまいと追いかけてきてしつこく顎下や首元をコショコショとくすぐり続ける。  その刺激のあまりのおぞましさに、私は顔を横に振り乱して「イヤダ、イヤダ」と悲鳴を上げ続けてしまう。 「ウフフ……♥ 逃げたいよね? 私にこんな事されたら……逃げたくなるよねぇ? でも……残念だけど沙織ちゃんは私の手からは絶対に逃げられないわ♥ 手足を拘束されてるから……私に何をされても抵抗できないの♥」  顎先から首元……そして首の横筋をコショコショとくすぐって、徐々に刺激を下へとずらしていくイライザの右手。その手が首から更に鎖骨部分をくすぐり始めると私は激しい寒気と笑欲に駆られ、今にも笑ってしまいそうな震えを全身にさせてしまう。 「くすぐりって……不思議よね? 自分でヤっても全然くすぐったくないのに……人に同じ事ヤられると、途端にくすぐったく感じちゃうんだもの♥」  コチョコチョと動く手が鎖骨の中心からやや外側(腕側)へとズレていき、腋の方へと近づき始めると……私は、腋をくすぐられてしまうという不安から、笑う事を待機するように口を波型に歪ませて口端から涎を垂らし始めてしまう。  イライザが見ている前でみっともなくて恥ずかしいとは思っているが、しかしこの生理現象を止める術を私は持たされていない。くすぐられてしまうという不安はすぐに刺激される期待感に取って代わり、私の正気を勝手に惚けさせる靄で包み込んでしまう。 「ハァハァハァ♥ (ゴクリ)」  不安が高まると思わず身体を捻りたくなってしまって身動ぎしようとするが、手の拘束がその行為を阻害し大した動きをさせて貰えない。  そうしている間にもイライザの細い指は鎖骨の端まで到達し、あと数センチ指が横にズレれば腋の肌を触ってしまうという位置まで移動してきている。  私はそのあまりに繊細でまとわりつく様な指の刺激に更に不安を掻き立てられ、同時に『この指に腋を触られたら絶対くすぐったいに決まってる!』という刺激の予測を浮かべ密かに期待を向けてしまう。 「さっきも同じようなこと言ったけど……私はね……この“くすぐり”っていう刺激で、無抵抗にされた可愛い女の子を徹底的にイジメ抜くのが大好きなの♥」  イライザの右手が私の左腋のすぐ横の肌をモジョモジョとワザとらしく刺激してくる。もう……ほんの数ミリの距離に、私の伸びきった腋が見えている。刺激に最も敏感な腋の窪み部分に……ギリギリ触れない位置に指が辿り着いている。  もどかしい! 焦らすように際どい所に触れてこようとしない彼女の手がもどかしい! 「手を万歳させて……拘束具で拘束して……固定して……腕を降ろせなくさせて……。服なんて着せないから腋は丸出しの格好になるし、その格好では絶対に腋を守る事は出来ない……。そんな無防備にさせた腋に……私の指を這い回らせて笑い悶えさせる……私はそういう行為が大好きなの♥」  ワキの至近距離に配置された手の刺激に私はじれったさを覚えつつルカ様の言葉責めに強い寒気と痺れを植え付けられる。  彼女が語った拘束された姿は、まさに今の私そのものなのだ。だから、その言葉によって改めて自分の無防備さを思い起こさせられ、余計に腋への刺激に対する警戒が増してしまう。 「コチョコチョ……コチョコチョ……と、くすぐったくて仕方のない刺激を延々と送り込み続けて思いっきり笑わせるのも勿論好きだけど……こんな風に弱い箇所をワザと避けて笑う事を我慢させる責めも好き♥」  その言葉を体現するかのようにルカ様の手は腋の中心を避け、腕に付け根の方の肌に移動を開始する。そして指は肌に触れるか触れないかの距離感で僅かに刺激を加え、腋の周囲に円を描くように移動しさらにじれったくさせる責めを私に施してくる。 「徐々に……徐々に……“くすぐったい!”って感じる刺激を強くしていって……敢えて最初は笑いを我慢させるの♥ そうするとね、腋が今よりもずっと敏感になってくすぐりにとっても弱くなっちゃうのよ」  本命であるワキの中心には触れず、その周囲のムズ痒さを感じる神経を湧き立たせるように指先でなぞって私の笑いたい欲を存分に刺激していく。耳元で恍惚とした表情を浮かべているルカ様は、私のそんな欲を十分に理解していると言わんばかりに刺激によっても言葉によっても巧みに焦らす行為を繰り返し、私の被虐心を煽っていく。  その追い詰められ方があまりにも私のマゾヒズムを掻き立ててしまい、私は勝手に笑いを我慢する行為を放棄し口元への力を緩めてしまう。 「あっっ……はっ♥ はは……あは……ははは……」  緩んだ口からは当然のように小さな笑いが零れだしてしまう。それを見たルカ様は不機嫌そうな表情を作ると、私に向かって低い声で脅しをかけて来る。 「こぉ~~ら、勝手に笑っちゃ駄目でしょ! 私が笑っていいと言ってから笑いなさい? それ以外で笑えば反抗の意思ありと考えて次はお仕置きしちゃうからね? 」  最後は可愛く笑顔を浮かべてそう言ったが、目の奥は全く笑っていない。私の事をイジメたくて仕方がないと言った怪しい影の光をその瞳に宿している。  私はそんな彼女の顔を横目に見て緩めていた口元に必死に力を込めなおす。 彼女の言う“お仕置き”という言葉が薄ら寒い恐怖感を掻き立てやまないため、できる限り彼女の指示には従おうと意識を固め直す。  しかし、ルカ様の指はそんな私の我慢を嘲笑うように刺激を強め本格的な“くすぐりの刺激”を腋に与え始めてしまう。 ーーコチョコチョコチョコチョ♥ 「んぐぐぐぐっっ!? ぐふっっっ!!!!」  ワキの周囲を撫でていた手が突然ワキの中心へと滑り込んできて、腋窩の肌をコチョコチョっとくすぐり始めてしまう。その刺激たるや私の想像していたこそばゆさを遥かに超えてしまっていて…… 「ぷぎゅっっふっっっ、ぐふふふふふふふふふふふふふ!?!?」  我慢しようと固めた口の防波堤はその刺激によって早々に瓦解し、波立つようにくねってしまった口端からは涎と共に我慢しきれなくなった笑いが漏れ出してしまった。 「もう! 我慢しろって言ってるでしょ? 私が良いって言うまで絶対に笑っちゃ駄目! どんなにくすぐったいって思っても死ぬ気で我慢するの! 分かった?」  無防備に晒された腋の窪みを容赦なくワシャワシャと掻き回して刺激してくるルカ様のくすぐりに、私は目尻に涙を溜めて上下左右に顔を振り乱して笑い出すのを必死に堪えている。しかし、そのくすぐりには一切の容赦がなく……私の我慢を砕いて笑わそうとしているのは見え見えだった。 「ほぎょぉぉぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!! ぅぐぅぅぅぅぅぅぅ、ぐふふふふふふふふふふ!! ぷひゅ~~~~~!!」  ルカ様の右手が“笑え! 笑え!”とくすぐりの刺激で圧を掛けて来る。腋をくすぐったい刺激で埋め尽くそうとしてくるその責めに、私は頬に溜め込んでいた呼気を漏らしながら悶えてしまう。 「そう……良いわ、そういう顔が見たかったの♥ その……笑いたくて仕方がないって言わんばかりの我慢顔♥ 可愛い女の子が“笑いたい”っていう欲求に必死に抗おうとする我慢顔は……私の加虐心を存分に引き立ててくれるわ♥」  カサコソと、細指が腋の肌を引っ掻く音が鳴り響く。  5本の指を巧みに蠢かせて肌を引っ掻き、撫で、優しく愛撫するその変幻自在な責めは私に刺激に対する慣れを生じさせる事無く笑欲を掻き立て私を追い詰めていく。  今すぐにこのくすぐりを止めて貰わないと、数秒後には笑いを吐き出してしまいそうだ。でも、ルカ様の意地悪なくすぐりは止まる事が無い。刺激を緩めるどころか、徐々に刺激の強さを増して私を効率よく笑わでようと工夫をこらしてくる。  もはや一刻の猶予もない……。私の口はその言葉が過ぎるとすぐに白旗を上げる勢いで大きく震え、開きかけの門戸を開け放つ予備動作を始めてしまう。 「ぷぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぅぅぅぅふっっっふっっ……ふぎゅぅぅぅっっふぅぅぅぅぅ!!」 「ほ~~ら、頑張れ頑張れ~♪ お仕置きを受けたくなかったら、笑っちゃ駄目よ? 我慢して……我慢して……必死に我慢して私の事を楽しませなさい? ほらぁ! こんな事されても我慢よ? が・ま・ん!」  必死に笑うまいと我慢に我慢を重ねる私だったが、ここに来てルカ様のくすぐり方が変わってしまい……私はとうとう、吹き出す事を余儀なくされてしまう。  ワキの中心をくすぐっていた右手が突然脇の下の方へと一気に降りていき、胸の横の肌をモニョモニョと揉み解し始めたのだ。  ただでさえ瓦解の瞬間が限界近くまで達していたというのに、責め方も責め場所もいきなり変えられては対応出来よう筈もない。しかもそのくすぐりは私の笑いのツボを的確に刺激し四の五の言わずに笑わせる命令を送ってきた為、私にこれ以上抗う術は持てなかった。  私はパカッと口を大きく開いてしまって、顔を天井に向けながら激しい笑いを吐き出す事を余儀なくされる。 「ィッッッギャ~~~~~~~~~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、ひぎゃ~~~っははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは、だはははははははははははははははははははははははははははは、えひっ、ぎひ~~~ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! にゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  その笑いは、今まで我慢していた分を一気に吐き出す勢いで口から放出され、汗も唾も涙も混ざった涎が口から垂れ放題に零され私の顔を悲惨な辛笑顔に仕立て上げてしまう。 「ぎゃは~~~ははははははははははははははははは、あひゃ、あひゃ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ひぎっ! いぎぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひ、だはははははははははははははははははははははは!!」 「あぁ~~あ、笑っちゃったね? あんなに念を押したのに……我慢出来なかったんだ?」 「はぎぃぃぃぁやはははははははははははははははははははははは、無理ですぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、こんなの我慢なんて無理ですぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、ぃあはははははははははははははははははははははははははは!!」 「そっかぁ~~~沙織ちゃんは……私の命令を守るよりもくすぐりの刺激に負ける事を優先させちゃう悪い子なんだね? ふぅ~~~ん……」 「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、違っっふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、私だって笑いだぐないぃぃひひひひひひひひひひひひひひ! 笑いだぐないけどぉぉほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ、くすぐった過ぎて勝手に笑いがぁ~はははははははははははははははははははははははははは!!」 「それじゃあ仕方ない……。私の命令を守れない悪い子にはお仕置きする決まりになってるから……遠慮なく執行させて貰うわね?」 「ほぎひゃははははははははははははははははははは、お仕置ぎぃぃ? お仕置ぎっでにゃにぃぃひひひひひひひひひひひひ?」 「あら、そんなもの決まっているじゃない♪ お仕置きは私の本気の“くすぐり責め”よ♥」 「ひぎぃぃぃっ!? く、く、くすぐり責めってぇへへへへへへへへへへへ!! もうやってるじゃないれすかぁぁははははははははははははははははは!!」 「ん? もうやってるって……もしかしてコレの事言ってる? アハハ、何言ってるのよぉ~♥ コレはまだ“くすぐり”でも何でもないわよ? コレは沙織ちゃんに挨拶する為のスキンシップ♪ これからこの身体をイジメるけど覚悟してね? っていう挨拶みたいなものよ♥」 「おぎゃひゃっ!? スキンシッピュぅぅふふふふふふふふふふふふふ?? 挨拶みたいなもにょ? こ、これで??」 「そっ♥ この挨拶で沙織ちゃんも理解出来たでしょ? 私の手が本気を出せばどれだけくすぐったい刺激を生みだせるか……どれほど抗えない笑いを強制されるか……」 「ひ、ひぎぃぃぃぃ!? ひゃ、ひゃ、ひゃめぇへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「私の本気のくすぐりは“窒息責め”って呼ばれるくらい呼吸も出来なくなる程に女の子を笑い狂わせちゃうの♥ だから普段お店では余程の事が無い限り使わないようにしてるんだけど……沙織ちゃんは特別よ♪」 「ひゃいいぃぃ!? やだやだぁ! そんなの怖すぎるっふふふふふふふふ!!」 「私ね? 一目見た時から沙織ちゃんの事……好みだって思っちゃったの♥ こういう感情が芽生えた女の子は久しぶり♪ だから、ほら……今も興奮が抑えきれなくて勝手に顔が惚けちゃうのよ〜♥」 「いひぃぃ!?!? イライザさんっっっ!! く、くすぐりがぁぁぁ段々強くなってぇへへへへへへへへへへ!!」 「もぅ、イライザ何て呼ばないで? 私も沙織ちゃんって呼んでるんだからぁ……貴女も私の事“ルカ様”って呼んでよぉ?」 「はひぃぃぃぃ!!! る、る、ルカ様ぁぁああっぁぁ!! これ以上は……やめ……」 「アハ♥ ありがとう♥ でも……お仕置きは、やめてあげないネ♪」 「にひぃぃぃぃぃぃっっっ!?!?」  ルカ様は目をトロンと惚けさせて、愛おしい物を見るように私の腋を眺め、右手を腋の中心に運び直して改めてくすぐりの姿勢を整えさせる。そして左の手も反対の腋に移動させて両手でくすぐるぞと言わんばかりの体勢を整える。  左右の腋に指が触れた瞬間、ゾゾゾゾ!! っとおぞましい程の寒気が背筋を走り、私は身体を鞭でシバかれたかのように大きく仰け反らせ刺激に驚く表情を作らされる。  それから、腋に置かれた手は腋の柔肌に少しずつ沈んで、指の刺激をハッキリと神経に知覚させていく。 「ほにょっ!? ぉひゃぁぁぁぁぁっっ!?!?」  硬い爪……弾力のある指の肌……指先に力のこめられた圧……  それらをより強く感じ取ると、ルカ様の指は更にググっと力を込めて私の腋肌に最初の“くすぐり”の刺激を送り込み始める。 「ぎゃはっっ!?!? あぎゃひゃっっ!?!?」  グニっと肌に指先をめり込ませたかと思うと、その肌を他の指と共に絶妙な力加減でクニクニと揉み解す刺激を生み出していく。その刺激があまりにも“くすぐったい!”と感じてしまった私は、驚愕した顔はそのままに……震える唇を緩いVの字に歪めて情けない悲鳴笑いを零し始める。 「あ……あ……アヒャヒャヒャヒャ! はひゃ? えひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、や、だ、っっはははははははははははははははははは、何コレぇへへへへへへへ、くしゅぐったいぃぃ!!」  最初はゆっくりと……でも確実に私から笑うという感情を搾り出すように力強く……ルカ様の左右の手は私の腋を的確に刺激し、私の笑欲を胸奥から口元へと一気に引っ張り上げていく。  緩慢な動きから徐々に動きが活発になって行き、それに合わせて私の感じる”くすぐったさ”は鰻登りに高まっていく。 「いひゃははははははははははははははははははははは、やだ、やだ! 込み上げて来るぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふ!! おっきな笑いの塊がお腹の底から湧き上がってくる感じがするぅぅぅふふふふふふふふふふふふふ!!」  ワキの中心から脇の下……胸横へとルカ様のくすぐりが下へと移動するが、それに反して私の笑いの塊は腹から喉元へ上へ上へと向かうように押しやられていく。  まだ本気を出していないのは明確だが、弱点を的確に突いて笑欲を掻き立てるその刺激の仕方は……先程の挨拶だと言っていた刺激とはいやらしさもくすぐったさも段違いだ。  さっきまでは“笑うの我慢しなきゃ”と自分に言い聞かせる猶予が与えられていたが、この刺激にそんな優しさは微塵もない。  本気になれば我慢などさせて貰えないと分かり切っている刺激であり、それが徐々に高まっているのが感じられ私は焦りの念に囚われてしまう。 「さぁ、沙織ちゃん? これから……た~~っぷり笑わせてあげるから……緊張せず力を抜いて、私の送る刺激に身を委ねて頂戴? そしたら……きっと最後には、気持ち良く……なれるから♥」  脇腹まで両手が降り切ったところでピタリとルカ様の手が止まる。そして、低い声で彼女がそう脅すものだから、私は今の内だと言わんばかりに肺に空気を蓄えるべく大きく息を吸う。  肺が新鮮な空気に満たされ、私は襲ってくるであろう刺激に警戒しようとする。だけどルカ様は、私にそんな準備などさせないと言わんばかりに突然指を激しく動かして虚をついたくすぐりを仕掛けてくる。 「ほ~~~ら、笑え~~~♪ コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ~~♥」  グッと食い込んだ指が脇腹の肌に突き刺さりグニグニっと力強く揉みしだき始めた途端、下腹部が凍るようなゾワッとした寒気に包まれ居ても立ってもいられなくなるような凶悪なこそばゆさに襲われてしまう。  その刺激が始まった途端、私は肺に溜めた空気を一気に吐き出す勢いで大袈裟に吹き出してしまい、その勢いのまま笑うことを余儀なくされた。 「ぶびゃはっっっっっっ!! ぷぎゃ~~~~~~~~~~っっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは、いっっひゃ~~~~ははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  我慢する隙すら与えられずゲラゲラと吐き出されていく笑いの塊、それらが肺の中の酸素を伴って唾と共に空中に霧散してしまうものだから、私の肺はすぐに酸欠状態に陥り最初から息苦しさを味合わされる事を強制された。 「コチョコチョコチョコチョ~♪ ほれほれ~~♥ これが私のくすぐり責めよ! たっぷり味わって笑い狂いなさい! 笑って、苦しんで、狂いなさい! コチョコチョコチョコチョ~~♥」  脇腹をくすぐったかと思えば素早く胸横まで移動して肋骨の間をコリコリとまさぐったり……胸横をくすぐったかと思えば今度は腋の窪みまで一気に移動して腋窩の敏感な肌を高速で掻き毟ったり…… 「もっと笑え~っ♥ もっともっと笑え~~っっ♥ 笑って笑って死ぬほど苦しめぇ~~♥ ほれほれ~~コチョコチョコチョコチョコチョ~♥」  片方の手で首筋をコショコショと繊細にくすぐりつつ、逆の手で脇腹や脇の下を強烈にくすぐったり……  片方は下乳を愛撫するように触ってきたかと思えば、もう片方の手は腋の弱点を容赦なく爪で引っ掻き回してみたり……  右と左の手で別々の場所、別々のくすぐり方を実行し予測不能なくすぐったさを私に植え付け爆笑させる。 「ギャハハハハハハハハ、あぎゃはははははははははははははははは!! イギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、えひひひひひひひひひひひひ、だはははははははははははははははははははは!! ほぎぃぃ~~~~~~~!? ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ヒギャ~~~ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」  私の身体の側面をルカ様の左右の手が交互に這い回っていく。そのくすぐり方はいちいち的確で、私が今“触られたくない!”と強く感じている箇所を集中してくすぐって来る。 「オギャアァァ~ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、おひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、うぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ヒィヒィ! くるひぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、くるひいれすぅぅぅぅぅぅふふふふふふふふふふふ!! もうヤめでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「やめて欲しい? そうだよねぇ~~苦しいからやめて欲しいよねぇ? ウンウン……分かるよ♥ その気持ち……とってもよく分かる♥」  気持ちは分かる……と、言いつつもルカ様のくすぐりは止まらない。むしろその言葉を聞いてもっとやる気を高めたかのように手が更にくすぐったくなる様動きを早めてしまう。 「ひっぃぎゃ~~~はははははははははははははははははははははははは、分かるならどめでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! とめでよぉォほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ、ほひょおおっっほっほっほっほっほっほっほっほっほ、ほひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、きひぁはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 「分かるけど、これはお仕置きだからやめる訳にはいかないのよねぇ~♥」 「はひゃ~~~~~~~~~っっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!! 反省しひゃぁぁぁはははははははははははははは!! はんしぇい、ひたかりゃあぁぁぁははははははははははははははははははははは!! 許じでぇへへへへへへへへへ、もう許じでぇへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへ!!」 「ダ~~メ、許さない♥ 笑うなって命令したのに勝手に笑っちゃったんだから、沙織ちゃんに拒否権がある訳ないでしょ? 貴女に許されているのは笑う事だけ♥ だから、力の限り笑って苦しんで頂戴? ほ~ら、コチョコチョコチョ~♥」 「ぎゃはっっはっっははははははははははははは!! アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、死にゅふふふふふふふふふふふふふ!! 息出来なくて死にゅふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!!」 「あら、死んじゃう? 笑い過ぎて死んじゃいそうなの? う~~~ん、死なれるのは困るわねぇ~どうしましょう?」  ルカ様はワザとらしくその様に言って首をかしげてみせる。しかし、くすぐりの量は調節などせず、変わらず私の笑いを最大限に引き出す刺激を送り込み続けている。 「あぁ、それなら大丈夫だよ。僕がヨワコ様の事、勝手には死なせたりしないから……♥」  手は動かしつつ困る仕草を顔だけで表現しているルカ様に、ピリカがフワリと宙にホバリングして見せながら彼女の横に立つ。その顔は邪悪そのものの笑みを浮かべており、彼女もまた顔の前に両手を構えてその手をコチョコチョ動かして見せている。 「ほら、魔法で肺に直接酸素を供給してあげる♪ これから死にかけまで追い込まれたらこれで補充してあげるから安心して死にかけてくれて構わないよ♥」  コチョコチョ動かしてる手から光の玉が生み出されると、その玉から私の胸にめがけて一筋の光が撃ち込まれる。  すると、その光を受けた直後……急に息苦しさが軽減され、肺に酸素が満たされたのを実感してしまう。 「きゅふっ!? ほひひひひひひひひひ? んひっ!?」  酸素が満たされた瞬間、今まで苦しかったのが嘘のように解消され……私は“一瞬”清涼感を感じる程の爽やかさを感じてしまう。  しかしそんな快感に似た清涼感は本当に一過性の物でしかなく、肺が満たされた快感を味わった直後にまたルカ様の容赦ないくすぐりの刺激が思い出され、私は激しい笑いを吐き出す事を強制される。 「おごっっほ!? ほひょ? ほひひひひひひひひひひひひひひひひ!? いぁはっっ! ハヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! えぎぃぃぃ~~~~~~っ!?!?!? ぁがはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」  満たされた肺の酸素は私の大笑いによってごっそりと奪い去られ、再び酸欠の苦しい地獄へと逆戻りさせられる。  なまじ酸欠から解放された快感を覚えてしまった為にこの地獄へと逆戻りさせられる感覚は、私の“もう苦しみたくない”という思いを助長し笑わされるという行為自体の苦痛感を高めてしまう。  笑いたくない……苦しみたくない……と思えば思う程、徐々に酸欠へと追いやられる苦痛は強くなる一方になってしまう。 「あら、ピリカ様? それは便利な魔法ですわね♥ これなら死ぬことはありませんから……いつまでわたくしのお仕置きを続ける事が出来るじゃありませんか♪」 「ハハハ、そうだろ? でも注意してくれよ? この魔法は肺に酸素を共有させる事は出来ても、ヨワコ様の失われた体力や気力を回復する事は出来ないんだ。だから、酸欠で死ぬことは無くても衰弱死する事はあるから気を付けないとだよ?」 「そうなんですかぁ♥ それは残念……。死なないなら一晩中でも沙織ちゃんの事こしょぐり責めにしてあげようと思っていましたのに……ホントに残念ですわ……」 「まぁ、衰弱死しようがゲームの中じゃ復活できるから大した問題ではないんだけどね……」 「……フフ♥ そうでしたわね♪ ではピリカ様ぁ? ピリカ様も沙織ちゃんのお仕置きを手伝ってくださいませんか? わたくし一人では衰弱死させるのに時間がかかってしまいますからぁ♥」 「おっと……流石はルカ女王様♪ お仕置きなんて言いつつ、ヨワコ様のこと最初から死ぬまでくすぐるつもりだったんだね?」 「えぇ♥ だって……沙織さんってばわたくしの好みドンピシャな方なのですもの♪ そういう子を死ぬまでくすぐってみたいって……わたくしずっと思いを秘めていましたので♥」  ルカ様の言動と目の真剣さに私は背筋に強烈な悪寒を感じ取ってしまう。  私を見る目は惚けているようで目の奥に確かな黒い欲望の炎が灯っている。その欲望が、私を“死ぬまでくすぐってみたい”という期待の表れだと知ってしまい……私の笑い顔は一気に引き攣る笑いへと変化させられる。 『ちょ、怖い! 怖いっっ!! 何それ、怖いぃぃぃ!! 何言ってるの? 衰弱死するまでくすぐるって……本気で言ってんの? それはもうお仕置きなんてレベルじゃないっ!! それはもう処刑じゃんっっ!!!』  恐怖から湧き上がったゾワワっとした寒気は、苛烈なくすぐりの刺激に掻き消されて既に感知できないが……しかし、私の危機察知器官は先程から慌ただしく身体中に警報を鳴らして警戒を強めるよう指示を飛ばしている。  この女は危険である……と、再三何度も警報は鳴っているが……しかし残念なことに私の手足は抵抗を封じられ逃げる事も叶わない。 「ほぎゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、イギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、やだぁははははははははは、やだやだぁぁはははあはははははははは!」  手は斜め上に万歳の格好で拘束され腋を見せつけるような格好を強いられているし、脚は股を開いて拘束され足裏を宙に晒させるためにカカトの部分に段差を設けてそこに体重を預けさせられている。  拘束具は革製の癖に頑丈で、私が手足を動かそうとしてもビクともしない。X字の拘束台も、赤と黒の縞模様で彩色された木製の柱を使っているが、木製であるにもかかわらずその柱は身動ぎしても軋む音すら立てずに私の身体を拘束し続けている。  衣服など着させて貰っていない。靴も靴下も下着すらも着衣していない生まれたままの姿だ。  それを恥ずかしいと思う前に、私はくすぐりの魔手に襲われ羞恥心ごと私の意志は笑いに塗りつぶされた。  逃げられない……  抵抗できない……  くすぐりに抗えない……  私は改めて自分の無力さ加減を認識させられ、深い深い絶望へと沈んでいった。  ルカ様が上半身をくすぐり、ピリカは分身体を召喚させて私の足裏を寄ってたかって羽根でくすぐって来る。  私はそれに頭が真っ白に染め上げられ半狂乱で笑い狂わされる。 「ぃぎひぁぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、くひゅ♥ アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、いへへへへへへへへへへへ、うひ♥ えへえへ……」  苦しくて辛くてしんどい……  ただそれだけしか頭に浮かんでは来ないが、しかし……ふとした時に、頭に電気ショックを流されるような快感が湧き出す瞬間も確かに感じる。  その快感が、苦しくて辛くてしんどいと思っていた私の心に一滴の清涼剤を交わらせてしまう。  快感よりも苦痛の方が遥かに強いが……そのたった一滴の快感は私の絶望しかないと思っていた苦悶世界に“期待”という希望を見出させる事になる。  この快感を味わえるのなら……少しくらい苦しくたって我慢出来る……  そんな曲がった考え方に……徐々に傾いていく。  それが、ルカ様が意図した責めであるかは知ることはできないが……  だけど私は……このたまに入れられる快感に虜になりつつある。そして安堵もしてしまう……  あぁ、やっぱり……私は……くすぐられるのも好きだったんだ……と、呆れるほど素直な感想を苦しみながら浮かべてしまう。 「おひょぉぉぉほほほほほほほ♥ ほひゃはははははははははははははは、あがはははははははははは、ひひひひひ♥」  かくして、私の性癖はルカ様の“お仕置き”によって深く強く捻じ曲げられ、彼女好みの女に変貌させられる事となった。  死ぬほどくすぐられて苦しめられて尚、快感を覚えるという……究極の変態を宿した性癖に……


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