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【全体公開】『洗◯ 髭面鳶親方』 俺は◯脳フェチだとかいう若造相手にちょっと付き合ってやるつもりが本気の 洗◯キマって変態プレイを晒しちまう

「親方ァこのタイミングで工期の短縮なんて無茶っすよ、どうなってるんっすか」

「騒ぐんじゃねえ、わかっとるわ」


今日は朝からかなりの冷え込みだってのに、朝礼は熱気や殺気で湯気が立ちそうになっていた。


「本社命令だ。工期の短縮事態はもう決定事項と来てる。来週までには必ず終われってな」

「いや無理っす、そんな急に……!」

安っぽい言葉だが、お前たちの気持ちはわかる。昔の俺ならば、やはりこうして感情に任せて叫んでいただろう。

しかし責任者としちゃあ締めるところは締めなきゃならん。一番頭を抱えているのはこの俺だ。


「わかっとる! 俺も今掛け合ってんだ。とりあえず二日後に三人。そっから先も人を寄越すように言っとる」

今にも破裂しそうだった男達の顔に多少落ち着きが戻るのが見えた。俺は小さくため息をついた。類は友を呼ぶというか、若い頃の俺みたいなのが多い。血の気が多くてかなわん。


「つっても期待しすぎて気ぃ抜くなよテメエら。遅れは許されん、これは決定事項だ」

俺は改めて野郎共に釘を差した。

「犬が西向きゃ尾は東。俺たちゃ命令には従って、完遂するのが前提だ。上にとっちゃ現場の俺らなんぞ単なる数字や労働ロボットや『操り人形』みてえに思う輩も――」


そこまで言いかけて、俺の口はブレーキを踏んづけたように止まった。

突如言葉を失った俺に視線が一斉に集まる。朝礼の真っ最中に黙るもんだから、皆驚くやら困惑するやらだ。

俺は真っ白になった頭をゆすりながら、なんとか声を出そうとした。


いや。

駄目だ。


今口を開いたら、髭面から素っ頓狂な声が上がる。わかる。もう何度も一人のときに上げてきたあの声だ。

操られる、この俺が……? 俺達が?


「ぬ……俺……が…………俺達が……」

「親方…………?」


肩を力強く揺すられた拍子に、俺はようやくでかい唾をゴクリと飲み込んだ。


「ン、む……あー……とにかく……だ!」

いつもどおりの「親方」の声が出たことに安堵しながら俺は続けた。

「まあ……あれだ、工期が短縮されるにせよ、そのままにせよ、注意を怠って台無しになるような真似はするなよ、以上!」

俺は強引に話を締めると、慌ててその場から立ち去った。

正真正銘の遁走だ。向かう先はどこでもよかったが、何も考えられずにとにかく近くの簡易便所に飛び込んだ。


腹でも壊したのか?

あの親方が?

薄いプラスチックの扉の向こう側からそんな声が聞こえた。

情けねえことだが、そんな憶測ですら事実よりかはいくらかマシだった。

俺は作業着――ムラサキのニッカの股間をまさぐって、そこからチンポをズルリと剥き出しにした。もうガッチガチになっていやがった。触ってもいねえくせに、俺の魔羅はこれでもかってくらいに反り返ってダラダラ汁まで垂らしていやがった。


操り人形。

迂闊にそんな言葉を口にしたもんだから、いや……そんな一言を出した程度で、俺は急速に『あっちの世界』に引きずり込まれていた。


洗脳されて、思うがままに操られる親父。


屈辱的なそんなシチュエーションと妄想。あまりにそんなもんをおかずにし続けるもんだから、言葉だけで頭が反応して、チンポまで興奮しちまっていた。


「クソ、なにやってやがる、俺って奴はよ……!」

数週間前の出来事は、俺の脳を決定的に変えちまったようだった。忘れようとしても、否定しようとしても、頭の中にはいつだってアレが残り続けていた。


洗脳。催眠。操られる。負ける。堕ちる……。

俺の頭に延々と居座り、骨にも筋肉にも染み込んじまった厄介者達。


洗脳される。

洗脳されちまった。

俺はこんなにゴツい親父なのに、洗脳なんてもんで興奮するような変態親父になっちまった。チンポがすぐに勃起するドスケベ野郎に堕ちちまった。


「よせ、やめろ……」

俺はまた余計なことを考え出す頭を必死に止めようとした。便所にコソコソと隠れながら、俺はまた何を考えてやがる。なにを始めようとしてやがる。


「ハァ……ハァ……ああ、手が……勝手に、クソぉ……」

だが抵抗たいして続かず、俺の手はゆっくりと勃起した竿に向かっていた。

そんな自分にまた興奮する始末だ。握りしめるとその瞬間竿からじくじくと快感が込み上げる。俺の脳髄から考える力がどんどん消えていく。奪われていく。


どうしてこうなった。

なんでこうなった。

古臭い作業着姿のいかにも頑固な職人親父な俺が、洗脳なんてもんにチンポ振って喜ぶ変態だなんてバレたら、積み上げた威厳もなにも吹っ飛んじまう。


「くそ、消えやがれ……! 俺を、どうするつもりだ、俺をどんだけ……へ、変態にするつもりだ……!」

俺はチンポを激しくシゴきあげながら仰け反った。

洗脳に侵されていく自分を自覚しながら、竿を弄る手が止まらねえ。


「強すぎる……クソ、クソ、負ける、負けちまう……」

この声だって外に漏れているかもしれねえ。

そんなことを考えるとますますチンポが固くなる。金玉がおかしくなりそうなくらいに雄汁を量産して、脳がグツグツ茹だってくる。


「あーーー゛……たまんねぇ……気持ち良すぎて、洗脳……受け入れちまぅ……!……あぁ駄目だってわかってんのに、止められ……ねぇぇ……ッ!」


こうなったらもうとっとと終わらせるしかねえ。

俺はチンポと脳をグイグイと絞り取りあげた。


早くイかねえとさすがに怪しまれる。

ほらとっとと出せ。出ちまえ。でろ、出ろ、負けろ。


「………………ッ」

……いや、そもそも……俺はなにをガキみたいにシコってるんだ。

我慢するって考えがいつの間にか頭から消え失せている。

どうなっちまってるんだ。俺の頭は本当にどうなっちまったんだ。


「あ――あぁぁっ…………うぅ゛……おぉぉ゛……俺の……脳みそが……ぁぁ……っ……!!!」


それを自覚した瞬間、頭をぶん殴られるような快感が脳天を貫いた。


我慢なんてできねえだろ?

こんな野郎臭い土方の格好のまま、無様にイくのがたまんねえだろ?


「やめろ、黙れ、ふざける……んじゃねえ……!」

俺の頭に棲み着いた何者かが俺を責め立てる。

俺は背中を壁に預けながら仰け反った。チンポを弄る手が止まらねえ。逃げ場がねえ。気持ちよさでおかしくなっちまう。

イくのが、イくのが我慢できねえ。


「おぉお……クソ……」


俺は呟いた。

限界だった。

気持ち良すぎてとろけちまっていた。


「うぉ……イ゛っちま………………うぅぅ…………!」


俺のチンポがひときわ強く跳ねた。


「イグ…………うぉお……イグッ…………グ…………うぐぅう………ッ!!」


俺は声まで出しながら射精した。

簡易便所の中に自分の精液臭を撒きながら、俺はニッカと作業着姿のまま無様に腰をくねらせた。


「や……ちまったか……くそ……」

とてつもない快楽と羞恥の中で俺は焦っていた。

ついに現場でやっちまった。

独りでシコシコして喜んでいるだけならまだしも、こうして現実問題……バレるかもしれねえ場所と時間でまでトんじまった。

「どうにか……しねえ……と……うぅ……おぉッ…………!」


なによりの問題はイッたことじゃねえ。

本当の問題は別にある。



俺はこれで満足がいってないことだ。

もっと欲しくなっちまってる。

脳が飢えてやがる。

寝ても覚めても頭の何処かが常に飢えている。まるで空腹な胃袋に、物足りない量の握り飯を一つ食べた時のようだ。一人で洗脳のことを考えるだけじゃあ、もう足りなくなってるのだ。


このままだといつか俺は本当にぶっ壊れちまう。


「し、仕方ねえ……クソ、クソ……」

俺は屈辱に顔を歪めながら携帯電話を取り出した。


もう一人で抱えられねえ。

こうなったら手段は一つだ。

それに、現実を知れば俺の脳は目を覚ますかもしれない。


俺はつい先日掲示板で知ったアドレスに一通のメールを送った。



――――




俺が指定した待ち合わせ場所は、夜のファミレスだった。

今の現場の二つ前の頃によく使っていた場所で、駅から遠いうえに照明がやけに薄暗いもんだから当時から人気がなかった。

今日のような平日の夜ともなりゃなおさらだ。客はポツポツとしかいなかった。


時間は夕飯時の手前だが、真冬なもんで外はもう暗い。

俺は窓際の角にどっかりと腰を下ろして携帯電話を取り出してボタンをポチポチと弄った。

家には朝から「外で済ましてくる」とだけ送ってあったが、改めてもう一通送っておいた。もしかしたらこれ幸いと向こうも外食しているかもしれない。


…………。

俺はもう一通。別の宛先にメールを送信した。

この席の位置と、自分の服装。入力して送信したあとで、席の位置まで言わなくても良かったことに気がついた。

こんな格好の親父が二人も三人もいるわけねえんだ。


俺はドリンクバーにコーヒーを汲みながら、暗くなっていく窓ガラスに映り込む自分の姿を見た。普通のオヤジならまず選ばない派手な色合いの鳶シャツに、引きずるような威圧感のある三超。若い頃から気に入ってる組み合わせだ。今ではもう少し渋い色味や、職人らしい八分ニッカにすることも増えたが、気合を入れる時はこうすると俺は密かに決めていた。

年食って多少太ったが、そのぶん男臭え筋肉質なガタイ。黒くゴワゴワした髭面に、厳ついシワばかりの顔。

……どう考えてもビビっちまうのは俺に会う側の筈だ。俺が緊張する理由なんざ一つもねえ。


……待ち合わせ時間が近づいている。


「クソ」

再びソファ席にケツをつけて、俺はすぐにコーヒーをー飲み干した。髭の下にある口が何年も前にやめたタバコを求めている。

コーヒは苦みばかりで味わいもなにもあったもんじゃなかった。俺は口の中だけで悪態をついた。そんなタイミングで一人の男が店に入ってきた。


それはついこの前まで学ランでも着ていたような若造だった。キョロキョロとあたりを伺って、どうにも落ち着きってもんがない。

……まさかあれか?

そう思っていると、男は席を案内しようとする店員になにかを話し始めた。


目が合った。

男はまっすぐこの席に近づいてきた。


「どうもっす、えーっと『親方』さんですか?」

「――ああ」


言い慣れていないからだろう、男は『お↑やかた』なんて妙なアクセントで俺を呼んだ。

無理もない。こいつは現場で一緒になったこともなければ、俺の本職も知らねえ。親方ってのは、俺がネット用に適当につけた名前、ハンドルなんとかってやつだ。


「こんばんは、今日はよろしくお願いします」

「ああ」


改めて正面に座られると、なんとも奇妙な感じがした。

男は一人前の男というより、まだ坊主といった方がしっくりきた。短く刈った頭髪に日に焼けた肌、もう少し歳を重ねりゃあ貫禄がついてきそうだが、今はそのどれもが未熟さに繋がっている。


「連絡ありがとうございました。すげえいかにも親方ってかんじで、すぐわかりました」

「まぁそうか、そうだろうな、珍しいか」

「うっす! へへ」


坊主なり俺に合わせた返事をしたのだろう、照れ笑い混じりにそういった。それから俺達はとりあえず当たり障りのない会話を続けた。メニューを開き二つ三つ食事を選ぶと、たいして待つ必要もなく食事が運ばれてきた。

いかにも普通の食事風景だというような空気を出しながらも、それでも俺は正面の坊主からの視線を感じていた。チラチラと俺の顔や胸板を見つめる所作は、いわゆる熱視線ってやつだ。


――何を縮こまる必要がある。相手はまだガキみたいなもんじゃねえか。飯でも奢ってやって、一つ二つ話をするだけだ。

腹が膨れたこともあってか、俺の中にあった緊張やらなにやらはすっかり消えていた。


「それで」

食事も終わり、紙ナプキンで口元を拭きながら坊主は好物でも尋ねるように俺に尋ねた。

「どういうのが好きなんですか? 親方さんは」

紙ナプキンをくしゅくしゅと握りつぶして、二つの瞳をギラギラと輝かせながら坊主は言った。

なにがだ、などとは聞き返さなかった。坊主の顔を見ると口元には生意気そうな笑みが浮かんでいた。決して食べ終わった食事の感想を聞いているわけじゃない。


「掲示板には、洗脳や催眠術について語ってみたいって、ええと……ほら、うん」


携帯電話の小さな画面を見つめながら、坊主は続けた。

俺は周囲を目で探った。一番近い客でも4つも離れた場所に座っている。給仕の姿も見えない。


「まあ、そうだな……」

俺は渋々といった態度で口を開いた。呼び出したのは俺の方だ。これは俺がテメエ自身で望んだことだ。

誰に語ることもできねえ欲望を吐き出す。それが今日の目的だった。


誰にも語れねえもんだから、俺は却って悶々として、ついには暴走を始めてに違いなかった。だったら話は簡単だ。聞かせりゃいい。

とはいえ現場で語るわけにもいかん。そこで俺はこいつを選んだ。正確には誰であっても良かった。インターネットとやらでそういった集いを探し、掲示板ってものに書き込んで、最初に声をかけてきたのがコイツってだけだ。俺はただ自分の鬱屈したわけのわからん欲望を吐き出そうとしたのだ。なにも風俗代わりにしようってわけじゃない。ただ話すだけだ。

それでスッキリしちまおうと思っていた。なんなら話が通じなくても構わなかった。何だその変な趣味はと言われるくらいのほうが、むしろこの奇妙な悪夢が終わる気がした。


「どういうっつうと、まあその、……あれだよ、つまりだな……」

しかしその正面突破の強硬策は、肝心要の俺が口ごもっちまうせいで第一歩目から躓いた。

俺は唾を飲み込んだ。一日働いて汗を吸った頭皮をボリボリと描いた。テーブルの下でニッカを履いた足を意味もなく組み直した。

もしも目の前でこんな喋り方をする新米がいたら、一喝いれて指導してやるに違いない態度だ。


ああくそ言葉が出ねえ。

風俗で何万使っただの、何回戦までこなしてやっただの、猥談ってことなら簡単なもんだが、あれにくらべてどうしてこんなに難しいんだ。あっちが肺から空気を出す程度の暴露なら、こっちは自分の内蔵をひっくり返すようなもんだ。


正義のヒーローが洗脳されるシーンに興奮した。

俺みたいなゴツい男が支配される状況にどうしてもチンポが反応しちまう。

操られて勝手に変態行為しちまうように変えられるってのが……クソ……なんだこりゃ、どう言えってんだ。


「ええと、じゃあまず俺から、いいっすか?」


言葉に詰まっていると、坊主が片手を上げてそういった。

確かに約束の内容は、お互いに自分のシュミを話し合うってもんだった。

「結構メジャーだから面白ミみはないと思うんっすけど」

若えもん特有の無鉄砲さというか、坊主は少しも臆することもなく話し始めた。


「アイザックの冒険ってアニメ知ってますか? あ、そうっすよね、あんまり見なさそうですよね。ゲームが原作なんですけど、ええーっとそのアニメの中にあった、王様が洗脳されるシーンがね、俺最初にビビッときたところで……」


坊主の話は半分程度しか理解できないもんだった。なんでもビデオゲームが原作らしく、勇者だの冒険だのという、俺には馴染のない単語がいくつも出てきていた。

「その王様が自分の玉座に座りながら、旅商人に化けた魔族に操られて、ビクビク仰け反りながらね……すげーとろんとした顔になるんです。で……操られて、隠しておかなきゃいけない国の情報とかを喋りだすんですよ」

「ほう……そりゃあ……」

しかしその王様とやらのやられっぷりは悪くないものだった。王ってのがいい。皆の規範になるべき、一番てっぺんを守る存在だ。それがやられちまう。そのうえ玉座で。つまり自分の権威が一番発揮される場所で、国を裏切らされて惨めな姿を晒すことになる。

悪くねえ。俺でいやあ、朝礼の時間の最中に変態行為を強要されて宣誓させられるようなもんだ。屈辱的すぎるじゃねえか。ああクソ……。


「俺はこんなんっすけど?」

一通り語り終えた坊主は、興奮をした顔のままそう締めた。

「どうっすかね、親方さんに伝わったかなあ」

「ああ悪くねえな、王ってのが特にな、気に入った」

「マジっすか、よかった!」

こいつも若いくせに、いや若いからか、とにかくいいシュミをしてやがる。他所だったらどうかはわからんが、少なくとも俺にとっちゃあこの話は十分興奮できるもんだった。テーブルの下、ニッカの中に収まった竿も少し勃ちあがってるくらいだ。


「俺の場合は――」

こうまでお膳立てされておいて、俺の方は語らねえってわけにもいかねえ。俺は四杯目のコーヒーを一口だけ飲むと口を開いた。


「あ――…………まあ俺もな、洗脳だの、操られるってのがアがるもんなんだが……ぁ」

しかし、この期に及んでまだ俺の口は回らなかった。油の差していない機械のように鈍い。

「つまりだ、俺ぁよ……あー」

顔面のシワと声ばかりが厳つくなるばかりで、肝心の言葉ってやつが出てこねえ。

「うーん、それじゃ親方さん」

そんな俺を見かねてか、坊主は喜々とした態度で俺に語りかけてきた。


「こういうのはどうでしょうか」

そう言うと、坊主はニ枚の紙ナプキンを手に取った。そのうち片方をクシャクシャに丸めて握りつぶすのが見えた。右手と左手。右には丸めたもの、左にはそのままのナプキンをパタパタとはためかせてみせる。

まるでマジックショーでもするような手際だ。

人気のない夜のファミレスで、鳶職の親父と小僧二人だけでするには奇妙な光景だろう。ヤツはそんな自分の手際を誇るようにしながら、俺の前に二つのナプキンを差し出した。


「親方さんは、洗脳されるシーンに興奮する」

そういいながら坊主は右手側の丸められたナプキンを突き出した。


「いや違う、親方さんは洗脳されるシーンではあまり興奮しなかった」

そういって今度はシワのないナプキンを、左手と一緒に突き出した。


「ハハッ、なるほどな」

「ああ、ちゃんと考えたんっすから笑わないでくださいよ」

「いやいやお前を馬鹿にしてるんじゃねえよ、こんなことまでやらせちまった俺の煮え切らなさに笑いが出ただけだ、そう腹を立てんじゃねえよ、………………こっちだな」


そういって俺は、くしゃくしゃのナプキンの方を手に取った。


「ああそうだ、俺は……洗脳されるシーンが……まああれだ、昔のヒーロー番組とかに出てた野郎が……洗脳されるシーンに興奮しちまうんだよ、これが」


詰まっていたもんが一気に吐き出されるように、俺の口から洗脳という言葉が出た。


「あーいいですよね、ああいうのって、戦闘員フェチとかヒーローフェチとか、色々あるみたいで」

「まあ……そこらへん詳しくはねえんだけどよ、俺だって知ったのはここ最近だ。自覚したのなんざ、ほんとうにここ数ヶ月程度だからな」


相槌があったのも手伝って、俺は案外楽に話し続けた。


「まあ、なんだ……自由が奪われちまうというか、自分の意志が自分の思い通りにならんってのが、恐ろしいって思う分興奮しちまうんだろうな、鍛えた体が役に立たねえってのが特にな」


俺は自分の顎髭を触り、恐れるような楽しむような口調で言った。自分の筋肉が次第に汗ばんできているのがわかる。土建仕事とトレーニングでゴツくなった体が、自分の言葉で反応しちまっている。


「まあそんなもんだな、最初に気がついた切っ掛けはお前が生まれる前の番組でな」

「――それで、親方さんって」

突然だった。

遮るような鋭さで坊主は言った。

その時確かに俺は見た。ただの笑顔とは違う。まるで隠れていた生き物が洞穴から顔を出したかのように歪んでいた。


「洗脳は――される方が興奮する?」

なんだ?

される方?

坊主は右側のゴミのような紙ナプキンを突き出してそう言っていた。

「それとも、洗脳してやりたいって思う?」

左側の真っ直ぐな紙ナプキンを突き出して続けた。


理解した途端、俺の目線が自分でもわかるくらいに泳いだ。

俺がどっちか。それを暴こうとしているのだ。いきなり、こいつは。


眼球が右に左に、支えを失ったラグビーボールのように揺れている。口が僅かに開き熱い息が漏れた。浅いところで気楽していた筈が、いきなり泥中に片足を突っ込んでいたことに気がついたようだった。


「俺は……」


鼓動が急速に早まっていた。喉が渇き、現実感が欠けたように喪失していた。

そうして口ごもっていると、坊主は俺に指示するかのように、目の前の両手の指先を動かした。

右か左か。このナプキンで答えろって話だ。

…………何を生意気なことを。

それまで助け舟に思えていたこのシステムが、急に腹立たしい俺への命令のように感じた。

命令だと。

この俺に。

鳶職のこのゴツいゴリラみてえな親父に。

こんな餓鬼が?


「………………」

そんなこといきなり聞くな、と否定してやりゃそれでいい。

どっちでもねえな、と誤魔化したっていい。

どうとでもなる、その筈だった。だが俺はただ黙っていた。そしてじっと、差し出された二択を見つめていた。

指が動く。


洗脳される。

洗脳する。


俺がしたいこと。されたいこと。この俺は……俺は…………。


「へえ」


気がつけば俺は、紙ナプキンを指さしていた。

返答はただ一言だった。

ただ一言そう言って、ヤツは俺の指さした方……崩れたゴミのような紙ナプキンを見下ろした。


「すげえっすね、親方さんみたいな、いかにも男の中の男って人が……洗脳とかされたくなっちまうの、なんかよりエロいっすね」


間違いなく自分で選んだ筈なのに、まるで答えさせられちまったみたいな問答だ。俺は奥歯を噛み締めながら、ただ言われるままになっちまっていた。


「さっき言ってましたしね、鍛えた体が役に立たないってのが恐ろしいって、まさにそれ親方さんのことですよね」

「…………」

「腕はぶっといし、胸板はでかいし暑いし、そんな男が成すすべなく」

「成すすべなく……操られて、か、心も体も支配されちまうってのが……興奮、しちまう……っ」


俺は誘導されたみたいに自分から自分の内面を曝け出していた。


別に喜んで語っているわけじゃねえ。俺はもとはそんな変態趣向があったわけじゃねえ。これはなにかの間違いだ。そんなツラを残しながら、しかし言葉だけは次々に洗脳のエロさなんてものを話している。


「じゃあ親方さん」

坊主はもう一度紙ナプキンに手を伸ばした。

俺の体がビクリとそれだけで反応した。

次は何だ。何をする気だ。

ガタイそのものには指一本触れられていねえ筈なのに、俺の全身から汗が吹き出していた。


「親方さんは、今興奮してチンポをギンギンに勃起させている」

右手には崩れたナプキン。

「それともまったく興奮してない」

左にはまっすぐなただの紙。


「さて、どっちでしょうか」


誘導だ。

卑怯な二択だ。

今まさにエロい話をしているってのに、少しも興奮しねえなんてことあるか。俺はつまり否定ができねえ。そうなると必然、この興奮してギンギンに勃起させているってことにされちまう。

中庸ってもんがねえ。100か0みたいなもんだ。そんなもんに答える義理なんて少しもねえ。


「う……あ…………クソ、なんだ……ってんだ……」

俺が悔しげに呻いたのは、しかしグシャグシャの紙ナプキンを選んだあとのことだった。


ああ、俺は勃起している。

威圧感あるニッカの中で、ガチガチに男臭えチンポを勃起させちまっている。

もとから勃起していたはずだが、こうなってくるとまるで指示されて勃起したみてえだ。命令されて俺はチンポを勃起させている。……そんなおかしな気分が俺を侵しはじめる。

この俺のチンポも、筋肉も、脳も、このくだらん手品の中の一つ。こいつの言葉で簡単に変えられていくようなそんな屈辱だ。


「……ハァ……あぁ……どう、なってる……なにが……こんな……」

「こっからはテーブルに隠れて見えないけど、へえ……親方さん今勃起しちまってるんですね……そんな男臭い衣装のなかで、ガチガチに興奮してるのか」

「…………」

「勃起、してるんですよね?」

口調だけは敬語のままだったが、その語気は明らかに俺に答えを強要していた。命令といってもいい。それくらいの強さがあった。

この野郎、いったいどういうつもりだ。ふざけんじゃねえ。この俺に、今日あったばかりのチン毛も生え揃ってなさそうな餓鬼がなんのつもりだ。


「勃起、しちまってる……俺は……そうだ……勃起……ぃ……」

だが俺の口から出たのは、説教や罵倒どころかただただ肯定するだけの声だった。


「あ……ああ、そうだ……俺は……勃起……しちまってる……勃起……チンポ……チンポ……」


卑猥な言葉を呟きながら、俺は正面を見つめ返した。

男臭い仁王立ちのように股を開くと、ますますチンポがニッカの裏地を突いた。

やめろ。てめえどういうつもりだ。この俺になにをした。

止まらねえ。勃起がとまらねえ。頭の芯がボーッとする。いつからだ、いつからこうなった。どうなってるんだ。俺はただ自分のどうしようもねえ膿を吐き出すつもりだった。こんな……こんな……洗脳されてるみてえな気分を味わうつもりなんざなかったんだ。


「こんなふうに洗脳されたくって、俺をわざわざ呼んだんだ」

奴が勝手に俺の内面を語った。

「俺に洗脳されて、今……気持ちいいか?」

ついにヤツは、倍ほども歳が離れたこの俺にタメ口でそう言った。


「…………」

もちろん俺は答えねえ。そんな屈辱的な問いかけに答えるもんかと髭に覆われた口をぐっと引き結んだ。

眉を怒らせ、眉間にしわ寄せ、金剛力士像のような面相をつくって俺はやつを睨みつけた。


「ぬ……ぐぅ…………!」


だがそこにあった紙ナプキンを見て、俺の目はまた情けなく泳いだ。


「俺に洗脳されて、気持ちいいか?」

差し出されたぐしゃぐしゃの紙ナプキンに俺の視線は吸い寄せられた。

チンポが勃起している。息が荒い。口の中でヨダレがだらだら溢れやがる。これで興奮してなくって、なにが興奮だってくらいの姿だ。


「男だったら嘘や誤魔化しなんてしねえよな?」

トドメとばかりにそう言われて、俺は再びグシャグシャの紙ナプキンを指さしていた。


「口を開けよ」

「…………………………」

「開け」

「………………うっす……興奮、してるっす」


奴の口調に引きずられるように、いや……引きずり降ろされるようにして俺はそんな返事をした。


上下関係がまるであべこべだ。

なにがどうなってるんだ。

洗脳されている? この俺が? ああそうだ、今洗脳されている。あの特撮番組や、こいつが語っていたアニメみたいに、親方なんて呼ばれているこの俺が。


「さて次はなにを聞いてやろうか」

「や、やめろ……やめやがれ……」

ヤツはそんな俺の混乱を笑いながら、次の質問を考えて指先を遊ばせていた。

俺は威圧的に声を低めてそういったが、もちろんそんなことでバカ正直に収める筈がない。坊主はむしろより一層楽しむように俺を見つめた。


「今勃起してるチンポ、外に晒してえだろ?」

「な……にを……!」

まるで少しも考えていなかったような思考をヤツは口にした。馬鹿野郎、これまでとわけがちがうぞ。

人がいねえとはいえここは公共の場だろうが。

そこで俺がチンポを晒すだと? そんなこと考えてるわけがねえ。


「なあ、どうだ」

これ以上は興奮とか抜かしてる場合じゃねえ。駄目だ。許可できねえ。操られるわけにはいかねえ。

俺は大慌てでまっすぐ伸ばされたシワ一つない側の紙ナプキンに手を伸ばした。ぐしゃぐしゃのそれが肯定の証だとするならば、こちらはそのまま否定の証だ。


「へえ、そんなに慌てなくっても大丈夫だってのに」

俺の動きを見ても、なおも忌々しい野郎はニヤニヤと笑っていた。

ふざけるな、なにもかもお前に決められてたまるか。俺の意思や決定は俺が決める。俺はギロリと睨みを効かせた。だが――

「……そんなに丸出しにしてえなんて、変態親方だな」

「な、なにを言って……やが……る」

ヤツはそんなことをのたまった。俺は確かに、まっすぐ伸ばされた紙ナプキンをとったはずだ。なにをいってやがる。どういうことだ。


俺はテーブルに目を向けた。


そこにあったのはぐしゃぐしゃになった紙ナプキンだった。

否定を意味する真っ直ぐな紙ナプキンは、いつの間にかコイツに握りつぶされていた。これじゃ、聞かれることすべてなにもかもハイハイ頷くしかできねえ。ただでさえ少なかった選択肢が、ただ一つだけに絞られてちまった。


「ふ、ふざけんじゃねえ、……俺は……」

「自分で選んだんだろ、親方よ」

「…………」

こんなイカサマ、やってられるか。

頭のどこかでそんな声がする。だがそもそもだ、そもそもそんなルールに従って返答している俺はなんだ? もう俺は完全にこいつに掌握されちまってねえか。いいように先回りされて操られてねえか。

心臓が跳ねた。どうしようもなく勃起が止まらねえ。ケツが浮いて、手が勝手に股間に向かう。


「ほら、やれよ」

「…………う、うぉ……ぉぉ」


こんなもんに従う必要なんかねえ。理由もねえ。義理もねえ。だのに手がとまらねえ。

やめろ、さわるな、弄るな、出すな。


「返事はどうした」

「うっ……す……」

俺の口から信じられない返答が飛び出しちまった。完全に屈服した男の返答だ。自分より遥か上の存在に従うときの答え。俺はこのあったばかりの小僧に、完全に恭順していることを示す声を出しちまっている。

いや……違う……これじゃねえ。もっと、もっと俺に相応しい返答があるじゃねえか……。

「お、押忍…………チンポ……出す……俺は、チンポ出すっす……」

「へえ、いいなその返事」


褒められたことで俺の頭から脳汁がだくだくと溢れるのがわかった。

頭とチンポがビンビンに感じちまう。

男臭え返事をするのがたまらねえ。ニッカからチンポを剥き出しにする変態行為、命令に従う自分にアがっちまう。


ああ俺はこんなイカサマ野郎に、こんな小僧に、完全に屈服して、操られて……洗脳されちまっているのか……。

自分の変態っぷり、敗北っぷりが強烈であればあるほど、俺の脳はそのいやらしさに焼かれていく。


「ハァ……ハァ……ああ、手が……とまらねえ…………」


俺はそういいながらついに三超のニッカからぶっとい魔羅を取り出した。思わず「う……!」と低く声が上がる。夜のファミレスの管理されきった空調に晒されて、竿と亀頭が感じちまう。


テーブルに隠れてこそいるが、ここまで臭いが漂ってきた。仕事上がりのまま来ているもんだから、蒸れて溜まってひでえ臭いだ。


「……だ、出したっす……押忍」

俺はそんな臭えもんを自分で味わいながら、それでも命令されるままだ。……完全に操り人形状態だ。自分の頭じゃ何一つ決められねえ。


「へえ、どれどれ」

そういいながら小僧は少しだけ体をソファ席に沈めた。なにをする気だ。答えはすぐに身をもって知ることになった。


「う……!」

「堪えろよ」


そいつは靴を脱ぎたての足で俺の股間を蹴るように触っていた。

親指と人差指の付け根がゴリゴリと俺の裏筋を触っている。


野郎に……それも年下の小僧にチンポを踏まえるなんてあたりまえだが未経験だ。屈辱だ。こんなもん男だったら我慢できるはずがねえ。


「屈辱だろ?」

「押忍……」

「でもそれがむしろ良いんだ、お前は」


もはや質問でもなんでもなく、断定するようにして小僧は……俺の目の前のこの支配者は紙ナプキンを突き出した。

ぐしゃぐしゃになったそれは、改めて見るとまるで俺の脳みそんのようだった。

シワだらけになるまで潰され、元の形がわからなくなるまで握られた一枚の紙。もう引き伸ばしたってもとには戻らねえ。それが俺だ。


「それがいいんだ、お前は」

「押忍……興奮、しちまいます……押忍……」


俺はそんな言葉をそのまま肯定した。

頭の中に新しいひとつの自分が生まれて、それがどんどん俺の中に広がっていく。


畜生たまらねえ。

興奮が収まらねえ。

目がとろんとしちまう。チンポから汁が出ちまう。

この足に自分から竿を擦り付けて、情けなく喘いじまう。


「お前、完全に洗脳されちまってる顔になったな」

「お、押忍……」

「自分で見てみろよ、いい具合だぞ」

「押忍……」


言われるままに俺は窓ガラスを眺めた。

そこにいた髭面の土方は、完全にイッちまったツラを晒したヘロヘロの情けねえ野郎だった。親父臭い髭にはヨダレが垂れて、眉毛は情けなく八の字に歪んでいる。気合のはいった鳶シャツの下で、胸板がどくんどくん興奮で忙しなく上下しちまってる。


全身が見てえ。

チンポを晒した俺を……もっと、変態親方になっちまった俺を見てぇ……。

頭の中に勝手に声が響く。


「もっと変態に堕ちてえか? 気持ちいいぞ」

「も、もっと…………?」

これ以上、俺は変態になっちまうのか。

「もっと変態に堕ちてえな」

「……ッ! お、押忍……き、気持ちよくなりてえっす……」

断定されると、俺はそれを認める。

それしかできねえ。

俺はもう紙ナプキンも見ずに、ただ声だけでそうなっていた。窓に映る俺の顔面は、完全に土方親父のゴツいツラから情けなさすぎる変態親父になっていた。その顔面から言葉が吐き出される瞬間を見て俺のチンポからますます先走りが垂れた。


「それじゃあ、射精しちまえよ」

「う……おぉ…………」

「この場でイっちまうんだ、気持ち良すぎて馬鹿になって……ますます洗脳が進むぞ」


洗脳が進む。


俺はそもそも今日、この厄介な趣向を吐き出して楽になるためにここに来たはずだった。

それが今……どうだ。

ますます洗脳を深めようとしちまってる。

変態になろうとしている。

完成されちまいてえって思ってる。


「洗脳……す、すすむ…………」

「そうだ、どうしたい……?」


そうして目の前の男は……俺の前に紙ナプキンを突き出した。

もちろんニ枚ともグシャグシャのやつだ。

それを見た瞬間、また俺の頭が弾けた。

否定できねえ。そんな選択が用意されてねえ。ハイ、イイエが揃ってない。俺はこっちを選ぶしかねえ。


「押忍」


俺はそう言って、自分のチンポに握りしめた。


「オオォ…………」


悲鳴に近いうめき声は、おそらく他の声よりずっと耳に入るものだったろう。そんな恐怖がますます俺を掻き立てた。


「どうだ、気持ちいいか」

「押忍……き、気持ちいいっす」

返答があればそう答えるしかない。

肯定しか今の俺にはない。

そうしているうちに、その返事が本当の俺になる。変わっちまう。

俺はニッカをがっしりと履いたままチンポを激しく上下に動かし続けた。

「ハァハァ……やべえ、クソ、やべえ……たまんねぇ……」

「そうかそうか、そんなに洗脳されてえのか」

気持ちよくなればなるほど、射精が近づけば近づけ近づくほど、俺が終わっていくのがわかる。かつての俺ならば脅されたってやらなかったことを、今の俺は望んで自分から行っている。

そうなるように仕向けられた。

洗脳に。催眠術に。コイツに。この男に。


「イくときはちゃんと宣言しろよ」

「う、お……っす…………うぅう……おぉぉお…………」

射精の仕方まで指定されて、俺の雄としてのプライドや自由は完全にズタズタだ。たった数十分で一体俺はどこまで堕ちちまうんだ。男としてどこまで支配されちまうんだ。


終わりのない底なしの沼に、俺は気持ちよさに喘ぎながらどんどん沈んでいく。


「もっと腰を振ってみろよ」

「押忍……こ、こうっすか……」

「おーいいな、そのほうがもっとエロいぞ」


自分より遥か歳下で体格差もある男に褒められ、俺は心から喜んじまった。

それこそチンポの気持ちよさが一回りあがるくらいだ。俺は洗脳された。だから抗えねえ。こうなっちまうのも仕方ねえんだ。

その諦めみたいなもんが、俺をどんどん身軽に……そして変態にしていく。


「ああ゛ぁぁぁ……たまんねぇ……あぁ……」

「そろそろってかんじか」

「押忍……チンポ……で、出そうっす……」

「言われたとおりにしろよ」


ああ射精しちまう。射精したらますます洗脳が進むって言われてるのに、俺は自分から射精しようと手でコキ続けている。


こんなんどうしろっていうんだよ。刃向かえるはずがねえ。

俺は機械みたいなもんだ。洗脳されて、自分で自分を洗脳しろってボタンを押させられている。じゃあどこから抵抗すりゃよかったんだよ。わからねえ。なにもわからねえ。考えられねえ。気持ちいいことしか考えられねえ。まさにこれ、さっきコイツが言ってたことじゃねえか。馬鹿になってますます洗脳が進む。ああ、本当に言うとおりだ。この男……この方の仰るとおりじゃねえか……。お、俺は全部……全部支配されちまってるんだ。


「ああイきそうっす、イッていいっすか……イッていいっすか」

俺は野郎臭い顔を歪めながら、必死になって今日あったばかりの歳下男に懇願した。

「どうするかな」

これまでずっと俺を追い立てていた男は、このギリギリの段になってわざわざ渋るようなことをいった。


「ああ、イきてええッス……洗脳深まっていいから、イきてえっす……」

俺は自分の口からそう言うしかなかった。

「違うだろ」

これだけ変態的なことをいったのに、なおも訂正を入れながら男は続けた。

「洗脳されたいから、イかせてください、だ」


それは絶望的な命令だった。

俺は洗脳されたい。

俺は洗脳深めたい。

そのために射精したい。

結果が逆転したようなその言葉に、だが俺は少しも抵抗しなかった。できなかった。


「せ、洗脳していただくために、俺はァ……しゃ、射精するっす……! 射精……い、イク……イクっす、イク、たまんええ…おぉぉ…………お゛ぉぉ!!」


俺はテーブルにガタガタ体を打ちつけながらついに射精した。


宣誓をして。

情けねえ顔を突き出して。

周りにもバレるくらいに体を揺すって。

完璧に変態親方になり下がって射精しちまった。


一人での射精がまるでごっこ遊びかのように、その射精は鮮烈で強烈だった。

頭が真っ白なんていうが、それどころじゃねえ。

頭に洗脳だとか変態だとかそんな言葉で埋め尽くされる。言葉だらけで逆に真っ黒だ。俺の頭は興奮と洗脳で埋め尽くされちまったのだ。


「うぉぉ……おぉぉぉお……すげ……洗脳……きく……きいちまうぅぅ…………」


俺はそんなことをブツブツと言いながらテーブルに突っ伏した。


「いいぞ、もっともっと洗脳してやるからな……覚悟しろよ」

「押忍…………押忍……ありがとう……ござい、ます…………」

俺はつむじから掛けられる声に、当たり前のようにそう返事をした。



きがつけば直ぐ目の前に俺をこんなにした紙ナプキンが丸まっていた。

俺の鼻息一つで飛んでいくそれは、紛れもなくただのゴミクズだってのに、俺はただただじっとそれを見つめていた。そうして転がっていくそれを見ながら、俺は洗脳済みのチンポからどくどくと精液を吐き出していた。



「じゃ、とりあえず出るか。お前が出せよ」

「押忍……全額……出させていただきます……」


最初からここは奢ってやろうと思っていた。だが、そんな兄貴ヅラ、親父ヅラをした男はもうどこにもいなかった。

いるのは茹でダコみたいに興奮して、ヨダレ垂らした変態土方だ。


「おい、誰がしまっていいって言った?」


よろめく体でなんとか立ち上がろうとした俺に、恐ろしい言葉が投げかけられた。

俺はニッカからチンポを丸出しにした変態臭すぎる姿のまま硬直した。この格好で、ここを出ろってことか? いくら人がいねえとはいえ、そんなことしちまったら即お縄だ。


「安心しろ、お似合いのもんがあるからよ」

そういって俺の主に成った男は、テーブルから二つのものを取った。俺を散々弄くって苛んで気持ちよくしてきたもの……、紙ナプキンだ。

「これで隠せるだろ」


そう言って俺の股間にその紙ッペラを押し付けてきた。


お前は全身男臭い土方の格好のまま、チンポだけを紙で隠した姿でここから出ろ……っと。そう言っているのだ。

威圧感ある格好が、そのまままるごと露出好きのイカれた変態野郎になっちまう。そんなことをしろ、と。


………………。

だが、俺の返事は一つだった。

「押忍……ありがとう、ございます」


俺は立ち上がり、紙をチンポに巻き付けて前かがみになりながら歩き始めた。


精液が紙ナプキンに染み込んでいく感覚を味わいながら、俺の脳はさらに屈辱と興奮で壊れていった。


俺はいったいどこまで堕ちていくんだ……。




【全体公開】『洗◯ 髭面鳶親方』 俺は◯脳フェチだとかいう若造相手にちょっと付き合ってやるつもりが本気の 洗◯キマって変態プレイを晒しちまう

Comments

すごい良かったっす 続編に期待します!

haveeen65


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