お世話になっております。若林です。
今回のご質問はこちら。
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私は漫画を描く上でいつも「売れる作品」をを最優先に考えます。
ただ、最初はこの考えを大事にしていましたが、最近ではこの考えのために「この漫画は自分が面白いだけでは?」「多くいる作家の中で目立つ存在になれるのか?」と考えてしまい、創作意欲が落ちています。
若林先生は、漫画を描くうえで「売れるかどうか」と「自分が描きたい話」をどうやって折り合いつけているのでしょうか。
また、ご自身で売れそうな作品をどのように意識して執筆されているのでしょうか?
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→僕は「自分の描きたいもの」を最優先にします。その上で「売れるかどうか」ではなく「どうしたら売れるか」を考えます。
僕も以前、他の作家さんに「売れるものと描きたいもの、どちらを優先していますか?」と質問してみたことがあります。
その方は「最優先は売れるもの」「その中で自分の描きたいものを探す」とおっしゃっていて、なるほどなーと思いました。
別に、「売れるもの」と「描きたいもの」、どちらを優先してもいいと思うんです。
ただ、どちらかを優先して、どちらかを諦める必要も無いと思います。せっかく漫画を描くからには、好きなものを描いて売れたいじゃないですか。
その上で、僕がどうやって売れることを意識しているかという話をします。
まず、漫画の売り方を考えようと思ったら、売り方から考えないんです。
最初に考えることは「誰に」「何を伝えて」「どういう気持ちにする漫画なのか」です。
漫画は娯楽であり、商品なので、それがお客さんにどういう価値があるのか、どういう欲求を満たすのか、どういう悩みを解決するのか……みたいなことを考えるんです。
こうして読者を想定し、その人達に届くにはどうしたらいいか、その人達がより読みやすい形は何か、その人達が買ってくれる決め手は何か……を考えていきます。
そして最後に、この漫画で伝えたいことを疑問形で考えます。
「徒然チルドレン」なら「こういうの、ニヤニヤしない?」でしたし、「幸せカナコ」なら「元気になった?」ですし、「ぱちん娘。」なら「ダメなやつ見てると、楽しいよね!?」です。
このメッセージが漫画を通して読者に伝わると、自然と読者はこの問いかけに対する感想をSNSで呟いてくれるようになります。
エゴサして、そういう感想が多く見られれば、漫画の伝えたい魅力は真っすぐ伝わってますし、感想の傾向がバラけるようなら、漫画の伝えたい魅力がちゃんと伝わってないと判断できます。
こうやって考えていくと、「描きたいもの」を「売れるもの」にしていくことができます。
もちろん、いつも上手くいくわけではありません。失敗もします。
ただ、最初にこういうことを考えておくと、失敗した時に問題の見直しができます。
なんとなく描いて失敗してしまうと、何をどう見直せばいいかわからず、何が悪かったのかもわからないまま、気合いだけで次回作に取り組むことになります。
僕のデビュー作「恋するみちるお嬢様」なんて、思い付いたものをなんとなく「売れ線」に乗せたつもりで描いたものだったので、終わった時に「絵が下手だから」「主人公が子供だから良くなかった」とか、いくらでも反論できそうな理由しか思いつかなくて、ブルブル震えたものです。
そして今は「ぱちん娘。」が思った以上の結果を出せてないので、売り方を見直してるところです。
いつも上手くいくわけではありませんが、どうせ滑るなら描きたいもの描いて楽しく滑りたいものです。
お互いがんばりましょうね。