鈍色の魔導士 騎士団の淫らな儀式① ーーーーーーーーーーーーーーーー ひとつまみした赤銅(しゃくどう)色の粉を指の腹で潰しながら香炉にくべる。 その欠片たちは瞬く間にその身を焦がし、辺りを燻(くゆ)らせた 幾度かソレを繰り返すと、この広い室内に煙が充満する。 濃度が増すのと並行するように、半裸で寛いでいた屈強な男たちの吐息が荒くなり、 お互いを弄(まさぐ)り始めた… ここは、とある国の凡庸な領主に仕える騎士団長の別荘。 バーカウンターが設置された広めのウッド調リビング。 テーブルを囲むように置かれたソファーの上では、 良く発達した筋肉を惜しげもなく曝け出した男たちの淫行が始まっていた。 毛深い大胸筋を揉み、乳首を弄り合う。 重なり合う無骨な唇。 デカい尻を鷲掴みにし、腰布越しに肛門を愛撫する。 10の怒張した男根がヒクヒクと厭らしい我慢汁で染みを作っていた。 催淫薬を絶やさぬよう、香炉に気を配りつつ、 私が気に留めたのは、その集団から外れ、バーカウンターで酒をあおりながら 溜息をつく青年だ。 年の頃は20と少し。 高身長でありながら逞しく、精悍で雄を感じさせる太い眉。 この密会で初めて見る顔だ。 「俺は………俺は無理だ…」 隣の発情集団を一瞥すると、絶望の顔色を宿し頭を抱えた。 完全にいきり勃った己の陰部を隠すように。 「奴が気になるか?」 酒瓶を片手にノシノシと歩み寄り、耳元で囁いたのは彼等の長。 騎士団長だ。 「我が団、期待の新人君さ」 道理で…私は独(ひと)り言(ご)ちた。 「辺境農村出身だが、屈強な体躯と剣術を認め抜擢した。 稀に見る逸材だ」 満足そうに強く頷く熟練の騎士。 「先月、器量良しの幼馴染を娶ったばかり。 ここはさぞ地獄だろうよ…」 「今は、未だ…な」 不敵に微笑む騎士団長。 「鈍色の」 主催主である団長は親しみを込めて私の二つ名を呼ぶ。 「そろそろアレを頼むよ。部下たちの欲情が限界を迎えそうだ」 私は頷き、横に控えさせていた従者から長杖を受け取り、 精神を集中させると、祈りの言葉を紡ぎだす。 「おお、親愛なる堕落の神よ。 我らにその恩寵を与え賜え。 甘美なる露で咽喉を潤し、 麗しき眼で理性を砕き、 果実の様な唇で淫らな接吻を。 楔は溶かせ 掟は燃やせ 縁は堕とせ ああ、慈悲深き神『ワイスニィル』 愛しき子らに一時の安らぎと快楽を」 通称「夜の祈り」と言われる 賛美と懇願の詩を詠唱し終えるや否や、 杖の末端を強く床に叩き付ける。 同時に邪なる力場が波紋を描くように室内に広がった。 その波動を全身に浴びた男達は次々と 雄叫びを上げながら絶頂に達し、 無様に腰をガクガクと痙攣させながら射精を繰り返した。 まるで小便を漏らしたかの様に腰布を濡らしつつ。 それ程までに強力なこの魔法。 射精するほどまでの快感が持続するのは約10分ほど。 それから2時間は全身が性感帯となる。 陰部や尻、乳首などの本来の性感帯に触れるだけで 絶頂に至るだろう。 男達は涎を垂らしつつ恍惚な表情を浮かべながら 暫く快楽を貪った…… ───────────── 騎士団の淫らな儀式②へ続く
マサハル
2022-02-02 09:16:04 +0000 UTC