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TSFとBL臭の小話。/改訂版(2850文字)

※fc2ブログ時代の記事をサルベージ&加筆修正したものです。


デビュー当時お世話になっていた編集さんから以前ひとつだけ課題を頂き、

ソレに対してウンウン考えていた時期がありました。

それは――


「TSFというジャンルにこだわりすぎず、エロに昇華してね BL臭抜きで」


男性とTS娘の組み合わせによるBL臭問題。

この切っても切り離せないテーマを意識しだすたび身につまされるのですが

せっかくの機会なので編集さんと語り合ったことがあります。


 編集さんの感覚的に

男性作家か女性作家、性別変化や入れ替わり、憑依 変身前の男の姿の有無は問わず

何かで感じ取ってしまうTSFのBL臭の理由がなんなのか気になるようでした。


「ショタや男の娘からはBL臭しないのになんでだろう?」と編集さんが言うので

「男の性を感じさせないからじゃないですか」と返すと

「なんでTS娘は体が女の子なのにBL臭するものがあるんだろう…」と互いに頭をひねる事態になり

その後も再度編集さんが担当しているTSFで長く活動されてる作家さんとのTSF話をテキストでまとていただいたのを参考にしながらやりとりすることになりました。


 TSFの作家さんの参考テキストから内容を拝借すれば、結果的にBL臭を払拭するには

TS化したキャラが

【女体化した男の子】としてではなく、

【TSした完成形の女の子】としてキャラクター性を高めた存在になっていること。

そして男同士の延長線上の関係が体育会系のノリや仲の良い親友であったり、男同士でボディタッチが自然に出来てしまうくらいの仲は関係性をリセットする必要があるとのこと。

編集さんと私が会話するうちに出た内容をさらに追加すると

TS娘の肉体変化に焦点をあてるTS化したことによる周囲の人間関係に焦点をあてるかで前者はホモ臭少なめで後者はBL臭多めといったように印象が変わるようでした。 


…なのであえて逆のことをすると

女体化した男の子の面影があるTS娘に

男同士の繋がりを色濃く描写することになる”親友モノ”は鬼門(ムズイ)ということになります。



私は女体化した男の子としてのTS娘が好きで親友モノも大好きなので、この組み合わせが鬼門といわれると「それが良いのに」とガッカリしてしまうのですが。

成人向け雑誌の読み切り16~32Pくらいの短い尺のなかで、

男だった頃の面影がチラつくTS娘と親友がセックスして結ばれるとなると…TSF作品を読み慣れてる愛好家ならまだしも、エッチな作品が読みたくなってなんとなくコンビニや書店で男性向け成人向け雑誌を購入した一般の男性読者が目にすればBL臭を感じてしまうのは想像に難しくないと思っています。


 TS娘とはまた別のジャンルでいえば

女性の肉体で生まれるもワケあって男の格好をしている”男装少女”も

ヒロインが自身を男だと思い込んでるタイプの場合、エロ漫画では『男と思い込んでる無知な男装美少女をうまいこと言いくるめてセックスに持ち込む』シチュエーションをよく見かけるのですが、肉体的には異性同士なのにBL臭を感じたことがあります。

”肉体は女でも心は男”ということに私自身の認識をあらためて考えさせられます。


その後

TSFの同性から異性に変化したあいまいな関係でBL臭を薄めて描ける方法はないかと自分なりに考えたところ


相手がショタならいけるかもしれない…という考えが浮かびました。


これはこれで、TS娘(元男)のショタコン疑惑という別の問題が出てきそうですが

女になった自分よりか弱く可愛い生き物(ショタ)に愛おしくなったり、守ってあげたくなっちゃうママみのつよい(母性タイプな)TS娘はキャラとして可愛く魅力的だと個人的に思います。


話題がちょっとそれてしまいましたがTSFのBL臭について、よもやま話をはさみながら

最終的に私と編集さん行き着いた答えは


”どうやったって多少はBL臭くなる”


という結果になりました。

TSFのBL臭はやっぱり難しいテーマのようです。



※この記事の内容を見て、おそらくTSF愛好家の人は「それが良いんじゃないか!」と同意してくれる人もいると思うんですけど(すくなくとも私は編集さんに反発した)

最初のテーマの「TSFというジャンルにこだわりすぎず、エロに昇華してね BL臭抜きで」という意味が一般の男性読者がTSF作品を目にした時にシコれなくなってしまう要素(ここでいうところのBL臭)をいかに軽減し、エロに昇華させるかを目的に議論していたものなので

TSFのジャンルそのものに対してBL臭は絶対ダメだとか、もしくはBL自体がダメだという話をしているわけではないことをご理解いただけるとありがたいです。





*             *              *

【後日談】

この話はわりと長期的にやりとりしました。それは

「BL臭抜きにするのは無理です。人それぞれの男女観でTSFのとらえ方も変わってきます。」

と、キャラ同士の関係性に加えて、作家の性別で判断される経験があったため私がかなり消極的に否定したからです。

「男の娘からBL臭を感じないんですから、TS娘にだって取り払うことができるはずですよ。」

編集さんだって力説します。


 私は編集さんとやりとりするまでTSFのBL臭については触れたくないというか、諦めみたいなのがあったのですが。これがきっかけで色々な性関係の書籍を読み漁るようになってBL臭がどこから発生しているのか、商業誌で描くかはさておき意識するようになってよかったと思っています。

 その間、編集さんのほうはふたなりや男の娘ジャンルなど中間的な性を扱う隣接ジャンルをより深く触れる機会があったそうで、どうやったって多少はBL臭くなるという結果に編集さんも行き着いたそうです。


ロリと獣姦スキーな編集さんにずいぶん迷惑をかけてしまったなと反省してます。

しかし他のTSF作家さんからのノウハウ伝授してくださったこと、なにより真摯に対応してくださって感謝しています。



私は相変わらず

TS娘の男と女の心の境界線があやふやで、TS娘と相手の男のお互いにの関係が異性愛⇔同性愛のあいだで振り子のようになってるやつが好きです!


代表的な作品を上げるとすればTSFの金字塔と呼ばれる龍炎狼牙先生著の『アルケミラの雫』『魂の鎖』がそれにあたります。

とにかく龍炎先生のキャラクターは男女ともにしなやかな肉体はもちろんのこと、各キャラの感情や内面がエロイに尽きます!

漫画図書館Zで公開、またはKindleで販売されているのでまだ見てない人にぜひオススメしたい作品です。


TSFは多種多様なだけに自分と似た感性の作品に出会ったときに

めちゃくちゃ喜びをかみしめてしまう楽しいジャンルだと思います。

Comments

※1 作家の性別でBLかどうか判断をされるのは、少なくともTSFのコミュニティだとよくあります。ネット上で見かける極端なものだと「女性作家の描くTSFは、BLの代わりであってTSFじゃない」とかですね。知り合いによると男性作家の場合「男性作家の描くTSFはリアリティがない」と言われたりもするそうです。 「男性作家or女性作家の描くTSFの傾向はー…」とコミュニティ内で語りたがる人物も実際います。色んな事情があって性別を伏せて活動している作家さんだっているので、性別でカテゴライズしたがる人を迷惑に思ってるのはここだけの話です。

野城まさる


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