SakeTami
霊符
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肥満化音声3原稿

拝啓  この手紙が届く頃には王都での竜払いの儀も無事に終わった頃かと存じます。 王女殿下は変わらず健やかにお過ごしでしょうか。 呪いに伏せられていた王女殿下をお救い出来た事は、勇者と呼ばれる肩書よりも輝く、私の誇りで御座います。 さて、こうして参上せずに鷹便にて直接お手紙にてお送りさせて頂いたこと、疑問にお思いかと存じます。 故については後述致しますが、魔王討伐から暫く、私は念願の東方遠征に赴いておりました。そこでのかけがえのない出会いについてご報告致したくこうして筆を執った次第で御座います。 「よっ…っと。」 「はー、ここが伝説のジパングかぁ~! 船旅でまる1週間、長かったなぁ……。でも、遂に来たんだ!ジパングに伝わる『伝説のジョブ』を求めてっ!」 シーフちゃんとヒーラーちゃん。魔王と称された伝説の悪竜を3人で倒して、伝説のSランク冒険者として名を馳せた私達だったけれど、私には一つ悩みがありました。 「これで………これで【たたかう】しか能がないだなんて言わせないんだからぁーっ!!」 シーフちゃんは旅の間、警戒索敵罠の解除と八面六臂。シスターちゃんの回復や解呪は何度も窮地を救ってくれました。 それに比べて私はただただ剣を振るばかり……もちろん、二人はそれをとやかく言うことはなかったけれど、私も、もっと、特技が欲しいっ!! そこで、風の噂で私は聞きました。遠く東の国ジパングには、民草の為に遥か昔から代々受け継がれてきた、魔法すら術もなく切り裂く、伝説のジョブがあると!  私達3人は魔術師ではありませんから、私が魔法に対抗する術を身につければ正しく無敵!!……ふふ、無敵、良い響き……。 そのジョブの名称は!……ええと、名称は……なんだっけ。サラライ……サラアライ?だとか、ニンジン……シンピとか聞いた気も……ええと、サ行で始まって4文字!それは間違いありません! 「ぃよしっ、まずは情報収集!!」 調査は困難を極めました。元々の情報が少ないのもそうですが、そもそもが伝説の集団についてでありますから、時に偽の情報をつかまされシノビノサトなる老人しかいない寒村に遥々3日かけて案内された事も御座いました。 しかし、粘り強く調査を続け私は遂に見つけたのです―― 「ここが、ジパング独自のジョブに就く事が出来る修行場……!! 熱気がすごい! しかし、皆大柄な人ばかりですね。 私のような細い体でも大丈夫なのでしょうか……?」 「はあ……普通なら?私ぐらい小さいと修行に耐えられない、と。 ……ふんふん……えっ、私なら修行を始めればすぐにでも会得できる!? え、えへへっ。ありがとうございます!!それなら、ええ!すぐにでも修行させてください!!」 かくして私はオヤカタ――東方の修行場での師匠にあたるお方に才能を見出され、厳しい修行の日々を送ることになりました。 「まずは身体づくり、と……。ふんふん、このお肉がたっぷり入ったお鍋を食べればいいのですね。 すっごい量……た、食べきれるかな……い、いただきます……」 「ふーふー、……はふっ、ほふっ、ほふっ……んっ……おいしい! とっても美味しいですね! これなら、あむっ、いくらでも食べられちゃいそうですっ! はむ、あむ、はふはふっ……」 修行は一日にしてならず。毎日私は修行に励みました。 「今日も身体づくりですか?ふむふむ…ええっ!?昨日よりもずっと多い!? い、いえ大丈夫です! これも修行、ですからね……いただきますっ。 あぁっむ、もぐもぐ、はむ、あふっ!……ふー、ふーっ、はぐ、はむ、はぁんむっあむ、もむもむ……あぁっむ、じゅるるる……」 オヤカタの指導の下行われた修行は、単純で簡単だと高を括っていた私の増長を簡単にへし折って頂き、ご指導の度に自分は成長していきました。 生まれ変わっていくような心地というのはあの日々のことをいうのでしょう。 「はむ、もぐ、んぐ、んぐ、ちゅぱ……んふぅー……むふぅー……んぅうっぷ!……ふぅ、ふぅ、た、食べるだけで、な、なんでこんなに大変なんだろぉ……はふぅ、はふぅ……で、でもぉ……これも修行だからぁ、もっともぉっと食べなきゃぁ……あむ、もぐ、もぐ……んっふぅ~……おいっひぃ……あむ、んま、はぁ、ふぅ、はぐ、あぁんっむんむんむ……ぶはぁ……。 暑いぃ……え?暑いのなら脱げばいい? みんなマワシをつけてるぅ……? そ、その紐みたいな下着ですかぁ……? い、いえ!オヤカタから頂けるものを拒むだなんて……んっしょ……ん……?あ、あれ? なんか……うまく脱げな……っ、ふん……ふん”っ…!!…ぶぁぁ! …や、やぶけっちゃった……ま、いっかぁ……これを……腰に……んっ……あ、あれぇ?うっ、うまく巻けないぃ……しゅ、修行で体がおっきくなったからかなぁ……?あ、ありがとうございますぅ、オヤカタぁ……んっ、あ、ギチギチってお股が……んっ……んんぅっ! ……んっふぅ……。涼しくて、解放感があって……ま、マワシ一丁って結構いいかも……?でへへ……。」 勿論、武というのは身体だけでなく心も鍛えるもの。 私もオヤカタのご指導を経て、多くの技を学びました。 王女殿下にジパングに伝わる秘伝。 『セキトリ』の技を直接ご披露する機会が今から待ち遠しく存じます。 「はぁ~~~っ、っどぉっすこぉ~~~い!! あっ!おっす オヤカタ、ごっつぁんです!! 私…じゃない、おいどん、今日も立派なセキトリになるため、マワシ一丁で稽古中でごわすっ!!  おっす!元勇者のどすこい四股踏み、いきまっす!! っすぅーーっ……どすこぉ~~~い!! ふぅ”んっ!! どすこぉぉ~~~いっっ!! っどぉっすこぉ~~~~いっっ!! ……ぶふぅ~っ。 そのまま、つっぱり稽古、いきます!! 腰落としてぇ……どすこいっ! どすこいっ! どすこいっ! どすこいっ! …… どすこいっ! どすこいっ! どすこいっ! どすこいっ! ふぅ、ふぅ……  どすこいっ! どすこいっ! どすこいっ! どすこいっ!  どすこいっ!!  どすこいっ!! っっどすこぉ~~~いっ!!!  ぶふぅ、んふぅ……うぅっす、ごっつぁんです……!」 手紙からひと月ほど遅れての参上になりますが、いつぞや王女殿下にこっそりと剣の握り方をお教えした時のように、秘密の花園で二人っきりでセキトリの稽古をする事ができる日を楽しみにしております。 貴方の勇者改――貴方のセキトリより。


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