——”疾風走破”クレマンティーヌ
過去にはスレイン法国の特殊部隊『漆黒聖典』第九席次に所属しており、法国が嫌になったことで脱走した後には、秘密結社である『ズーラーノーン』の十二高弟の内の一人となった金髪ボブカットの美女である。
戦士として非常に高い実力を持ち彼女と同等の強さをしている戦士は、国土が広くて豊かなリ・エスティーゼ王国内で見ればたったの四人だけであった。因みに上記で話した四人とは”王国最強の戦士”と呼び声の高いガゼフ・ストロノーフに”蒼の薔薇”の超重量級の戦士であるガガーラン、”朱の雫”のルイセンベルグ・アルベリオンと”武の求道者”たるブレイン・アングラウスという錚々たる面々となっている。
そのように戦士として尊敬すべき最高峰の強さを持っているクレマンティーヌだが、性格は最悪の一言に尽き破綻しており、人殺しが大好きという生粋のシリアルキラーであった。人の悲鳴や苦痛に苦しむ表情や声も好きという生粋のサディストであり、彼女が身に付けているビキニアーマーの表面には、これまで趣味で殺してきた冒険者の等級を示す無数のプレートに覆われて鱗鎧のようになっている。
「さてと……今日の獲物は何処にいるかなぁ?」
今宵も愉しむための”獲物”を求めているクレマンティーヌは、バハルス帝国とスレイン法国の境界に位置するリ・エスティーぜ王国の城塞都市エ・ランテル、都市だが薄暗い街並みを彼女は徘徊している真っ最中であった。誰もが見惚れてしまう圧倒的な美貌やオスを魅了するグラマラスな肉体をフードや外套で隠しながら、猫のように目尻が吊り上がっている赤色の瞳を輝かせて視線を彷徨わせている。
「あはっ!♡♡ 見付けちゃったぁ……っ♡♡♡」
手頃な獲物を見付けたクレマンティーヌの視線の先には”小柄な体躯をした黒髪ショートの美少女”の後ろ姿があり、きっと可愛らしい悲鳴が聞けて恐怖に引き攣った表情が見られるだろうと妄想した彼女は舌舐めずりをした。足音一つ立てない特殊な歩法と気配を完全に消しながら美少女の跡を付けていき、自宅まで尾行した後に家族諸共皆殺しにするというゲスな思考に心を高鳴らせながら歩き続ける。
クレマンティーヌは気付いていなかった、自分が誘導されている側であることに——
先を歩いている美少女の方が先に路地裏のような小道に曲がって入り、クレマンティーヌも後に続くのだが僅か二、三秒の間に姿を見失ってしまう。何よりも小道の先は出口の存在しない袋小路となっているため、本来ならば先に入った美少女の姿を見失うことなど絶対に有り得ない場所であったのだ。
「な——っ、何処に行ったのよ!?」
狸に化かされ狐に鼻を摘まれたような自体に声を上げるクレマンティーヌだが、彼女の背後にいつの間にか立っていた美少女が声を掛ける。
「ねぇ、お姉さん。どうして”ボク”の後を付いてきたの?」
「〜〜〜〜っッ??!!!」
長年の戦闘経験によりクレマンティーヌは猫のように前方に跳躍した距離を取り、ボクと口にした美少女の方に向くよう華麗に回転しながら、腰にある突き刺すことに特化された短剣であるスティレットを引き抜いた。腐っても英雄クラスの実力を持っている彼女は本気で相手の実力を押し測ろうとするのだが、それでもただの美少女にしか見えずに自然体のままであることが不気味さに拍車を掛けている。
若しくは自分と圧倒的な間での”差”があるため、実力を測ることすら出来ないのか。
「そんなにビックリしなくて良いよっ! ボクってとっても優しいから」
「殺す——っ」
得体の知れない存在を排除するため、クレマンティーヌは本気を出すことを決めた。〈不落要塞〉〈流水加速〉〈疾風走破〉〈超回避〉〈能力向上〉〈能力超向上〉などのあらゆるスキルを併用してステータスを一時的にアップさせ、致命傷となる首にスティレットを突き刺すために瞬足の突撃が行われる。
常人やある程度の手練れでは知覚すら出来ないスピードであり、英雄クラスでも避けることが困難である正しく神速の突きであった。
だが——
「いきなり危ないなぁ。ボク以外にやってたら殺されちゃうよ?」
「な——っ、摘まれてっ?!」
スティレットの先端を美少女が親指と人差し指で摘むことで止めており、攻撃されたことすら全く意に介していないと言った様子である。万力で固定されてしまったかのようにスティレットが固まっており、クレマンティーヌが押し込んだり引き抜こうとしても微動だにしないため力差の差は歴然の状態であった。
「離せっ、このぉ゛——っ!! 化け物がっ」
「酷いこと言うなぁ。確かにボクは人間じゃないけど」
「にっ、逃げ——っッ」
ようやく目の前の美少女が人外の種族であると理解したクレマンティーヌは、自分の手に負える存在では無いと判断してスティレットを捨てて逃げ出そうとする。脇目も振らずに一心不乱に走り抜けることで逃げ出そうとするのだが、美少女は彼女の美貌や肉体を目にしたことで何かを思い付いたのか笑みを浮かべるのであった。
「ふふっ、そうだ”お持ち帰り”しちゃおっと」
「はやっ!? ぁ——っ」
数十メートルは離れていたクレマンティーヌの元に一息で追い付いた美少女は、撫でるように触れただけであっさりと気絶させてしまい、そのままお姫様抱っこしながらお持ち帰りしてしまったのである。
「殺そうとしてきたんだから、こうなっても仕方ないよね。タップリオマンコで反省して貰うの楽しみっ!! やっぱりお散歩すると良いことがあるね」
フンフンと鼻歌まで口遊んで上機嫌である美少女——正確には”男の娘”なベルコールに抱えられたまま、クレマンティーヌは夜が生み出す闇に溶け込むように消えていくのであった。この日を境に彼女が『ズーラノーン』に姿を現すことは無くなり、組織の人間達からは失踪したという扱いになったのである。
惨殺するための獲物を探し求めていたクレマンティーヌであったが、逆に絶大な力を誇っている捕食者なベルコールに喰べられしまうのであった。
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「んぅ……っ、は——っ?!!」
意識を失っていた微睡の中から覚醒したクレマンティーヌだが、自分が信じられない位に豪華絢爛な寝台の上に拘束もされぬまま寝かされていたのである。捨てて逃げた筈の愛用のスティレットすら身に付けた状態に戻されており、彼女のことをほんの少しも脅威として認識していないことが窺えた。
——ガチャっ
「あっ、起きてたんだねっ!」
「おっ、お前はさっきのっ」
部屋に入って来たベルコールのことを警戒するクレマンティーヌだったが、当の本人である彼は軽やかな足取りで近付いて行くのである。ベルコールの態度はまるで長年の友人や恋人に接するかのような親しさであり、彼女は実力的にも絶対に敵わないため諦めにも近い形で毒気を抜かれたのだ。
「ボクの名前はベルコールっ! 君のお名前も教えて欲しいな」
「……クレマンティーヌよ」
「クレマンティーヌちゃんっ!! 可愛い名前だね」
ベッドの上で自己紹介をし合う不思議な状況が生まれているが、次に発したベルコールの言葉によって再び緊張感が走る。
「それでボクのこと殺そうとしたよね?」
「————っッ?!! だったら何よ……っ。」
「ボクは殺したりしないから、その代わりにボクのお嫁さんになってくれる?」
「…………は?」
突然のプロポーズに混乱を隠し切れない声を漏らすクレマンティーヌに対して、ベルコールは更に身体を近付けながら言葉を続けるのであった。
「ボクって可愛い女の子にも綺麗なお姉さんにも目が無いんだ。クレマンティーヌちゃんはお顔も綺麗で身体もエッチだから、ボクのお嫁さんにしたいと思って連れて来たんだよっ!」
「あっ、アンタって女じゃないの……」
「ボクは男だよ。それでクレマンティーヌちゃんはボクのお嫁さんになってくれる?」
圧倒的に実力差もあり断ることなど出来ない状態だと理解しているクレマンティーヌだったが、目の前のほわほわしているベルコールなら許してくれるだろうという安易な考えから興味本位の質問をしてしまう。
「私が嫌って行ったら——っ」
——ガキィィィイィイイぃン——っッ゛!!!!!!
誰も居なかった筈の空間からいきなり黒髪の美女メイドが出現、クレマンティーヌの首を跳ねようと剣を振り抜いたのだ。当然のようにベルコールが攻撃を防いだため、部屋全体に甲高い金属同士がぶつかる音が鳴り響いたのである。
「ひっ、ひぃ……っ」
死神の鎌が振り下ろされたかのように突然の死の危険に対して、クレマンティーヌの口からは恐怖に引き攣った声が漏れた。
「駄目だよ。いきなり攻撃しちゃったら」
「申し訳ありませんっ。ベルコール様の命を狙うばかりか、求婚を断るなど万死に値するゴミ虫だと思わず手が出てしまいました……アルベド様からも反抗的ならば殺すようにと言われておりましたので」
「大丈夫だよ。ナーベラルちゃんのボクのことを想ってくれるのは嬉しいから、後でオマンコ沢山パコパコして上げるからね」
「————っッ♡♡♡♡ はっ、はい……っ♡♡ オマンコを濡らしながらお待ちしておりますっ♡♡♡」
自分の命など羽毛よりも遥かに軽い事実をクレマンティーヌは突き付けらながら、ベルコールとナーベラルと呼ばれたメイドはイチャイチャしている。用事が終わった後にはセックスをする約束をしながら、彼にお願いされたナーベラルは部屋から礼儀正しくお辞儀をしてから出て行ったのだ。
見送りを終えたベルコールはクレマンティーヌの方にクルッと振り返り、聞く必要も無いことだが再び告白の返答を聞いたのである。
「それでクレマンティーヌちゃんはどうする?」
「————っッ」
クレマンティーヌは命乞いをするようにベッドの上で正座になり、そのまま両手を突いて頭を下げて土下座をするのであった。
「わっ、私のことをベルコール様のお嫁さんにして下さいっ! たっ、沢山ご奉仕しますっ。お嫁さんじゃなくても性奴隷でも肉便器でも良いですっ♡♡」
「やったーっ!! それじゃあ今から気持ち良いことしようね?」
こうして生き残るためにクレマンティーヌは必死に命乞いを行い、ベルコールのお嫁さんとなりながら隙を見て逃げようと心の内で算段を立てたのである。だが、彼の性欲の強さもオチンポの凄さも彼女は未だに知らないままであり、可愛らしい女の子のような体躯からも自分が満足することさえ出来ないと高を括っていた。
お嫁さんになると口にした時点でクレマンティーヌの生涯は、ベルコールとの可愛らしい赤ちゃんを産み続けるものになったのである。
【pixivリクエスト 無料公開】 男の娘を標的にしてしまったクレマンティーヌは、命乞いをしてお嫁さん肉便器となる 前編
濁り丸
2025-06-09 15:15:42 +0000 UTCdekoi
2025-06-07 15:11:36 +0000 UTC