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濁り丸
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【R18 FGO小説】女王メイヴは、恋を知る 前編-1

 ――コノートの女王 "メイヴ"とは、誰よりも恋多き女である。  ケルト神話のアルスター伝説に於いて登場する女性の中でも、死の国の女王 "スカサハ"に並んで印象に残るのがコノートの女王 メイヴであった。彼女は女王として生きるに相応しい全てを『支配』する価値観を持って生まれ、虚飾を抜きに女神の如き"美しさ"を武器として、一騎当千の勇士達が犇めき合う修羅の国で戦い抜いた女傑である。  土地や人、財などの全てを自分が支配することは、彼女にとって当然のことであると考えていた。  自分が欲しいと思った"あらゆるモノ"――それが資源の豊富な肥沃な領土や莫大な富、優秀な兵士でさえも、自身の持つ類稀なる美しさや磨き抜かれた手練手管を用いれば、男から文字通り"搾り取れる"と公言して憚らない人物である。  ――清楚に淫蕩を好み、無垢に悪逆を成した女王。  本来ならばメイヴは荒唐無稽にすら思える考え方をしているのだが、それも彼女の美しさを直で目の当たりにすれば、不思議と納得することが出来てしまうだろう。老若男女を問わず視線を奪ってしまう程の美貌は、天才と呼ばれる芸術家が心血を注いで作り上げた作品をそのまま現実に持ち込んだような反則加減である。  桃のような甘い色の艶髪を細く柔らかそうな太ももまで伸ばし、琥珀を思わせる色合いの瞳は見詰めているだけで呑み込まれてしまいそうな錯覚を覚えるだろう。吸い付きたくなる瑞々しい桜色の唇やスッと通った鼻筋など、正しく女神と見紛うばかりの容貌。  可愛らしさと美しさを兼ね備えた整った顔立ちだけでは無く、首から下の身体付きも一言で表すならば最高であった。  頭の天辺から足の先まで全てが"美"を意識させる、丹念に磨き抜かれた真珠玉のようだ。男好みのイヤらしい肉付きと女が羨むモデルのようなプロポーションを最高水準で両立している。全体的に細く華奢な印象を受けるのだが、それは病的な細さでは無く、日頃から運動をしている人だと分かる健康的な細さであった。  特に縦に割れた腹筋は芸術品のような感動を覚え、それと同時に割れているラインに沿って舌先で舐めたいという変態的な劣情を覚えさせる。引き締まった太ももの上に乗った脂肪が弾力に追加するように柔らかさを与え、シミ一つ無い肌が艶めかしさと健康的な色気を纏っていた。  スラリと伸びた手足とは打って変わって、母性の象徴のような乳房や臀部はムッチリとした柔肉を溢れそうな程に実らせている。  手の平にギリギリ収まり切らないフワフワのマシュマロのような乳房は、美乳という言葉がこれ程までに似合うことは無いだろう。お尻もキュッと引き締まったハートマークを逆にしたようねエロ尻だが、両手で揉みしだけば柔らかい肉がタップリと詰まっていることが直ぐに分かる。  シミ一つ無い肌から匂い立つ濃いフェロモンが、雄を無条件に発情させてしまう。例え齢九十歳を超えた老人や精通前の用事であっても、肉棒を熱く滾らせ腰をカクカクと情けなく振ってしまう程の破壊力があった。  ――メイヴという名は『酩酊』を意味しており、その名の通りに男を酔わせる美酒のような女である。  愛と豊穣を司る金星の女神 "イシュタル"や世界三大美女の一人である"クレオパトラ"など、歴史的に見ても絶世の美女達と並んでも遜色の無い美貌を持ち、正しく掌の上で男共を転がして弄ぶ魔性の女である。楊貴妃や妲己などが代表例に上がる"傾国の美女"という言葉が、そのまま当て嵌まるのがメイヴであった。  彼女がアルスター伝説に於ける最大の戦争を引き起こした張本人でもあるため、然もありなんと言う他ない。  ――時代や国が変わったとしても、絶世の美女が国を揺るがす事例には事欠かないのである。  魔剣カラドボルグの所有者にして性豪としても名を馳せた"フェルグス・マック・ロイ"やメイブの夫だがライバルにも似た関係性でもあったコノートの王 "アリル"などの錚々たる面々も、メイヴにとっては数多く居る男の内の一人でしか無かった。  正しく傾国の美女と呼ぶ彼女の秀でた容姿に魅了された者は数多く、魂を抜かれたように魅了された者の中でも気に入った者だけにメイヴは通過儀礼を課し、それを受け入れた者達を戦士兼男妾として囲っていた。  本人が『全ての男の恋人』を自称しているが、それも強ち間違いではないのかも知れない。  どんなに高潔な誉れ高い戦士や民の安寧を願う賢王であっても、人間の三大欲求の一つである"性欲"には、抗えない者の方が遥かに多い。彼女の美貌と快楽に溺れた男達は、彼女のスラリと伸びた足元に自然と跪いてしまうのだ。  ――男に傅いて生きるのでは無く、男を傅かせることが彼女の本懐である。  自分の思い描いた道を自らの手で切り開こうとする非常に克己心の強い人物であるため、自らのあらゆる欲望を誤魔化したり、男の影に隠れて威張るような卑劣な真似は決してしない。また、自分の矜持を第一に考えているため、それに合わない人間には"憎悪"に近い感情を向けてしまう。  例えば自分が態々声を掛けて誘ったのにも関わらず、それを無下にしたばかりか呆れた態度を見せた男に対しては、国を揺るがすような大戦争を引き起こしたり、例えその男が最終的に死に至ることになっている。しかし、それ等の行動も全ては自分を相手にしなかった男を、屈服させたいという思いによるものだけだった。  死後に英霊となってもメイヴの苛烈なまでの思いが少しも摩耗することは無く、つい昨日の出来事を思い出すように語っている。 『――敵対されるのが嫌なのじゃないわ。ただ、アルスターの男たちの中で、唯一、私が『欲しい』と思っても、手に入らなかった男がいることが我慢出来ない。声を掛けたのに、誘ったのに。靡かなかったどころか、何してるんだオマエ、とでも言わんばかりのあの態度!』 『許せない。許せない許せない許せない許せない許せない! 絶対、アイツに──』 『アルスターの"クー・フーリン"! 全ての男の恋人にして支配者であるメイヴの名にかけて! 絶対、屈服させて見せるんだから!』  これを聞くだけでも彼女がクー・フーリンに対して、屈折した大きな感情を抱いていることが分かるだろう。  最初の出会いから最期まで自分に靡くことの無かった彼には、愛憎が入り混じった言語化することが困難な感情を抱えている。いつか自分の足元に他の男達と同じように跪かせ、心の底から屈服させたいという思いを変わらず抱き続けていた。  自分が死んだ後であっても少しも変らぬ執念深さや強情さは、ある意味で復讐に燃えた"清姫"にも引けを取らないだろう。そして、目的を成し遂げるためにはあくまで自分の美貌に因るものではならないと言う、愚直なまでに曲がることの無い意思も持ち合わせている。  メイヴが聖杯を手に入れた特異点で自分の理想的なクー・フーリンを創造したこともあったが、その時でさえも自分に傅く忠実なクー・フーリンでは無く、寧ろ更に潮対応をしてくる"邪悪な王"を作り出していることからも良く分かるだろう。  ――良くも悪くも正々堂々とした、自分の欲に正直な女傑であった。  正しく嵐のような人生を送った彼女の最期についても説明すると、投石器を用いて投擲された石のように硬いチーズが脳天に直撃したと言う、話だけで聞くならば少し間抜けな死因である。しかし、常識的に考えて重い物で数十キロにも及ぶ硬質な物体を高速で頭にぶつけられれば、大抵の人間が致命傷を負って当然の結果であった。  大抵の勇士が受けても死に至るであろう一撃を貰っても無事なのは、それこそ矢避けの加護持ちのクー・フーリンや純粋に桁違いな耐久性を持つギリシャ神話の大英雄 ヘラクレス、高速で投擲された物体よりも更に速い俊足のアキレウスなど、戦士の中でも特に規格外な存在でないと不可能だろう。  本人的には自分の死因には少し思う所があったのか、英霊となった後に暗殺で死角から投射されたチーズの塊を旧時代的な鍛錬によって獲得した条件反射により、回し蹴りで迎撃するという絶技を披露していたりする。英霊にとっては本来ならば克服不可能な筈の死因を、純粋な鍛錬によって克服していると言う、見る者が見ればとんでもない事を成し遂げていた。  そんな現代の人間から見れば到底理解が出来ない、逸脱した倫理感の持ち主であるメイヴだが、根っこの部分には乙女で繊細な所もあるため、周りの近しい人間から見れば実に"めんどくさい"性格をしている。  それこそが彼女を悪の一言だけで片付けられない魅力にもなっており、根っからの悪女でビッチだが、不思議と憎み切れない部分にもなっている。   良い男、強い男、財も大好きであるという思いに嘘は無く、それらを手に入れるために自分の"武器"である『美貌』を用いることに戸惑いは無い。何人もの男と"恋"に堕ちて肌を重ね合わせ、王や勇士などを自分の虜とした生き方。  その生き方に恥じるような気持ちは微塵も無いが、彼女は絆を深めた自分の契約したマスター "藤丸 立香"に物憂げな表情を浮かべながら"悩み"を零している。  その内容とは―― 『――私、たくさんの王とたくさんの勇士、たくさんの男を我がものとしたわ。男はみんな、私が微笑むと恋に落ちるの。え?私はどうか?さあね。恋に…どうかしら。私は…』 『人は言うわ。恋多き女、女王 メイヴ。でも、どうなのかしらね? 恋って何? 欲しいと思うこと? それでいいのなら、私は確かに恋多き女。でも……でも、本当に、私が得ていたものは。恋、だったのかしら?』  メイヴの悩みとはこれまで自分が経験してきた"恋"が"本当の恋"だったのかというものであり、それが独占欲か恋だったのかが未だに分からないまま、英霊となった後でも"答え"を見付けられていないのだ。それは彼女が執着しているクー・フーリンを屈服させることが出来たとしても、きっと晴れることが無い悩みであった。  ――未だ恋を知らない恋多き女王は、いつか本物の恋に出会うことを待っている。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 「――ちょっとそれ本当なの? あの鈍そうなマスターが絶倫でエッチのテクも凄いって!」  好奇心を隠せていないメイヴは目を爛々と輝かせながら、面白い情報を教えてくれた"アルトリア・アヴァロン"と"モルガン"に詰め寄る。彼女の姿は好奇心旺盛な猫のようであり、同性であっても可愛らしいと思わせてしまう。  アルトリア・アヴァロンとモルガンの二人は"何か"を思い出して頬を朱に染めながら、彼女の質問に肯定するようにうんうんと頷きながら答える。 「はい、我が命は底無しです……っ♡♡ それに少しだけ意地悪な所もあります♡」 「そうですね。我が夫は気持ち良い所しかイジメてくれませんから、女の感じる場所を知り尽くしています……っ♡♡♡」  無意識になのか太もも同士を擦り合わせているアルトリア・アヴァロンとモルガンの様子を見て、メイヴはマスターの絶倫やテクニックが凄いというのが嘘では無いと確信した。それに目の前の二人以外にもアルトリア・オルタやジャンヌ・オルタ、虞美人などの露骨にマスターの"女"であるサーヴァント達が沢山いることに前から気付いていた。  彼女は瑞々しい唇同士の隙間から艶めかしい舌を伸ばし、無意識の内に舌なめずりをしてしまう。爛々と輝いていた目も細められ、妖しい光が灯っていた。それは楽しそうなことを見付けたという喜びもあるが、自分には声を掛ける素振りも見せなかった彼に対する僅かな"怒り"に因るものである。 「ふふっ、私もマスターのテクニックに興味が出てきたわ。百戦錬磨の私にも通用するのか、試してみたくなってきたわ」  自分が勝つと少しも疑っていない様子のメイヴを見て、モルガンとアルトリア・アヴァロンは彼女が辿る末路を確信する。先日も絶対的な自信を持っていた"竜娘"が、マスターのマゾペットになってしまった。  モルガンに至っては自分が堕とされた側であるため、同族を見るような生温かい視線を向けてしまう。そしてアルトリア・アヴァロンの反応は、良いことを思い付いたという意味深げな笑みであった。 「それなら私達が"場所"を用意します。お互いに満足するまで誰にも邪魔されず、寝食を忘れて気持ち良くなれるだけの空間を作ります……っ♡♡♡ ――きっと我が命もメイヴさんも楽しめますよ♡♡」 「私の宝具に似たとっても素敵な空間ねっ! マスターがもう無理だって言っても私が満足するまで続けて、完全に屈服させるの想像すると――ゾクゾクするわ♡♡」  自分が蜘蛛の巣に自ら絡まりに行こうとしている蝶だと気付かぬまま、メイヴは嗜虐心タップリな悪女が浮かべるような表情をする。しかし、彼女はどれだけの雄を夢中にさせる美貌があったとしても、所詮は雄に組み伏せられる側であることに気付いていなかった。  ――斯くして、マスターに捧げられる"生贄"が出来上がったのだ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――  ――それから三人の女達の行動は、驚く程に迅速であった。  書類作成中のマスターをモルガンが眠らせて拉致し、アルトリア・アヴァロンは高度な魔術を用いて先程の条件に沿ったヤリ部屋を作成、メイヴは彼が好きそうなアイドル衣装へと着替えて身支度を整える。  普段から戦闘時に着ている服よりも露出度は下がったが、清楚で清潔感を感じさせる白いワンピースは彼女に良く似合っていた。短い丈のワンピースということもあり、眩しい太ももが殆ど露になっており、健康的な色香を醸し出している。  最終的にはマスターとメイヴだけが、薄いピンク色のライトが照らす淫靡な雰囲気の部屋に残された。明らかにセックスを目的としていることが丸分かりな部屋であり、中央には無駄に豪華な装飾の施されたキングサイズのベッドが鎮座している。  ベッドが中央に設置された部屋以外には、十人同時でも入れそうな広さの大理石仕様のお風呂しか無い。どちらにしろお風呂場もイヤらしい目的に使用されることを見越してなのか、スケベ椅子やソープマットなどのエログッズが充実していた。  メイヴはこれから屈服させるマスターのいつもより幼く見える寝顔を覗いていたが、その視線を肌で感じたのか彼は目を覚ます。攫われ慣れているのか冷静に周囲の状況を確認しながら、彼は少しだけ焦りを滲ませて呟いた。 「――――っ、ここは? 今日中に提出しなきゃいけない、報告書をまとめてた筈なんだけど……」 「報告書は諦めなさい。"そんなことより"マスターが女の子をいっぱい誑かしてるって聞いたから、スケベな駄犬を躾けて上げようと思ったのっ♡♡ 私好みに躾けて忠犬にして上げるから、頭を下げて感謝しなさい♡♡♡」  胸を張ってマスターを挑発するメイヴに対して、彼は少しだけ怒りを覚え"お仕置き"をすることを決意する。彼女はキングサイズのベッドに腰掛けて、短い丈のワンピースを両手で摘まみ上げる。純白のショーツを露わにしながら、マスターが見やすいように両脚を軽く開いて彼に命令をした。 「つま先から根元まで、ペロペロ舐めてワンちゃんみたいにご奉仕しなさいっ♡♡♡ 上手く出来たら私のナカで、いっぱい気持ち良くして上げるわ♡♡♡」  ――本当の恋を知らない悪逆な女王は、自分が非捕食者の側にいることを未だ知らない。

【R18 FGO小説】女王メイヴは、恋を知る 前編-1

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