SakeTami
kr09
kr09

fanbox


「トラウマと強迫的克服」長文



僕が高校生の頃

家族は破綻状態だった

妹は朝起き学校へ

母はバーの仕事終わりに酔っぱらい帰宅

俺は夕方から夜間高校

家族の生活がすれ違っていた


そんなある日、

夜中に帰って来た泥酔の母と

妹の怒号と子猫の泣き声が

聞こえた


僕はすぐ自室のタンスに

少し隙間を開けて籠もった。


どうやら妹が猫を拾って来たことに

母は怒ったらしい


その怒号はすぐ物理音に変わり

シンクの蛇口は減し曲がり

トイレのドアには穴が空き

殴り合いの音が聞こえた


いま思えば2人がリビングで喧嘩し合う中、リビングテーブルの下で

震えていたであろう

愛犬ラッキーも

タンスに一緒に入れて上げるべきだった


手足が痺れ、呼吸が浅くなってきた


タンスの隙間から

壁に飾ってあったギター

ランディVが見えた

(ボディ下、先の尖ったギター)


気がつくと僕はVを手に取り

さすまたの様に母に向けて

とりあえず玄関へ、家から

追い出そうとしたが

泥酔した母の怪力は

凄まじいことは知っていた。


前に手を噛まれて出血したぐらい

妹をビンタして吐血したぐらい


怖かった、凄く


でも「兄」として

兄として…という回路が

頭の中をグルグルしていた

玄関外まで追いやったが

ドアは閉まらない


マンション中に怒号が

深夜なり響いた


ふとした時には

Vの角で母のおでこを強打していた

数カ所、内出血し


ふとよぎった

俺が中学のころ

母と伯母さんが

俺はトイレにいると思い

小さな声で会話していたのを

聞いてしまった


伯母「レイには気を付けるんだよ」


母「うん、分かってる、小さい頃から

そうならないように育ててるつもり」


伯母「あの子はいつか

   人を殺しかねないから」



    脳裏によぎった


ギターを床に投げ

妹と力付くで玄関外へ

そこで母は

実の娘に言ってはいけない事を

放った。

その瞬間

妹は母に馬乗り

殴り始めた

泥酔し麻痺ってるのか

それでも口に出せない怒号を

妹に浴びせた


兄の俺…


母の顔をギターで殴った俺…


どうすれば良い


どうすれば…


俺は力強く2人の間に入り

2人を引き剥がそうと

2人に殴られながら

止めようとした

確か母のみぞおちを3発

妹の腹を2発

殴った


2人が息を詰まらせ

静止しないかと


どうやら本気でキレてる人間を

数発殴った所で

止まる分けなかった


そこからは

うろ覚えだが

疲れた母は階段をくだり

同時にパトカーのサイレンが

聞こえた。


マンションの誰かが通報したんだろう

まぁ俺でもするよ。


気がつけば朝で

僕はギターを別室に投げ

またタンスに籠もった


妹は当時やっていたダンスグループの

先輩達を呼んできて

事情を話していた

「裁判」や「相談所」

「関東に住む父の所へ避難」など

会話が聞こえた

まだ手足の痺れた僕を心配してか

僕の1つ歳下の

ダンスグループのリーダーが

タンスを開けて、妹の部屋に誘導して

ことの状況を聞いてきた。


その時


声が 出なかった


かすれた吐息だけが

微かに言葉に聴こえる程度だった


リーダーは即座に

「レイがショックを受けてる」と悟り

耳を近づけた。。



「母を…ギターで…殴ってしまった…」


「俺には…止められなかったよ…」


「裁判沙汰は…止めとこう…」


「そんなお金…ない」



言えたのはソレだけだった。


その後、3日間声が出なかった。


母はというと

病院へ行き彼氏の家で寝泊まりしてた

約、1週間後

母が車を取りに来た音が聞こえ

俺は駐車場へ


何処かに行こうとしてたのか

エンジンを止めてサイドミラー越しに

俺を見てこう言った。




「全部レイのせいだよ」



え?


    頭が真っ白になった。


   え?どういう事?


母「おかげでオデコは紫色だし

  鼻にはヒビが入ったよ。」



レイ「俺は、、止めようとしただけで」


母「妹の味方して、お母さんのこと

  殴ったでしょ?」


レイ「それは、、、2人が暴走して止ま          らなかったから。だから妹も殴ったけどダメだったよ。。」



気がつけば話は進み

妹は関東の父の元へ、高校は通信制に。

俺は何か大きな罪悪感から

沖縄に残る事にした。



1年か、3年か経ったころ

母は思い出したかの様に

「あの時は妹が悪かった、でも

 それに手を出した私も悪かった」と



俺は、、?


レイは、、?


レイの存在は?



これがウチの母なりの

謝罪だったんだろう。


それから僕は

ランディVを捨てた


鋭利なギターは持たないと決めた。



だが沖縄に残り、夜間高校へ入学し

単位を落として留年したお陰で

いまは無き、人生最愛の人と出逢えた。


それは幸福だった


レイの人生はこれから変わる


その通りだった。


それから13年


最愛の彼女を無くした。





色々諸事情あり

いま現在、関東に住んでる俺は

彼女が惚れた、先の丸いフライングVと 彼女と聴いた、BBkingのルシールを ケースに仕舞い 新しく先の丸いフライングVを

買った。


無意識の奥の箱にしまわれた

トラウマへの

強迫的、克服だ。


そして、同じクリエイターの知人が

「若い頃に買ったんだけど使ってないからレイさんが良ければ使って♪」と

先の尖ったフライングVを預かった。


克服への第2歩だ


強迫的、克服への


最後に

この記事を全体公開にした理由は

「レイの知ってる家庭崩壊の事実」

を何かの拍子で

家族が見える様にするためだ。


父よ、母よ、妹よ、


俺は赦すことを覚えた


でも


心の傷は、パンドラの箱の中にまだある


赦してるでも






「トラウマと強迫的克服」長文

More Creators