いづもちゃんが海辺で催眠術をかけられて・・・・ いろいろ好き放題されちゃう?っていうお話です。 ****************************** 夏の陽射しが容赦なく照りつける、南方の浜辺。 青く澄んだ海が寄せては返し、遠くで鳴くカモメの声がのどかに響いている。 砂浜の一角、海の家の横手に置かれたパラソルの下で、いづもはごろりと横になっていた。 「ふああ……ん……」 引き締まった腰回りに豊かな胸、張りのある尻と太もも。 力強さと色気が同居する肉体を彼女の髪色と同じ赤のビキニが彩っている。 「依頼も無事こなせたし……こんな余暇までついてくるとはのう……」 この辺りの海運会社からの依頼を受け、翠と共に訪れたのだが思いのほか仕事はあっさり片付いた。 おまけに依頼主の計らいでリゾート宿泊まで用意してもらえることに。 報酬も休暇も同時に手に入れていづもはすっかり上機嫌だった。 翠はというと、また何か目新しいものでも見つけたのか、どこかへ姿を消している。 だが、いづもは気にしない。今は潮風に吹かれ、熱い砂浜の上でひとり、だらりと体を伸ばすだけで十分だった。 だが少し離れたところから、彼女の姿をじっと見つめる視線があった。 「おい見ろよ……ありゃ鬼族だろ?」 「船乗りどもが雇った用心棒の一人だってさ。」 「小柄だけどスタイルすげえな………」 「なあ、あれ使ってみねえか?」 一人の男がポケットから、小さな魔道具を取り出す。 古びた懐中時計のような形だが、文字盤に刻まれているのは数字ではなく、どこかの魔法文字と怪しい文様だった。 「一度試してみたかったんだわ」 「鬼族に効くのか? 耐魔力高いんじゃねーのかよ」 「動力は魔法だけど、こいつの効果は催眠術らしいんだよ。だから鬼にも効く――はずだ。」 顔を見合わせ、にやりと笑い合う男たち。 そのまま揃って、パラソルの下のいづもに近づいていった。 「鬼族のお姉さん、一人ですか~?」 「……なんじゃ、お主ら」 日陰で気だるげに目を細めたいづもが、ゆっくりと体を起こす。 「いやぁ、オレらこの辺でちょっと商売しててさ。海の家も手伝ってるんだ。少しお喋りでもどうかなーって」 「……お喋りぃ?」 いづもは怪訝そうに眉をひそめる。普段なら鼻で笑って無視するところだ。 だが、男の一人が例の魔道具をそっと取り出し彼女の目の前で揺らした。 「……んん? なんじゃ、これ……あぇ……?」 わずかに瞬きをした瞬間、いづもの瞳から鋭さがすっと抜け落ちた。 目の光が消え、視線がふわふわと宙を漂う。 「おい……マジでかかってんじゃん……!」 「言ったろ? 効くんだって」 強靭な鬼族の理性が、たやすく催眠に絡め取られたことに歓喜する男たち。 「それじゃあさ? お姉さん、ちょっと向こうまで行こうか? イイことしにさ」 「……向こう……? うむ……行くのだな……」 普段の彼女なら絶対に聞き入れないはずの誘いに、素直に頷くいづも。 トロンとした赤い瞳が、ゆっくりと男たちの指さすほうを見る。 ――そして鬼の少女は、そのまま海の家の裏手へと連れられていくのだった。