※動画とアプリ版(win、mac)をDLいただけます。
※モブとの性行為描写が含まれます。
体が熱い。
忌々しい熱が腹の奥から湧き上がってくるのを感じて、俺は思わず舌打ちをした。
「……おい、例のものの用意を頼む」
いつも傍に仕えている部下にそう言えば、そいつはすぐに察したようだった。
短く「はい」とだけ答えて、静かに部屋を出ていく。
ソファに深く腰掛け直して、俺は深いため息を吐いた。
その呼気にすら、普段とは明らかに違う熱がこもっている。
それを誤魔化すために、手にした葉巻を咥えて甘い煙を吸い込んだ。
本当に忌々しくて、反吐が出そうになる。
縞のある鞭のような尾が、無意識のうちに苛立たしげに揺れてしまう。
この世界ーーノルディアには、様々な種族がいる。
その中で獣人と呼ばれる種の一部は、性欲が増して己の本能を抑えられなくなる時 期がある。
いわゆる発情期だ。
大型種の虎の獣人である俺にも、発情期がある。
種族のせいか、この体に流れる血のせいか……俺の意思に反するように、性欲は人 並み以上に強いという自覚があった。
それだけでも不愉快なのに、発情期は苦痛すら覚えるほどにその欲求が体の奥底から湧いてくるからたまったもんじゃない……。
さっき部下に指示をしたのは、その忌々しい性欲の発散相手の調達だ。
「お待たせしました」
既に幾度となくこんな事を繰り返している。
それは数えるのも馬鹿らしいほどの無為な行為。
のことをよく知る部下は、さほど時間をかけずに一人の男を連れてきた。
露出の多い服を着ていて、いかにもな雰囲気から察するに、それなりに経験のある娼夫だろう。
しかし、さすがに俺のような『職業』の相手をすることは珍しいのか、少し戸惑っているようだった。
まあ、俺はどうみてもカタギには見えないだろうから、当然かもしれない。
だが、今の俺にはそいつを気遣ってやる余裕なんてなかった。
「さっさとこっちに来い。お前の仕事をしてくれ」
「は、はい」
顎で指してそう言えば、娼夫は俺の顔色を窺いながら俺の足元に跪く。
別にそこまでへりくだらなくてもいいのだが、俺の苛立ちが伝わってしまったのだろう。
だからといって、今の俺にそれを思いやってやる余裕なんてないのだが……。
少しおかしくなってふっと笑うと、娼夫は余計に焦ってしまったようだった。
「ずいぶん緊張しちまってるみてぇだな」
「慣れている者を連れてきたつもりだったのですが。この男は帰して、他の者を用意しましょうか?」
「い、いいえ! 待ってください、他の者なんて必要ありません。俺よりイイ娼婦なんて、この街にいませんから」
「ほう?」
娼夫にも矜持があるのだろう。さっきまでの怯えたような表情はどこへやら、すっと妖艶な笑みを浮かべて見せた。
そして、俺の股座にするりと手を伸ばす。
前が寛げられると、すでに勃起しきったイチモツが飛び出した。
「ひっ。でっ……か……」
思わず、というように娼夫がつぶやく。
自分のモノながら確かに初めて見るのであれば驚くのも当然だろう。
男の顔の縦幅よりも長く、片手では掴めないくらいの太さを誇る巨根だ。
だからといってどうだという話ではあるのだが……。
こういったものは見慣れているはずの娼夫も、驚いたように目を丸くしている。
「はじめろ」
こういう反応には慣れていたが、辟易もしていた。
葉巻の煙とともに冷たく吐き捨ててやると、娼夫は軽く眉を顰める。
どうやら部屋の隅で待機している部下が気になるらしく、ちらりとそちらへ視線を向けていた。
「あの人は……? 一緒にするんですか?」
「あいつは置物だと思っていい。気にするな」
「ふうん……そう。わかりました」
見張られているようで、居心地が悪いのだろう。
それとも、俺の機嫌を損ねたら、そこにいる部下に殺されるとでも思ったのか。
だが、娼夫はすぐに気を取り直したようだった。
挑発的な上目遣いをこちらに向けて俺のイチモツに口付けをする。
発情期のせいで敏感になっているから、亀頭に熱い舌が触れただけで先走りが溢れてきた。
娼夫はそれを舌で掬い、尖端に吸い付いてくる。そうしながら竿を扱かれた。
慣れていると言っていたが、たしかにテクニックは悪くない。
しかし、焦らすように先の方ばかり舐められて、少々面倒な気分になってきた。
今は愉しむことが目的じゃない。
さっさと出すものを出して、この発情期の欲求を発散してしまいたいだけだ。
「ちまちま舐めてねぇで、ちゃんと咥えろ」
「んむ、こんな大きいの、無理ですよ。でも、ちゃんと気持ちよくするから大丈……むごっ!?」
まどろっこしいので、俺は娼夫の頭を掴んで無理やり股座に押し付ける。
俺のモノは口腔内を通りすぎ、亀頭が狭い喉を突く。
娼夫は低い呻き声をあげて、必死に抵抗しようとしていた。見開いた眼には、涙が浮かんでいる。
「んご、っ、ぐぐっ」
「ほら、入った。無理じゃねぇだろ。このまま続けろ」
「ぐ、げほっ、う゛ぅっ」
喉奥を犯されて、娼夫は肩をびくびくと震わせひどく噎せている。
しかし喉をイチモツで塞がれていて、咳をすることもできないようだった。
自分から動くことは難しそうだと感じ、仕方なく俺が手伝ってやることにする。
爪が立たないように頭を強く掴みなおすと、強引に更に喉奥へと挿入した。
俺のイチモツは口腔と喉とその奥を押しひろげて体内に飲み込まれる。
そしてそれをずるっと引き抜けば、声にならない悲鳴を娼夫はあげる。
その声帯が震えて、心地よい刺激を俺に与えてくれた。
人間の喉をつかった自慰のような行為だが、発情期の欲求の発散にはこれで充分だ。
部屋に水音を響かせながら、それを何度も繰り返す。
「うぶっ、ぐ、えっ、ぐうっ」
涙と唾液でぐちゃぐちゃになった顔を真っ赤にして、娼夫は抗議するように俺の腿を何度も叩いていた。
それでもイチモツには歯を立てないのだから、さすがプロといったところだ。
「もう少し、我慢しろ」
痙攣する喉肉が与える快感に、徐々に射精感がこみあげてきていた。
少し抜き差しのペースを速めると、娼夫は抵抗する力もなくなったかのようにビクンビクンと体を跳ねさせるだけになる。
もう垂れ流しのようになった唾液と胃液が、俺の足元に小さな水たまりを作った。
「……ッ、出すぞ」
喉奥深くに突き込んで、腹の中に向かって発情期で溜まりきった欲をぶちまける。
強い快楽と、一瞬の解放感。
そして、どうしようもない虚しさが後には残る。
娼夫は大量の精液を胃に流し込まれて、呆然としているようだった。
唇からは、白濁が溢れてぼたぼたと滴り落ちている。
掴んでいた頭を離してやれば、粘液に塗れたイチモツを吐き出して、床に手をついてひどく咳込む。
「がはっ、げほっ! はあっ! おえっ、はぁ!」
俺は足元にうずくまる男を見ながら葉巻を咥えなおし、ゆっくりと煙を吸い込み口に含む。
腹の奥で渦巻いていた熱が、すうっと冷めていく。
射精をしたことで、発情期の狂おしい性衝動は静まってくれたようだ。
「っ、げほ、んぐっ……ひ、ひどすぎるっ! こんな、げほっ、窒息して死ぬかと思ったっ!」
余韻と共に煙を味わっていると、娼夫がしゃがれた声で文句を言う。
死ぬ前に抜いてやっただろ、と言い返したくなるが無視をする。
もうこの男の仕事は終わった。
天井へ向かい煙を吐き出しながら、俺は待機していた部下へと視線で合図を送る。
「お疲れさまでした。さあ、お帰りください」
「はぁ!? ちょっと、待っ……まだ前戯でしょう? 抱かなくていいの!?」
部下はつかつかと娼夫の傍まで歩いていくと、肩を掴んで半ば強引に立ち上がらせた。
俺が掴んでいたせいで髪は乱れ、顔も体液でどろどろになった娼夫が、ジロリとこちらを睨みつけてくる。
ひどいと言っていたくせに、まだ行為を続けるつもりだったのか。
「そんなものは、必要ない」
はっきりとそう言ってやると、侮辱されたとでも言いたげに顔を真っ赤にして怒りだした。
「こんな一方的に、道具みたいにっ! 葉巻なんか吸いながらされるなんてっ……せめてちゃんと抱けよっ!」
わめく娼夫だったが、部下に引きずられるようにして部屋から連れ出されていった。
二人が出ていき、途端に室内が静かになる。
望まぬ本能に翻弄されて、襲い来る性衝動をこんな風に処理しなければならない。
それが虚しくて堪らなかった。
一生これが続くのかと思うと、自分の存在自体を呪いそうになるほどだ。
この暴力的な性欲を、発情期の俺を、受け入れてくれる奴が居ればこんな気持ちにはならないで済むのだろうか。
いつか出会うことが出来るかもしれないそんな相手。
それが、それだけが。
俺の中の、唯一の希望だった。
「運命の相手、か……」
ぽつりと呟いて、俺は一人で自らを嘲笑った。
葉巻と精液の匂いだけが部屋の中に漂っている。
そう、葉巻と精液の香りだけが……。
そんな事を考え、俺は改めて自嘲めいた笑みを浮かべてしまう。
ここにあるはずのもう一つの香りに、あの娼夫も部下たちも。
まだ誰も、気づいてはいない。
END