エイファ:
痩身で肉の薄い体型の多いエルフの中において、生来から艶かしい体つきをしていたエイファは、淫猥で下品な女だと迫害されて育った。そんなエルフたちから続く迫害に対してエイファの心を守ったのは、人族というエルフよりも遥かに短命で弱々しく、四六時中発情している生き物たちの存在である。人族という愚かな生き物に比べれば、エルフの中でも劣等とされる自分は十分優れた存在であると、彼女はそう考えた。
彼女は成人を迎えた際に、真っ先にエルフの里を出奔した。排他的で進歩することもなく、少しでも自らと異なる存在を見下すエルフという存在に愛想が尽きたのだ。
『私はそんなエルフたちとは違う』
私はもっと広い世界で、自由な世界で生きる。私を認めてくれる場所が、受け入れてくれる人々が、必ずどこかにいるはずだと。しかし、彼女を受け入れてくれる世界は、未だ見つけられていなかった。獣人たちの里にも、魔族の国にも、エイファの居場所はなかった。
その日、エイファは偶然人族たちと協力してトレジャーハントを行った。その場の流れだったが、その人族たちはトレジャーハントを行った後に、なんと自分を食事に誘ってきたのだ。ーー愚かな者たちだ。表面上は笑顔で笑っているが、自分を騙し、好き放題してやろうと考えているに違いない。エイファは当然断ったし、騙そうとした迷惑料のつもりで多めに報酬を貰うことに決めた。当然だ、私は自分を受け入れてくれる場所を見つけなければいけない、こんなところで下衆たちと無駄な時間を過ごす暇はないのだ。
そしてエイファはその人族たちを脅して強引に宝物を奪い取った。ーー全く嫌になる。ただ私を受け入れてくれるだけでいいのに、どうしてそんな簡単なことができる人も場所もないのだろうか。エルフの里を出たけれど、結局世界はこんなにも私に不親切だ。あぁ…世の中の奴らはどいつもコイツも、私を見下す者ばかりだ……
ーーーーーー
常にイライラした様子で、拠点を転々とするエイファ。彼女を人々はこう言った。
「彼女って、本当にエルフらしいエルフだよね。」
Hitoshi Saeki
2024-12-18 15:17:02 +0000 UTCHitoshi Saeki
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2024-12-15 12:51:24 +0000 UTC