SakeTami
kamosika-yuuhodo
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魔族が人間界に侵攻して制圧した世界線の話。集積牧場勤務の淫魔ちゃん編

──人間という生き物が、我々魔族の管理下に置かれてから、もうどれくらいの月日が経っただろうか。 ​ かつては地上を支配していたらしい彼らも、今やただの資源。「家畜」だ。  愛玩用、労働用、そして最も需要の高い「精気採取用」。  私が勤務するここ『第13管区集積牧場』には、毎日トラックで何百という人間が運び込まれてくる。ベルトコンベアのように流れる作業。洗浄、検査、ランク付け、そして出荷。  そこに感情など入り込む余地はない。あるのは「良質か、否か」という選別基準だけ。 ​   ……のはずだった。あの日、"君"を見つけるまでは。 ​「おい、このロット、数が合わないぞ。一匹多い」 「あー、そいつ"野良"っすね。廃墟地区に隠れてたのを、調査班が拾ってきたらしくて」 ​ 後輩の気怠げな声に、私はふと検査ゲージの隅に視線をやった。  そこにいたのは、怯えきった一人の人間のオスだった。 ​ 牧場で繁殖された個体とは違う。毛並みはボサボサで泥と煤にまみれ、肋骨が浮くほど痩せ細っている。目つきだけが異様に鋭く、近づく職員の手を必死に振りほどこうとしていた。  Dランクだ。分かりやすく言えば廃棄対象。気性が荒く、痩せすぎている人間は、家畜としての価値がない。廃虚地区から拾われてきた天然モノも、皮と骨だけなら食べる場所が無いので食用にすらなれない。 ​ けれど。  その泥だらけの顔の下にある、整った目鼻立ち。恐怖に濡れながらも、必死に生きようとあがく瞳の輝き。  私の胸の奥で、何かがドクンと跳ねた。 ​(……可愛い) ​ 気づけば私は、管理端末を操作していた。 『個体識別番号:無し』のデータを、『要観察・特別隔離対象』へと書き換える。勿論、監察官及び責任者は私だ。 「この個体、病原菌の保持検査が必要かもしれないね。私が別室で詳しく見る」 「え? あぁ、先輩がやってくれるんすか? 助かりますわーよろしくっすー」 ​ チョロいものだ。  私は震える君の首根っこを掴むと、家畜用の大部屋ではなく、誰も使っていない資材倉庫の奥……私のサボりスポットへと連れ込んだ。 ​「……っ、うぅ……こ、こないで……!」 ​ 倉庫の隅、ボロボロの毛布の上で君は腕を振って威嚇する。  無理もない。ここは君たちにとっての地獄、処刑場も同然なのだから。  それでも、私は努めて優しく、母が子をあやすような声色で語りかけた。 ​「静かに。大きな声を出すと、他の職員に見つかっちゃうよ?」 ​ その言葉に、君はビクリと肩を震わせて口をつぐむ。  私はポケットから、職員用の食堂からくすねてきたパンを取り出した。家畜用の固形飼料じゃない、ふわふわのミルクパンだ。 ​「お腹、空いてるでしょ? 食べて?」 ​ 君は疑いの眼差しを向けていたけれど、空腹には勝てなかったらしい。恐る恐る手を伸ばし、私の手からパンをひったくると、獣のように貪り食った。  誰にも奪われないように、体を丸めてがっつくその必死な姿が、たまらなく愛おしい。  喉を詰まらせないよう、甘いカフェオレを差し出すと、それも一気に飲み干した。 ​「……おいしい?」 ​ 私が聞くと、君はこくりと、小さく頷いた。  それが、私たちが交わした最初の会話だった。 ​ それからというもの、私の日課は完全に変わってしまった。  本来なら廃棄処分されていたはずの君を、書類上は「検査中」として匿い続ける日々。  何人かの同僚は気づいているみたいだけど、私は仕事ができるから、みんな見て見ぬふりをしてくれている。 ​ 今日も家を出て、出勤してから真っ先に君の元へ向かう。  外の世界を知っている君は、最初は警戒していたけれど、私が危害を加えないと分かると、少しずつ態度を軟化させていった。  いや、正確には「私以外に頼れるものがいない」という現実を、骨の髄まで理解したのかもしれない。 ​「いい?この部屋から一歩でも出たら、すぐにミンチにされちゃうからね」 「他の職員は怖いよ。見つかったら何をされるか……君なら想像できるでしょ?」 ​ 外の恐怖を囁きながら、私は君に極上の飴を与える。  職員用のシャワー室で、泥だらけだった体を私が手ずから洗ってあげた。  垢が落ち、現れた肌は驚くほど白く、滑らかだった。痩せているけれど、骨格は綺麗だ。  私が素手で背中を撫でるたび、君は「ひゃぅっ」と可愛い声を漏らして身をよじる。  私の身体から目を逸らす君を見ていると、ついつい意地悪したくなってしまう。 ​「ふふ、こっちは綺麗になったけど……ここはまだ汚れてるね?」 ​ わざと股間に触れると、君は顔を真っ赤にして抵抗しようとする。  でも、本気で拒絶はしない。いや、できないのだ。私に嫌われたら、君は死ぬしかないのだから。 ​ 食事も、特別製のシチューや果物を与えた。ずっと私を待っているのも退屈だろうと思って、パズルやお菓子も渡してみた。  すると日に日に君の顔色は良くなり、頬に赤みが戻ってきた。  誰にも見つからないよう、倉庫の奥でひっそりと飼育する背徳感。  世界で私だけが、この可愛らしい生き物の生殺与奪の権を握っているという全能感。 ​   あぁ、たまらない。 ​ 一ヶ月が経つ頃には、君は完全に私のモノになっていた。 ​ 私が倉庫の鍵を開ける音がすると、君は毛布から飛び出して、子犬のように私が撫でてくれるのを待っている。  最初は怯えていた瞳が、今では期待に潤んでいる。 ​「……お姉ちゃん。遅いよ」 ​ そんな生意気な口さえきくようになった。もちろん、甘えの裏返しだ。  私は君を抱き寄せ、その柔らかい髪に顔を埋めて匂いを吸い込む。  野良特有の泥臭さは消え、シャワー室に備え付けられた安物のシャンプーの香りがする。 ​「ごめんね。今日はちょっと、出荷の数が多くて手間取っちゃったの」 「……ふーん」 ​ 君は私の胸に顔を擦り付けながら、不満げに鼻を鳴らす。  最近、君はわざとこうして私を困らせるようなことをする。  食事を与えれば「あーんしてくれなきゃ食べない」と言い出したり、体を洗おうとすれば「一緒に入りたい」と袖を掴んできたり。  それは、君なりの生存戦略なのかもしれない。私に愛されれば愛されるほど、自分の安全が保障されると本能で悟っているのだろう。 ​ 賢い子だ。でも、本当に人間は愚か。  だって、そんなことをすれば、私がもう二度と君を手放せなくなるって、分かっていないんだもん。  どれだけ頑張っても、君は特区に住まう人間達みたいに、自立することはできないのだから。 ​「ねぇ、今日は何をして遊ぶ?」  君は上目遣いで私を見る。  その無防備な首筋には、昨日私が付けたキスマークが赤黒く残っている。  私はゾクゾクする腰の疼きを抑えながら、君の耳元で囁いた。 ​「今日はね、特別。この部屋から出してあげる」 「えっ……ほんと!?外に帰れるの!?」 ​ 君の顔が、ぱぁっと輝く。  ……あぁ、まだそんな希望を持っていたなんて。本当に愚かで可愛い。おろかわいい。 ​「ううん、違う。私の家に連れて行ってあげる」 ​「え……?」 ​「もう書類の手続きは済ませたの。君は今日付けで『廃棄処分完了』になった。つまり、この世に君という人間はもう存在しないの」 ​ 君の顔から血の気が引いていく。  牧場の倉庫で隠れて生きるのと、淫魔の自宅で飼われること。どちらがマシか…なんて君の頭ならすぐに理解できるはずだ。  でも、もう君に選択肢なんてない。というか、そもそも人間が魔族に楯突くこと自体許される行いでは無いんだけど。 ​「え、嫌なの?もし嫌なら、今すぐそこのドアを開けて出て行ってもいいよ?ちょうど今、解体ラインが稼働中だからさ。すぐに楽になれると思うよ?」 ​ 私はわざとらしくドアの鍵を開けて見せる。  外からは、ウィィィィン……という機械の駆動音と、パキパキパキパキ……と何かが砕ける音、そして微かに鉄錆と血の匂いが漂ってくる。 ​ その途端、君はガタガタと震え出し、涙目で首を横に振った。  そして、すがりつくように私の腰に腕を回し、しがみついてくる。 ​「いやだ……っ、捨てないで……!連れてって……僕をお姉ちゃんの家に、連れてって……!」 「いい子だね。えらいえらい」 ​ 私は君の頭を優しく撫でて、震える唇に深い口づけをする。  純粋な精気の甘みと、恐怖と依存が混じり合った極上のスパイス。脳が痺れるほどの快感が背骨を駆け抜ける。 ​ あぁ、やっぱりこの子は最高だ。  あんな無機質な牧場のラインになんて流させない。  これからは、ふかふかのベッドと、美味しいご飯、そして溢れるほどの愛情で、君の頭がバカになるまで甘やかしてあげる。  外の世界のことなんて、二度と思い出せないくらいに。 ​「じゃあ、行こっか。お家でいっぱい遊ぼうね……♡」 ​ 私は震える君を大型のキャリーバッグに押し込むと、満面の笑みで職場を後にした。   …… ………… ………………  カチャリ、と無機質な金属音が響き、重たい金属の扉が開く。  私が住んでいるのは、牧場から徒歩で二十分くらいのところにある、中層階級向けのマンション。  オートロックこそついているが、廊下は外気で少し湿気ていて、どこかの部屋から夕食を炒める匂いが微かに漂ってくる。 「……ついたよ。もう大丈夫」  玄関のロックを厳重にかけ、靴を脱いでリビングへと上がる。  大型のキャリーバッグをリビングの床に下ろし、ジッパーを開けた。  バッグの口がガバリと開くと、中から丸まったままの君が顔を覗かせる。  長い移動と酸欠寸前の空間に耐えていた君は、肩で息をしながら、恐る恐る周囲を見渡している。 「ここが……お姉ちゃんの、家……?」  君が目にしたのは、脱ぎ散らかしたままの私のパーカー、読みかけの雑誌、ローテーブルに置かれたマグカップ。  廃墟地区に広がるボロボロのコンクリートの壁と、牧場の無機質なステンレスの壁しか知らない君にとって、この雑多で狭い生活空間は、逆に異世界のように映ったらしい。 「そう。今日からここが君の世界」  私が手を貸すと、君は生まれたての小鹿のように震える足で立ち上がり、部屋の中をキョロキョロと見回した。  4階の窓から見えるのは、向かいのマンションのベランダや、通りを行き交う魔族たちの日常的な姿。  コンビニの明かり、赤提灯の居酒屋、仕事帰りの魔族たち。 「すごい……人間がいっぱいいる時の街と、似てる……」 「似てるけど、違うよ。あそこを歩いているのは全員、君を奴隷やお肉としか思っていない魔族たち」  私は君の背後から抱きついて、その耳元で現実を突きつける。 「いい?ここは特別な場所じゃないの。壁一枚隔てた隣の部屋には、君を一口で食べちゃうようなラミアや、血が大好きな吸血鬼が住んでる」 「もし私が仕事に行っている間に、君が寂しくなって大声を出したり、壁を叩いたりしたらどうなると思う?」 「……っ!」  きゅっ…と、君の体が強張る。  想像したのだろう。自分が調査員に捕まった時のように、隣人が「美味しそうな匂いがする」と壁を突き破って入ってくる光景を。  普通のマンションだからこその恐怖。逃げ場のない密集地帯。自分が魔族と対面したら逃げられないことを分かっているなら尚更だ。  ここで生き延びる術はただ一つ、私という飼い主に絶対服従し、息を殺して愛されることだけ。 「だからね、これが必要なの」  私はこの日のために買っておいた首輪を取り出した。  ホームセンターのペットコーナーで売っているような安物じゃない。ペットショップで売られている魔術的な細工が施された、人間管理用のチョーカーだ。 「これをつけていれば、君は『私の所有物』ってことになる。もし万が一、誰かに見つかっても、すぐに殺されることだけは避けられる……と思う」  嘘ではないけれど、本当の目的は違う。  君をこの狭い部屋に精神的に縛り付けるため。ここが君の世界の全てであることを分からせるための儀式にほかならない。  カチリ、とバックルを留めると、君は自分の首元を弄ってから、諦めたように項垂れた。 「……うん。わかったよ」  拒絶はない。廃墟地区でのゴミを漁る生活や、牧場での廃棄処分に比べれば、首輪つきのペット生活など天国に等しいのだから。 「いい子。汗かいちゃったね。一緒にお風呂入ろっか」  君の手を引いて洗面所へ向かう。  脱衣所は二人で立つといっぱいになるほどの狭さ。  浴槽も、足を伸ばすのがやっとのユニットバス。  けれど、この狭さがいい。君との距離が強制的にゼロになる。  お湯を溜めている間に君の服を脱がせ、私も手早く服を脱ぎ捨てる。  狭い浴室に入ると、湯気で視界が白く曇った。  洗い場に二人で座り込むと、肌が触れ合うほどの密着具合だ。 「ほら、こっち向いて。頭洗ってあげる」  私がシャワーヘッドを手に取ると、君は大人しく体育座りをして背中を向けた。  最初よりマシになったとはいえ、痩せた背骨が浮き出ているのが痛々しい。  廃墟地区での生活の名残か、よく見ると全身に切り傷やかすり傷、打撲の跡がある。    牧場のシャワー室に備え付けられた安物とは違う、少し良いこだわりのシャンプー。フローラルの香りが浴室に充満していく。  泡立てた指先で頭皮を優しく揉みほぐしてあげると、君は「ふぁ……」と気の抜けた声を漏らした。 「気持ちいい?」 「……うん。あったかい」  温かい部屋に温かいシャワー、そして誰かの温もり。  そんな生活が、君の張り詰めていた警戒心を溶かしていく。  こんな性格を知ってしまったら、もう二度と、あの薄汚い廃墟地区に戻ることはできないだろう。 「体も洗うから、立って」  指示通りに立ち上がった君の体は、やっぱり細くて頼りない。  ボディタオルにたっぷりと泡を含ませ、首筋から胸、お腹へと滑らせていく。  私が膝をついて下半身を洗い始めると、君は恥ずかしさからか、壁に手をついて顔を背けた。 「ふふ、そんなに隅っこに寄っても無駄だよ。ほら、こっち向いて。じゃないと、みんなのご飯になっちゃうよ?」 「や、やめてよ……そういうこと言うの……怖いよ……」 「冗談だよ。ごめんね。……でも、本当に声は出しちゃダメ。こっそり飼ってるのがバレたら、私と君、二人とも処刑されちゃうかもしれないからね?」 「………っ…」  脅しと優しさを交互に与える。  恐怖で支配し、快楽で依存させる。  自分がヘマをしたら、飼い主もタダでは済まないという責任で心を縛り付ける。  ボディタオルで全身を撫でられ、くすぐったいはずなのに、それを必死に我慢する君が可愛くて仕方がない。  そして綺麗になった君を、お湯を張った狭いバスタブに沈める。  私も一緒に入ると、お湯が湯船からザバーっと溢れ出る。  密着度は限界を超え、君は私の体に収まる形で座らざるを得ない。  背中越しに感じる君の心臓の鼓動。まだ緊張しているのか、ドクン、ドクンと早鐘を打っている。 「……お姉ちゃん。狭いよ」 「我慢して。ウチのお風呂、小さいんだから」  そう言いながら、私は君の体を抱き締め、首筋に顔を埋める。  お湯で温まった血流。自分と同じボディソープの香り。そして、隠しきれないオスの匂い。    あぁ、お腹が空いた。 「ねぇ、家賃の話なんだけど」 「え?」 「タダで住ませてあげるわけにはいかないでしょ? ご飯代も、光熱費もかかるんだから。……はむっ」  耳たぶを甘噛みすると、君はビクッと身を震わせた。 「は、払えないよ……僕、お金なんて持ってないし……」 「お金なんていらない。君はただ、そこにいればいいの」  私は君の肩を頬に手を添えて、こちらに振り向かせる。  潤んだ瞳が、至近距離で私を見つめる。 「君の体から溢れてる、その美味しそうな精気をちょっと貰うだけ。……大丈夫。痛くしないから」  唇を重ねる。  狭い浴室、逃げ場のないバスタブの中での口づけは、濃密で、最高に甘い味がした。  牧場の仕事で疲れた体に、最高級の栄養剤が染み渡る感覚。 「ん……っ、はぁ……!」  唇を離すと、君は蕩けた目で私を見上げ、荒い息を吐いていた。 「ごちそうさま。……続きは、お布団でしようか」  ぐったりとした君を抱きかかえ、バスタオルで包む。  リビングの隣にある、六畳一間の寝室。  のびのびと眠るために愛用している、セミダブルのベッドに、君を転がした。    窓の外からは、遠く救急車のサイレンが聞こえる。  壁の向こうからは、隣人のテレビの音が微かに響く。  そんな日常のど真ん中で、私は管理動物である人間を無許可で飼っている。  この背徳感。スリル。  世界中の誰よりも、今、私は満たされている。 「じゃあ、とりあえず家賃代わりの精気をいただくね」  こくりと頷いた君に覆い被さり、首筋に顔を埋める。  舌で皮膚を味わうように舐め上げると、君はビクリと体を震わせた。 「……っ……!?」  淫魔は精を搾り取ることに特化した種族。 それ故に、餌を前にすると無意識に求愛のフェロモンが漏れ出てしまう。  か弱い人間は、それを直に浴びただけで簡単に思考が蕩け、主人に精を差し出そうと無意識に肉棒を奮い立たせる。   「あっ…あぁっ…♡」 「えへへ…♡かわいい…♡」  君の肉棒へと手を添える。  まだ剥けていない皮を優しく剝いてあげると、綺麗なピンク色をした亀頭が顔を覗かせた。  舌先で亀頭の先をぺろりと舐めてあげる。  すると、君の口からは「ひぁあっ!?」という嬌声が上がるが、声を出してはいけないことを思い出したのか、すぐに口を塞ぐ。 「だ、だめだよ……っ♡そこ、汚いから……んっ…♡」 「汚くなんてないよ。君の体はどこもかしこも綺麗だから」  むしろ、美味しいくらいだ。  淫魔にとって人間の精気は極上の美酒のようなもの。その味は、高級料理店で出される最高級の料理に引けを取らない。  舌先で亀頭全体をくすぐるように舐めると、君はもう声を抑えきれなくなった。 ちゅっ…♡んちゅっ♡ちゅるるっ♡れろれろれろれろ……♡ 「ふゃあっ♡♡それっ……へんっ♡へんになるからぁ♡♡やめぇっ…♡」 「ふふ、可愛い……♡」  もっと可愛い声が聞きたくて、私は暴れる君の足を手のひらでギュッと抑えつけて、舌先の動きを速める。  舐めるだけじゃなくて、しゃぶったり、キスしたり、色んな角度から、色んな刺激を加えていく。  すると、君の腰がガクガクと震え出し、肉棒の先から透明な汁がとくとくって垂れてくる。 「だめ……っ♡な、なにかくるっ…♡きちゃう♡やだっ♡やだぁっ♡あっ♡あっ♡」 「(イッちゃえ……♡)」 ちゅっ♡ちゅるるるるっ♡ちゅぅっっっっっっっ♡♡♡  トドメとばかりに私は君の肉棒を咥え込み、先端を舌で舐め回しながら思い切り吸い上げた。  その瞬間、君はビクンッ!と体を大きく痙攣させて反り返る。 「あっ♡あむりっ♡いくっ♡いぐぅっっっっ♡♡♡あぁ〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」 びゅるるるるるっ♡♡♡ぶびゅ〜っ♡♡♡  肉棒から勢いよく吐き出された精液が私の喉奥に叩きつけられる。  そのあまりの勢いと量にむせそうになるけれど、勿体ないので、一滴も零さないよう必死に飲み込む。 んくっ♡んくっ♡んくっ♡…んっ…ごっくん…♡♡♡ じゅずずずっっっ♡♡♡  尿道に残った精液も残さず、しっかりと搾り取る。 ……ちゅぽんっ…♡……ぷはぁ…♡ 「ごちそうさま。おいしかったよ♡」 「はーっ……はーっ……♡」  肩で大きく呼吸している君の頭を優しく撫でてあげる。  数分そうしていると、次第に呼吸も落ち着いてきたのか、その瞼がゆっくりと閉じていった。 「あれ……? もう寝ちゃうの……?」  残念に思いながらも、私は君の体を抱き上げてベッドに寝かせる。  昨日買った正しい人間の飼い方という著書に、『人間という種族は、そもそも体力が無いため、精通したてや経験の乏しい個体は搾精すると、すぐに尽きてしまう』と書いてあったことを思い出す。  安物のダブルベッドは、私たち二人が寝るとぴったりくっつかなければならない。でも、むしろそれがちょうどいい。  私は君を包み込むように抱きしめ、耳元で囁いた。 「大好き……一生、愛してあげるからね」  君はもう寝たふりをしているのか、何も答えない。  それでもいい。これから毎日、君の精気を搾って、愛を囁いて、目一杯甘やかして、私なしじゃ生きていけないくらい依存させてあげる。  私は君を抱き寄せたまま、明日また君をぐちゃぐちゃにできることを期待して、ゆっくりと目を閉じた。


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