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【全体公開/導入テキスト】後輩との関係(前編)

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すみません、ちょっと作業が間に合わなくて…

こちらの文章(前編)をまず投稿させてもらいます…!


文章(後編)+イラスト(+差分)は明日、明後日中には…投稿したいと思っているのでもう少しお待ちください。お待たせしてしまいたいへん申し訳ないです🙇‍♂️

→投稿しました! URL:https://kuroxnagi.fanbox.cc/posts/9243089


今回も無駄に長いのですが…これを事前に見てもらった方が楽しめると思うので良かったらご覧ください!

(できればこの前に過去シリーズも見て頂いた方が楽しめると思うので…後輩ちゃんのタグでお時間あるときに一通りみてもらえたら幸いです…!)

(あと、ここで公開するにあたっていろいろ伏せてあり…読みづらいと思いますがご了承ください…💦)


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「はぁ……成宮のやつ電話にも出ねえし既読もつかねぇ」


 1月某日――時刻は昼過ぎ。成宮宅の塀を背に冬空の下ひとりごちる。

 年末からバイト漬けで今日もそうだったのだが、店長のはからいで今日はすこしはやくあがる事ができた。

 悲しいかな急に予定が空いても特にやりたい事もなかったので久しぶりに後輩の顔でも見ようと成宮宅に向かいながら何度か連絡を試みたのだが……結局連絡が付かないまま目的地にたどり着いた俺なのであった。

 途中コンビニに寄った時にもう少しそこで時間を潰すべきだったというか……そこで折り返しの連絡を待つべきだった。


「んー……寝てんのかなぁ」

 

 チャイムを鳴らすべきか、逡巡する。

 このままチャイムを鳴らして家の人がでてきたら若干気まずい。うーむ。

 急遽時間が空いてついうきうき気分で足を運んでしまったが……冷静になってみたら突然こられても困るよな。

 今日はおとなしく帰って寝るか……と帰路につこうとしたその時、背後でがちゃんと門扉の開く音がした。

 

「――あら、君は成実のいいひと?」


 振り返るとそこには成宮――否、成宮のお◯市さんが俺の事を不思議そうに見つめていた。過去にまだ3度くらいしか顔を合わせたことはないが……確か名前は彩華さん。◯市◯末だけあって良く似ているのだが成宮よりもすこし背が高く、真っ黒な髪を腰辺りまで伸ばしている。

 

「どうも……成宮さんのお◯市さん。

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

 

「うん、おめでと。いつも成実の面倒を見てくれてありがとうね。

 でもお◯市さんだなんて他人行儀だなぁ? ……彩華でいいよ?」

 

 そう言うと――彩華さんはにこにこと笑顔を浮かべながら俺との距離を一歩縮めてきた。ツーサイドアップのゆるふわロングが宙を踊る。真っ白なダッフルコートがとても良く似合っていて眩しい。

 俺よりも2、3歳上と聞いた覚えがあるが上品で大人の色気みたいなのを感じる。ドギマギしてしまう。


「あ……あの成宮さんはおうちにいらっしゃいますか?

 来る前に連絡したんですけど連絡がつかなくて」


「うん、これから"私"は出かけるところだけど?」


「あ、いや……」


 俺の反応を見てにやにやと彩華さんは笑う。その様子を見て成宮の顔が思い浮かんだ。口調こそ違えど表情や雰囲気などかなり似ている。成宮のふだんあの飄々とした態度や振る舞いはこのひとを模倣しているのかも知れない――そんな事を思った。

 

「あの……彩華さんじゃなくて成実さんの方」


「ああ、成実ね!」


 ぽん、と彩華さんは納得したように胸元で手を打った。

 絶対に確信犯だろうあざとくわざとらしい言動だったが――しかしその一挙手一投足すべてがなぜか嫌味に感じられない。

 

「あの子ならリビングで爆睡ちゃんかましてたわよ。上がっていく?」

 

 過去3度の顔合わせいずれもその場に成宮が居て俺のボディガードよろしく彩華さんを決して俺に近寄らせる事はしなかった。

 そして今ここに成宮はおらず、彼女に近付いてみて良くわかった。彩華さんからは周囲の人間を魅了する人誑しの才能――オーラのようなものを感じる。

 

「あ……お邪魔します。出かけ際にすみません」


「成実ったらあなたがバイトで遊んでくれないって拗ねててね。

 年末からずっとぐーたらしていて……◯マに怒られてたわ」


 ふたり並んで玄関へと向かい彩華さんはドアを解錠して開けてくれた。

 どうぞ、と促される。

 

「成実しかいないから、リビングまで勝手に上がっちゃって頂戴。

 お腹空いてたらお節が冷蔵庫に入ってたから食べても良いよ?

 もし別腹が空いてたらそのままあの子に手を出しちゃっても……ん」

 

「ありがとうございます……え?」


 うふふ、と彩華さんは笑った。正直、まだそういう事を言い合う間柄でもなかったし身内からそういうセンシティブな事を言われるとまた反応に困るのだが。何か話題を変えてこの場をやり過ごそうと頭を働かせ――

 

「……っ!!」


 ――気付けば彩華さんがすぐ眼の前にいた。


「やっぱりこのまま予定キャンセルしちゃって君と……ってのも悪くないかな?」


 じっとこちらを見つめてくる。蛇に睨まれた蛙ではないがどうしてかその瞳に釘付けにされ身動きが取れなくなっていた。

 

「あ、彩華さん……?」


「◯市◯末だからやっぱり好みも似てるのかな……」


 大きな瞳の中に俺が映り込んでいる。彩華さんの指先が俺の唇に触れる。

 

「そんなに怯えなくても大丈夫だよ。悪いようにはしないから、さ?」


「――お、お、お、お◯市ちゃん……んんんんん!!!」


 突然――誰かの怒声が玄関にこだました。

 俺ははっと我に返り声のした方へと視線をやる。


「せ、せんぱいに……何やってるの……!!?」


 つい先程は誰かと言ってしまったが本当は最初からわかっていた。

 この家に彩華さんをお◯市ちゃんと呼ぶ人間はひとりしかいない。

 ふだんは飄々としてこちらを小馬鹿にするようなそぶりも多く生意気だがどこか憎めない小悪魔系後輩――成宮成実である。

 しかしそれでも誰かと言ってしまったのは今目の前に現れた彼女が俺の知る成宮とあまりにもかけ離れていたからだった。

 リビングに繋がる廊下。その奥から今までに見たことのない剣幕の成宮がこちらに歩み寄ってくる。


「成宮……うおっ!?」


 近寄ってきた成宮は何も言わず俺の右腕引きぐっと自分の方へと抱き寄せた。

 

「何って、まだナニもしてないけど?」


「ま、まだって言った……!?」


 がるるるる、と今にも飛びかかりそうな勢いの成宮に対し、彩華さんは余裕の表情――というより珍しいものでも見たかのようにすこし楽しそうに笑っている。


「冗談よ、私が成実の彼氏くんに手を出すわけないじゃない?

 私はこの子が成実に連絡がつかないって表で寒そうにしてたから入れてあげただけ」

 

 成宮の鋭い視線が俺に向けられる。視線もそうだったが先程からずっと握りしめられている右腕が痛い。心做しか成宮の体は震えているように感じた。


「この子が帰ろうとしてたのを引き止めてあげたのになぁ?」


 途中いろいろ端折られていたが、おおよそ間違っていなかったので俺は黙って頷く。


「そ、その点については……ありがとう」


 かなり不満げな表情の成宮だったが渋々納得したようだった。


「わかってくれたら良いのよ」


「でもそれはそれ……!!

 いくらお◯市ちゃんだからって先輩に手を出したら許さないんだからね!!」

 

「悪かったってば。

 本当はあなたがドアの向こうからこっちを覗いてるのが見えたから。

 ちょっとからかってみたくなっただけ。ごめんね? 私の可愛い成実ちゃん」


「この件に関しては謝っても駄目なんだから!! 帰ってきたら反省会……!!」


「ハイハイ。まあ良いものも見れたし、私はそろそろ行くね。

 それじゃ彼氏くん、私の可愛い◯末の事を今年もよろしくしてあげてね」

 

 彩華さんはそれだけ言って手をひらひらと俺たちを残して玄関から出ていった。

 たった5分ほどの邂逅だったが生涯忘れられない正月のワンシーンになった。

 いやまじ何だったんだ……あのひと……。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


拙い文章ですみません。

ここまでお読みいただきありがとうございました…!


今回、彩華さんが出てきました。

本当はもっと前に出てきて後輩ちゃんとセンパイを取り合いしてもらう展開など考えてたんですが…そうすると彩華さんがセンパイをつまみ食いする逆NTR展開になる事必死だったので、今回のようにソフトな表現になりました。


ちょっとだけ補足すると彩華さんのお出かけ先は合コンでそのまま朝帰りコース…そして翌日の帰り、一緒になった男に後輩ちゃんの好きなスイーツを買わせてそれを昨日のお詫びって後輩ちゃんのお土産にする…そういう人の予定でした。

なので後輩ちゃんはセンパイに彩華さんをゼッタイ会わせたくなかったのでした…(という、没ネタ)


実質、この話(主に後編)が後輩ちゃんでずっとやりたかった話で…

ファイナルでもあり、これをやった事でシーズン2開始でもあるんですが…

受け入れてもらえるのかな…と不安ではあります…


後編も楽しみにしていただけると幸いです!


もう少しお待ちください…!


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