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――彼女はいつも雨と一緒に訪れる。
ぱらぱらと雨音がガラスを叩く音と遠くでごろごろと雷が鳴り響く音が聞こえる。
6月某日、某県某駅前のビジネスホテル。
「……うへぇ、パンツまでびしょびしょだ」
僕はずぶ濡れになった衣服を脱いで備え付けの折りたたみ式タオルハンガーに掛けた。流石に今の状況で下まで脱ぐわけにはいかず、ぐしょぐしょでちょっと気持ち悪い。
――とんとん。
取り急ぎ借りた部屋はシングルルームで良くあるビジネスホテルの内装だった。大きなベッドがどかっと置いてあり、脇には机とTVや椅子など定番のアイテムが配置されている。入口側にはトイレとユニットバスがありちょうど今シャワーを崎坂ちゃんが浴びていた。
最初に断っておくと……断じてやましい事があってホテルにやって来たわけではない。たまたまバイトの帰りに彼女とばったり出会って帰りの電車に乗るため駅に向かっていたのだが。その途中で通り雨にやられたのだった。
びしょびしょのまま電車に乗るわけにもいかず悩んでいたのだが……。
『たまたまそこにホテルがあるんですけど……
そこで雨をやり過ごして……ついでにドライヤーを借りるのはどうでしょう……』
と、崎坂ちゃんの機転により今に至るのだった。着替えさえあれば一階のコインランドリーを利用する手もあったのだが……やむなし。
しかしドライヤーで衣服を乾かすという発想は僕にはなかったが……崎坂ちゃんは過去に何回もそういう事をしているのだろうか?
その答えになるかどうかはわからないが……崎坂ちゃんと会う時はいつも雨が降っている気がする。まあ今が特にそういう時期だし本当にたまたまだろうけれど。
さて……と、風呂場から借りたドライヤーを使うためにコンセントの差込口を探す。
このホテル――駅からもほど近く値段も安くすごく綺麗でビジホにしてはおしゃれな感じなのだが……ひとつ誤算があるとすれば。
――とんとん。
音のした方に自然と目がいった。
僕はその光景を見て思わず固まってしまう。
「……あ」
誤算があるとすればこのホテル……何を思ったかバスルームの壁がガラスになっていて思いっきり中がスケスケなのだった。後から調べてみたら昔はそういうカップル向けのホテルだったらしいが潰れてビジネスホテルへと生まれ変わったらしい。
幸いカーテンがあったので崎坂ちゃんが入る時にカーテンを閉じたのだが……今はそのカーテンが開いていた。
ごくり――と唾を嚥下する。
僕はガラスの向こうの彼女から目をそらす事ができずにいる。
崎坂ちゃんもじっとこちらを見つめていた。先程の音は崎坂ちゃんが人差し指で軽くガラスを叩いた音のようだった。
「お△さん……たまたま今日もカバンに水着が入ってたんですが……
これなら見られても問題ないですし……一緒に入りませんか?
その……体を冷やして風邪を引かれてはいけませんし……」
もじもじとした様子で遠慮がちな声。
実際にそれはもうとても魅力的なお誘いではあった。間もなく7月とは言え冷房の効いた部屋で濡れ鼠は少し身に堪える。というよりもその格好でお誘いされて靡かない男はいるのだろうか……?
しかし――
「いや……夏だしちょっとくらい冷えても大丈夫だよ。
それに今からドライヤーを使って先に服を乾かしておくからさ……」
◯の友達の△として彼女を無事家に送り届けねば……!!
このまま流されて彼女に手を出してしまっては……やはり最初からそういうつもりでホテルに連れてきたんじゃないか――などと崎坂ちゃんに思われてしまう。えーお△さんってそういう人だったんですね……なんて冷たい視線で見られたらそれこそ僕は耐えられない……!!
「……ごめん」
僕は鉄の意志で断りを入れドライヤーで衣服を乾かす作業に入ったのだった。
とりあえず僕の服だけでも先に乾かしてしまえば後はコインランドリーの乾燥機でどうとでもなるだろう。幸い水着を持ってきてるみだいだったし乾燥中の短い間は室内でそれを着ていれば良いし……。
等と考えていたら――また静かにガラスの叩かれる音。
とん――とんとん……。
その音は先程より少し元気がなくどこか寂しそうに聞こえた。
「……さん」
ドライヤーの音にかき消されそうな彼女の声。
普段は物静かで控えめな彼女。
崎坂ちゃんが僕の事を好意的に見てくれているのはわかっていた。だけれど僕としてはやはりまだ◯の友達という事で彼女に対して……一線を引いてしまう事がある。
「あの……」
でもそんな彼女が勇気を出して声をかけてくれたのだ。
僕もそれに応えなくてはいけない。
そんなちょっとキザっぽい事を思った僕であったが……数秒後振り返った先に広がる光景に僕の理性とか鉄の意思と言うものは粉々に吹き飛んでしまったのだった。
悲しいかな人はおっぱいの誘惑には勝てないのだ。
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今回はむにゅってなった崎坂ちゃんのぺぇを描けて楽しかったです!(小並感)
このドライヤーの話…ホテルではないんですけどむかーーーし野郎だけのバイク旅(僕は後ろに乗る専)で大雨にやられた事があって実際に民宿でドライヤーを借りて何回か乾かした事がある…実話だったりします。僕と行くといつも雨降るって笑われた事あるんですけど…そそそそそれは夏のお盆とかに旅行行くからであって決して僕が雨男なわけでは…!!?🤣
崎坂ちゃんは白か黒か果たしてどちらなのか🤔
さておき!
アンケで崎坂ちゃんがお風呂で誘惑してくるシチュが見たいってあったので…僕の稚拙な文章も添えてかなり誘惑してくる感じにしてみましたがいかがだったでしょうか!
楽しんでもらえていたら幸いです!
もしかしたらもうちょっとだけお風呂編続くかもしれません?🛀
黒柳 凪
2024-06-29 12:36:28 +0000 UTC黒柳 凪
2024-06-29 12:28:20 +0000 UTC稲穂季節
2024-06-29 12:08:21 +0000 UTC偽乃
2024-06-27 14:46:44 +0000 UTC