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5月も半ば。時刻はもうすぐ18時になる頃。
とあるふたりの若い男女が部屋でごろごろとくつろいでいた。
部屋の主人は女の方。自分のベッドに横たわりながら漫画を読みふけっている。静かな空間に彼女の本をめくるさらさらという音だけが時折聞こえてくる。
対する男は部屋の中央にある小さな座椅子に腰掛け何か雑誌を読んでいた。しかしそれに集中できていない様子でときどき視線をあげては女の方へと向けている。
本日何度目になるだろうか? 何か言いたそうな表情をしていたがぐっと我慢して男は再び雑誌に視線を戻した。
「この世の終わりみたいな顔してどうしたんですかぁ、センパぁイ?」
ベッドに横たわり漫画を読んでいた女の子が顔をあげ男の方へと視線をやった。この女の子の名前は成宮成実――短く切りそろえられた黒髪に大きく赤いリボンがちょこんと載っている――この男の後輩にあたる。
「いや……なんでもない」
後輩から視線を向けられたセンパイと呼ばれたこの男の表情は険しい。何か言いたそうではあったがやはりそれはまずいと思ったのか口をつぐんだ。
「あ~わかりましたぁ。もしかしてこの後のバイト嫌になっちゃったんですかぁ?
コミュ力クソ雑魚なセンパイですもんね……
新しく入ったバイト先の人間関係に疲れちゃったんですね……」
クソ雑魚ですもんね……と最後にトドメのもう一撃を重ねる。
この後輩はこの先輩に対し割と言いにくい事をズバズバと言ってくるところがあった。そしてまた人の機敏に妙に鋭いところがあった。
「ゴールデンウィークからずっと働き詰めでしたもんねぇ?
無理なシフト組んでくるようなブラックなバイトなんて
すぱっと辞めちゃえば良いじゃないですかぁ?
今日だってこのままサボってふたりでだらだらしちゃいましょうよぉ」
先程はただ辛めの毒だったが対して次はただただ甘い毒。同じ口からまったく違うベクトルの人を駄目にする言葉を吐く。にやにやと小悪魔的な表情を浮かべている。
「そんなにあくせくと働かなくたってこうやって
私の部屋でごろごろしてれば良いじゃないですかぁ?
ただれた青春時代を謳歌しちゃいましょうよぉ」
「……いや、バイト先は関係ない。入り用で今月は多少無理しているが……
お前、また海に行きたいとか言ってただろ? 夏休み予定空けておけよ」
「え……せ、先……センパイ覚えてくれてたんですか?
もしかして今月そのためにいっぱいバイトして……」
「こうやってお前の部屋でだらだらさせてもらうのも悪くはないが……
エアコンにジュースにおやつまで完備されているお前のお宅は控えめに
言って最高ではあるのだが……。ずっとは対外的なイメージが悪すぎる。
特にお前のご家族からの視線が痛い」
「センパイ、いろいろ気にし過ぎですよ?
でも前にも言いましたけど…
おねーちゃんとは一切目を合わせちゃ駄目ですからね?
前にセンパイが帰る時に玄関ですこしバッティングしたじゃないですか。
あの後に私に向かってなんて言ったと思います?
あら良い男ね……また今度良かったら貸して頂戴って言ったんですよ?
ふつういもーとの男に対してそんな事言います?」
「そ、そんな事があったのか」
「あー!? 今それもすこし悪くないなって思いましたね……?
センパイNTRとかされたら……
私、おねーちゃんとセンパイを◯して……出頭するしか……」
「そこはお前も後追えよ……! いや悪かったな。もうこの話はよそう」
後輩の地雷を踏んでしまった。この後輩はなぜか◯に対して妙なコンプレックスを持っているところがある。男はまだ成宮◯に一度しか会ってないが――それも帰宅の際にばったり一言二言交わしただけ――そのときの様子だけであまり仲が宜しくないなと感じたのだった。
「まぁ……そんな事よりも最初のお話。
センパイが難しそうな顔をしていたのは結局なんだったんですかぁ?」
「ああ……そうだったな」
バイトの話に夏休みの予定の話、そして後輩の家族の話――二転三転したがもとより彼女が気になっていたのはそのことだった。
「いや……お前もスカートの下にスパッツとか履くんだなって」
「え、いや? そりゃ履きますけど?」
質問の意図が読み取れずきょとんとした表情になる後輩。
「それはあれだろ……パンツじゃないから恥ずかしくないもん、的なヤツだろ?
いつもスカートの下にス◯ール水着や競泳水着を履いてそれどころか時々
部屋でス◯水一丁になるあの成宮後輩が……スカートの下にスパッツだなんて。
がっかりだ……これはお前には失望したと言っても過言ではない」
「いや、いやいや……?
私だって誰彼構わずおパンツを見せたくて短いスカートを履いているわけでも
ましてやいつも常に水着を着込んでるわけじゃあないですからね?!」
それじゃあただの痴女じゃないですか――と後輩も思わず反論する。
「で……今までのこの長いフリからそれですか?
暗い顔していたのでもっと重たい内容の事かと思ってたのに!!」
「いや、いやいやいやいやいや? これは重大なインシデントだぞ!!」
「はぁ~~~……私の方こそセンパイにはがっかりですよ!!」
成宮後輩が大きなため息をついた。心配をして損をしたという表情を浮かべている。
「残念です……センパイ。その両目はただの飾りだったんですね。
センパイがここのところお疲れだったので新しい趣向を楽しんでもらおうと
私なりに準備してさしあげたのに…
これからはセンパイの事をお目々が節穴なレンコンセンパイ……
略してコンパイって呼びますね」
「お疲れで困憊とレンコンセンパイをかけてちょっとしてやったりみたいな
そのドヤ顔をやめろ! 別に上手くないしそしてのその呼び方は却下だ!!」
「でもこちらの意図が汲み取られずに逆にそういう風に見られてたなんて…
IQが30違うと話が噛み合わないって話は本当だったんですね…
ここはセンパイに合わせてレベルを下げてあげないといけませんね……?」
「哀れみの目で俺を見るな…!
否――そうは言うからにはお前……何か仕込んであるのか」
「いいえ、違います。その逆かもしれませんよ……?」
「お前……まさか!!!!!?」
「ふふ……」
「履いてない……だと?!
スパッツを履く=その下のパンツをガードするものと錯覚していたが……!!
ネットでスパッツの下にパンツは履くのか履かないのかQ&Aが掲示板にたびたび書かれていて何度か目を通した事はあるが……これ実際にQとAを書き込んでるのってそう言う風に流行らせたいそうあって欲しいオッサン連中の願望だろと思っていたが……!!
まさか……それを本当にやってのける人間が実在していたのか?!」
やっぱり痴女じゃないか……!!! と男は彼女に向かって言った。
女は満足そうな表情を浮かべている。
「あ~でも……残念ですね。もう18時半。
そろそろ出なくちゃバイトに間に合わないんじゃないですかぁ?
実際に実在していたのか確かめられない……謎は謎のままってやつですね」
「っていうかお前……
さっき見た時(ノーマル解像度の通常版の方で)は
明らかにパンツのライン浮いていたよな……?」
「あー、あれはあれで需要があるかなって健全民に向けて配慮した
後輩ちゃんからの読者サービスの一種です☆」
「お前が何を言っているのか俺には良くわからないが……そんな事はどうでも良い。
で、それよりも今のお前は履いているのか……履いていないのか……?」
「さぁて……どうなんでしょうね?
ご自身で確認されてみてはいかがですか?」
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投稿がまた月末ぎりぎりになってしまいすみませんでした🙇♂️💦
今回は久しぶり?のスパッツでしたがスパッツも良いものですね🥰
差分で脱がすか迷ったものの今回は穴を空けてみました。
しかし今回欲張って3箇所に突っ込んでみたものの、1箇所にさける時間が短めになっちゃったので1箇所をねっとり描いた方が良いのかなぁって思いました💧
また今回…久しぶり?に文章を書いてみました。
いつもセンパイ×後輩ちゃんのときはセンパイの一人称なのですが、今回は神様視点というか三人称の練習。三人称だとすこし落ち着いて読める…(気がする)けど、このふたりのやりとりの時はいつもの一人称の方が勢いがあって良いのかなぁって思ったのでまた次回があればそっちに戻すかもしれません!
そしてさらっと登場した成宮のおねーさん。
以前から考えてはいるもののこれ以上うちの娘増やすとヤバいって思って描く予定はないのですが…ナニかの迷いで出てくる事もあるかもしれません。
そんなこんなで今回も楽しんでいただけたら幸いです!🙇♂️
黒柳 凪
2024-06-01 05:49:42 +0000 UTC稲穂季節
2024-05-30 14:57:35 +0000 UTC