夏休み終盤、ある神社で宮司をしている親戚のおじさんの頼みでお祭りに飛び入りで参加することになった。
なんでも5年に1度の牛神を祀るお祭りで、俺が頼まれたのは『牛神を降ろす器』というものらしい。
だがこれと言って何をするでもなく、「時間が来るまでは自由に祭を楽しんでほしい」とだけ言われた。
赤い法被に褌、それにねじり鉢巻き。さらに牛の角を模した飾りも着けられて恥ずかしい事この上ないが、周りの人はそんなこと気にせずどんどん声を掛けてくる。
「『うつわ』役、頑張ってね!」
「たくさん食べなさい!」
「これ、焼き立てだよ。持っていきな!」
「しっかり精付けてな!」
こんな姿を色んな人に見られるのは本当に恥ずかしいが、タダで食べ物が貰えるのは素直に嬉しい。適当に「ありがとう!頑張ります!」と手を振ってみる。
貰った食べ物をだいたい食べ終え、最後のチョコバナナをほおばっているときだった。
なんとなく、「時間が来た」という感覚があった。周りの音が鈍くなり、肌がピリつくような、寒いような熱いような不思議な高揚感。
「おっ、始まったぞ!」
誰かの声が聞こえ、周りに人が集まってきた。
皆が期待のまなざしで俺をまっすぐ見つめている。
それになぜか「応えたい」と思う自分が居た。
全身が燃えるように熱い。ドクン、ドクンと、鼓動のたびに熱が体中をめぐり、全身がビクビクと震え、全身を作り変えられていく感覚。逃げ出したいのに足が動かない。意思に反して両足は地面を踏みしめ、仁王立ちのようにしっかりと立っていた。
ベキベキと音を立てながら身体が膨らみ、股間や腕から黒々とした毛が一斉に広がっていく。
食べかけのバナナが落ちる。右手を見ると小指と薬指がくっついている。
顔の形も変わり始め、顎が外れそうになり、視界に自分の鼻が見え始めた。その形も平たい物に変わっていく。痛いはずなのに痛くない。怖いはずなのに怖くない。
この状況に快感と誇らしさを覚え始めていた自分が何よりも恐ろしかった。
――しばらく経ち、全身で暴れていた熱が少しずつ冷めてきた。
周りからは歓声。身体を触ってくる人も居る。だが視点がおかしい。
さっきまで真横にあった人の顔がはるか下に見える。
熱狂する人々と、状況が分からず一人混乱する俺の前におじさんが鏡をもってあらわれた。
そこには黒い毛皮と逞しい筋肉。立派な角を生やした牛人間が映っていた。
法被はボロボロになり、白かった褌は肉体の変化と共に真っ赤に染まっている。
余計混乱する俺におじさんは告げる。
『牛神を降ろす器』とは文字通り、その身に牛神を降ろし、牛神となる人のこと。
この地に住まう人々が作った食物を、肉体を得た牛神に振る舞い、次の5年間の五穀豊穣を祈願するのがこの祭りの目的なのだそうだ。
これから宴を開き、野菜に魚、肉、米、そして酒を一晩中堪能し、満足した牛神が最後に大地に種を蒔いて終わるという。
疲労と混乱と熱気で限界だったが、宴の話を聞いたとたんに高揚し始め「種を蒔く」という言葉を聞いた瞬間、舌なめずりをした俺の精神は完全に牛神のものになった。
「ふむ、では早く宴に向かうぞ宮司。今宵も楽しみじゃ」
********************
こんばんは、十六夜です。
今回は夏(秋)ということで、今回はお祭りネタで!駄文付きだよ!長いよ!!
牛にしたのはデカめな筋肉獣人化が描きたかったからです。デカい筋肉は良いぞ……でも脂肪も良いぞ……
もっと筋肉と仲良くなりたいです。仲良くなって色んな人を筋肉まみれや脂肪まみれにしてあげたい。がんばります!
ちなみに、TFに伴って褌の色が変わってるのはこだわりポイントです。
ムキムキ牛獣人には赤褌が似合うかなって。今回は褌の色だけだけど、TFに伴ってきている服が変化していくのとか好きなんだ僕。
さて、月初更新2回目です。ちょっと作業ペースがいまだにつかめてないですw
キャプション込みでもっと早く終わらせたかったんですが、なかなか難しいものですね(9/2 13時現在) まあ、お盆はいろいろイベントがあったので仕方ないっちゃ仕方ないんですけど。
あとは単純に作業ペースをもっと上げていきたい!
この辺は自分の努力次第なので、ファイトいざにゃんですわ……
皆も応援よろしく!(
と、いうところで今回はこの辺で。
また来月更新でお会いしましょう!
【オマケ】
以下、背景無しバージョン
せっかく描いたのにモブが邪魔しちゃって……
Copyright © 2023 Tsuki-tsuki.(月憑き) All Rights Reserved
Zerafon
2023-09-02 18:16:14 +0000 UTC十五夜十六夜
2023-09-02 15:18:20 +0000 UTCtofubread
2023-09-02 13:09:02 +0000 UTC