大晦日、ヒトイヌの神様と賭けをする。(「ヒトイヌストーリー」続編)
Added 2022-12-31 08:24:29 +0000 UTCこちらはpixivにて公開中の『投稿100話突破記念「ヒトイヌストーリー」』 https://www.pixiv.net/novel/series/9808885 に掲載中の作品のその後のストーリーとなっています。 大掃除も終えた大晦日の夜。 クリスマスイブに現れたヒトイヌの神様がまたやって来た。 あれは夢では無かったと驚く私に、ヒトイヌの神様はある賭けを持ち掛けてきた。 ----------------------------------------------------------------------------------------- 「よしっと、まあ大掃除はこんなものでいいかな~。」 大晦日になってから大掃除ってものギリギリで胴かと思うけど、古い家だし、ひとりじゃ大変なのよね~。 もうすっかり日が暮れてしまった。 それどころかもうそろそろ除夜の鐘が鳴り出す時間になろうとしている。 「これからどうしようかな…。」 もうTVなんて久しく見て無いし、今日ぐらいは執筆活動もお休みしたいし…。 「はっはっはっ、今から暇を持て余す時間などないぞ、真島法子よ。」 私しかいない家に誰かの声が響いた。 しかもこの声はなんか聞いたことのある声だった。 え? まさかね、あれって夢だもん。 幻聴と片付けようとする私。 しかし、その私の目の前にどこからともなく黒い四つ足の獣。 ううん、獣に見えるその姿は、可愛い女の子が黒い拘束衣に手足を押し込められて四つん這いの姿勢を強要されているものだ。 でもその子の顔に悲壮感は無い。 だって、この子は…。 「どうした私の顔を忘れたか、ヒトイヌの神がまた来てやったぞ。」 この段になって初めて、私はあのクリスマスイブの夜の出来事が夢ではないと悟った。 「あ、はは、夢じゃなかったんですね。」 「まあお前には認識阻害の術をかけているから、そう思うのもムリも無い。」 「認識阻害…?」 「今解除してやる。」 そう言って途端に私の首に赤い革の首輪が現れた。 「え!何?いつの間にこんなものつけたの…、ぐうぅ、は、外れない。」 「それは私の眷属の証だから、もう永久にお前の首に嵌ったままだ。」 「何なの、眷属って?」 「お前は気付いて無かっただろうが、その首輪はクリスマスイブの夜からずっとお前の首に嵌まっていた、あの日からお前は私の僕となっていたのだ。」 「そんなの私は承知してない。」 「お前に意思などどうでもいい、私がお前を気に入った、だから眷属にした、それだけだ。」 「そんな勝手な…。」 と文句を言おうとしてると、 「もうあまり時間がありません、ご説明を。」 そう言ってこちらも突然現れる、メイドさん。 「ああそうだった、どの道、真島法子、お前に拒否権は無い、今から私の言う事を聞け。」 「だから勝手に話を進めないで。」 「法子さん、今からいう事を聞いておかないと、後々必ず後悔すると思いますので、まずは話を聞いてください。」 メイドさんのそう言われて私は黙って話を聞いてみる事にした。 「いいか、本日大晦日の夜、お前は私と賭けをしてもらう。」 「賭け?」 「ああ、除夜の鐘が鳴り始めると同時に、お前の体は徐々にヒトイヌ拘束されていく、そして、鳴り終わる頃には完全にヒトイヌ拘束が完了する。」 「な!」 「もしもヒトイヌになるのがイヤなら、この村の神社の真裏に私を祀っている祠がある、そこに除夜の鐘が鳴り終わるまでに辿り着ければ元に戻してやる。」 「じゃ、じゃあ、時間までに辿り付けなかったら…。」 「お前は新年の一年間、次の大晦日までずっとヒトイヌのまま過ごす事になる。」 「そんな!」 「もうお前は私の眷属となったので、これから毎年この儀式に参加してもらう、よいな。」 「ここから、麓の神社までって…。」 どれぐらいかかるの? 間に合うの? 「まあ、足の拘束はギリギリ最後まで勘弁してやるから、まあ、鳴り終わる直前に着くかどうかと言うところだろうな。」 「法子さん、除夜の鐘が鳴り始まるまで時間がありません、もしも辿り着きたいのでしたら、今の内に玄関まで行って準備をした方がよろしいと思いますよ。」 「ああ、もうっ!」 私の意思など関係ない事はこの前の事でよくわかっている。 私はなんとかこの賭けに勝つ為に玄関に向かった。 「フライングはその時点で失格になります、除夜の鐘の一度目が鳴り響いたところで走り出すのをお勧めします。」 メイドさんが親切に忠告してくれる。 「それでは私は祠で待っているからな、せいぜい頑張って私を楽しませてくれ。」 「絶対に辿り着くからね。」 私の言葉を聞き終わると、ヒトイヌの神様はフッと姿が消えた。 「法子さん、間もなくです。」 「はい。」 私はドアノブに手をかけていつでも飛び出せる様に準備した。 そして…。 ゴーン。 除夜の鐘が鳴り響いた。 「ではスタートです。」 ガチャ。 私は勢いよくドアを開いて、寒空の大晦日の夜の外へ飛び出しました。 「はぁ、はぁ、はぁ。」 麓に向かうので道はほとんど下り坂。 転んでは万事休すなので、転ばない様に気を付けて走ると、思っているよりスピードが出せない。 買い物も全部通販で済ませてしまっているので、麓の村までのリアルな距離が全然わからない。 このペースで果たして間に合うのか? 気は逸るし、焦りますが、真っ暗な道を転ばない様に走るので、どうしてもスピードが上げられません。 そんな中、まず私の顔から頭にかけて変化が現れました。 顔がゴムの様な素材の物で徐々に覆われていき、目、鼻の穴、口以外が覆われてしまいました。 頭のてっぺんにはイヌ耳が付いています。 足は最後って言ってたからこうやって頭からヒトイヌに変えられて行くみたい。 ただ、変化は外見だけでは無かったようで…。 「はっ、はっ、はっ、くうん。」 え? 「わん、わんわんっ。」 何で、普通に言葉を話してるはずなのに、全部イヌの鳴き声になっちゃう。 「わん、わんわん、わん。」 ダメ! どうやってもイヌの鳴き声しか出ない…。 でも、今は関係ないから、気にしないで先を急がないと…。 私は気を取り直して、麓の神社までの道を走った。 「はっはっはっ。」 ああ、なんか自分の息遣いが気になる。 イヌの鳴き声しか出せなくなったからか、普通に息してるつもりでも呼吸がイヌみたいって思ってしまう。 ダメダメ、気にしてちゃ。 そうしてる内に次に変化が訪れてきました。 グ、ググッ。 手が…。 手が、勝手に曲がって行く。 自分の手で自分の肩を抱く様な体勢に移動していく。 そして肘から徐々に黒い膜で覆われて行く。 ああ、手が『前足』になっちゃう! 変化が始まってからものの数分で、私の手は折り畳まれ、短くなってしまいました。 「く、くうん。」 手が触れないとこんなに走りづらいんだ。 まだ手が拘束されただけなのにこんなに不自由になるなんて…。 走るスピードがガクンと落ちる。 「わぉん。」 焦る。 間に合うの? 不安になってきたところで、ついに山を下り終え、村のはずれにやって来れました。 よし! ここからはきっと平坦な道のハズ。 そう思った私の体にまた変化が現れていました。 首から徐々に黒いゴムの様なモノに覆われていく。 今は胸の辺りまで覆われて、おっぱいの形がくっきりと出ていた。 ここから村に入るのに! こんな恥ずかしい恰好でもし村人に会ったら…。 そう思ってしまうと、急がなくてはいけないのに周りに気を配ってついつい歩みが遅くなる。 そうしてぐずぐずしてる内に黒い膜がへそまで下りて来てしまっていました。 ああ、早くしないと! しかし肝心の神社が村のどこにあるのか私は知りませんでした。 ど、どうしよう…。 焦る私は、とにかく手掛かりになるものを探して、道に立っている看板を見つけることが出来ました。 「わぉん。」 神社は…、あっちね。 運よく神社への案内板だったようで、私はあまり時間を無駄にせずにする事が出来たようでした。 でも、体の変化は止まりません。 黒い膜がついに股間の方にまで下りて来ました。 あ、や、やだ、アソコ辺りがモゾモゾする。 なんだかオシッコの穴やアソコが拡がってる言ってる気がする。 「く、くうん。」 ダメ! 足が止まりそう。 走らなきゃ。 「きゃん!」 嘘! お尻の穴まで拡げられてる? 走らなきゃと思っても、下半身の3つの穴が拡げられて行く感覚にどうしても足が鈍る。 それでも止まる訳にはいかないので、モノが出てる訳では無いのにずっとオシッコとウンチを出しながら走ってる気分になる。 しかも拡げられてるだけでなくて、何かが3つの穴にどんどん入って来てる感覚がある。 そうしてる内にお尻に何かぶら下がってブラブラ揺れる物の感覚がしました。 これ、尻尾がお尻から生えてる? どんどんヒトイヌになっていく体に焦りを覚えつつ、もう歩くぐらいのスピードになりながらも必死に足を動かす。 すると、目の前に灯りが見えてきました。 や、やっと、神社が見えてきた。 もう足以外はヒトイヌに変わってしまってるのでもう猶予が無い。 そう言えば除夜の鐘はどれぐらい鳴ったのだろう? そう思ってると、 ゴーン。 鐘の音が響く。 あ、良かった、まだ終わってなかった。 よし、これなら間に合うかも。 ゴールが見えてきたので、足も幾分軽くなり、また駆け出す。 そして、あと少しで神社と言うところで、足全体が何かに覆われたかのような感触がありました。 ハッとして足元を見ると、黒いゴムの様な膜で足全体がすでに覆われていた。 ちょ、待って、あともう少しなんだから! 神社の横から人に見つからない様に近づいていたところでした。 神社の裏手にあるって事はもうすぐそこにあるはず…。 ゴーーーーン。 うん、鐘はまだ鳴ってる。 神社の裏側に辿り着いた。 表では二年参りをする人が集まっている様で、賑やかな声が聞こえて来る。 どこ?祠はどこ? 探していると、急に足が動かなくなり、ガクンっと膝が折れました。 「きゃん。」 前のめりに倒れてしまう。 あ、ああ…。 足が折り畳まれて黒い膜で覆われ、肘と膝で四つん這いで立つ格好になってしまいました。 そんな…。 ついに私の体が完全にヒトイヌ拘束されてしまいました。 けど、倒れた拍子に視線の先、10メートルぐらい先の茂みに祠が建ってるのが見えました。 急げば! そう思って、四つん這いで必死に祠に向かう。 クリスマスイブの夜にたくさん歩行訓練されたおかげか、意外とスムーズに歩けて驚きました。 あともう少し! と、そこへ何もない空間からフッとヒトイヌの神様が現れました。 「わぉん。」 「おお、いい恰好になったな、真島法子よ。」 「わん、わんわん。」 祠まで辿り着いたんだから元に戻してよ。 そう言ったつもりでも私の口からはイヌの鳴き声しか出ませんでした。 「ふむ、残念ながら、賭けはお前の負けだ、真島法子よ。」 「わぉん。」 え?どうして?辿り着いたのに。 「気付かぬか?とうの昔に除夜の鐘が終わってる事に。」 え? 確かに、今はもう鐘の音は聞こえない。 けど、さっきまでは確かに…。 そう思って反論しようと思った私の耳に神社の表からガランガランとあの大きな鈴の音を鳴らす音が聞こえた。 まさか、もしかして…。 現実を認めたくない私の耳に『あけましておめでとうございます。』等と言い合ってる人々の明るい声が聞こえてきました。 そんな、とっくに年が明けてるなんて…。 「わかったか真島法子よ、賭けに負けたお前は今年一年間ヒトイヌの姿のまま過ごすのだ。」 そんな、一年間もなんて…、イヤッ! 「わん、わぉん、わぉん。」 私はなんとか拘束と解こうと藻掻いてみるけど、クリスマスの時の様に拘束は少しも緩む事がありませんでした。 「まあ安心しろ、お前の世話は私の僕が全てやってくれる。」 そうヒトイヌの神様が言うと、どこからともなくあのメイドさんが現れました。 「法子さん、これからずっとお世話をさせて頂きますね。」 そう言って私に近づくと、しゃがみ込んで私の頭をまるでペットにする様に優しく撫でた。 そして、私の首に巻き付いてる赤い革の首輪にリードを着けて立ち上がる。 「さ、お家に帰りましょうか。」 「くぅん。」 ショックで呆然自失の私は、反抗する気力も無くただメイドさんに引かれるまま四つ足で歩き出しました。 その私達の後姿を見つめているヒトイヌの神様が独り言ちる。 「ようやく、ようやく見つかった代わりの候補が…。」 その声は私には届いていませんでした。 ザワザワ。 無意識にメイドさんに引かれるまま歩いてた私ですが、人のざわめきがの声が大きくなってきて意識が現実に引き戻されました。 え?今私どこにいるの? 前を見ると、灯りが煌々と灯る神社の表参道に出ようとしてるところでした。 イヤッ、ダメ、人にこの姿を見られちゃう! そう思って私は前足にあたる肘をグッと踏ん張ってブレーキをかけました。 「ん?どうしました法子さん。」 私が止まったことに気付いて振り返るメイドさん。 「わん、わんわん。」 相変わらず声はイヌの鳴き声しか出ません。 「今日はもうお疲れでしょうから、早く家に帰って休みましょう。」 そう言って、リード引くが、私は動かない。 うう…、帰るにしても人のいないとこを通ってよ。 そうメイドさんに言いたいけど、イヌの鳴き声しか出せなくなった私にはそれは叶わない事でした。 「あまり聞き訳が無いと、私もお仕置きをしなければいけなくなりますよ。」 穏やかに、けど湯無を言わさぬ口調でメイドさんが言う。 「わぉん。」 けど…、と、私は表参道にいるたくさんの人々を見る。 「ああ、そういう事ですか…。」 その私の視線を見て、ようやく私の言わんとしてる事がわかった様でした。 「あのたくさんの人の目にその姿が晒されるのを気にされてるようですが、法子さんの姿は神力により一般人にはただの大型犬にしか見えなくなってますからご心配無く。」 そう言われたけど…、本当に? 「さ、わかったら行きますよ。」 私の覚悟が決まる前にグイッとリードを引かれ、ついに私は明るい灯りの元にその姿を晒すことになりました。 「わぁ、大きい犬。」 「ホントね、黒くて大きい。」 私を見た人が、本当に私が犬にしか見えていない様な発言をする。 本当に私の事、普通の犬としか思わないんだ…。 少しホッとしましたが、逆に誰も私に気付かないと言う事は、誰にも助けてもらえないと言う事に気付き、もう本当に逃れられないんだと思い知ります。 そしてそのままリードをメイドさんに引かれ表参道を歩いて行きます。 「ううぅ。」 私の意識はもう外へ向かっていませんでした。 歩く度に、お尻とアソコに入れられてる何かが体の中をゴリゴリと擦って、それが気持ちいいのです。 イ、イキそう…、でも、こんな人の多いところでイッたりしたら…。 もう快感で足はガクガクしていて、イッていいと言われればいつでもイケそうな程に高まっていました。 「いいんですよ。」 上からの声にハッとして見上げる。 メイドさんが優しく微笑んでいた。 「イッてもいいんですよ、どうせ他の人には犬が粗相をしたと言う風にしか見えませんから。」 本当? そうなの? 私、今すぐここでイッていいの? グイッ。 最後の一押しとばかりに、メイドさんがリードを強く引く。 堪えきれずにたたらを踏んでしまい、その際に中をゴリゴリと強烈に擦られました。 「わぉ、わおぉぉぉ~ん。」 それが決定打となり、私は人が多数いる表参道の真ん中で盛大にイッてしまいました。 周りの人は当然大きな鳴き声を上げた私にびっくりはしましたが、それだけでした。 メイドさんが周りの人に頭を下げると、もうそれだけで何事も無い様にみんな歩き出しました。 その後も行き交う人全て、私がヒトイヌだと気付くことなく通り過ぎて行き、とうとう神社の敷地から出てしまいました。 本道には神社へ向かう人が何人かいましたが、私はそちらでは無く、側道の山道に入って行きます。 そうなるともう人影はありませんでした。 「良かったですね、ここから先はもういくらイッても誰にも迷惑はかかりませんよ。」 先程盛大に絶頂した気持ち良さと、今のメイドさんの言葉で私の理性のタガが完全に外れてしまい、結局、家に辿り着くまでその後何度も何度も絶頂を繰り返すのでした。 「法子さん見てください、初日の出ですよ。」 家への帰り道、何度もイッたせいで時間がかかり、自分の家が見えた頃には日が昇って来てしまいました。 私はメイドさんの指さす方に向き直り、初日の出を拝みました。 私は初日の出に祈りました。 平穏な日常に戻れますようにと。 神の力で拘束された私にはそれは叶わぬ願いだとわかっていても、そう願わずにはいられませんでした。 その後、家に帰り着いた私は、あまりの疲れからか、丸一日眠ってしまい、目が覚めたのはもう一月二日になってからでした。 こうして私の大晦日の夜から続く長い日は終わりを告げ、そして、これからは長いヒトイヌとしての生活が始まるのでした。
Comments
明けましておめでとうございます。 2023年もどうぞよろしくお願いいたします。
まほろ
2022-12-31 14:08:30 +0000 UTCこちらこそ応援、ご支援ありがとうございました。 2023年もよろしくお願いいたします。
まほろ
2022-12-31 14:08:02 +0000 UTC今年も多くの作品ありがとうございました。
ARISAWA
2022-12-31 13:19:51 +0000 UTC