SakeTami
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財布が壊れた ④(終)

「せっかくだから、抜き差ししてやるよ。大丈夫。今のお前は財布だ。汚い穴なんて存在しないし、もし人間に戻っても癖になるようなら、その時は俺が相手してやる」 (や、やだああっ! やめええっ、ふぁああああっ! ふにいいいっ! ふぁあっ、あっ、やめてっ、ぬきさしするのやめえええっ!カード入れいじっちゃやあああっ!) ふにいいっ、て。どんな喘ぎ方だ。かわいいから許すけど。 「……つーか、よくよく見ればカード入れ三つくらいあるよな。全部の穴が性感帯になってるのか?」 (わかんないっ、分かんないけどっ、ダメっ、そっちの穴もさわらないでえっ!) 快楽のせいなのか、まともに答えてくれない咲。 だがまあ、やっちゃダメと言われれば、やりたくなるのが俺というか……好奇心がやれという以上、どのみち結論は一つである。 (ま、待ってっ、あっんあああああっ、やめっ、触ったらっ、あっ……!) 「まあ、痛くはしないから安心しとけ。えいっ」 俺はお願いを軽く無視して、残りのカードケースに指を入れる。ぎゅうぎゅうと締め付けてくるのが伝わってきて、直後に甘い声が聞こえた。 (んひいいいいいっ! やああっ、だめっ、らめええっ、らめらめらめええええっ! 三つの穴に交互に抜き差ししないでええっ! ふぁああああああっ⁈) 「……ほんと、エッチな体だよなあ。穴もいっぱいあるし、全部の穴が性感帯なんだろ? ずいぶん淫乱な体になったなあ」 人間の時よりも穴が増えてるし、感じるところも明らかに増えている。繰り返したせいでなじんだのか、なんだかところどころからいい匂いと柔らかささえ感じるくらいだ。 だが、当然ながら、当の財布……咲からすれば、恥ずかしかったのだろう。 「エッチだなあ」 (言わないでえっ! た、卓也あっ、お願いっ、もうやめてえええっ! も、もとにもどしてえっ、あ、あんっ! ふぁあああああっ!) 「なんで?」 (おかしくなるっ、もどれなくなるっ、このままだとっ、ふぁあああっ⁈ このまま財布になるっ、卓也の財布になっちゃううっ!) 「……言葉だけ聞くと、俺がヒモになるみたいだなあ」 いくら貧乏とはいえ、そこまで落ちぶれたつもりもないんだが。 しかしまあ、財布として快楽をむさぼり続ける咲というのは、確かに面白い。 面白いがそろそろ終わりにしてやらねば、収拾がつかないもの事実だろう。 (ああああんっ、卓也っ、そこの穴は汚いからあっ……くにくににしないでっ、かき回さないでっ、ダメええっ……!) 「汚くないし。普通に考えて新品の財布だし。どのみちお前がかわいいから問題ないって」 (たくやアああっ……んっ、んッ、チュッ、んんっ……) 今までの反応から、恐らく口と思しき所に指を突っ込んで、強引に黙らせて。 「仕方ないなあ。ほら」 (んんっ⁈ んっ、んんんんっ⁈ ぴぎいいっ!) 「ほらっ、イッちゃえ」 (ふぁあああっ、ぜ、全部の穴っ、いじめちゃアああっ、いじめないでっ、あっふぁああっ!) 財布がビクンビクンと痙攣する中、しかし、終わりは確かに目の前にあって。 「楽しかったぞ。俺の財布。これからもよろしくな」 (イクううっ! やあっ、イッちゃうううう! ふぁああああああああっ⁈) 最後に一度、大きな痙攣と嬌声をあげて、財布がのけぞり、しばらくぶるぶると震えていた。 「……何か申し開きは?」 「うん。なんというか、その、エロかったというかその……ごめん」 「えいっ」 「いてっ」 チョップが頭に刺さる。だが、まあ、しょうがないか。 「や、だってたまには趣向を変えてやってみたかったし。こうでもしないと咲。憑依薬試してくれなさそうだったし」 「そ、それはそうよ! こ、こんなふしだらな道具、もう使わないわよ!」 「ええ……面白いのに。ほんとに使わない? 絶対?」 「絶対! もう今日は帰るから! これは没収します!」 そして、夜中に呼び出された咲は、俺から憑依薬を取り上げると、再び隣の家に帰っていって。 あとに残された俺は一人、優雅にホットミルクを口につけて。 「……没収って言ったよな。自分が捨てるとかじゃなくて……」 ひょっとして使うんじゃないか? そんな風に考えた俺は、しかし、睡魔に抗えず、そのまま眠りについた。 ……ハマってくれたらうれしいなあ。


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