SakeTami
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財布が壊れた ③

「この恥ずかしいところに、たくさんお札を突っ込むんだよなあ。エッチな咲」 (……ふぁっ、ふぁあああああっ⁈) お札入れに息を吹きかけ、二本の指でかき回すと、たまらないような声が上がる。 「いい声だ。よし、ご褒美をあげよう」 「はあっ、はあっ……えっ、んああああっ、ひゃあああっ!」 そして、へとへとになったところで、お札入れはあるべき使命を果たす。 そう。 「今は千円しかないけど、まあ、とりあえずな」 (ふぁああああっ! 卓也っ、何か入ってきたっ、それっ、変なのっ、とってっ、抜いてえっ……!) 「なんだ、お札入れられただけで感じてるのか? 全身性感帯とか、いやらしい体だなあ」 (ひゃあああっ、ひょうめんなぞらないでっ、やめえええっ!) 本当に感じているらしく、テレパシーの声もだんだんと大きくなっていく。どうやら人が財布に憑依すると、結構敏感に思うらしい。 ビクンビクンと震える財布を見ると、明らかに気持ちよさそうに悶えている。 (卓也あっ、もう、もうやめっ、もうやめてえっ……) そして、悶えながらも、俺に助けを求めてくる咲に対し。 「つってもなあ……財布はお金を入れてこそだろ? このままじゃ存在意義にかかわってくるし……」 俺は、申し訳なさそうな顔で、ジャラジャラとした小銭を取り出した。 そして、逃げないように(逃げるどころか身動きすら取れないんだけど)、財布に憑依している咲をがっしりとつかむ。 (ひいっ!) びくんっ、と、震えた。 まあ、脅かすつもりも怖がらせるつもりもないんだが、その直感はあながち間違ってもいない。 「でも、仕方ないよな。だって今のお前は財布だし。小銭も札も全部その体で受け止めてこそ財布ってもんだろうし」 お札だけの長財布もあるだろうけど、あれはかさばるから正直好きじゃないからな。俺はお前が一番だよ。 そして、一枚一枚、丁寧に小銭を入れていく。 (ひぎいっ⁈ 卓也っ、やめてっ、あああああっ!) 「よしよし、大丈夫だからなー。気持ちよくなってていいからなー」 悶える咲の反応を楽しみながら、俺の小銭は少しずつ、咲の中へと入っていく。 ただまあ、いかんせん量が多かった。 (んああああっ! やめっ、らめっ、らめええっ⁈) (はいらないっ、はいらないからあああっ! そんなに入れたらっ、私壊れちゃうっ! 私の中パンパンになっちゃうううっ! んひいいいっ! た、卓也っ、もうダメ、もういれないでっ、いれないでえっ……! んああああああああっ!) 最早絶叫に近い先の声。まあ、当然かもしれない。 なにせ、俺は札束こそ持っていないが、小銭はそれなりの量を保持している。典型的な貧乏人だからだ。 (卓也あっ……これ抜いてえっ、私の体っ、財布入れっ、パンパンだようっ……あうっ、つつかないでえっ、これ以上されたら、私っ……新品なのにがばがばになっちゃうううっ……) 心からの懇願なのか、フルフルと震えながらも、縋るような咲の声。 ……正直、大変興奮する。 ぶるぶると震える黒い財布。しかしその正体は、俺の恋人の咲なのだ。 財布の姿になって、俺の小銭を詰められて、苦しそうに喘いでいるのだ。 ああもう徹底的にいじめて泣かせて最後によしよししたい。 声が聞こえるようになったからか、その涙声が異常なほどそそる。 (卓也っ、卓也あっ……ああっ、やらあっ……小銭入れの中、もうかきまわさないでえっ、おかしくなるっ、おなかパンパンで、卓也あっ、もうやああっ、許してえっ、卓也ああっ……) 「そうか……」 (ああっ! ボタンのところくりくりするのやらああっ! あああっ、あっ、ああっ、ああああっ……! そ、そんなにされたらああっ……イクううっ!) 「……おおっ」 おそらく人間の姿ならば、潮を吹いていてもおかしくないほどの絶頂。姿こそ財布だが、俺には財布の中の咲の魂が、絶頂を迎えるのを確かに見た。 (イッてるっ、イッてるのっ、さいふおまんこでっ、ああっ、またっ、イッてるうううっ!) 絶頂が止まらないのか、震えの止まらない黒い財布。 はたから見ればたかが財布だというのに、こちらとしては興奮がまるで収まらない。 「小銭入れも敏感で、お札入れも敏感で……すごいな」 (い、いわないでえっ、お、おマンコが二つになったみたいでっ……き、気持ちいいのもっ、二倍でっ、止まらなくてっ、ふぁあっ、やめてえっ、財布の体っ、敏感すぎるのっ、ダメっ、あああっ……そ、そこは違うのっ、カード入れはっ、狭いから入らないっ、入らないからああっ……あああああっ! きついっ、やめっ、抜いてっ、そこはダメっ、ダメええええっ!) 「ハハッ、もうすっかり財布だな」 笑いながら言ってやると、すぐに反応が返ってきた。 「! ち、違うっ、私は人間っ、人間の咲っ、あっ、ふぁああっ、ダメっ、カード入れから指を抜いてっ! お願いっ、そこだけはダメえっ! 私の尊厳が死ぬからっ、その穴だけはダメなのっ! んあああああっ!」 「そうか。わかった」 安心した様子の財布から指を引き抜いた俺は…… 「えいっ」 「ふにいいいいっ!」 躊躇なく、指を数本、再び強引にねじ込んだ。


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