最高のクリスマスプレゼント
Added 2021-12-30 22:00:00 +0000 UTC12月24日 ボクは高田優、小学校四年生です。ボクの両親はいそがしくてなかなか家に帰ってきてくれません。代わりに日本で一番かしこい大学に行っている玲お姉ちゃんがボクの勉強を見てくれます。しかし、玲お姉ちゃんはぜんぜんボクのことをほめてくれません。きのうもボクがまちがえたら「本当にバカね」や「私の弟じゃないんじゃないの」などとひたすらバカにしてきます。 さらに、玲お姉ちゃんはボクが遊ぶことを少しもゆるしてくれません。ボクが一回クラスメートと遊んで帰ったときは、ボクの顔を思いっきり叩いてひたすらひどい言葉をあびせられました。それからボクは一回もクラスメートといっしょに遊んでいないので、ボクはクラスの中で一人ぼっちです。代わりにボクが玲お姉ちゃんに「遊ぼう」と声をかけても、まったく遊んでくれません。 なので、よくばりかもしれませんが、ボクはサンタさんに二つのプレゼントをもらいたいです。1つ目は玲お姉ちゃんのやさしさ、2つ目は心から遊べる友だちです。お姉ちゃんはサンタさんなんていないとバカにしますが、ボクはサンタさんはいると思っているし、今年はとても良い子にしていたと思っています。なので、ぜひボクにプレゼントをください。 1月14日 ジリリリリリ 薄暗いアパートの一室、古ぼけたおもちゃがたくさん散らかっている。その部屋の中にはシミがたくさん付いている隣人からのお下がりのパジャマを着た男児が、パンツを丸出しにして寝ていた。よく見ると近くには同じく薄汚いパジャマのズボンがあり、そこには数年前の戦隊モノのキャラがプリントされていた。パンツからは小さなペニスが精一杯勃起している姿が透けて見える。寝ている間に気持ちよくなってしまったのか、やがてびゅっと言う音がした後、パンツの中に独特のシミが広がっていった。 今どき珍しいアナログの目覚ましが激しく鳴り響く。今朝この目覚ましが鳴り響くのはもう三回目だ。しかし一向に布団の中にいる少年、中山レオには届くことがなかった。ようやく8時になって堪忍袋の緒が切れた彼の母親でようやく起きる。 中山レオは近くの公立小学校に通う小学四年生で、テストの点数も下から数えたらクラスで数番目に並ぶほど頭も悪く、同時に問題児であった。彼の家庭も貧乏であり、父親は蒸発していなくなり、母親がパートでかろうじで生計を立てている。レオも両親が二十歳にもなっていない頃にできてしまったもので、名前も「獅王」と、いわゆるキラキラネームというものだ。しかし、彼は一つ違うところがあった。 それは彼が元々は高田玲、日本最難関の大学に通っている女子大生だったのである。家も貧乏どころかかなりの資産家であった。しかし彼のことを元の姿である高田玲として扱ってくれる人は誰ひとりいなく、今日もこうして『レオ』として起こされている。 レオの母「レオ! もう8時なんだからいい加減に起きな! いつまで冬休みの気分なんだい!」 レオ「ん… 8時…? ヤバ!」 寝起きでショボショボとした目をゴシゴシとこすり、彼はしばらくボーっとしている。そして今が8時であり、遅刻ギリギリであることをようやく理解すると、ようやく布団から慌てて抜け出したのであった。 元々の彼女である『玲』は、そんな遅刻ギリギリに起きて慌てて支度するような、『レオ』みたいな性格ではなかった。毎日6時頃に起きて始業開始の30分前には学校に着き、当然遅刻など小学校の時から一度もしたことがなかった。しかし『レオ』になってからは間に合うことが逆に少ないほど遅刻をして、今日も遅刻しそうな時間に起きたのだった。 勿論『玲』は寝る時間を早くしたり目覚ましをセットしたりするなどの出来る限りの対策を心がけてきた。しかし、どんなに対策しても『レオ』は起きることなく、起きてもなかなか布団から出られずに母親に起こされてやっと起きるような生活をしていた。 また、口調も知性がある『玲』の口ぶりから、年相応に幼く下品な小学生男児らしい『レオ』の口調も変化している。最初は頑張って「オレ」を「私」と直したり、「うんこ」「ちんこ」などの下品な言葉を言わないように気をつけていたが、言った後の強烈な違和感を感じてしまい結局『レオ』の口調に戻ってしまった。 レオの母「あたしはもうパートで行くから、おいてある朝ごはんを食べるんだよ!」 そう言うとレオの母は扉をバタンと閉め、慌ててアパートの階段を降りてゆく。レオも急いでパジャマを脱ごうとするが、ここで初めて股間になんだかびちゃびちゃした不快感を感じる。『玲』はこの現象が何であるかということ、『レオ』がしばしばこれをしてしまうこと、そして『玲』にとって耐え難い屈辱であること、それらを全て解っていた。 レオ「うわあ…」 レオは堪忍して自分の白のブリーフを下ろすと、そこには「いつも通り」のひどい様があった。朝立ちしていながらも皮が向けていない小さなペニスとそれにふさわしい小さな睾丸。それらを覆うはずの陰毛は当然ながら一本も生えておらず、まさに第二次性徴前の男の子の股間であった。しかしそれだけではなかった。 彼の股間やそれを覆うパンツのいたる所に白濁とした精液がこびりつき、特に白色のパンツに精液が染み付いて斑点のようになっている様は彼の情けなさを際立出せていた。つまりレオは夢精していたのだ。彼が夢精することは週に2回か3回ほど、言い換えれば2,3日に1回はしてしまう計算になる。『玲』はこれをしてしまう度に自分の情けなさと自分が『レオ』に塗りつぶされてゆく恐怖を感じるが、この現象はかつての自分も経験したことがない未知の現象だったので、『玲』はただ対策もできずにいつ来るかわからない恐怖に苛まれるのだった。 ふと鏡を見ると、そこにはかつての知的で美しかった玲の姿は当然ながらない。身長は130cmほどで同学年の中でも低い方に分類される。うっすら茶色に染めていた長い髪も黒く短いスポーツ刈りになっている。白かった肌も日焼けしない冬でも色黒な褐色肌となっている。そして股間には、白くビチョビチョになっている小さなペニスがぶら下がっている。その姿は誰がどう見ても女子大生ではなく、ただの男の子の姿だった。 レオ「とりあえずふかなきゃ…」 今の姿に落胆している場合ではない。現在の時刻は8時5分。レオが通っている小学校が始まるのは8時25分で、家から学校まで10分かかるため、急いで支度しないと間に合わない計算になる。大惨事になっているブリーフパンツを軽く洗い、急いでティッシュで自分の股間を拭く。レオは頑張って支度すれば今日こそは学校に間に合う。そう思っていた。 レオ「あれ⁉ なんでオレのちんこぼっきしてるの⁉」 しかし急いで自分のペニスを拭いたのが悪かった。レオの人一倍敏感なペニスはあっという間にむくむくと膨らんでいた。頑張って抑えようと一旦手を止めるが衰える気配はない。レオのペニスは今か今かと射精する準備を整えていた。 レオ「そういえば… となりのせきのみかちゃん、かわいかったな…」 もうレオの脳内は、早く支度しないと遅刻してしまうという『玲』の理性はかき消えて、射精したいという『レオ』の欲求をに満たされていた。レオは必死に自分のペニスを上下に刺激している。そしてレオは「ああっ」と喘ぐと、レオのペニスからは再び精液を出した。 レオ「ヤバ! もう8時15分!」 ようやくレオは我に返ったが、もう既に時計は8時15分をさしていた。慌ててレオは今日はくパンツを探すが、パンツがなかなか見つからない。かつての『玲』は自分の部屋を与えられた上に、その部屋を毎日綺麗に整理整頓していたためそんなことななかっただろう。しかし『レオ』はそもそも整理整頓という生活習慣を学んでおらず、部屋の中は常に衣類やおもちゃで散らかっている。勿論自分の部屋など与えられていない。レオは先程洗った後の濡れたパンツを履いて、いつも着ている半袖に半ズボンの季節外れの服を着た。股間と両腕両足がひんやりするのを感じるが、そうは言ってられない。いま身につけている惨めな服装を忘れ、先程母親が作った朝食へと走る。 レオ「つめてー 早くもどりたいなあ…」 母親が雑に温めた冷凍食品は、冬の気温で冷めて全く美味しくなかった。かつては家事代行サービスによっていつでも美味しいご飯が作れたし、自分の料理の腕も良かったため、食事に関しては何一つ困ったことはなかった。しかし今はそんなサービスを雇うどころか調理器具を揃えるのも一苦労だ。過去に一回自分が作ろうと思ったが、橋やスプーンすらまともに持てない彼に料理ができるはずがなかった。サクサク使えたはずの包丁で指を怪我し、涙が止まらず大声で泣いてしまった。 レオ「あっ、8時25分だ…」 ふと時計を見ると既に遅かったようだ。レオは諦めてバザーで買ったボロボロのランドセルと同じくボロボロの校帽をつけ、走って学校へと向かった。ヘビロテしてよれよれになっているシャツと、ボロ布でなんとか形を保っているズボン、『レオ』が大好きなライオンを形どった奇天烈なシューズをつけて走っている様は、流石にかつての知性溢れる彼女でも予想できなかっただろう。 12月24日 優「あれ… なんでボク以外に人がいるの…?」 ボクが目覚めると、となりにはサンタさんのかっこうをしたお姉さんがいた。だけどひげは付けたものだし、プレゼントもなにもない。ボクの家はお金持ちだからこの人はどろぼうかもしれない。ボクは大声で叫ぼうとしたが、なぜか声が出なかった。 イラ「ハロー、私の名前はイラよ。今日はあなたの願いを叶えに着たの。あと声は出さないでね。」 優「う、うん…」 イラ「私は別に泥棒とかじゃないわ。あなたが思っているようにね。その証拠にホラ♪」 気づいたらボクのとなりには金色にかがやく石があった。しかもかなり大きい。手品かも知れないと思ったが、見れば見るほどボクにはこれが本物にしか見えなかった。 イラ「これは売れば数億円くらいの金よ。これでわかってくれたかしら。」 そう言ってイラさんが指をならしたら、ボクのとなりにあった石はすべて消えてしまった。ボクはそれを見てただうなづくことしかできなかった。 イラ「それであなたの願いって何だっけ?」 優「玲お姉ちゃんのやさしさと、心から遊べる友だちです」 イラ「なるほどね…」 イラさんはボクのねがいを聞いて、うーんとうなった。やっぱりボクのねがいはイラさんでも無理なんじゃないかなって思っていると、イラさんは何かを思いついたようにボクにてい案してきた。 イラ「じゃあ、玲お姉ちゃんを心から遊べる友達にすればいいんじゃない?」 ボクはイラさんのてい案を聞いて、さすがに無理なんじゃないのかと思ってしまった。なぜなら、玲お姉ちゃんはボクのことがきらいで、友だちになんかぜったいなってくれないと思ったからだ。しかしイラさんはびっくりするようなことを言ってきた。 イラ「そのままの玲お姉ちゃんが嫌なら、私の力でその玲お姉ちゃんを理想の姿に変化させればいいんじゃない?」 優「ええっ⁉」 イラさんの言葉にボクはおどろいてしまった。理想のすがたに変化とはどういうことなのか、イラさんはそんな力を持っているのか、そもそもイラさんを信じていいのか。ボクがこんらんしていると、イラさんはボクを安心させるようにこう言った。 イラ「安心して。私はあなたに嫌なことはしないわ。じゃあ、こうしましょう。もし、あなたが友達を作るとしたら、どんな人がいい?」 優「えっと… ボクとちがってわんぱくで明るい人がいいです…」 イラさんのしつ問に、ボクはなぜか正直に答えてしまった。イラさんのしつ問は、なんだか応えなきゃいけない気がするのだ。理想の友だちで一番さいしょに思いうかんだのは、クラスメートの弟だった。その人はすごく兄になついていて、玲お姉ちゃんとは大違いだった。 イラ「もっと具体的な方がいいわ。例えば身長、体型、年齢は?」 優「身長はボクより低い130cmくらいで、体型はやせてる方が良いです。年はボクと同じ学年だけど、早生まれで弟のような存在が良いです。」 イラ「性別は男の子? 女の子? それと、どんな感じの男の子、もしくは女の子がいい」 優「明るく活発な、たとえば冬でも半ズボンで来るような、そんな男の子がいいです」 イラ「じゃあ容姿は?」 優「うーん… なんかボクと反対な感じが良いです。」 イラ「男の子って言うことは、『性欲』っていう女の子に片思いするような甘酸っぱい気持ちがあるけど、そんな気持ちは強めに持ってほしい? 」 優「えっと… じゃあ… うーんと、強めに持ってほしいです!」 ボクはイラさんのしつ問にありのまま答えた。ボクはいつも玲お姉ちゃんにナヨナヨしていると言われていたため自分の顔にコンプレックスがある。なので、自分とは反対の、どちらかというと男の子っぽい感じにがいい。ボクも片思いしたことがあるので、そんな気持ちはたくさん味わってほしいし、それをいっしょに話したりしたい。『セーヨク』っていうのはチンチンがムズムズする気持ちかな?わからないけど強めにした。 イラ「なるほど、ありがとう。じゃあ明日から中山レオっていう人があなたの友達だからね。レオ君はあなたのことが大好きで絶対嫌いにならないから安心してね。それじゃあバイバイ♪」 そう言ってイラさんはとてもご機嫌そうにお礼を言うと、ボクはだんだん意しきが遠くなって、そのまま寝てしまった… 1月14日 担任「レオ君! 今日でもう三回連続の遅刻よ!」 レオが教室の扉を開けたときにはもう既に朝礼は終わっていた。途端に先生の叱り声と、遅れて生徒たちの爆笑がレオの耳に入る。かつて集めていた秀才としての尊敬の眼差しは、この体になってからは男子からは嘲笑と軽蔑の眼差しに変わっていた。レオは茶色い顔を真っ赤に染ませながら自分の席へと歩く。 この身体になってからまだ数日目の学校生活だが、『レオ』としての数年間分の小学校の記憶と行動が染み付いており、同級生の名前や自分の席の位置などは問題なく覚えていた。自分の席につくと隣の席の女子がプリントを渡してくれる。『レオ』の記憶がそれを「大好きなみかちゃん」だとわかり、レオの身体は再び心拍数が上がっていく。プリントを渡される間に、一瞬だけ女子の手と自分の手が触れ合う。レオはそれだけで股間のペニスが無意識に盛り上がってしまうのを感じた。 レオ「あ、ありがと…」 同級生「あー、またレオちんこたってるー」 レオ「ち、ちげーし、たってねーし!」 それに気づいた同級生の男子がレオをからかっても、レオはただ生意気な男子としての口調で否定することしかできなかった。今まで女性の体であったため、『玲』の精神はまだ10歳にも満たない少女の容姿を見ても何も思わない。だが『レオ』は男、しかも異性に免疫もない男の子の身体だ。しかも手が触れ合ったのは『レオ』にとって特別な「大好きなみかちゃん」の手だ。『レオ』にとっては当たり前の生理現象だった。しかし元が女性の『玲』にとっては、自分が同級生の女子で勃起してしまうエロガキであることを認めることになってしまい、その度に猛烈な恥ずかしさが来るのだった。 担任「そこ! いい加減にしなさい!」 レオ「せんせー、オレじゃないんですー」 担任「どっちも騒いでいたじゃない! 早く算数の用意しなさい!」 レオはそのまま同級生とくだらない下品な会話を授業が始まるまでしていた。周りの女子はいつものことだと呆れ、哀れみの目で見つめている人もいる。以前なら『玲』も憐れみの目で見つめているうちの1人だったし、そんな会話をしようとも思わなかった。しかし『レオ』の感情がそれを阻害する。彼は「バカ」や「ウンコやろう」などの低レベルな煽りでも耐えられなく、「煽り返さないと」「反論しないと」というイライラしてしまう。この感情と『レオ』の男子小学生らしい口調も相まって、レオは完全に憐れみの目で見つめられている側へとなってしまった。 レオを先生が注意しても、一瞬だけレオは我に返り恥ずかしいという感情が出て来るが、すぐに『レオ』の感情が沸き立ってしまいくだらない口答えをしてしまう。最終的にレオはクラスからの冷たい視線を当てられながら、急いで算数の用意をすることになった。 スラスラと先生が教科書の二桁の掛け算の問題を黒板に書いてゆく。レオはその問題を焦点の合わない瞳で見つめ、退屈そうに大きなあくびをした。彼のノートには汚い数字と、それよりも遥かに多い数の落書きが書かれていた。 担任「はいじゃあ、この問題を解ける人は手を挙げて〜」 クラスの殆どの生徒が手を自信満々に挙げた。レオはそれを見て劣等感に苛まれる。かつてはこれとは比較にならないほど難しい大学入試問題をスラスラ解いていたし、二桁の掛け算なんかものの数秒で答えを出していただろう。しかしクラスの最下位を争うほど頭が良くない『レオ』にとってはこの問題は怪文書でしかなく、『玲』が解法を思い出そうとしてもそれは霧のように霞んでしまう。 また、次々と黒板に書かれている解法をノートに移そうとしても、レオの不器用な手で握っている鉛筆はなかなか思うように数字を書いてくれない。以前は要点をまとめて綺麗に整理されていたノートも、今はぐちゃぐちゃに数字が書かれている乱雑なものへとなっていた。文字もかつて大学生だったとは思えないほど汚くなり、レオを知らないノートがこれを見返しても何も得られないだろう。しかもレオは文字を書くスピードが遅く、全て答えを書き取る前に次々と黒板に書かれた答えは消されてしまう。レオは結局この問題を理解することはできずに次の単元に入ってしまった。 次第に『レオ』はこの授業が退屈になり、ついに黒板すら見ずに外の様子をぼーっと眺めるようになる。やがてレオの目はだんだんとろんとしてゆき、次第に眠ってしまった。レオの半開きの口からはどろりとヨダレが出てゆき、せっかく途中まで書いたノートはぐちょぐちょになって読めなくなってしまった。 レオ「あ… あれ、オレねてた?」 二時間目の開始のチャイムが鳴り終わり、その音でレオはようやく眠りから覚める。レオは慌てて算数のノートを机にしまって二時間目の用意をする。まだ午前中なのに机のなかはぐちゃぐちゃになり、先程渡されたプリントはもうどこにあるのか誰も覚えていなかった。その様子を周りの生徒は呆れたように見つめ、『玲』は今まで経験したことがあまりない視線で自分が劣等生であることを自覚するのだった。 担任「じゃあ二時間目は漢字の小テストをします!」 先生のテストの声とともにクラス中からブーイングが流れる。かつての自分はテスト前はしっかり対策していたため毎回良い点を取れていたし、このようなブーイングもすることがなかった。しかし、今はクラスの皆と同じようにブーイングをしている。担任はクラスの声も気にせずテストを配り、同級生たちもブーイングを止めて鉛筆を持って回答し始める。 その中でもレオはなかなか鉛筆を持とうとしなかった。その理由は単純にわからなかったからである。玲だった頃の自分は家に帰っても数時間勉強していたが、今のレオの一日の平均自宅学習時間は10分にも満たなかった。当然そんな時間だったら自習はおろか先生から配られた漢字の宿題すらできない。このような勉強習慣が繰り返された結果、レオは高校生で習う漢字どころか、小学校で習う簡単な漢字ですらまともに書けなくなってしまったのだ。 しかも、日常的に文字を書く習慣を持たないため、鉛筆を持つコツが分からなくすぐに疲れてしまう。レオはかつての『玲』としての記憶を必死に探るが、算数の時同様きりのように霞んでしまう。レオは頭の中の漢字をやっと1つ思い出し、ゆっくりと汚い字で一問かいた時、前にいる担任は終了の合図を出した。 担任「それでは、隣のお友達と交換しましてくださ〜い。」 先生の合図で、生徒たちは一斉に答案を交換し始める。その中でレオはもじもじしたように隣の女子とテストを交換する。彼の心の中では、「大好きなみかちゃん」に自分の恥ずかしい答案を交換したくないという『レオ』としての恥ずかしい気持ちと、自分がまさに『レオ』のように馬鹿になってしまったという『玲』の羞恥心が合わさって、いつものように『レオ』としての振る舞いができなくなっていた。 ミカ「あ、レオくんここ部首が違うからバツだね。はい。」 レオ「あっ… うん…」 同級生たちの中でも比較的優秀な部類に入るミカは担任が答えを書く前にレオの採点を終わらせて、レオの答案に「0」という文字を付けていた。本来なら自分もその立場にいるはずだったのに、『レオ』の後のことを考えない性格に振り回されてこのような結果に終わってしまった羞恥心で、『玲』はまるで自分が拷問にかけられているようなつらい気持ちを味わっていた。しかしまたしても「大好きなみかちゃん」と一瞬でも会話できて嬉しかった『レオ』の心は鼓動を高鳴らせてパンツがきつくなり、『玲』はそれを気づいて絶望的な感情に陥るのだった。 最初の二時間がやっと終わった。レオが通っている学校では二時間目と三時間目の間に30分ほどの休憩時間を設けている。レオはその時間を少しでも勉強に当てようと思っていた。実際玲だった頃は授業の間の10分ほどの休み時間も勉強に当てており、その効果はぼんやりとだが今も記憶に残っていた。早速レオは勉強に取り掛かろうと鉛筆を手に握る。しかしそれを阻むように数人の男子たちの影がレオを誘いに来る。 同級生A「レオ〜 休み時間ドッジしようぜ〜」 同級生B「休み時間もベンキョーとかマジメかよ〜」 同級生C「レオさっきの小テスト0点なんだからドッジしようぜ〜」 彼らはレオがよく遊んでいる男子たちだ。彼らは皆レオと同じく勉強がいまいちできない部類に入り、「仲間」であるレオを今日もドッジボールに誘おうとしているのだ。本来なら『玲』はそのようなわんぱくな男児よりも大人しい女子と本の会話などをしたかったが、『レオ』はそうではなかった。彼らの誘いでせっかく高まったやる気はどんどん萎んでいき、ドッジボールがとても魅力的な遊びだと感じてしまうのだ。 レオ「え〜、でも母ちゃんにおこられるしな〜」 もう既に頭の中では算数の計算なんか彼方へと飛んでいってしまい、ドッジボールで誰を当てるかが彼の頭の中の話題だった。以前は小学生の頃もドッジボールはそこまで魅力的な遊びだとは思わず、今囲まれている男児たちとも「同級生のうるさい男子」としか見ていなかっただろう。しかし今は逆に本などで話している女子たちの話を聞いてもまったく面白く思わず、レオ自身も「同級生のうるさい男子」の中の一人として彼女たちからみなされていた。 それでもレオの心は耐えていた。それは『玲』が『レオ』の感情を押さえつけているわけではなく、単純に『レオ』が母親を恐れているだけだったが、とにかくまだ勉強の方を優先していた。しかし次に言う言葉でレオはすぐに席を立った。 同級生A「あ〜あ、今日は優も参加するのにな〜」 レオ「本当⁉」 同級生C「あれ〜? 大切なオベンキョーはどうしたの?」 レオ「そんなのどうでもいい! 優が行くならオレもドッジやる!」 同級生B「ホントにレオは優が大好きだな〜」 レオは同級生達のからかいをもろともせず、すぐに席を立って校庭へと向かった。レオにとって優はそれほど大切な友だちと思っている相手となっていた。校庭には、そこには先ほどまであった『玲』のためらいは存在せず、純粋に『レオ』として同級生達、そして優とドッジボールをしているレオの姿があった。 12月24日 目が覚めると私は薄暗い地下室へと囚われていた。あたりを見回すと殺風景な部屋に唯一大画面のスクリーンがあるのが分かった。私は何故ここにいるのだろうか、そもそも私を捕えた人は誰なのだろうか、起きるとすぐにそのような考えが頭をよぎる。しかしそんな事を考えていられない。どうやら縛られているが、服がそのままということは私に乱暴する気はないのだろう。ならばまだ交渉の余地がある。そう考えていると前方のスクリーンが起動した。 イラ「ハーイ、玲さんこんばんは〜 私はサンタのイラで〜す」 玲「ちょっと! 私をこんなところに捕えてどうする気なの⁉ あなたは誰!」 イラ「私はサンタって言ったら、願いを叶えてあげるに決まっているじゃないですか。まあ叶えるのはあなたの弟の優くんですけど。」 玲「サンタって… 冗談言わないで!」 イラ「冗談じゃないですよ〜」 私の質問に彼女は何一つ真面目に答えてくれず、ひたすら自分がサンタだと主張していた。当然交渉は少しも進まず、私は彼女のペースに弄ばれている。最初は戸惑っていた私も、流石にここまではぐらかされるとだんだん腹が立ってくる。通常の犯行だったらなにか目的があってやっているはずだが、彼女はまるで遊びの一環としてやっているようだった。 玲「だからサンタなんて…」 イラ「もう本当に五月蝿いですね〜 あなたはちょっと黙ってなさい!」 数分間私はイラと口論していたが、ずっと話は平行線だった。彼女も苛立っていたのか急に私の声を遮るように大きな声で叫ぶ。すると私はだんだん声がかすれてきて、声が出なくなってしまった。最初は単純に自分の喉の一時的な問題だと思っていたが、いつまで経ってもかすれ声すらも出なくなっている。薬を飲まされた感じもしないいため、私はイラが超常的な力を使い私の声を出せなくなったと認めざるを負えなかった。 イラ「大丈夫ですよ。5分くらいしたら声は戻ると思います。声はね…」 イラ「とにかくこれでうるさくなくなったですし、優くんの願いを叶えますか。」 優「あれ… なんでボク以外に人がいるの…?」 イラ「ハロー、私の名前はイラよ。今日はあなたの願いを叶えに着たの。あと声は出さないでね。」 私が何も喋ることができなくなると、イラは満足そうに先程の大声で起きた優に話しかけた。 優は私の弟だが、私とは対照的に勉強はパッっとしなく、好みも何かを調べたり読んだりするよりも外で遊ぶ方が楽しいと思っているらしい。このような性格なので、私は彼のことを出来の悪い弟だと思っている。しかし私は両親から優の教育を頼まれているため、何とか私と同じようにいい大学に入らせようと思うが、優はなかなかそれを受け止めてくれないようだ。そのため私は大学のストレスもあり、呑気に遊んでいる優についつい厳しく当たってしまう。 だが優も例えイラがサンタだとしても、プレゼントを貰えるほど良い子にはしていないと思う。私のときと同じように優にサンタだという証明をしているイラを、私は冷ややかな目で見ていた。優は案の定私の優しさと友達を要求していた。私も優が真面目にやれば優しくするし、友達も低レベルな男子ではなくインテリ層にすれば学習と両立できるはずだ。無事私が解放されればそのこともきっちりと教えなければいけないのかと、私はスクリーン上のやり取りを聞いて心の中でため息をつく。 イラ「そのままの玲お姉ちゃんが嫌なら、私の力でその玲お姉ちゃんを理想の姿に変化させればいいんじゃない?」 私が呆れた表情で見れたのは、この意味深な発言の前までだった。理想の姿とは何なのだろうか。イラが言っていた「力」は私にどのようなことをしてくるのだろうか。そして私は無事に帰ることが出来るのだろうか。それには流石に能天気な発言をしていた優も驚いたらしく、どういうことなのかと鈍い脳を必死に回転させていた。イラは私の不安げな表情を見て一瞬にやりと口角を上げると、イラは再び優に話しかける。 イラ「安心して。私はあなた"に"嫌なことはしないわ。じゃあ、こうしましょう。もし、あなたが友達を作るとしたら、どんな人がいい?」 若干「に」の部分を強調したことに優は気づきもせず、安心して自分の理想の友人の姿を語る。しかしイラはそれに満足せず、身長や年齢などの通常では聞かないような身体的な特徴を聞いた。 優「身長はボクより低い130cmくらいで、体型はやせてる方が良いです。年はボクと同じ学年だけど、早生まれで弟のような存在が良いです。」 玲「えっ⁉」 私は別に優の好みを聞いて驚いたわけではなかった。私の視点がだんだん低くなっていくのだ。最初は気のせいかとも思ったが、確かに座っていていても分かるくらい身長が低くなっている。そのうち拘束されている紐が緩んで立てるようになった。すると私の視点は先程よりも10cmほど低くなっていた。私の元の身長が170cm程なので、大体160cm程となっている。これだと単純な朝と夜の差などではなく、根本的に骨が縮みつつあるのではないかと疑ってしまう。 私が立って一時的に高くなった視点は再び下降を始める。既に私の身長は15cm以上下回っており、私はただ現代医学の域を超えた超常的なものに対して何も出来ないままそれを受け入れていた。すると私に次なる変化が現れる。ブラの感触が緩んだかと思うと、すとんと胸の下へとずれ落ちたのだ。私は初めてブラを買った時にサイズを間違えてこの現象が度々起きたのを思い出す。慌てて服の中を覗くと、そこには萎みつつある私の胸があった。 元々私の胸は大きい方で周りからは羨ましいなどと言われていたが、私にとっては勉強の邪魔になったり異性からの迷惑な視線を浴びたりして一つもいいことはなかった。しかし、いざ萎むと合わないブラのスースーとした嫌な開放感と、大切な友人を失ったような喪失感を感じてしまう。既に私の胸はEからBほどまで萎み、乳輪も少し小さくなっている。胸だけでなく腰周りの脂肪もだんだん落ちてゆくのを感じ、ズボンは既に足元へとずれ落ちていた。身長は既に140cm台に入ったのだろうか、スクリーンに写っている身長140cmの優より一回り大きいほどになっている。それはまるで、人間の成長を逆回しにしたようだった。 玲「え⁉ 声がおかしい!」 ふと喉がググっと縮まる感じがして咳をすると、いつもと違ったトーンの声がする。慌てて叫んだ声は元の私の声ではなく、まるで変声期を終えていない幼児のような声だった。慌てて何度か咳をするが喉がヒリヒリするだけだ。そういえば髪の長さも背中まであったものが首くらいまでに切りそろえられ、髪型も幼児らしいものに変わっている。 玲「嫌… 嫌…」 気づいたら数年間流していない涙が頬を垂れるのが分かる。胸は完全に第二次性徴期前の子供の胸となり、凹凸があった体型もどこが凹んでいてどこが膨らんでいるのかわからなくなってしまった。視点が変わらなくなったときには、先程座っていた椅子の高さは私の腰ほどになり、身長もスクリーンに写っている優と対して変わらないものへと変わってしまった。ふとスクリーンに反射している自分の姿を見ると、ブラは腹巻きのようにお腹の周りに巻き付いていて、それは母親の衣類をいたずらする子供のようであった。下半身に会った衣類は全てずり落ちてしまい、私は股間がスースーするのを感じる。そこには一本も生えていないツルツルな女性器があった。 私はもはや丸出しの女性期を隠そうともを感じず、ただただ床にへたり込むだけだった。イラは気にせずに次の質問に移る。 イラ「性別は男の子? 女の子? それと、どんな感じの男の子、もしくは女の子がいい?」 優「明るく活発な、たとえば冬でも半ズボンで来るような、そんな男の子がいいです。」 下腹部の周りがだんだん熱くなるのが感じる。嫌だ。それだけはやめて欲しい。股間をおそるおそる見るとじんじんと私の陰核が腫れている。そのうち下腹部を何か玉のようなものが通る感触が感じる。私は股間を手で抑える。手からは膨らむだけでなくだんだんと伸びてゆく自分の陰核と、反対に塞がりつつある割れ目の感触を感じる。抑えていた手を離すと、陰核はもはや女性旗の形を維持しておらず、徐々に男性器としての形へと変わりつつあるのが見えた。 変わりつつある股間から目をそらすと、私の肌は徐々に色づいていた。そういえばさっきから全身の肌がヒリヒリするのを感じていた。肌はやがて黄色どころか茶色に染まりつつある。そういえばまだ首ほどまでにあった髪は再び短くなっているのか、スクリーンに反射している私の髪はもうベリーベリーショートまで落ち着いていた。しかしそれはまだまだ止まる気配はなく、とうとう髪の長さをcmで計れるくらいまで短くなってしまった。 玲「嫌… イヤ… うわあああん…」 まだ女性であったときはすすり泣くような泣き方だったが、ついに私は声を上げて泣いてしまった。それはまるで、転んで泣いてしまっているわんぱくな男の子の姿であった。私はそれに気づき抑えようとしたが、ついつい大声を出して泣いてしまう。スクリーンに写った私の泣いている姿は、完全にただの男の子の姿だった。しかし私は膨れ上がる股間の感触で我に返る。 いよいよ体外に出された二つの玉はかつてあった割れ目のところにぶら下がり、割れ目は今にも塞がりそうだった。私は必死に割れ目のところに指を入れてせめてもの抵抗をするが、塞がりつつある割れ目は簡単に私の指を押し出し、そこには何も残らなかった。私の陰核はついに伸び切ると同時に何かが繋がる感じがする。私は力を緩めると私の陰核、いや、ペニスの先からは黄色い液体が出た。つまり私は男として初めて排尿したのだ。 私はすっかり褐色に染まった両足の間にある、一生縁がなかったと思っていた器官から床へ広がる黄色い液体を、放心状態で見つめていた。ふと頭を触るとザラザラした感触が伝わる。背中まで会った髪は既に後頭部は刈り上げられ、一番長い前髪も2cm程しかないほど短く刈られていた。両手も足と同じく褐色に染まり、長く揃えられていた爪も深爪気味になり、爪先は汚れにより黒く変色していた。太ももについていた脂肪は更に落ち、お腹は少しばかりの筋肉によりぽっこりと膨れていた。イラは先程よりもよりニヤニヤして、次の質問に入る。 イラ「じゃあ容姿は?」 優「うーん… なんかボクと反対な感じが良いです。」 ボクと反対な感じとは何だろうか。私は疲れ果てた脳でなんとか考える。私はいつもナヨナヨしていると言っているが、優の顔の造形は割と整っている部類に入る。恐らく将来はイケメンと言われるようになるだろう。そんな優の反対ということは「ブサイク」と呼ばれる部類に入るのではないか… そんな事を考えているとイラガウインクしてきて、私の手には手鏡が写っていた。 手鏡似反射している私の顔はどんどん歪んでゆく。まず目の筋肉が変わった感触がすると、二重幅がだんだん小さくなってゆく。私の視界がすっかり横長になった頃、手鏡を持った私は一重、しかも糸目となってしまっていた。鼻がだんだん詰まる感じがすると、高かった鼻は徐々に低く広がっていき、団子のようなものになってゆく。鼻の造形が変わり、鼻だけでは呼吸がしづらくなる。そのため私は口を半開きにして口呼吸をするようになった。半開きになった口から覗く歯もだんだん黄色くなってゆく。骨格が変わり歯が何本か抜け、奥歯は子供の歯へとなる。頬にはかさぶたやニキビが目立つようなった。最後に胴が数cm伸びたかと思うと、それと対応するように足が短くなりレオは思わず重心の移動で転んでしまった。 自他ともに美しいと感じていた私の顔は、変化が終わったときは芋っぽい男の子の顔へと変化していた。こうして身長が高く顔も良いと思っていた自慢の容姿は、芋臭くチビな小学生男子へと変わってしまった。私はもうこのような姿にしたイラや優を怒る気にもならず、ただ自分の変化した姿に絶望して頭が真っ白になっていた。