SakeTami
澄川ティー
澄川ティー

fanbox


現未× 「魂の境界」裏話 神村夕音編

現未×。重大なネタバレを含みます。


今回の記事では、シナリオ「魂の境界」のサブヒロインである、神村夕音の裏話について記していきます。

細かい情報についてはシナリオ本に記しているため、気になる方は良ければそちらをご覧ください。


設定

「死」に愛される少女・藤宮咲良の対比の存在、「死」を愛する少女というイメージを発端として、神村夕音は生まれました。


聖心高校の高校2年生で、年齢は17歳、身長は157cm、奥手な少女といったイメージで、学校では極力人と関わらないように過ごしています。

子どもの頃はごく普通の少女でありましたが、母親との死別、中学の頃に学校で受けた虐めによって、孤独を好むようになり、そして死を望むようになります。そして高校2年に上がったとき、藤宮咲良を目にし、彼女の内に存在する「死」に惹かれました。


孤独の友として読書を好み、普段はずっと一人で本を読んでいます。

作中に井の頭公園で読書をする彼女の姿が出てきますが、それは部屋にいると感じる鬱屈や孤独感を紛らわすためでもあります。地頭は良く勉強も本来は得意ですが、中学に受けた虐めの経験で目立つことを避けるために、学校の成績は中の上くらいです。


「死」を愛する少女

自分自身の死について普段から考えていた彼女は、藤宮咲良の内にある「死」の存在を感じ取ります。そしてその正体を真導明常から教えられることで、より強くその存在を求めるようになります。


神村夕音、真導明常、天野正昌のいずれにも言えることですが、彼等の思想は、ただ純粋に、死を強く望むところから始まっています。それは他者に対する憎しみではなく、この世界へ絶望したことから生まれた考えで、その絶望を受け止めてくれるものが、彼等にとっては死の世界であった訳です。そして、藤宮咲良に内在する「死」こそが、彼等の望みを実現してくれると考えるようになります。


しかし、大人である真導明常や天野正昌と違って、神村はまだ子どもで、その心は未熟です。自らの魂の在り方をはっきりと自覚し、決断しきった真導達とは異なり、神村は自らの魂の在り方をずっと悩み続けています。良心と憧れの間に板挟みになっていた彼女の心は揺れ動いていたため、作中に、主人公に対して問い掛けるシーンもありました。


彼女の選択・√Aにおいて

√Aにおいて、神村夕音は「死」を受け入れることを選びます。

二つの世界の境界線上に立ち、どちらに身を置くべきか苦悩していた彼女でしたが、第三章に入った直後、その身に起きたある出来事によって彼女の心境に決定的な変化が訪れました。枷が外れたことによって彼女の行動は大胆なものとなったため、√Aの終盤のシーンであのような行動をとります。


描写がややアダルティーになりましたが、ノベルゲームだとあれくらいはやるかなと思ってやってしまいました。エロスを出すつもりはあまりなくて、蠱惑的な表現を出したつもりなので、筆者の中ではこれが最適解かなとは思っています。PLのことを考えると反省はしている。


※なお、2月10日の夜に彼女が待ち合わせをしていた人物は真導明常です。しかし真導明常は殺害した少女の死体の処理をしていたため、待ち合わせに遅れます。待ち人がついぞ来なかった神村夕音は帰りますが、その道中で不良達に襲われます。実は、襲った不良達は遅れてやってきた真導に殺害されていたのですが、予定外の殺しであったためその死体が街中に晒されることはありませんでした。(テストセッション時では、二人の男の死体遺棄についてテレビで小さく報道させましたが、セッション進行のノイズとなるのでカットしました)


彼女の選択・√Bにおいて

死の世界を選ぶことはできない。けれど、罪を犯した自分は生の世界で生きていくこともできないと考えた彼女は、ビルの屋上からその身を投げます。

自らが死ぬこと。それは彼女が、ずっと密かに望んでいたことでもありましたが、この時の彼女には自分本位の考えはなく、そうすることでしか犯した過ちを償えないと考えていました。

神村が飛び降りる直前、主人公は彼女に追いつきますが、この時神村は、主人公が追って来ると分かっていて、主人公のことを待っていました。しかしそれは止めて欲しいからではなく、死ぬ前に最後に彼と話をしたかったからです。

制作エピソードその1

以下の文章は、神村夕音の制作資料から一部を抜粋したものです。

================================================================年齢:17 歳

髪型:ツインテールのイメージ。ただ、ぶりっ子のような感じはなく、現実的な髪型の範囲のイメージ。

身長:156cm 程度。身長は同年代の女子の平均くらいだが、食事はきちんと取っていないためやや細身である。スポーツなどは得意ではなく、非力である。ただ、ガリガリというほどではない。

バストサイズ:D ~程度。普通よりも少しあるくらい。

容姿:整っている。美人と可愛いの中間くらいのイメージ。男子から人気であったため、中学時代に女子に一方的に難癖をつけられ、虐めに遭っていた。言い方は悪いが、オタク受けしそうな見た目をしている。

雰囲気:いつもどこか物憂げな面持ちをしており、儚げな雰囲気をしている。内向的であり、他者と積極的に関わるような人物には見えない。何かを抱えていることは明らかだが、それを打ち明けようとはしない。

性格:

【台詞例】

「ここから飛び降りたら、……やっぱり死んじゃうんですかね。痛みも感じることはなくて、ただ、静かに眠るように命が消えていく……」

「……罪について、どう思いますか? あなたは、自分が許せないって思ったこと……ありますか」

いつも下を向いて歩いているような少女で、物憂げな表情をよくしている。神村が今にもビルから身を投げようとしている時に、主人公と彼女は出会う。彼女が何かを抱えていることは明らかであるが、それをいくら聞き出そうとも、主人公にその悩みを打ち明けることはしない。頼れる者はおらず、真道常明からもただの駒として利用されていただけであるため、神村夕音は孤独の少女であった。心根は優しい少女であるが、中学時代のいじめやひどい家庭環境により、死に憧れてしまうようになる。そして、死に憧れてしまっていることを含めて、自分のことを否定的に見ている。大人しく、また、押しに弱いため、主人公が食事などに誘うとそれに応じるシーンもある。高島果穂が神村夕音に積極的に話しかけるシーンもあるが、神村夕音は戸惑いつつも会話に応じることとなる。

※主人公と食事をするシーンや、高島果穂と会話をするシーンはセッション進行の都合上カットしました。

================================================================

「影があって、奥手な雰囲気を漂わせている。そして、子どもと大人の中間にいるが(外見は大人っぽい部分もあるが)、まだ心は未熟な少女である」といったこともリチャードⅧ世先生に伝えました。


そして出来上がったラフが下のものとなります。

髪留めをシュシュにするかリボンにするかを1週間くらい迷っていた記憶があります。物語の立ち位置上、大人っぽさを出すためにリボンにしたのと、ツインテール部分の長さをラフより少し長くしました。スカートの丈は、藤宮咲良は無頓着なのと、神村夕音は露出を嫌うため二人とも長いです。


神村は、制作当初はもっと色んなシーンに出すつもりだったのですが、セッションの進行上の制約や、他登場人物とのバランスを考えて、あのような形に落ち着きました。ノベルゲームであったらもう少し主人公との綿密なやり取りを演出したかったのですが、セッション進行のメリハリを考えて断念しました。


制作エピソードその2

神村は自罰的な傾向が強く、それでいて一人で色々と抱え込もうとする少女です。

彼女の背景を全て知っているKP目線だと好意を抱きやすい印象がありますが、PL目線だと得られる情報が限定的になります。

また、筆者は影があるヒロインに対して全肯定するタイプのオタクですが、そうじゃない人にとっては取っつきづらい部分があるのかもしれません。

露骨にPLにアピールするとそれはそれでキャラとしておかしくなったり、物語の進行に支障が出るため、最終的にあのような調整に落ち着きましたが、KPとしても扱うのが難しい人物かなと思っています。そういった点を含めて、「魂の境界」はKPの腕が求められたり、遊ぶ人を選ぶシナリオなのかなと思います。


余談

藤宮咲良の記事でも述べましたが、筆者の中では、主人公は3人のヒロインにそれぞれ好意を抱かれているという設定になっています。神村夕音は、主人公に自分と同じ匂いを感じ取った。けれど、自分とは異なる生き方をしている主人公に惹かれた、という想定です。


物語の最後、神村は最終的に少年院に入所しましたが、数年後には出所することになります。彼女がその後どうなったかについては、また機会があればどこかで。


というわけで、神村夕音に関する記事は、一旦はここまでにしようかなと思います。

次回は高島果穂に関する記事を書く予定です。

現未× 「魂の境界」裏話 神村夕音編 現未× 「魂の境界」裏話 神村夕音編 現未× 「魂の境界」裏話 神村夕音編 現未× 「魂の境界」裏話 神村夕音編 現未× 「魂の境界」裏話 神村夕音編

More Creators