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作品解説「シティ最深部の歪み」



ビャッコパシティの地下世界「アングラタウン」の最深部には、時空の歪みの池がある。

この先がどこに繋がっているかは誰にも分からず、この場に足を踏み入れる者もいない。


過去に、生きることに飽きてしまったひとりのびゃッこパスがひっそりとここに訪れ、

時空の歪みに飛び込んだ。


そのびゃッこパスは記憶を失い、ビャッコパシティとは別の異世界に転移した。

転移した先でそのびゃッこパスは、偶然魔物の蜂に襲われ、猛毒に侵された。

その蜂の毒とびゃッこパスの体質が強烈な化学反応を起こし、

記憶喪失のびゃッこパスの体は淫魔のものへと変化した。

生まれ変わった淫魔はそれまでの記憶を失ってしまったが、

人の不幸を憂い、人生に愛を求める本能だけは残っていた。


やがて彼女はパシココと名乗り、同じ淫魔で構成された軍を作るようになる。

パシココの率いる淫魔軍は、怒りと悲しみに支配された

あらゆる異世界の人間の生命力を搾り尽くし、

人の営みを「生まれて交わり、生んで死ぬ」という単純な現象に変える、

「人類総淫魔化による救済」として世界征服を行った。

パシココが世界征服を行うのは「もう滅ぼすしかない」と判断した世界にのみ限られていて、

何らかの手段で希望を見出す人類に出会った場合は、

むしろそのための技術提供を行うほどだった。


あるときパシココは、征服候補のための視察に訪れた世界で

「エスモヨ」という企業の社長と出会った。

その世界の人間は発達したテクノロジーに反比例するように思考が単純化していき、

コミュニケーション能力の低下などで社会に適応できない人間が増えていた。

人間関係でのトラブルや犯罪件数の増加など、社会システム維持の危機が見え隠れする、

そんな世も末な世の中をひっくり返すため「エスモヨ」という企業を立ち上げた社長は、

衰退していく人類に寄り添い、働かせず、伴侶をもたせずとも幸福な人生へ導く存在を作り、

将来的に人類の数を「種の保存」程度にまで抑え、滅びに向かう地球の覇権を

人類から上位互換の存在へ入れ替える計画を立てていた。


その夢を聞いたパシココは、その世界ではオーバーテクノロジーである

人造人間を作る技術をエスモヨに与え、「エスモヨ・バイオロイド」という

人造人間シリーズが生まれた。


バイオロイドが数を増やし、人類の割合が大きく下がった頃、

異世界から2人の旅人が、やってきた。

その2人は自分たちの理想とする新たな世界を創造し、

そこで生きる新人類のデザインの構想のヒントを求めていた。

2人の旅人はエスモヨ・バイオロイドの理念とデザインに感銘を受け、

この存在をモデルに自分たちの体を改造することに決めた。


この2人はやがて「パシン」と「マデンス」となり、ビャッコパシティという世界を創る、

最初のびゃッこパスになるのだった。

作品解説「シティ最深部の歪み」 作品解説「シティ最深部の歪み」

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