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太っている友達のダイエットを手伝った結果、どんどん太ってしまう女子高生の話 全文(全体公開3922文字+限定公開7035文字、48kg→最終82kg)

「菜実(なみ)がダイエットするの?」

「流石にこれ以上太ったらマズいと思って……!」


高校生活2回目の夏休み。

その初日に菜実からダイエットの相談をされた。

という訳でとりあえず家に来てもらってるんだけど……


「確かにかなり太ってるよね……」

「元々あまり気にするタイプじゃないんだけど、私……

でもこれはダメだって思ってさ!」


体型を確認するために一度下着だけになってもらい、色々現状を把握している。

ただ……改めて見ると相当にぽっちゃりというか肥満体型だった。


二重顎が当然の如く出来上がっている、ほっぺが丸々した顔……

括れが無いどころか段々腹が下着の上に乗っかってせり出してるお腹……

だらしなく左右に大きくなったお尻やムチムチしたお肉がたっぷり付いた脚……

胸も太ってる影響で相当に大きいとはいえ、お腹が出てる印象を打ち消すことは全くできない。

確か前まではそこまで太ってなかった気がするんだけど……


「どんだけ食べ過ぎたの……」

「別にそこまで食べまくってた訳じゃないし、そんな記憶もなくて」

「無意識のうちにたくさん食べてるんでしょ?」

「そ、そうだね……否定できない!」

「菜実がこんなに太っちゃうなんて……」

「私だって太り過ぎてびっくりしてるんだよ!

どうしよう!」


痩せる気が無いならどんどんブクブク太って巨デブへの道まっしぐらって感じだけど……

まだダイエットする気力があるだけマシかな。

とにかくまずは今何kgあるか知らなきゃね。


「で、今何kgなの?」

「えっと……体重計なんて乗ってないから分かんない!」

「分かんないじゃないでしょ!

持って来るから乗りなさい!」

「うぅ、は、はーい!」

狼狽する菜実を横目に、私は体重計を取りに行った。



「慎重に……慎重に……!」

「そんなことしても意味ないって……」

「でも!怖いから!」

「早く乗りなさい」

異様なほどにそろりと足を乗せる菜実。

少しでも軽い数字が見たいのか、それとも自分の現実を目の当たりにしたくないのか……


「うわっ!74kgとかめっちゃデブじゃん!」

「74kg……!?

中々に育ってるなぁ……」

見た目からして50kg台はあり得ないと思ってたけど……それでも70kgを超えてるのは他人事ながら驚く。

私よりも遥かに重いんだなぁ……


「……分かったよ。

私、頑張って詩乃(うたの)と同じ体重ぐらいまで痩せる!」

「……えっ?」

「本気だから!

だけど自力じゃ絶対無理だから協力して!」

「わ、分かった……」


いやいや私は今48kgだからね?

26kgも痩せるのは不可能じゃないかもしれないけど相当に時間がかかるでしょ……

とは思うけど、流石に体重を見てショックを受けたばかりの菜実にそんなことは言えない。

「じゃあまずは……お菓子を取り上げる事から始めるね」

「ええっ!?」

「何びっくりしてんのさ……

今から行くからね」

「ま、待って!?」



……


「はい、という訳でこれは私が持って帰ります」

「ううっ……お菓子がぁ……!」

「こんなのばっかり食べてるからそんな身体になるんでしょ」

「そ、そうだけど……!」

菜実の部屋に入った私は、たくさん置いてあるポテチや色んな食べ物を大きな袋にどんどん入れていく。

どんだけ買ってるのこの子……


「私が美味しく食べておくからね」

「ず、ずるい!」

「だって私は太ってないし?

自己管理だって大丈夫だからお菓子を食べても平気だからね。

あなたはちゃんとダイエットしなさい」

「これがダイエット……厳しい道のりになりそう!」

「後、もう買ったらダメだからね?」

「分かってるよ!」

本当に分かってるんだか……

これ位で厳しいって言ってたらこの先どうなるんだろうなぁ。


「じゃあとりあえず今日はこれで終わり」

「あれ、運動とかはしないの?」

「運動したらすぐバテてダイエットを諦めるでしょ?

まずは食べる量を減らして、慣れてきたら少しずつ運動したらいいから」

「……意外と優しい!ありがとう!」

「そりゃ挫折してほしくないから」

……本当はいきなりランニングしようかと思ってたけど、まだ無理そうだと思った。

私の判断は正しかったみたい……



……


「菜実、太ってたなぁ……」

帰宅した私は、姿見で下着姿を見つめている。

当然太った菜実とは全然違う体型だった。


「こうやって見たら、私って結構スタイル良いかも……」

体重こそ48kgと普通ぐらいだけど、割とグラマーな所がある。


胸はFカップと高校生にしてはかなり大き目で、谷間も出来上がるほどに膨らんでいた。

そしてお尻も大きすぎない程度にムチッとしていて、脚もほどほどにお肉が付いている。

だけどウエストにはしっかり括れがあるし、駄肉はあまり付いてないんだよね。

顔も丸みはあるけど顎はすっきりしてて二の腕も別に太くない。


やや下半身が太めなのが気にはなるけど、良い感じの体型だと自分で思っている。

まあ別に普通の食生活を送ってるだけで特別何もしてないんだけどね。

運動を頑張ってる訳でもないし。



服を着た後、私は持って帰った大量のスナック菓子やカップ麺などを眺めていた。

まだまだ賞味期限は先で、しばらく放置していても何の問題もない。


(……美味しそう)

私は今まであまりポテチとか買ってなかったんだけど……

よく見たらいろんな味がある。期間限定の味もあるし。


『(ぐぅぅ……)』

見ていたら、まだ昼の3時だというのにお腹が空いてきた。

普段なら晩ご飯まで空腹感はあまり感じない。

だけどポテチの袋を見てたら何だか食欲が湧いてしまう。

まるで普段の私じゃないみたいに……


(私……太ってないし……菜実とは違うから……)

そう思って、ついつい開けてしまった。


「お、美味しい……!」

期間限定のチーズマシマシポテチは、想像以上に美味しかった。

チーズの味がかなりするし、何だかハマりそう……!



---



2日後。

私はまた菜実の家まで行った。


「これは何かな……?」

「え、えっと!ついうっかり!」

「何してるのさ!これは私がいただいておくから」

「うぅ……、でもそうしてもらった方がありがたいよ」

またしても色んなスナック菓子、そしてケーキやらも買っていた。

全然懲りないな、この子……

当然没収することになる。


「ちゃんと痩せる意識を持たなくちゃ!」

「はい!」

この調子だと痩せるのに凄く時間がかかりそう……



……


「甘くておいしい……!」

家に帰った私は……貰ってきたケーキを一人でバクバク食べていた。

そういや菜実の買うものは大体外れがない。

きっと食べるのが本当に好きなんだろうなぁ、あの子。


(結構食べちゃったけど……まあ別にいいか)

菜実は一人分とは思えない量を買ってたから……もう満腹になってしまった。

今は3時だけど……晩ご飯ちゃんと完食できるかな……



---



それからも私は度々……というかほとんど毎日菜実の家まで行っては買ってしまった食べ物を取り上げていた。

効果があったらしく、次第に買う量は減っている。

何も買ってない日も増えてるし、段々食欲も抑えられるようになったのかな……


という感じの夏休みだったんだけど……



「うっ……!キツっ……!」

今日から学校がまた始まる、ということで私は久々に制服を着ていた。

でも……妙にキツい。


かなり余裕があったはずのブラウスも余裕が消えつつあった。

そしてスカートが……今までウエストを絞るようにアジャスターを調整してたんだけど。

でもそれだとホックを閉めるのが結構キツい。

一応閉まるけど、それでも明らかに窮屈な感じがする……

(ちょっと緩めよう……)

しょうがないので私はアジャスターを緩めて、改めてスカートを穿いた。


(ということは……結構太ってる?)

そういや菜実の体型を観察したり、体重を測ったりはしているけど私自身は全然体重計にも乗ってない。

気になった私は久々に体重計に乗ってみたんだけど……


「59kg!?」

なんと60kg台の手前まで体重が増えていた。


実際、お腹周りに手をやるとムニッとしたお肉が掴めるし……

スカートから出してる太ももだって1周りは太くなってる……

顔も顎にお肉が付いた気がするし、二の腕もプニプニした感じがして大分マズい。

どうして急に太ったんだろう……


「……菜実のお菓子をたくさん食べてたから!

あれが原因だよ!」


実に原因は分かりやすい。

取り上げたスナック菓子は山のようにあり、特に最初の頃は普通の子なら数日掛けて食べる量のお菓子を持って帰ることも多かった。

それでお菓子を持って帰ることが減った今でもかなりのスナック菓子が部屋にある。

しかもケーキやドーナツといったお菓子も貰うことが多かったから……


「菜実の体型ばっかり見てたから油断してたかも……マズいなぁ……

でもどうしたらいいの……?こんなに太ったことなんて無いのに……!」

流石にちょっとは痩せ始めてるけど、未だに71kgで70kgを越えている友達の姿を頻繁に見てたから……

かなり油断してしまったらしい。


私自体も痩せなきゃいけないけど……

でも自分自身は今まであまり太ったこと無いんだよね……

人のダイエットの事は客観的に色々アドバイスとかできるけど、いざ自分の事になると難しい。


だからと言ってダイエットを手伝ってる以上、菜実とか他の子にも頼れないし。

どうしたらいいの……?



---



学校が始まってから、菜実はとうとう土日のジョギングを始めた。

食欲も収まってきたみたいだし、休み明けで気持ちも引き締まって丁度良いタイミングだと思う。


「はぁ、はぁ……暑い……!」

「もうちょっと走ろう!」

「はぁ……はい!」


今日は一緒に走ってるけど、やっぱり菜実は身体が重いらしくすぐにバテる。

私はもうちょっと頑張れと言うんだけど……


(はぁ、こんなにジョギングってしんどかったっけ?)

実は私もそんなに走ってなかったし、しかも体重が増えてしまった関係で……

結構疲れてしまう。


元々暑いというのもあるけど、それだけじゃない。

身体に付いてしまったお肉が震えてる……

特に胸がGカップにサイズアップした関係で、ブルブルとしっかり揺れてしまう。

単純に走りにくい上に周りの目線も明らかにバストに向いてるし、結構恥ずかしい……


正直自分だけならもう帰りたいけど、菜実の手前諦める訳にもいかなかった。



……


「いつもダイエットを手伝ってくれてありがとう!」

「別にそんな大したことはしてないよ」

走り終わった後、どういう訳か菜実はお礼を言ってくれた。

少しずつ痩せてきた感覚があるんだろうか。


「それで、これなんだけど……」

「ど、ドーナツ!?また買ったの?」

「いや……自分用じゃなくて、詩乃に食べてもらいたくて買ったから。

当然私の食べる分はないよ」

「……ありがとう」


びっくりしたけど……嬉しい。

丁度食べたいなーって思ってたお店のドーナツだったから。

でも……8つも入ってる……



---



それからは、私は毎回土日のジョギングで一緒に付いて走って……はいなかった。

だって走るのって大変なんだよ……!

菜実の前でヘトヘトになってる姿は見せられないし、しかも結構長く走らなくちゃいけないから……

まあそういうダイエットのメニューを決めたのは私なんだけど……

という訳で、ちゃんと走ったかどうかの報告を貰うだけにした。


学校が始まったこともあって、あんまり菜実の体型や体重のチェックはやってない。

どうやら少しずつは体重が減ってるみたいだけど。

私がお菓子を取り上げたり色々しなくても、自分でちゃんと管理できるようになってきたのは偉いと思う。

しばらく前に体重計の数字を見せてくれたけど、表示されていた数字は69.5kgでとうとう70kg台を下回ったらしい。

『私もこれでデブ卒業!』って言ってたから『まだ気が早い』と言っておいたけど。


……という感じで菜実のダイエットの手伝いは上手く行ってるみたい。

これで何も問題無し……のはずだったんだけど。



10月に入ったばかりの今日、私は更衣室で菜実と隣になった。

近くで見ると前よりはちょっと痩せた気がするけど、あまり違いが分からないかも。


「ねぇ、詩乃?」

「何?」

「太ったよね?」

「……えっ!?」


菜実から急にびっくりするようなことを言われてしまった。

私が……太ってるってこの子が言うの……?


「だってスカートとかホック閉まってないじゃん!

ブラウスもパツパツだし、顔も丸くなってるよ!」

「えっと!確かにちょっと太ったかもしれないけど」

「私が言うことじゃないと思うけど、そろそろマズいんじゃない?」

「ま、マズい……?」


確かに……アジャスターを最大まで緩めてもスカートのホックが閉まらなくなってしまった。

しょうがないから安全ピンを使って何とかスカートを穿いてる状態で……

ブラウスだって何とかボタンが閉まるという程度で、特に胸のあたりはパツンパツンで生地がバストに張り付いている。

顔も……触ってみたら顎にもほっぺにもお肉が……


「……菜実、私……油断してたかも。

気を付けるよ」

「前の私みたいにならないようにね!」



……


家に帰った私は早速制服を脱いで下着だけで鏡を眺めていた。


「こ、これは……菜実のことを笑えないレベルだよ……」

というか、正直同じぐらいの体型になってしまった。


顔は元々丸みがあったけど、ほっぺのお肉が増えて大分丸顔気味に変わっている。

おまけに顎だって菜実と一緒で二重顎になってるし……!

こんなに顔が丸くなってるなんて思ってなかったよ……


顔だけじゃなくて、お腹も改めてみるとかなり弛んでいる。

しっかり括れていたウエストは大きく姿を変えてしまい、パンツの縁にだらしない贅肉がぽよんと乗っかっていた。

おへそ周りは段々腹と言える形状になり、括れは全然跡形もない。

そしてお尻は白色のパンツがかなり食い込んでしまっている。

ムッチリ育ったヒップはとてもいやらしい感じがするけど、でもデカい……

そして太ももはたぷたぷしたお肉が大分付いてしまい、すっかりだらしなくなった。


そして胸はGカップのブラのホックがキツく、これ以上大きくなったら入らないかも……

ただでさえカップから胸がはみ出てる状態だし、かなり無理をしている。

メロンみたいな立派なバストになったのは良いけど、ちょっと大きすぎるよね……


元々大分グラマーな体型だったこともあり、お腹はそこまで目立たない……と思う。

だけど大きな胸やお尻をもってしてもそろそろ誤魔化せないレベルにまで肥満化が進んでいた。



体重は……

私は速やかに体重計の元まで向かい、そして足をゆっくりと乗せる。

「70kg……?」


その数字は、なんと菜実の体重をほんの少し上回っていた。

おまけに下着姿でまだ晩ご飯も食べてない状態だから、服の重さとかの言い訳も出来ない。



こうなったのは……

(お菓子とご飯の食べ過ぎ……)


菜実からお菓子を取り上げることは今やほとんどない。

だから消費するお菓子は減っているのが当然のはず。

でもお菓子をたくさん食べまくる生活が続いて……

すっかりハマってしまっていた。


特に菜実はケーキやドーナツ、シュークリームといったお菓子を……

どれもかなり美味しいお店で買っていた。

それを食べてるうちに私もその魅力に気づいてしまって……

いつの間にか頻繁に足を運ぶようになってしまった。


当然ポテチも期間限定品をわざわざ買ったり、特大袋を買ってしまっている。

こんなことをしてたら太るに決まってるのに。


そして……食事量もどんどん増えている。

菜実の太い姿をずっと観察してたからか、『そんなに太ってないから大丈夫』って油断してて……

その結果が菜実以上の食欲につながっている。

こんな生活を続けてたら、かつての菜実をすぐに超えて80kgとかそんな感じになると思う。


まさに人のダイエットより自分のことを考えなくちゃいけない。

確かに菜実よりは胸とお尻が大きめでお腹が控えめだけど……

それでも身体に付いてるお肉の量自体はほとんど変わらないというか、私の方が多いぐらいだから。


じゃあ一緒にダイエットを頑張る?

でもそれはちょっとしたくない。

あの子になんて思われるか分からないし……


それとも1人で頑張って痩せる?

(でも……ちゃんとダイエットできる自信がない……)

確かにちょっとの間痩せる努力はしたことがあるけど、こんなに大幅な増量は初めてで……

それこそ数カ月、いやそれ以上長くダイエットしなくちゃいけない。

太るのはすぐなのに、どうして痩せるのはこんなに時間がかかるんだろう……

菜実を見てたらダイエットも大変そうだし、やりたくないんだよね……


だったら現状維持?

これが一番楽だけど、菜実は着実に痩せてるから。

どんどん向こうの方が痩せて差が広がっていく……

そうなったら『今度は私が詩乃のダイエットを手伝ってあげるよ!』とか言われそう。

私が課したメニューよりも厳しいやり方で……



(どうしようどうしよう!)

悩んでも痩せ方が分からない。

……いや菜実に言ったやり方を自分ですればいいだけだとは分かってる。

でも続ける自信がないしやる気がない。


だったら……

(菜実のダイエットを一旦停止させるしかない……?)

あの子がどんどん痩せるのを阻止したら……差が開いて行かないかも?



そんな訳の分からない考えさえ、魅力的に思えてしまっていた。



---



翌日、私は菜実とダイエットについての話をしていた。

「もう十分痩せてきたし、これでダイエットは一旦終わりにしたら……」

「何言ってるの!

昨日測ったら68kgだったし、まだまだこれからだよ!」

しかし……当然のように菜実はダイエットを続けるつもりで。

まあ68kgでは痩せた内に入らないと思うのも無理はない。


じゃあこのままどんどん体重の差が広がるのを黙って見なきゃいけないの?

一体どうしたら……


こうなったら奥の手を使うしかない。

あまりやりたくはないけど……


「ねぇ、実は私……最近かなり太っちゃって……」

「そうだね」

「もう菜実の体重を超えてるんだよ……」

「えっ?」

流石にその情報を聞いて向こうも驚いた。

そりゃ数カ月前までは遥かにこっちの方が痩せてた訳だからね。


「……私、詩乃と同じ体重になるぐらいまで痩せたいと思ってたんだけどなぁ」

「ある意味達成してる……」

「そうだね……あはは……」

私が大幅に太ることによって、菜実の目標はかなり前倒しで達成できてしまった。

これを『達成した』と言えるかどうかは分からないけど。


「もういいんじゃない?

今でもかわいいからさ。

かなり痩せたよ」

「……」

私の甘い言葉を聞いて、この子はちょっと考え事をしている。

もしかしたら……私の自虐作戦は上手く行ったのかもしれない。


「……実はちょっとダイエットに疲れててさ」

「うん」

「一旦休憩しようかなって思うの」

「そうしたら?」

「……分かった!」



ふふふ……菜実は私の誘導にあっけなく乗ってしまった。

これで2人揃ってデブの道を歩むことになる……


「早速今日から天丼屋さんに行かない?

期間限定メニューが今日から始まってさ」

「うぅ、食べたい……!」

「食べに行こう、ね?」

「……行く!」


よし、私が痩せる必要はもうない……

これで一件落着……かな……?



---



それから1カ月は……頻繁に菜実と色々食べに行ったりした。

あの子もダイエットしてた関係で好きなだけ食べる経験をしばらくしていない。

だから2人で一緒に……いっぱい食べることにすっかり夢中になった。


……その結果。


「はぁ、はぁ……」

私は今……菜実と一緒に学校の帰り道を歩いている。

もう11月になったから冬服になってるんだけど……贅肉がたっぷりで暑い。

坂道を上るだけでもちょっと息が荒れる。


「太っちゃったね、詩乃」

「はぁ、どうしてこんなことに……」

「私も太ったからお互い様だけどね!

折角痩せたのにもう71kgだよ!あはは!」

「71kg……しかないの……」

「えっ?」

「もう80kg超えてるんだけど……」

「……重くない?」

私の言葉を聞いて、隣を歩く菜実が引いてしまっている。

それもそうだと思う。

私は勢いよく太るのに向こうはそこまででもない……

やっぱりこの子にはダイエットしてた頃の感覚がまだ残ってるのかな……?


「重いね……」

実際身体もかなり重い。

歩く度に、大きく突き出したお腹や左右にデカくなったお尻がブルブルと揺れ、太ももが互いに干渉して贅肉が波打つ。

スイカのように巨大な胸は制服越しでもはっきり分かるほど上下に激しく揺れて、品の無い過剰ないやらしさを纏っている。


こんなに太ったのにまだ制服は買い替えてない。

だから……もうまともに着れるはずがなかった。

ベストは胸とお腹の一部を隠すだけで、ブラウスはまともにお腹を包み込めずボタンも開きっぱなし。

その結果おへそ周りが思いっきりはみ出ていて顔を出している。

スカートはファスナーも全く閉まらなくなり、とうとう安全ピンを使ってもスカートを穿けなくなってしまった。

10cmぐらいある伸びるゴムで無理やりウエストを延長して穿いてるけど、見た目からしてだらしないデブって感じ……

ちなみにスカートはデカいお尻のせいでかなり短くなってしまい、油断するとすぐに汗ばんだ白いパンツがチラリと覗いてしまう。


「そのメロンみたいなお胸が特に重そうだね!」

「でも菜実だって大きいでしょ……」

「まあね!」

……周りから見たら、私たち2人とも一番目立ってるのは明らかにお腹だと思うけど。


「詩乃、今日はどこ行く?」

「どこにしよう……カレーでも食べようかな……」

「了解!」



……


家に帰り、私は早速体重計に乗る。

「82kg……」

確かに菜実も大分体重が戻ってしまった。

だけど私の太るペースはあの子よりもかなり速く、尋常じゃない。

結局、菜実がまた太りだしたけど体重の差がどんどん開く状況に変わりはなかった……

むしろ私の体重増加に歯止めが利かなくなってきてる……



体重計から降りた私は、下着姿のまま姿見に向かう。

「もう菜実より遥かに太ってるよね……」

鏡に映るだらしない姿に自分でも引いてしまう。


顔はほっぺのお肉がさらに増えてるし、丸々した輪郭やたっぷり肉の付いた二重顎を見ると完全にデブの顔って感じがする……

顎を触るとお肉がいっぱい摘まめるのが何気にショック……


身体に目を向けると、当たり前だけど……どこもかしこも贅肉だらけ。

ただでさえ大きかった胸は更に巨大化して凄いサイズになっている。

先月まで着けてたGカップのブラは大きくなったバストに耐えきれずホックが壊れてしまった。

それでHカップのブラにまでサイズアップしたんだけど……今ではそれもキツ過ぎて着けてなくて、大体ノーブラ状態だったり……

かつてよりは遥かに大きいけど、だるんと位置が下がって形も崩れ気味だし自慢できるような代物ではない。

お腹はそんな胸よりは出ていないけれども、立派な太鼓腹がパンツの上にどっかり乗ってるのを見ると存在感が凄まじいなぁ……

中年太りの女性みたいなウエストになってしまったことに改めて自分でドン引きしてしまう。

とてつもなく柔らかい皮下脂肪が実にたっぷり掴めてしまうし、どんな服でも輪郭を隠しようがない。


お尻も胸やお腹と同じく大量の脂肪が付いてどんどん育っている。

この前パンツがお尻の圧ではち切れてしまったからサイズを上げる羽目になったほど……

でも今のヒップに合うサイズを買うのが恥ずかしくて結局小さめのを選んでしまった。

おかげで白いパンツがギュッとキツく食い込んでて、尻肉の大部分が布地からはみ出してる……

そんな『小さな』下着に包まれたお尻はかなり巨大で、あまりにもムッチムチだった。

太ももはお尻と同じくかなりムッチムチで、歩くたび両脚が擦れてしまうし前履いてた二―ハイソックスが入らなくなってる……



ここまで太った私だけど、痩せてた頃の記憶が邪魔して中々服を買い替えることができない。

大きなサイズの服を買うのがやっぱり恥ずかしかったり、現実を認めたくなくて……

部屋で着てる服だってサイズが小さく、トップスからお腹がだるんとはみ出てしまう。

そしてスカートは制服と同じくファスナー全開で、ジーンズとかは太ももがつっかえてどれも穿けない……


かなりマズい状態だけど、痩せる気もあんまり起きないんだよね。

これでも一応胸とお尻がデカいおかげでお腹が相対的に引っ込んで見えなくも……ない気がするし?

まあ菜実よりもぽっちゃりしちゃってるけど……

あの子だってまだ今は体重増加が緩やかとはいえ、もうちょっとしたらすぐ私、いやそれ以上にブクブク太って巨デブになるよね。

だって私は元は太ってなかったけど菜実は肥満だったわけで。



……みたいなことを考えて、私は現実逃避する。

ダイエットなんて面倒な事はしたくない……


……とりあえず今からポテチでも食べよう。



---



翌日。

「ねぇ、私ダイエットを再開しようと思うんだけど。

流石にこれ以上太ったらあんなに頑張った意味がなくなるし!

だから一緒に痩せようよ!」

菜実から意外な事を言われた。

ダイエットに誘ってくれている。


今、素直に誘いに乗って、そして痩せる決意をしたら……

私も前ほどじゃなくても……ある程度は体型を戻せるかもしれない。


それは分かってる。

でも……ダイエットしたくない。

この子と一緒にするのが不本意だからという訳ではないんだけど。


「私、ちょっとまだやる気にならないから一人で頑張って」

「ええっ……

分かった。またやる気になったら教えて!」



……もしかしたら、あの子は将来的にはちゃんと痩せてスタイルが良い子になるかもしれない。

だけど私は……将来どんな姿になってるんだろう。


……誰かにダイエットを手伝ってほしいと言うべきなんだろうけど。

でもかつて痩せていたというプライドが邪魔をして、

そして……食べたい気持ちを抑えることが出来なくて……結局言えなかったのだった。


せめてちゃんとサイズの合う服とか、ブラやパンツを買っておこうかな……

でも結局服に余裕が出来たら、油断してもっと太って……すぐ着れなくなったりするんだろうなぁ……はぁ……



(END)


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