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飲料メーカーにバイトした女子高生が太る話 全文(全体公開4370文字+限定公開6857文字、最終95kg)


今年から私は高校生。

高校生にもなると欲しいものが増えてくるし、色んなものを買うためのお金も欲しくなってくる。

それで私はバイト先を探していた。


(できれば近場が良いんだけどなぁ……)

携帯で色々探しているけど、どうなんだろう……

初めてのバイトだから色々と不安だし。

あと、できたらお金は多く貰える方がいいなぁ。

そう思ってバイト探しのサイトにも登録してあるんだけど……

メールが来るらしいけど、まだ一通も届いていない。



(あれ、『あなたにおススメのバイトをご紹介』ってメールが来てる……)

探している最中に、そんなタイトルのメールが来た。

もしかして登録したサイトからかな?やっと届いたんだ。

うーん、まあ見るだけ見てみようかな……


(あっ、『東案下飲料』だ。

結構近いし時給も良いし、いいかも)


ここなら家から自転車で10分しか掛からないし、通いやすい。

お仕事の内容も広報のお手伝いとか面白そうだし。

お金だって結構貰えるみたい……

でも高校生でいいのかな?

募集要項には「高校生大歓迎!」とか書いてるけど……


……ダメだったら別の場所を探したらいいし、とりあえず応募するだけしてみようかな。

軽い気持ちで私は「応募する」というボタンを押した。



---



翌日、私は早速面接に呼ばれた。

どんな服装で行けばいいか分からないから制服姿で会社まで来たんだけど……いいのかな?


「春田さん、今回は応募していただきありがとうございます。

弊社は飲料メーカーであり、東案下市、そしてその周辺地域において親しまれる飲料水を製造しています。

しかし、従来通りの方法では成長が頭打ちになってしまうと危惧していて……

そこで、広報を強化することにしたのです」

「はい……」

「春田さん。

あなたのような現役の高校生、しかも東案下市在住の人にちょうど来てほしかったんです」

「あ、ありがとうございます……」


なんだかよく分からないけど、割と良い印象を持ってもらえたみたいで良かった。

話はいまいち理解しにくいけどね……


「あなたは弊社の製品をよく飲んでいますか?」

「はい、割と飲んでますよ」

「いいですね!あと、国語の成績はどうですか?」

「えっと、まあ平均よりは上ですけど……」

「じゃあ大丈夫!明日から来てください!」

「ええっ!?」


こんなにあっさりと決まるんだ……

面接自体初めてだから全然分からないけど……



こうして初めての面接はあっという間に終わり、私は家に帰った。



……


家に帰った後、私は自室の椅子に座って考えて込んでいた。

(あの会社、本当に大丈夫なのかな?)

実にあっさりとバイトできることになったけど、逆に不安になってくる。

本当にやっていけるのかな……?

しかも仕事の内容だって大雑把にしか知らないし。

でも、気にしてもしょうがないよね?

明日から行かなきゃ……



---



翌日、私は東案下飲料までやって来た。

そして私の勤務する場所は1階の南西角らしい。

どんな人がいるのかな……?


「春田さん、よろしくお願いします!」


部屋の中には1人の女性がいた。

たった1人……?と疑問に感じる。


まあ、それは良いとして……

パッと見の印象は、デカい……


「私は"ネット広報課"担当課長の杉山といいます。よろしくね」

この女性がどうやら上司的な立場の人らしい。

高校生の自分が言うのもなんだけど、まだ若い感じに見える。

多分30歳にもなってなさそう?


それはそうと、杉山さんは大柄だ。

パツンパツンのブラウスとスカートの姿で、ボタンが弾け飛びそうになっている。

お腹はすぐ分かるほどの太鼓腹で、スカートがウエストを締め付けるように食い込んでいた。

そして胸は私とは比べ物にならない程大きく、ブラウスのボタンが弾けそうになっている。

だけど、重すぎて自重に負けるらしく位置は下がってるし、お腹にぽよんと乗っかってるのが何とも言えない。

お尻の幅も当然凄まじいし、太ももは恐ろしくぶっとい。

体重は多分80kg、いや90kgは余裕で超えてそう……

ちなみに顔はとっても丸々していて顎はタプタプしている。


「よろしくお願いします」

「誰もいないからびっくりしたかな?

実はこの部署は出来てまだ1カ月しか経ってないんだよ。

一応肩書は課長になってるけど、部下もいないし実質はそんなんじゃないから怖がらないでね」

「分かりました……」

「まあお仕事といっても、結構気楽なものだよ。

例えばSNSに新商品の情報を発信したり、広告の文面を考えたりするって感じかな」

「面白そうですね」


何だか余計に不安になってくるなぁ……

もしかして何か騙されてるんじゃないかとさえ思えてくる。

お仕事の内容は楽しそうだけど……


「今まで私以外にバイトに来る人はいなかったんですか?」

「いや、それが募集を掛けてすぐにあなたが応募してきたからね」

「そうなんですね……」

「春田さん!

とにかくこれから一緒に頑張ってお仕事していきましょう!」

「お願いします!」


でもこの人は悪い人じゃなさそうだし、大丈夫だと思う。

怪しそうなら辞めたらいいだけだよね。

今はそんな心配をするんじゃなくて話を聞かなきゃ。



「まず最初のお仕事ですが……この会社の飲料をよく飲んで味を把握することから始めましょう」

「それ、仕事なんですか?」

私が首をかしげると、課長はすぐに首を縦に振った。

「当然仕事だよ!

だって味をしっかり覚えなきゃ宣伝できないでしょ?」

「そ、そうですよね……」


「じゃあ、まずはこのジュースを飲んでもらおうかな」

差し出されたのは、350mlの缶ジュース5本だった。

それぞれりんご、オレンジ、みかん、グレープ、もも……という感じで違う味になっている。

「全部飲むんですか?」

「そう思うでしょ?飲んでみたら分かるよ」


ニヤリと笑う課長……本当とは思えないけど……

半信半疑で私は飲み始めた。


まずは一番手前にあったりんごジュースから。

「あっ、すっきりとした甘さで美味しいですね」

くどくない味で、あっという間に飲んでしまった。

結構美味しい。


「そうでしょ?次はオレンジジュースを飲んでね」



……


そんな感じで、私は次々と出されたジュースを飲んでいた。

全部果物の自然な甘さを大切にしてる感じで、どれも美味しい。

……気づけば7本も飲んでしまっていた。


「あれ?5本しかなかったはずなのに?」

「実はこっそりと2本増やしたんだよ」

「ええっ!?気づかなかったです!」

「そうなんだよ、夢中になる美味しさを追求してるから飲んだ本数さえ忘れてしまう……

これがうちのジュースの特徴かな」

「すごいですね!」


……普段買って飲むときはそこまで夢中にならないんだけどなぁ?

なぜかよく分からない。でも実際飲むのに夢中になったのは事実だし……


「こんな感じで、ここに来るたびに味わっておくことでちゃんと味の特徴を覚えられるから。

頑張ってね」

「はい!

……ところで、今日のお仕事は他にありますか?」

「あぁ、あまりないからケーキでも食べない?」

「ええっ、いいんですか……?」

「いいに決まってるでしょ?すぐ持って来るから!」


……私、仕事してるどころか遊びに来た感じなんだけどいいのかな?

課長が許可してるんだから良いんだろうけど……



1分ぐらいして、冷蔵庫からケーキを取り出した課長が戻ってきた。

「春田さん!一緒に食べましょう!」

「お言葉に甘えて……」


しかもチョコたっぷりで、結構高級そうな感じ……

ますます恐縮してしまう。


「美味しい!」

だけど、そんな気分もケーキの甘さで吹っ飛んでしまった。

「ふふふ、どんどん食べて」

「ありがとうございます!」



割と大きなホールケーキだったのに、あっという間に2人で食べ尽くしてしまった。

「良い食べっぷりだね!春田さん、この仕事に向いてるよ!」

「ありがとうございます……」


課長に褒められたし、まあ良いんだと思う。

……でも何かがおかしい。

今日の私は夢中になってジュースを7本も連続で飲んでるし、ホールケーキも半分食べてしまった。

それなのにお腹はそこまでいっぱいでもない。

私、どうかしたのかな……?


「あと、このチョコもあげるよ」

不安に思いつつも、次々差し出されていく甘味を口にしていった。



---



東案下飲料へのバイトを始めて1カ月が経った。

……といってもやることと言えばジュースを飲んでお菓子を食べてるだけ。

そろそろ本格的にお仕事が始まるとは聞いてるけど……今は遊んでるだけとしか思えないよ。


(しかも……)


私は鏡で下着姿を眺めている。

主にウエスト周りを凝視しながら。


おへそ周りには、先月まで無かったはずの贅肉がすぐ分かるほどに付いてしまっている。

プニプニしたお肉が簡単に摘まめてしまうし、体育の着替えの時は他の女子にジロジロ見られるし、恥ずかしい……

脚だってムチッと太くなってて、胸はブラがキツくなってしまった。

お尻だって丸みが気になる……

顔も何だかちょっと丸くなってきたかも……


気のせいだとは思いたいけど、会社でジュースやお菓子を大量に摂取している影響が明らかに現れている。

まだ大したことは無いように思えるけど、でもたった1カ月でこんなに太るなんて……


(服、入るよね……?)

そう思った私はクローゼットから細いジーンズを取り出し、試しに脚を通してみた。

けど……


(うわ、パツパツでキツい……)

太ももはかなり締め付けられ、ウエストのボタンはぽっこり出てきたお腹のせいでちゃんと留まらない。

わずか1カ月前まで特に困難も覚えずに穿いていたはずなのに……


他にもサイズの小さめなスカートを穿いてみたりしたけど、やっぱりホックがキツくて閉まらない。

というか出ている脚が太くて似合わないよ……

こんな感じで入らない服がチラホラと出てしまっている。

まだまだ着れる服はあるんだけど、ちょっと焦らざるを得ない。



(これからは本格的に色々なお仕事をするし、これ以上は太らないよね……?)

い、今まではその……味を覚えるという意味でたくさん飲んでたわけだから……

これからはきっとそんなに太らない……よね?

あとケーキとかお菓子を貰えるのも、そろそろ終わる……はずだから。

でも、分からない……


不安は尽きないけど……でも……


『(ぐぅぅぅ……)』


悩んでいるせいか、お腹まで減ってきた。

課長に貰ったポテチでも食べて気分を落ち着かせよう……



---



翌日、私はいつも通り東案下飲料に出社した。

そして二人っきりになる仕事部屋に入る。


「春田さん、いよいよ今日から本格的に広報の仕事が始まります!」

「やった!」


この1カ月間、仕事らしい仕事をしてこなかったから素直に嬉しい。

何もしないのは気楽というより気まずい感じもしてたし……


「じゃあ、まずはお仕事の前にジュースを飲むことから」

「えっ、まだするんですか!?」

「当たり前だよ。新商品だって次々と発売されるし、期間限定で味を変えることだってある。

いつも舌を最新にする必要があるんだよ」

「そ、そうなんですか……」


まだまだジュースを大量に飲むことは続くらしい。

別にいいんだけど……太ってきたからそろそろ止めたかったのに……



……


ジュースを10本飲んだ後、私と課長は机の上に置いてあるパソコンの前に来た。

「これ、パソコンなんだけど……行く行くはこれを使って公式SNSアカウントの更新のお手伝いをしてほしい。

この手の操作は大丈夫かな?」

「はい!学校でもパソコンを使うことは多いですし、問題ないです」

「最近は色んな授業で使ってるらしいよねー。

じゃあ心配は要らないかな」

「でも、何をしたらいいんですか?」


確かに操作自体は問題無いし、このSNSも使ってるけど……

公式アカウントとして何をすればいいのかあまり想像がつかない。

というか女子高生がやっていいのかな?そんなこと。


「まあ、いきなりSNSの更新を全部任せるとかしないからね。

というかバイトのあなたに重大な責任を負わせることはしないから安心してほしい。

このパソコンを触るのもしばらく後になると思う」

「あ、ありがとうございます……よかった……」

そりゃそうだよね。

まさか高校生のバイトに公式アカウントを預ける訳ないよ。



「今は文面を考えてもらうというより、写真や動画撮影のお手伝いをしてほしいかな。

一人で撮影するのは大変なんだよ」

「確かにそうですよね」

「春田さんがいてくれたら助かるよ」

「あはは、ありがとうございます」

まあ、どっちかというとなぜこの部署には課長以外いないのかが気になるけど……

面接の人は広報に力を入れてるみたいなことを言ってたのに……

別に私を雇う以外の方法があったと思うけど。


「それじゃ、新しく発売するジュースの写真を撮ろうかな」

「はい!」

「撮影の道具は既に設置してあるから、缶を置いてほしい」

「分かりました」



私は何種類かある新製品を置いては取り除き、という単純動作を続けた。

やってることはとても単純だけど、角度を変えて何度も撮影したりするから一人だと面倒だとは思う。

一応役に立ってるということでいいのかな?


「はい、ありがとうね。

次は……飲むシーンを撮りたいから、モデルやってもらっていい?」

「も、モデルですか!?」

「まあ大げさだけどね。顔出しとか嫌だよね?」

わ、私がそんなの出来る訳が無い……

しかも顔出しとか絶対無理……


「いやいや、私以外にもっと適切な人がいますよね!?」

「みんな忙しいからさー、頼むよ」

「で、でも!撮影自体は百歩譲っていいとしても……

顔は絶対ダメですよ!」

「そこは口元だけにするから……」

「だったらいいかな……?」

「オッケー、早速撮ろう!」

「は、はい……」

課長に押し切られて、私はモデルになってしまった……



……


「いいね、いいよ!」

「そ、そうなんですか……」

確かに編集された映像では口元しか映ってなくて、私だと特定は出来ないと思う。

でも何で私なんだろう……課長が自分でやればいいんじゃないのかな……?


「あの、すみませんけど課長がした方がいいんじゃないでしょうか……

顔出しも出来ると思いますし」

「いやいや、現役の女子高生だからいいんだよ。

中高生とかにアピールしたいからね。

親近感を持ってもらいたいんだよ」

「はあ……分かりました……」


理屈は分からなくもないけどね……

でもなぁ……私なんかでいいのかな……

というかまたジュース飲んでるし……

これで11本目だよ……



「はい、今日のお仕事はこれで終わり!

いつも通りケーキも用意してるから」

「あの……前から思ってたんですけど、なんでお菓子とかいっぱいくれるんですか?」

「それは……仕事とは関係ないけど、単純に自分の好きなものを他の人にも知ってほしいという思いがあるからかな。

広報をしようと思ったのもそういう感じ」

「へぇ……」

「あと、単純に一緒にお菓子を食べる仲間も欲しかったんだよ」

「他の人でもいいんじゃないですか?」


私の言葉に、課長はため息を付いた。

「はぁ……中々いないんだよねー。

みんな体型とか気にするからさー」

「確かに……」

いや、私だって気にしてるけど……

でもお菓子をくれるのに断るのも悪いから……


「だから……お菓子を渡してるってことなんだよ」

「……分かりました」

まあ、貰えること自体はそれなりに嬉しいんだけど……

食べ過ぎるのが懸念なんだよね……


「ということで、ケーキ食べよう!

今日は苺のショートケーキとチーズケーキを1ホールずつ買ってきたよ!」

「えっ!?そんなにあるんですか?」

「だって最近春田さんの食べっぷりが良いからさ」

「あ、ありがとうございます……」

はぁ……ちゃんとした仕事が始まっても全然食べるのが終わらないじゃん……

課長と居たらどんどん太りそう……

というか、この人がこんなに太ってるのもよく分かる……


ムチムチというかもっちもちの脚、スカートに締め付けられているせり出した下腹部……

そしてスカートがピチピチになっているお尻……

流石にこんな体型にはなりたくない……でもケーキが美味しいから食べてしまう……



「ごちそうさまでした、美味しかったです」

「良かった!また買って来るね!」

「は、はい……」

今日も結局食べ過ぎてしまった。

とんでもない量のジュースにケーキ……そしてクッキーまで食べてて……

こっちは1円も払ってないからお得と言えばお得だけど……

これ以上体重が増えてほしくないよ……



---



更に2週間が経った。

会社でジュースを飲む本数は相変わらず多く、そして課長からのスイーツは量を増し……

最近では自分の食欲までもが増えてしまった気さえする。

こんな状態では体重増加も当然で……


今、登校するために制服に着替えてるんだけど……

「はぁ……はぁ……ふんっ……!」

私は何度も何度も制服のスカートを引っ張り、何とかホックが留まらないか試している。

でも、そんなことをしても時間の無駄だとは分かっていた。


「閉まんない……入らないよぉ……!」

このスカート、ちょっと前までは難なく穿けてたのに……

というかまだ入学して2カ月しか経ってない……!

なのにもう買い替えるとか勿体ないよ!


そう思って、まともには入らないスカートを無理やり安全ピンで留めてる訳だけど……

太るのが止まらないから、そろそろこの方法さえ厳しくなってきた。



(私……ここまで太ったんだ……)

鏡を見ると、嫌でも現実を直視せざるを得ない。


顔は頬が膨らみ、パンパンになってしまっている。

そして顎も順調に二重への道を辿っていた。

ブラウスがピッチリしてるせいで上半身の肉付きがよく分かる……

胸は糖分の摂り過ぎからか急に膨らみ、Fカップのブラが必要になってしまった。

大きくなったバストがブラウスを張り詰めさせてて、何だかちょっといやらしい感じもするなぁ……


お腹はかなり弛んでしまい、強引に穿いたスカートがウエストに食い込んでしまっている。

贅肉の段がスカートの縁にぶよんと乗るのが情けない……

太ももはムッチムチでかなりの太さになり、お肉の量が凄いことに……

スカート丈も短めなせいでぶるぶると贅肉の揺れる様子も見えてしまう……


こんな感じで、マズい体型……というかあと一歩でデブという程に太ってしまった。

まあ、課長からたくさんお菓子を貰い、ジュースも馬鹿みたいに飲んでたらこうなるよね。

それにしても太るのが早すぎる気もするけど……


(ちゃんと断らなきゃ……)

これ以上太るのは流石に困るし、課長みたいな身体になりたくないから断ろう。

私はそう決意して、安全ピンでスカートを穿いた。



---



7月に入り、東案下飲料で色々なお仕事をするようになった。

広報用の動画撮影の他にも、SNSの文面を考えるお仕事も増えたし。

当然最終チェックや訂正を課長がするんだけどね。

パソコンを使った作業も出てきて、軽い動画編集まで任されている。

本当にお仕事してるって実感がでてきた。


「課長、今回のソーダは特に美味しいですよ!」

「でしょー?開発部の人も自信作だって言ってたからね」

「青春の味、って感じですか?」

「そうそう!それじゃその路線で文章を考えてよ」

「分かりました!」


そして、文面を考えるために私は何本も同じソーダを飲んでいる。

合間には課長から貰ったお菓子を摘まんだりして。

「おいしい~」


こんな感じの日々が続き、バイトも楽しいなぁと思えるようになった。



……


ただし、難点もある。


バイトから帰宅した私は姿見の前で佇んでいた。

(うぅ……デブったなぁ)

鏡の前であちこちの贅肉を掴む私。

ちなみに今纏っている学校の制服(バイト先でも着ている)は新調したもの。

入学してたった3カ月で制服が入らなくなるなんて前代未聞の事態かもしれない。

だけどブラウスもスカートもサイズが合わずに着れなくなったからしょうがないよね……


顔は二重顎がすっかり当たり前の光景となり、随分と頬が膨れてしまった。

買い替えた制服でも胸は強調されていて、まるでテントを張ったかのよう。

サイズも遂にGカップに達し、見るからに巨大って感じがする。

ま、まあこれはこれで魅力的というか……でもお腹が……


そう、ウエストはすっかり段々腹に変化し、ショーツのゴムにはお腹の贅肉が無残にも乗ってしまっている。

服に隠れて分かりにくい状態とはいえ、制服を捲り上げればすぐにだらしない身体が姿を現してしまう。

スカートが大きくなったおかげでお尻のシルエットはぼやけたけど、全体的なデカさは全然誤魔化せない。

しかもますます太くムチムチになった太ももは相変わらずスカートから出てる訳で……


このままじゃ課長みたいなデブになってしまうのも時間の問題だとは分かっている。

でも、痩せる方法が見つからない。

何せバイトを続けたら否応なく太り続ける訳だから。


それに……段々課長が『デブ仲間』になりつつある。

痩せてた時は『あんなデブになりたくない』って思ってたんだけど……

太った今じゃ『肥満同士で落ち着く~』と思ってしまう。

学校でもぽっちゃり……というよりデブな子たちと仲良くなっちゃったし。


……案外太るのも悪くないのかな?

だってバイトは楽しいし、ダイエットなんて気にしなくて良いし、友達も出来たから……


(……どんどん自分がダメになってる気がする)

危機感がない訳じゃないけど、今の現状を受け入れてしまっている自分がいる。

(ま、まあ76kgぐらい大したこと無いよね……)

自分よりずっと肥満な人だっている訳で……

そう思うと、どうしても気が抜けてしまう。


だけどこれ以上は太らないようにしないと。

それだけはしっかりと決意しなきゃ。



---



更に1カ月余りが過ぎた。

夏休みに突入した私は、頻繁に東案下飲料に通うようになっている。

何せ、課長がお昼も晩ご飯も奢ってくれるからね。


「春田さん、よく食べるね~!

私も負けてらんない!」

「あはは、嬉しいです」

今日は朝からバイトに出て、今はお昼休憩。

すぐ近くにあるビュッフェ形式の食堂で一緒に食べまくっている。


「エビカツもトンカツも美味しいです!」

「いいよね!私もここのカツは好きだなぁ」

遠慮なくカツを大量に取ってきた私は、せわしなく口に次々運んでいた。

まさしく食べたいだけ食べるって感じ。

課長も負けず劣らずお皿山盛りに料理を取っていた。


いっぱい食べれるって、幸せだなぁ。



……


会社に戻って来た私は、早速ジュースの缶を開けた。

これも新発売の商品だから、しっかり味わって感想を書かないといけない。


(……ちょっと味が薄いかなぁ?)

確かダイエット用とか書いてた気がする。

だけど、薄く感じるのは濃い味に慣れちゃったからかもしれない。


判断するにはもう一本飲まなきゃね。

私は机に一旦空き缶を置いて……


『(カランっ)』

「あっ!?」


どういう訳か、缶が転がって落ちてしまった。

……ああ、すぐ近くにあるサーキュレーターの風が当たったらしい。

「はぁ、全く……」

ため息を付きながら、一旦しゃがみ込んで……


『(ブチっ)』

「……えっ?」


今度は違う音が聞こえてくる。

しかも私のすぐ近くで。


「春田さん、これ……」

そして課長が部屋に戻って来た。

……来て早々、すぐにしゃがみ込んで小さな金属を拾い上げる。


「あっ、ホック!」

一瞬何事かと思ったけど、私のスカートのホックだった。

ということは……

案の上、俯いてみるとスカートのホックが弾けてるしファスナーも降りてしまっていた。


「随分立派な体型になったね~」

「は、恥ずかしいです……」

多分顔は今真っ赤になってると思う。

まさか会社でホックが弾け飛ぶなんて……!


「ちょっと待ってて」

「えっ?」

そして課長は一旦部屋を出てしまった。

どうしたらいいの?



でも1分も経たずにすぐ戻って来た。

「はい、安全ピン。

とりあえずこれで今日は凌いで」

「ありがとうございます、分かりました……」

手渡された安全ピンでスカートを留めた私は、ようやく立ち上がった。

どっこいしょって感じで。



「……課長、私凄く太っちゃいましたね」

「確かに」

撮影のためか、この部屋は鏡張りの区画がある。

というかちょうど今私たちがいる場所がまさしくそれだった。

目の前の鏡には、二人の肥満女子の姿が映っている。


しかも、体型はもうほとんど同じ……

下手すると私の方がデブってるかもしれない。


パツパツのブラウスとスカートに包まれた私……

わずか1カ月ちょっとの間でもうキツくなってしまったことに恐怖を覚える。

この短期間でまた買い替えるのは多分無理だろう。

というか恥ずかしいしお金がもったいない。


真ん丸になった顔は饅頭か肉まんみたいで、顎肉もたぷんたぷんだった。

胸はHカップのブラさえホックが届かなくなる程にデカく、今では着けられるブラが無い。

だけどお腹にどっさり乗っかってるおかげでそこまで位置は下がってないんだよね……

スイカみたいなバストの台座の役目を果たすお腹は、ボールが詰まってるかのように突き出ている。

スカートが腹肉を締め付けて段が出来上がってるのが悲しい……


お尻は正面から見ても左右に広がってるのが分かるほどで、女子二人分はあっても不思議じゃない。

シルエットがよく似た課長と並んでるせいで凄い『圧』を感じる。

そして無駄に短いスカートからは、同じく無駄に贅肉が付きまくった脚が伸びていた。

タプタプのお肉がブルブル震えるし、太くなったせいで持っているタイツや二―ハイソックスも入らなくなっている。


体重は、きっと90kgを超えてしまってるんだろう。

課長はこの前の健康診断で確か93kgだったらしい。

そんな人と同じ体型なんだから……



「……課長、どうしたらいいんでしょう?」

私は意気消沈してしまった。

楽しいけど、こんなにデブになるとは思ってなかったから。


「……大丈夫!春田さんはこの仕事に向いてるよ!」

そう言って私の背中を擦ってくれた。

「あ、ありがとうございます……」

「ねぇ、あなたは東案下商業に通ってるんだよね?

卒業したらここに就職しない?」

「え、ええ!?今からそんな話しちゃうんですか!?」


いきなりすぎる展開に驚いてしまった。

まだ1年生だよ!?


「だって仕事向いてると思うし」

「……ありがとうございます。

よく分からないですけど、元気が出てきました」

「よし!その調子で午後からもお仕事頑張ろう!」

「ありがとうございます!お願いします!」


……確かにこの人のせいで私は巨デブになったのかもしれない。

だけど、ここでバイト出来て良かったと思う。


……ところで、このペースで太ったら東案下飲料に就職する頃には何kgになってるの?

課長を軽々超える超デブになるんじゃないか……それが当面の不安かな……


(END)


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