演劇部で大食いデブの役をした部長が、更に肥満化した役をする羽目になる話(前半、3934文字、86kg)
Added 2023-08-13 14:48:26 +0000 UTC※2023 8/14 0時 文章の一部を訂正しました。
以下本文
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文化祭が終わった次の週の月曜日、私は一人きりで演劇部の部室に居た。
普段はこの時間に来るはずなのにまだ真咲は来ていない……
「はぁ……ミニ文化祭はどうしよう……」
無事に文化祭は乗り切れたし、比較的順調だったのは良かった。
だけど次が心配になる。
何せみんなが今の体型……何ならもっとデブった姿で私が派手に動くのを見たがっているから。
ただでさえ身体の重いデブなのに、これ以上太ったら軽快に動くことなど絶対不可能だと分かっている。
今の体型を維持するという条件でも吞みたくない。
60kgぐらいでいいんじゃないの?十分ぽっちゃり体型でしょ?
そうは思うのだが、周りがどう言うか……
特に真咲……
「ごめんごめん!遅れちゃった!」
「遅かったね、真咲……」
「それでさ、ミニ文化祭は何するか決めた?」
「ええ。今以上に太った役はしたくないということだけは」
「またそういうこと言う~」
そう言いながらヘラヘラと笑う真咲。
あんたは全然『肥満化する』という実害を被ってないから気楽で居られるんでしょ?
「ねぇ、真咲」
「急に真剣なトーンになってどうしたの?」
「私ばっかり太ってあんたがちっとも太らないのは不公平だと思うけど?」
「……まあ、そうだよね。ごめんなさい」
意外にもあっさりと謝って来た。
「……本当にこれ以上太りたくない感じ?」
「そりゃそうでしょ」
「だったら現状維持でいいんじゃないかな?
また似たような役をするってことで」
「……ちょっとは痩せていい?」
「少しぐらいなら……」
何だ、案外聞き分けの良い子だった。
これなら大丈夫そうだ。
だって私がデブになったのはそもそもこの子が変な事を言いだしたせいだから……
真咲さえ何とかすればこっちのものだろう。
「はい、それだったら別にいいよ」
「ありがとう」
急な態度の変化に驚いてしまうけど、まあ私にとっては都合の良い変化だから別に気にしなくていいかな……
……
しばらくの間は二人で部室に居た。
その間は次の芝居で何をしようかと色々考えてたんだけど……
「先輩たち、おはようございます!」
「おはよー」
後輩たちが部室にやって来た。
何故か部活っていつでも『おはようございます』だよね。
それはどうでもいいんだけど……
「滝井先輩!お菓子です!
みんなで買ってきたんですよ!」
「えっ……?」
「ほら、次のミニ文化祭までにしっかり『体づくり』しないといけないじゃないですか!
いっぱい食べてください!」
3人の後輩から、次々と大袋のスナック菓子を手渡された。
一体どういうこと……?
「ねぇ、もう文化祭は終わったし、これ以上役作りのために太る必要はないんだけど」
「でも次の芝居の時はもっと太りますよね?」
「はい?」
「もっと大きくなってパワフルになった先輩の演技が見たいです!」
「私も見たい!」
「拝見したいです!」
……何この人たち。
私にもっと太れって言いたいらしい。
いやいやそんなつもりは全くないけど?
「あのね、これ以上太るつもりは無いの。
仮に次も太った役だったとしても、これ以上は絶対太らないから」
「そうなんですか……」
何故か後輩たちがしょんぼりしている。
そんなに私のデブった姿が見たいの?
「……分かりました」
「はい、じゃあ今から発声練習でもしよっか」
こんなくだらない話は置いておいて、基礎的な練習を頑張った方が良い。
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10月になり、段々と暑さも落ち着き始めた。
思えばあの文化祭から既に1カ月が経ったんだ、と思う。
……そろそろミニ文化祭をどうするか決めなくちゃいけない頃だ。
ぼうっとしてると時間はどんどん過ぎてしまう。
私と真咲は部室で悩んでいた。
文化祭をどうするかで頭を抱えていた時と同様に。
「真咲、次はどうしよう……」
「まあ継実は大丈夫だよ。
だって『役作り』も順調みたいだし」
「な、何ですって!?」
「いや~、次に向けて更に自分を肥えさせるとは」
「そんなつもりじゃない!」
私は必死になって手を横に振って否定したんだけど……
……二の腕のお肉がぶるんと大きく震えている。
そう、真咲の言う通り私の贅肉は減るどころかまだまだ増加傾向だ。
だって後輩たちが大量のお菓子を頻繁に渡してくるし……
それに加えて私にファンが出来たらしく食べ物の『差し入れ』が部室に届くことも多々ある。
しかも大食い力(?)を鍛えた結果普段の食事量もかなり多くなっている。
減らそうと頑張ってはいるのだが、大量のお菓子や差し入れを消費しないといけないから……
結果、ダイエットどころではない状態に陥っている。
怖くて測ってないけど、体重は恐らくかなり増えているんだろう。
「制服だって買い替えたんでしょ?」
「そ、そうだけど……」
太り過ぎたせいでブラウスもまともにボタンが留まらなくなり、とうとう観念して最近制服を新調した。
しかし買い替えて圧迫感が一旦消え失せたせいか、自分でも油断してしまっているように感じる。
『お菓子を食べなくちゃいけないから』『役作りが求められているから』と思ってしまうことさえあるし。
「今何kgあるの?」
「……分からない」
「折角だから測ろうよ」
「じゃあ分かった」
……私も現実を直視しないといけない。
何故か部室にある体重計に脚を乗せ、体重を測ることにした。
「86kg……!?」
1カ月前の文化祭の時は74kgだった体重。
それが12kgも増えてしまっていた。
意識的に体重を増やしてた時よりも早いペースで増えている事実に自分でも引いてしまう。
このままじゃミニ文化祭の時に100kgどころか150kgとかとんでもない巨デブになってしまうかも……
体重計から降りた私は呆然とせざるを得なかった。
「お腹もかなりぷよぷよしてて揉みごたえがあるねぇ」
「ちょ、ちょっと!?」
……しかも後ろから真咲にお腹を揉まれてしまっている。
でっぷりせり出してしまったおへそ周りのお肉が、真咲の手の中でもにゅもにゅと形を変えていて……
何とも情けない。
「やめてよ!?」
「ごめんごめん、つい柔らかそうだな~って思って」
「……これ以上は、絶対太らないんだから。
今でも身体が重すぎて動き回るだけでヘトヘトになるのに……」
「そうだねぇ。もう十分太ったんじゃない?
動けるデブなのが大事なんだからね~。軽快に動けない程太るのはマズいと思うよ」
「分かってる、分かってるけど……」
後輩のお菓子や差し入れを断るのも何だか悪い気がするし……
食欲も段々と抑えられなくなってきてて……
私、このままどんどんとブクブク太る一方なんじゃないかと思えてしまう。
「継実、あんまり思いつめない方が良いよ~
文化祭も上手く行ったんだし、きっと次も大丈夫だと思う」
「また勝手な事を……」
「いや、本当にそう思ってるから」
いつになく真剣な表情で真咲は見つめてきた。
きっと本心で言ってるのだろう。
「……最低でも現状維持、できれば痩せてみせるから」
「無理しない程度に頑張って」
この子は普段不真面目なように見えるけど、そうじゃないのかもしれない……
……
部室から出た私は、正門から出て家に向かっていた。
「はぁ……はぁ……」
周りの子たちよりも若干遅いペースで歩いている私。
それなのに息は荒れてしまっている。
ただ歩いているだけなのに……全身にこれでもかと付いたお肉が揺れて邪魔で鬱陶しい。
太もものお肉がたぷんたぷんと揺れ、お尻がぶにょんと鈍く震え……
メロンを思わせる巨大な胸は歩くのに合わせてブルンブルンと激しく上下に揺れまくってしまう。
当然お腹の贅肉もぶるぶると震えまくっていた。
既に冬服に衣替えする子もいる時期なのに、汗がダラダラと流れる。
動けるデブどころか、動けないデブに変わりつつあるのかも……
そんなの、情けなさ過ぎる……
……
家に帰った後、私は久々に家の姿見で自分の下着姿をチェックしていた。
最近は無意識の内に鏡から目を逸らすことが習慣化してたから……
(これが86kgの身体かぁ……)
段々腹は更に厚みを増してしまい、大きく前に張り出して激しく自己主張をしてしまっている。
真咲がしてたように自分でもお腹を揉んでみたけど、たっぷり付いた贅肉の中に手が埋もれて行くような感覚がした。
括れなんてある訳が無い、ただただでっぷりと出っ張ったおへそ周り……
パツンパツンのショーツの上にどっさり贅肉が乗っかってて、垂れた脂肪が少し下着を隠してしまっている。
お尻は100cmを超えた時がかわいく思える程に育ち、立派な特大サイズになってしまった。
サイズを上げたはずのショーツは既にキツキツに食い込むほどで破れるのも時間の問題だろう。
太ももは丸太の如くぶっとく膨れ、最近は両脚同士が擦れて歩きにくい……
顔は頬がかなり膨れてしまい、そろそろデブの顔という印象が本格化してきた。
二重顎だって更にたぷたぷしてきたし……
デブった結果胸は更に育ち、とうとう今まで着けてたGカップのブラのホックも壊れてしまった。
持ってるブラで入るものは無く、下着を着けずに過ごす羽目になっている。
おかげで歩くだけでも凄い揺れ方だし、制服越しでもハッキリ分かってしまう程。
流石にちゃんと買い替えるつもりだけど、どうせすぐに入らなくなるだろうなぁとも思ってしまう……
まぁ、こんな感じで中々凄いデブになってしまっている。
当然姿見を視界にも入れたくはない。
だけど、私は見たくもない自分のデブった姿を目に焼き付けていた。
これ以上太らない、ちゃんと食欲も抑えて痩せるという決意を固めるために。
ただでさえ太り過ぎなのに、これ以上太るなんて絶対あってはいけない。
そんな思いが自分の中で強まってくる。
「今日から、ちゃんと痩せるからね」
私は自分自身に向けてそう宣言し、今からお菓子を食べるのをやめることにした。
これからはしっかり体型を元に戻していくんだから。
……できるよね?ねぇ、私?
(続く)