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『食欲を操作する謎の装置』のせいで太る女子高生の話(限定公開後編、4037文字、姉102→97kg・妹60→56kg)



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今日は夏休み最後の日。

明日から学校に再び登校しなきゃいけない。

何だかんだであっという間だったような気がする……


そんな感じでちょっと憂鬱だけど……

でも楽しみにしていることが一つある。


(やっと今日届くんだね……)

リモコンが届くというメールが一昨日に来て、今日配送予定になっている。

とうとう私の食欲が普通になると思うと嬉しい。


(……待ってる間お菓子でも食べよう)

でも今はまだお菓子が食べたい。それもリモコンのせいだからしょうがないよね。


あぁ、チョコチップクッキーが美味しいなぁ。

サイダーも一緒にゴクゴク飲んで、良い気分。



『(ピンポーン)』

遂にやって来た。

「はーい!」

私は立ち上がって、そして外に出ようとしたんだけど……


「ちょっと!お姉ちゃん!そんな恰好で出れないでしょ!?」

「えっ!?」

「私出るから待ってて!」

妹に制止されてしまった。



(……そりゃそうだよね)

良く考えなくても当たり前の話だった。

何せ私は今……上はキャミソール、下はショーツだけという酷い有様だから。

穿いていたスカートは……3日前にビリっとお尻の部分が勢いよく裂けてしまった。

どうしようもないデブなんだよね……

しかも上は上でブラもホックが壊れて使い物にならない状態だから、中々とんでもない状況になっている。


『(ぷるんっ、ぷるんっ……)』

ちょっと歩くだけでも巨大すぎる胸が激しく揺さぶられ、思いっきりキャミソールの生地が動いてしまう。

そしてその下は、これでもかとせり出した真ん丸なお腹が丸見え……

こんな姿でダラダラしている私は、もう女子高生として色々終わってると思う。

服を買いに行くことさえ面倒になってしまってるし、自堕落にも程がある。


しかし、食欲が異常なほど湧いてしまうのが悪い。

昔からこんなに食べてたような気がするけど、リモコンがそう思い込ませているんだと思う。

今の状態でも多分100kgはあるんじゃないかな……このままだと150kgとか200kgになるかも……

本当に100kg越えしてるかは知らないけど、怖くて体重計に乗る勇気がない。



「お姉ちゃん、届いたよ。

リモコンを使って頑張って痩せなきゃね」

「出てくれてありがとう……」

ちなみに目の前にいる瑠実は現在60kgになったらしい。


お腹を見れば辛うじて括れているように見えなくもないし、顔はそろそろ二重顎が解消されつつある。

依然としてぽっこりとおへそ周りが出っ張っているとはいえ、割と悪くない体型だと思う。

お尻や太もものムッチリ度合いも程よい感じになってきてて、順調にダイエットが進んでいるのがよく分かる。


「私もこれでやっと痩せれる……」

箱から例の機械を取り出した私は、すぐさま自分自身に向けた。

そして食欲ダウンボタンを間隔を空けて押していく……


『食欲が20%減少しました』……『食欲が更に20%減少しました』……


……

『これ以上食欲を下げるのは危険です。処理を中止しました』


何回もボタンを押し、やっとのことで食欲を元に戻すことができた。


「良かったね!お姉ちゃん!」

「私も瑠実みたいに痩せるんだから」



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謎のリモコン騒動も終わり、私と妹の食欲も普通のレベルまで抑え込むことができた。

……もう1カ月が経ったんだなぁ。

正確に言えば、食欲が増えてバクバク食べまくっていた『はず』という感じだけど。


だって、夏休み中私が馬鹿みたいに食べまくっていたという覚えがないから。

普通に規則正しい食生活を送っていたという風にしか感じられない。

だけど、証拠のために残しておいたレシートや写真はそのまま残っている。

妹に撮ってもらった大量のお菓子を抱えている写真もちゃんと残してるし。


実感はあまり湧かないけど、動かぬ証拠を見る限りでは異常な食生活だったのはすぐ分かる。

同時に、自分の意識を変えてしまうリモコンの強力さにも恐怖を感じるよ……

ちなみに瑠実の方も私が過食状態だったことを覚えてない。

私も妹が急に激太りする程食べていたような気がしないんだよね。

どうも使った人と近くにいる人、両方の認識を変えてしまうみたい。

というかネットにあった説明書にそう書いてあった。


しかし……今の食欲は普通でも、異様に食べまくっていた影響は今でも色濃く残ってて……


(はぁ……いつになったら元の体型に戻れるんだろう……)

鏡に映る私は、先月とほとんど変わらないように見える。

数字上は5kg減ってる……らしいけど巨デブには変わりない。

体重も100kgは下回ったらしい……でもどうでもいいよね……


顔は首が顎肉で隠れる程で、大きい方だった眼は頬肉でちょっとだけ小さくなってしまった。

二の腕は周りの子の太ももより太い感じで、手を動かすたびにお肉がぼよぼよ震えている。

そして胸はHカップのブラが必要なほど膨れていて、制服姿でもどデカいバストが突き出してるのが分かりやすい。

下着のサイズ感もそろそろ凄い感じで、こんな大きなブラを着けてるんだ……って謎の感慨を覚える。


まあ、ショーツも馬鹿デカいんだけどね……

胸はまだいいとして、お尻がここまで大きくても困るだけ。

太ももだって歩くだけでもブルンブルン贅肉が左右に震えるし、極太の脚を見せるのが恥ずかしくてしょうがない。

制服も私服も下着も……何もかもデカくて何だか憂鬱になる。

でも、それ以上に私の身体がデカい。

今着てる制服は特注を除けば一番大きなサイズだけど、それでもキツい位だし。


だって胸のボタンは既に2回弾け飛んでるし、スカートのホックは1回飛んでしまっている。

今はプールで泳がないけど、サイズが小さくて色々食い込んでしまう水着で泳ぐのは罰ゲームだった。

というかミニスカの制服で登校すること自体、十分罰ゲームかな……

ここの制服、どうして大きなサイズでも丈が短めなの?

周りだってみんな太ももをしっかり見せてるし、私だけ長くしても変だなと思うけど……



「お姉ちゃん、ダイエットは順調かな?」

「数字上は、ね……」

体重はおかげで少しずつ減ってはいる。

だけど97kgを40kg台まで落とすのは凄く大変だと思う。

高校生の間はデブキャラで通すしかないのかも……


それに比べて瑠実はかなり痩せてきている。

「今何kg?」

「56kgだよ」

「すごいね……もう標準体型じゃん」

「まだ太目だけど……まあいいかな」


確かにもっと痩せてる子はたくさんいるし、ちょっとぽっちゃりしてる気もする。

だけど未だに100kg近い立派なデブである私に比べたら全然大したことは無い。


「むしろ今ぐらいの方がムチムチしてて良いんじゃないの?」

「そ、そう……?喜んでいいのかな……?」


照れ気味にそう返事する瑠実。

実際今の姿はバランスがいい気がする。


お腹はちょっとぷにぷにしてるけど、それもまた愛嬌がある。

割とムッチリした太ももはそれはそれで魅力的。

丸みのある顔もかわいいし、全体的に見たら良い感じだと思う。

一度太ったせいか胸だって太る前よりも更に大きくなってるし。

正直バストが大きいから全然太ってるように見えない。


……って、よく考えたら、瑠実って確か元々55kgだったよね。

ほぼ元の体型に戻せたって事……?

でも前見た時よりもずっとスタイルが良く感じる……


……なるほど、以前は私の方がずっと痩せてたからだらしない弛んだ身体に見えてたけど……

今は私の方が遥かにデブだから、痩せて見えるってことなんだね……



「瑠実さぁ、ほとんど太る前の体型に戻せたんだからそれでいいんじゃない?」

「お姉ちゃん、せっかくだから50kg切ろうかなって思ってるんだよ」

「別にそこまで絞らなくたっていいんじゃない?」

「でもこのペースだったら達成できそうだしー。

46kgになったらやめてもいいかな」


46kg……それはリモコンが来る前の私の体重だったはず。

でもあと10kg痩せたらそのレベルに到達できるんだよね……

元々瑠実はお菓子大好きで太り気味な子だったのになぁ……


一方で、私は50kg減らさないといけない……

幸い食欲は普通だから、特に意識せずともすんなり痩せていくはずだと思う。

だけど……果てしないのは確かだった。


しかも、学校ではすっかりデブキャラが定着しているのも問題なんだよね……

『デブなのに全然食べない』って感じで不審に思われるし。

『無理して痩せなくてもいっぱい食べたらいいじゃん』とか言われることもある……

そのせいでお菓子とかを押し付けられることも多々あるし。

だけど食欲が普通だから貰ってもどんどん溜まってしまう……



「ねぇ、瑠実」

「何?」

「あのリモコン、買って良かった?」

「お、お姉ちゃんにとっては最悪だったね……」

「……そうだね、最悪だった。

私も悪いんだけどね」


思えば最初から自分の食べてる様子を写真に記録したり、レシートとか残しておけばよかった。

そうすれば比較的早くからおかしいことに気づけたはずなのに。

変わってしまうのは使う人と周りの人の意識だけで、それ以外に影響はないから……


「まあ、でも瑠実が元の体型に戻れてよかった。

私もあなたも巨デブだったらこの部屋はどれだけ暑苦しかったことか」

「あはは……確かに……」



「お姉ちゃん、運動したらもっと早くダイエットできるんじゃない?」

「運動、かぁ……」

「だってできるだけ早く痩せた方がいいじゃん。

あと、ダイエット手伝うよ?元はと言えば私のせいなんだから」

「……悪いのはこんなリモコンを売った人と、作った会社だよ……

気にしないで。でも、ダイエットに協力してくれるなら嬉しい」

「じゃあ今日から一緒に走ろう?」


……何だか瑠実も頼もしくなったなぁ。

もともとこんな子だったっけ?

それともリモコンの影響だったりして……なんてね。


「分かった」

「そうこなくっちゃ!まずは5km走ろうよ」


……5km!?

いやいや、そんなに走ったら倒れてしまう。


「無理だよ、急に……!」

「いやいや、ここで自分を甘やかしたらずっとデブだよ?

頑張ろう!」

「は、はい……!」


瑠実に引っ張られ、私はやむなく走ることになった。

……まったく、どっちが姉なんだか……



(END)


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