陸上部を引退した女子高生がクラスメートに誘われて食べ過ぎる話(限定公開前半、66kg、3249文字、後半は今月中に投稿します)
Added 2023-06-06 14:56:23 +0000 UTC※2023 6/7 0時 文章の一部を訂正しました。
なお、毎月投稿している『限定公開部分が10000文字以上の小説』もこの小説とは別に投稿しますので、お待ちください。
この小説の続きは、今月中に投稿いたします。
以下本文
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季節は梅雨に入り、雨も続いている。
でも今日は珍しく天気は快晴だ。
土曜日だから学校の授業も無いし、折角だからランニングでもしようかな。
そう思って私は久々にランニングウェアを引っ張り出してきた。
現役時代に着ていた競技用の運動着で、かなり布地の面積は小さい。
おへそがハッキリ見えるレーシングトップとブルマみたいなレーシングショーツ……
鍛え上げられた脚や腹筋を見せ、そして空気抵抗も抑えられる衣装だ。
……だけど、それが様になるのは『鍛え上げられた身体』を持っている場合だけである。
(はぁ……何これ……?)
5月と比べても一周りは太ってしまった私のボディ。
そんな状態でこんな服を着たところで似合うはずがなかった。
まずレーシングショーツはピチピチに引き伸ばされ、今にも生地が破けそうになっている。
今ではどう見ても大きい……いや大き過ぎるレベルに育ったお尻を、こんな小さなショーツで包み切れる訳が無い。
そしてすっかりたくさんの贅肉が付いてムッチムチになっただらしない太ももが丸見えになっている。
こんなに贅肉がたっぷり付き、筋肉の見えなくなった下半身で陸上競技などできるはずもない。
上半身も悲しい状態で、でぷっとしたおへそ周りが露出してしまっている。
本来は括れと筋肉の美しさを見せつける服なのに、弛み切った段々腹を公衆の面前に晒す衣装に様変わりしてしまった。
柔らかい贅肉はレーシングショーツの縁にぼよっと乗っかり、歩く度にぶるぶると鈍く震えている。
元々丈の短いレーシングトップは胸が大きくなったせいで更にずり上がってて、もうスポブラ同然だ。
胸はDカップどころかFカップの領域になり、ウェアがぱつんぱつんでバストの形が浮き出てしまっている。
まあ、女子高生としては自慢できる程のサイズだけど……こんな運動の邪魔でしかない贅肉の固まり、要らないって……
ちなみに二の腕もタプタプだし、顔もかなり丸くて二重顎が段々と当たり前になってきている。
こういう感じで、かつて似合っていたはずのウェアは今や羞恥心を抱かせる衣装でしかなかった。
(どれ位太ったんだろう……)
気になった私は体重計にそっと脚を乗せたんだけど……
「66kg……もうデブだよね……」
3月までは颯爽と軽快に走っていたのが嘘みたいな、デブった身体。
現役だった頃の写真や動画を見せなかったら、私が陸上部だったなんて誰も信じてくれないと思う。
こんな肥満体になってしまったのは……
(貴奈……あの子が悪いんだから……)
元はと言えば貴奈が食べ放題で大食い勝負を挑んできたせいだ。
そして今でも毎週2人でいろんなお店を巡って食べまくる状態が続いている。
これ以上は太りたくないと言ってるんだけど……それでも勝負は終わりそうにない。
……確かに私が負けた時は『次は勝つからね!』とか言っちゃうから……こっちにも落ち度はあるけど……
だけど、こんなに太ったのは碌に運動できなかったのが大きい。
食べる量自体は現役時代と変わらな……
ま、まあちょっとは増えたかな……という感じだから、しっかりとハードな運動をこなせば脂肪を燃やせるはず。
何せこの間までは縦横無尽に駆け抜けていた訳だし……なまったとはいえランニングぐらい楽勝だよね?
そんな風に自分に言い聞かせながら、この恰好のまま外に出た。
恥ずかしいとはいえ、これが自分の本来の服装なんだから……恥じらう必要はないはず……
……
「はぁ……!ひぃ……!
全然、違うよぉ……!」
別に競技でも無いし、1時間ゆっくりと走るぐらい難なくこなせるだろうと高を括って外に出た訳だけど……
現実には10分で息が上がり、もうヘトヘトになってしまっている。
かつてと身体の重さが全然違う。
現役時代から20kgもの増量を重ねたボディはとても重たく、走るのがかなり辛い。
それでいて脚の筋肉量は平均的な女子高生と大差ない水準にまですっかり落ちてる訳だから……
何の問題も無くランニングできる訳が無かった。
全身のお肉がプルプルと揺れるのもかなり怠い。
太ももにたっぷり付いた駄肉がタプタプ震えるのが……すごく屈辱的に感じる。
『こんなはずじゃない!』と叫びたくなってしまう。
お腹も歩いてる時同様に揺れ動いてるし……
何より、無駄に大きく育った胸がブルンブルンと大きく上下に揺れるのが一番しんどい。
Bカップの頃でさえ邪魔者に感じてたのに、今はその比じゃない程に鬱陶しく感じる。
しかも大げさに揺れるせいで通行人からバストを凝視されることも……
とても情けない……3カ月前まで陸上競技をしてたはずなのに……
これじゃデブがサイズの合わないウェアを無理やり着て、ひぃひぃと言ってるだけだ。
「もう無理……歩こう……」
これ以上走る体力も気力も無い。
私はただゆったりとウォーキングして帰ることにした。
……
「これじゃ痩せる訳が無いよね……どうしよう……」
汗だくになって家に帰った私は、シャワーを浴びてから自室のベッドに寝転んでいる。
正直、もう現役時代の脚力を取り戻すなんて不可能な気がした。
2年間入念に鍛え上げた身体が、いとも簡単に帰宅部の女子たち並み、
いやそれ以上に緩んだボディに変わってしまうなんて……
女子の身体というのはこんなにも贅肉が付きやすく、筋肉が維持しにくいとは思ってなかった……
今からあの筋力を取り戻すには、毎日何時間ものトレーニングが必要だろう。
でも3年生になり、受験も少しずつ迫って来た私にそんな暇なんて残されていない。
……これ以上太らないためには、食事量を制限するしかないよね。
だって運動してないんだから。
現役時代からグッと抑えて周りの小食気味の女子たちに合わせる程にしなきゃ……
(よし、今日から食べ過ぎないように……)
『(ぐぅぅぅぅ……)』
……曲がりなりにも長時間運動したからか、お腹が空いてしょうがない。
でも今我慢しなきゃもっと太ってしま……
あっ、貴奈から連絡が来てる……
『今日も大食いに行くよね?』って……
『今日で最後にして欲しい』って書いておこう……
そう、さっき運動したから……今日は多少食べ過ぎても大丈夫だ。
明日から食事量を真っ当にして、空き時間に多少運動すれば何の問題も無い。
だって私は元々は腹筋も割れて括れはくっきり、下半身は引き締まっててスポーティーな女子高生なんだから。
勉強で時間が無いって言っても多少は走れると思う。
今のぽっちゃりした身体は一時的な姿でしかない。
……今日の大食いは勝ちたいなぁ。
だって最後の試合は有終の美を飾りたいし。
……
「いやーごめんねー。今回は勝っちゃったよ!」
「ま、負けた……」
しかし、お腹をかなり空かせて挑んだはずの大食い勝負は……まさかの敗北だった。
貴奈も相当に胃袋を鍛えているらしく、中々の強敵になっている。
……食事量を増やしてるせいか、もっと丸っこい体型になってるような。
顔だって完全に二重顎で頬は丸々してるし、お腹はかなり前にせり出してしまっている。
胸はとても巨大になり、今に突き破るんじゃないかと思えるほどにトップスの生地が張り詰めていた。
スカートはデカいお尻にピッチリ張り付いてるし、太ももはかなりのタプタプ。
気付けばぽっちゃりどころか随分と立派なデブに変化している。
……こんなだらしない体型の子に比べたら、まだ私はそこまでデブじゃないよね?
だって今の貴奈は70kgどころか80kgはあってもおかしくないし。
私はまだ66kgだから相対的に痩せている方だ。
まあ、そこまで私は太り過ぎてる訳でもないし。
元々ちゃんと運動する習慣は付いてた訳だから、帰宅部や文化部の女子たちとは訳が違う。
今は受験やらで忙しいから太っちゃっただけ。
本気を出したらあっという間に元の美しいボディラインを取り戻せるはずだから。
だから……もう一回大食い勝負をリベンジしてもいいよね?
「どうするの?今日で終わりにする?」
「……いや、もう一回だけ勝負しよう」
「そうこなくっちゃ!今度も勝つからね!」
「次こそは勝つんだから……!」
本当に次で食べ放題に行くのは終わりにするから。
(続く)