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「脱出ゲームの館」に足を踏み入れた女子高生が肥満体になって脱出する話 全文(最大114kg、公開部分3310文字+限定公開部分12678文字)


”『学校帰り、東案下駅に着いた私は新しく出来たケーキ屋さんに寄ろうと違う道を通りました。

今から思えば寄り道なんてしなかった方が良かったのに……』”



---



いつも通り学校が終わり、帰宅部の私はさっさと高校を出て駅に向かった。

それに今日はケーキ屋さんに寄り道したいんだよね。



東案下駅で降りた私は、オープンしたてのケーキ屋さんに寄るために普段と違う道を通ることにした。

通ったことの無い場所だけど、携帯で道案内もしてくれるし特に何の問題も無いよね?

そんな感じでのんきに歩いてたんだけど……


「『本日臨時休業』!?」

残念だけどお店は閉まっていた。

「はぁ……折角来たのに……」

一体どうしよう……残念だけど引き返すしか無いかな……


テンションの下がった私は、このまま家まで帰ろうとした。

……帰ろうとしたんだけど。


「あれ、こんな建物あるんだ……」

ケーキ屋さんの隣に、洋館みたいな建物が立っている。

しかも新しい感じ……何だろうこれ……


気になった私は敷地内に入り、そして門の前に立ってみた。

そこには看板が立っていて何か書いてある。

読んでみると、『脱出ゲームの館にようこそ。入場料1000円。

ただし早く出場できた方は5000円プレゼント!』と書いてあった。


「へぇ……5000円貰えるんだね……」

入場料も1000円ぐらいでそこまでは高くないし、上手く行けば4000円プラスされて返ってくるわけでしょ?

家に帰ったところで何かするわけでもないから入ってみようかな。


私は入り口に設置された券売機に1000円札を入れた。

出て来た券にはコードみたいな模様が書いてあって、

『扉の読み取り部にかざしてください』という指示もある。


書いてある通りにかざしてみると、自動扉がさっと開いた。

一体どんな仕掛けがあるんだろう……楽しみだけどちょっと怖い気もする。

そんな思いを胸に抱いて私は建物の中に入っていった。



……


館に入ると、案内の看板が立っている。

『脱出ゲームの館にようこそ。

この施設では一般的な脱出ゲームとは異なり、一本道を道なりに進んでいただくだけで外に出られます。』


……えっ、それじゃ脱出ゲームじゃないじゃん。

不審に思った私は続きを読み進めることにした。


「ただし順路の途中には『5つの試練』があり、それを突破することでカギを集め、5つのカギを使って脱出する形となります。

では、矢印の先にお進みください。」

なるほど……道自体は単純だけど、途中に何か仕掛けがあるってことだね。

それを突破するのに時間が掛かったりするんだと思う。


何となく分かったから、とりあえず矢印の方向に進んでいこうかな。

このルート以外に通れそうな道も無さそうだし。



順路を進んでいくと、狭い一本道の通路に入った。

薄暗くて嫌な感じだけど進むしかない。


しばらく進んでいくと、ちょっとした部屋に出た。

その部屋には3つの扉が並んでいて、看板がまた設置されている。


「えっと……これが『第1の試練』?」

どうやらこの部屋が最初の試練らしい。

説明には『3つの扉の中から、お好きなものを選んで進んでください。

どれを選んでも進むことはできます。』とある。


あれ、どれを通っても進めるんだ。だったら特に試練でも何でもないような……?

そう思ったんだけど、よく見たら扉の中央に数字が書いてある。


左には0、真ん中には15、右には30という数字が。


「……これって何か意味があるの?」

当然、何の意味も無いとは思えない。

どれを通っても先には進めるんだろうけど、扉の先が違うのかな。

そして数字はそのヒントだったり……?


もしかしたら、進んだ先で「15回」何かをするとか?

それとも「30度」の坂道だったりして……


意味は分からないけど……でも、0というのも怪しい感じがする。

数字自体に意味は無いってパターンかな?

15や30という意味不明な数字で敬遠させて、0に誘導したいのかもしれない。

そしてやたらと長い通路を通らせて、遠回りさせるという作戦かも。



……私はしばらく考え込んでいた。

どれを選んでも良い結果になる予感がしない。


……でも、ずっと何もしないままじゃ時間が無駄に過ぎるだけ。

3つとも次には進めるんだから……とりあえず真ん中の15にしよう。

私はゆっくりと歩みを進め、そして15の扉を開いた。



その先には小さい部屋があって……


『(プシュー……)』

壁に設置されてある管から蒸気みたいなものが噴き出してきた。

部屋全体がミストで包まれる。


「な、何これ……!」

訳が分からず混乱する私。

後ろを振り返って扉を開けようとしてもロックが掛かってるし、前にある扉も開かない。

ちょっと待って、訳分かんないんだけど!?



……でも、幸い1分ぐらいで噴射は終わった。

そして目の前にある扉も自動で開いている。


「はぁ……良かった……

でも最初から結構大変な試練だなぁ……」

扉を開けるだけかと思いきや、蒸気に晒されることになるなんて……

服も濡れてるし、かなり嫌な感じがする。

あと4回何かあるってことだよね……もっと面倒なことになりそう……


ブルーな気分になりながらも、私は開いた扉の先に出た。

するとさっきみたいな狭い通路と看板が。


看板には『「第1の試練」、通過おめでとうございます。

こちらが1つ目のカギです。』と書いてある。


「ふぅー、あと4つ集めないと……」

看板の隣に置いてある箱からカギを取り出し、バッグの中に入れた。

この看板、まだ何か書いてるなぁ……


『この試練では、3つの扉を選んでいただきました。

そのいずれかを選んでも、この通路までたどり着きます。

ただし、途中の部屋に仕掛けられている「トラップ」が異なっていました。

0の部屋は何も無し、15の部屋は15kg分増量するミスト、30の部屋は30kg分増量するミストが噴出されます。

この文章をここまで読んだ頃には効果がほぼ現れているでしょう。』


「……何これ?15kg増量って……もしかして体重のこと!?」

何が増量するのかは書かれていない。でも考えられるとしたらそれしかないよね……?


で、でもまさかこの短期間で太る訳……


『(ぷにょん)』


太る訳無いと思ってたけど、お腹を触ってみると柔らかい贅肉がしっかり掴めてしまった。

いやいやここに来る前はウエストも一応括れてたし、多少脂肪が乗ってたとしてもこんなに大量じゃなかったはず!

でも今は制服越しにもお肉の感触がよく伝わってくる。


それだけじゃなくて、着ている制服がキツい。

余裕があったはずのスカートはお腹を締め付ける感じがするほどで、あと少しでホックが弾け飛びそう。

ブラウスも胸の辺りの余裕が無くてパツパツになってるし……

しかも着けてる下着も結構キツいんだよね……


スカート越しにお尻を触ってみると、何だかサイズが1周り以上大きくなった気がする。

その下の太ももにも贅肉が結構付いた感じがするし……

顎を触ってみてもお肉がそこそこ摘まめてしまう。



……明らかに気のせいじゃ済まされない程に太ってる。

もしかして、今から続く試練もみんな太っていくものばっかり?


「う、嘘でしょ……?あと4回も太るってこと……?」


今で15kg太ったってことだから……最終的に60~70kg位増えても不思議じゃない。

元々が49kg……だとしたら120kg位の巨デブになってるのかな……?


でも、入ってしまったからには後戻りできない。

さっき小部屋から出るのに通った扉は閉まってるし、ドアノブも無いからどうしようもないよね。

進んでいくしか道が無い。


「これ、入っちゃいけない建物だったんじゃ……」

今やっと気づいたんだけど……もう遅い。

とにかく進まないと出られないから、歩くしかないよ。



そう思って、私は再び歩き始めた。

……急に15kg増えたから、身体が重たいなぁ。



---



私は重くなった身体で進んでいく。

次の「試練」までは少し距離がありそうで、暗くて狭い通路をずっと歩く羽目になっている。

それにしても……色々キツいなぁ。

スカートやブラウスが窮屈なのもあるし、下着のサイズが合ってないのもある。

ブラは大きくなった胸を上手く包み込めてなくて、はち切れそうな感じ。

ショーツもサイズアップしたお尻に食い込んじゃうし、かなり不快感がある。


男の人でも嫌だと思うけど、女子高生の私にとってはかなり辛い「試練」に感じるよ。

単純に太ること自体も嫌だし、しかも服の締め付けが……

細いジーンズとか穿いてきてたら、脚とかギュッと締め付けられて凄いことになっていたかもしれない。


……さっきの扉は、0を進むべきだったんだね。

30じゃなかっただけマシだけど……太るのを回避したかった。

次はどれだけ太るんだろう……



しばらく歩くと、再び部屋に出た。

そして案内の看板も立っている。


『ここは「第2の試練」です。

今からテーブルに置かれるハンバーガーをできるだけ早く、たくさん食べてください。

制限時間は10分間です。なお、4個食べることができなかった場合、20kgの増量が待っていますのでご了承ください。』


「2、20kg……食べるしかないよね……」

ただでさえぽっちゃりしてしまった身体なのに、更に20kg太るとか考えたくもない。

じゃあ、何が何でも食べまくるしかないよ。


壁の方を見てみると、既にハンバーガーが置かれている。

しかも量が凄い。12個も置いてるし……

あと、ドリンクも大量に用意されている。


とにかく食べるしかない。

私は近くにあったハンバーガーを手に取って、思いっきり口を開けて食らいついた。


(あっ、結構美味しい……)

意外にもハンバーガー自体は美味しく、パティも肉汁が結構あって肉厚がある。

トマト、レタスにピクルスと単純な構成だけど、シンプルに素材が良い。

……味わってる場合じゃないよね。さっさと食べ進めないと。


最初のバーガーを食べ終わってから、一旦ドリンクを飲む。

ちなみに中身は普通のお茶だった。コーラとかじゃないんだね……

次はこれを食べて……あっ、今度はチーズがたっぷりでもっと美味しい……

でもすぐに平らげてしまわないと!

無我夢中で私は食べ続けた。



『(ピピ―ッ!)』


5個目を丁度食べ終わったところで、笛の音が部屋に鳴り響いた。

どうやらこれで食べるのは終了らしい。


『あなたは5個食べたので、20kgの増量は免除されます。

それではお進みください』

アナウンスが流れ、そして降りていたシャッターが上がり通路の続きが出現した。

はぁ、何とかセーフだったけど……


「お腹、はち切れそうだよ……」

服の上からお腹周りを擦った。

凄まじい勢いで詰め込んだせいで、かなり苦しい。

でも、とりあえず先に進まないと……


開いた隙間を通ると、またさっきみたいな狭い通路に出た。

そして恒例の看板がお出迎えする。

しかも、なぜか全身を映せる鏡まで置いてあるし……


『「第2の試練」、通過おめでとうございます。

こちらが2つ目のカギです。』

はいはい、ここにある箱からカギを取ればいいんでしょ?


カギを取ってから、私は続きの文章を読んだ。

『この試練では、ハンバーガーの早食いに挑んでいただきました。

今回使用した食品はいずれも特殊な加工が施されており、食べた後すぐに栄養に変化します。

この文章を読み終える頃にはかなりお腹が楽になっていることでしょう。

なお、このハンバーガーは特殊な技術によって1個辺り4kg増量するように設計されています。』


「……はぁ!?

それじゃ、4×5で20kg太るって事じゃない!」


さっき4個食べれなかったら20kg太るって書かれてたけど……結局増量するんだよね。

どうあがいても16kgは太るし、何なら3個でギブアップしたら12+20で32kg太ってたってこと……

それに比べたらまだマシだけど、20kg太るってことは80kg以上のデブになるってことだよね。


こんな風に考えてる間にも、どんどん食べ物が脂肪に変化して……


「うぅ、き、キツいよぉ……」

身体が内側からどんどん膨らむ、そんな感覚がする。

お腹は当然のこと、胸も、お尻も、どこもかしこも膨張してサイズが大きくなって……


「(ブチッ……)」

まずスカートのホックがお腹に耐えきれずに弾け飛んだ。

そりゃこんなに太ったらしょうがないと思う。

しかもファスナーも少しずつ降りて隙間が広がって来た。


当然それだけに留まらない。

ブラウスはどんどんピッチピチに引き伸ばされ、ついに胸のボタンが一つ弾け飛んでしまった。

お腹のボタンも今にも取れそうになり、慌てて外して事なきを得たと思ったら……


「(バキッ……)」

何やら変な音が身体から聞こえる。

……その正体はすぐに分かった。


さっきから尋常じゃないぐらい押さえつけられていた胸が、とうとうブラのホックを壊してしまったらしい。

束縛の解けたバストが一気に飛び出し、その勢いでブラウスのボタンがもう一つ弾け飛んじゃった。


俯いてみると、そこには入る前とは別物になった胸が大きく突き出てて……

「こ、これ……私の胸なんだよね……」

試しに持ち上げてみると、ずっしりと重量感を感じた。

どう考えてもかなり巨大で、それこそGやHカップはありそうな立派なサイズだと思う。


胸が大きくなったのは良いことかも、と一瞬思ったんだけど……

でも……看板の横に設置されている鏡を覗くと……そんな気持ちもすぐに消えてしまった。


「ま、まだ2つ目なのに……こんなに太ってるの……?」

細い感じだったはずの顔は丸々とした輪郭に変わり、二重顎もしっかり姿を現している。

標準サイズだった胸は巨大なサイズに育ち、凄いふくらみになった。

でも……ブラの支えが無いからか、ちょっとだらしなく垂れてきている。

それだけじゃない。お腹は結構出っ張ってるとは思ってたけど……

丸みをしっかりと帯びてせり出したウエストを見ると、凄くげんなりしてしまう。

ボタンを開けた隙間からは、白い素肌とおへそがしっかりと見えている。


そして下半身も当然太くなってしまい、スカートの下から出ている太ももは極太になっていた。

ムッチリとした贅肉が大量に乗った太ももは倍ぐらいの太さになり、もっちりしたお肉で内股の隙間が埋まっている。

スカートに包まれたお尻は、制服の上からでも丸く突き出した様子がよく分かるほど。

穿いているショーツはこれでもかとミッチリ食い込んでいて、締め付けられすぎて痛い。

多分もうすぐ破けて、何の役にも立たない布切れに変わってしまうと思う。


……スカートもファスナーが全部開いてる状態だし、ブラウスもまともに閉まらない。

下着はブラが着けれなくなり、ショーツも破ける寸前……

それなのに、まだ40%しか終わっていない……



「どうして……?なんでこんなに太らせるの?

何がしたいの……?」


誰もいない、この孤独な通路でひとり呟いた。

この施設を作った人は一体何がしたいの?

ブクブクと太らせるのが目的?


怖いし、意味が分からない。

でも3つの試練を突破しないと出る事すら叶わないよね。


……何か解決策はないかと携帯を取り出して調べようとしたんだけど……

こんな時に限って充電が0になっていた。


……私には、ひたすら進むという選択肢しか残されていない。

もう、進むしかないよね……


私は鏡の前で立ち尽くすのをやめて、再び通路を歩くことにした。

……本当に、「試練」って感じがする。

女の子にとって、ブクブク太るというのは特に恐ろしい事だし……

いや男子でも35kgもいきなり太るのは流石にショックだと思うけど。


次はどんなトラップが待ち受けてるんだろう……



---



私はさっきよりも更に重くなった身体で歩いている。

35kgの重りを背負って動いてる状態だからゆっくりと進んでるだけなのに辛い。


『(ゆっさ……ゆっさ……)』

何せ、下着を着けてない胸がブラウスの束縛をも突き破ろうとして揺れまくっている。

メロンみたいな二つのバストがたゆんたゆんと大きく上下して、何とも品がない……

胸以外にも、ぶよぶよに膨れた太ももが擦れ合って痛いし、お肉がプルプル震えてるし……

デカく横に広がったお尻もぼよぼよ揺れて、バストと同様に下着を破きそうになっている。

でっぷりと大きくせり出したお腹も鈍く震え、二の腕や顎のお肉も揺れていて……


要するに、今の私は全身のお肉が重苦しく……そして揺れまくっている。


(何なの本当に……一刻も早く出なきゃ……)

デブになった身体で俊敏には動けないけど、極力早く歩みを進めたい。

こんな場所に一秒たりとも長く留まりたくないから。



……


「はぁ……はぁ……やっと看板が見えてきたよ……」

走っても無いのに汗はたっぷり流れるし、息は上がるし……

本当に自分の身体じゃない気分になる中で、ようやく次の部屋にたどり着いた。


案内の看板を読むとこんな表記が書いてある。

『ここは「第3の試練」です。

中間地点のため、体重の増加はありません』

「えっ、太らないんだ……」


ここに来て意外な展開だけど……でもこんなに太らせてるんだから今更感が凄いよ。

まあ太る回数が思ってたよりも1回少なくなったってことだし、別にいいか。

それで何をしたらいいの?看板の続きを読もうっと……


『この部屋には左右それぞれに3つのロッカーが設置されています。

お好きなものを開けて、出て来た服に着替えてください。

なお、着替えるための個室はロッカーの隣から入ることができます』と書いてある。


着替えるだけでいいの?最初の試練みたいにあっさりしてるなぁ。

でも何か罠が仕掛けられてるんじゃないかと怖くなる。


とにかく試練をクリアしなきゃと思って、左の方にあるロッカーの前に来てみたんだけど……

『このロッカーには女子用の服が格納されています。男子用は反対側にございます。』

と説明書きがあった。


そしてそれぞれのロッカーに何か文章が添えられている。

『1:小柄な方に』、『2:普通の体型の方に』、『3:大きな服が欲しい方に』……


これって、普通に考えたら3つ目のロッカーを開けるしかないよね。

だけど何か罠がある気もする……文面と実際に入ってる服が違うなんてあり得そうだし……

そう思わせて本当に書いてある通りってこともあるのかな……



……悩んでも結論は出そうにない。

これじゃ時間がどんどん過ぎて行くし、最初の時と一緒だよね。

だったら……もう文章通りに3番を選ぶしかないかな……

私は緊張感を抱きながら3つ目のロッカーを開けた。


そこには黒い袋が置いてあり、『更衣室で開けてください』との注意書きもある。

中身が知りたいし、すぐさま私は隣にある部屋に入った。


更衣室には鏡と小さなテーブル以外何も置いてない。

まさかここに変な仕掛けは無いと思うけど……油断しちゃダメだよね。

そう思って袋から気になる中身を直ちに取り出したんだけど……


「な、何これ……!?」

出てきたのは陸上選手が着てそうなユニフォームだった。

しかも布面積のかなり少ないレーシングトップとショーツ……

ついでに白いシンプルなブラとインナーのショーツも入ってたんだけど、隠せる面積があまり変わらない……

これじゃ下着で歩いてるのとあんまり変わんないよ!


かなり不愉快だけど、今は取りあえずこれを着なきゃ先に進めない。

限界をとっくに超えた制服と下着を脱いで、用意されている下着を着けた。


(……ブラは相変わらずキツいけど、無いよりはマシかな)

スポブラみたいな形状のブラなんだけど、一応サイズはある程度大きいらしい。

立派に膨らんだ私のバストを包むことも何とかできた。

そしてショーツもでっかいお尻に一応負けない程度にはサイズが大きい。

……これでもさっきよりは随分と楽になった。


次に、私は入っていたこの陸上ユニフォームを着てみたんだけど……

ヒップが隠れる面積はほぼ変わらず、穿いているショーツの色が藍色になっただけにも見える。

そしてトップスも覆ってる肌面積がスポブラと大差なく、結果的には制服を着てた時よりも露出が多くなってしまった。


鏡に映る姿も、お腹と脚全体がハッキリ映っていて……とても恥ずかしい。

陸上部の子がこの恰好なら様になるけど……おへそ周りは丸々と突き出て、太ももはたぷたぷの脂肪で弛み切ってる訳で……


(こんな姿……誰にも見られたくないよぉ……)

デブにこんな服を着せるなんて……心の底からこの『試練』を考えた人を軽蔑するよ。

きっと愉しいんでしょ?本当に最低……

……でもこの着替え一式が無いと着れる服と下着が無かった訳だから、無いよりはマシだけど。


着替え終わった私は、黒い袋に元の衣類を畳んで詰め込んだ。

この袋、よく見たらちょうどリュックみたいに背負えるんだね。

おかげで移動中も楽に持っていける……ってこんな配慮よりもっとすべきことがあるよね?



更衣室から出た私は、再びロッカーの方に戻ってみた。

もしかして他のロッカーも今開けれるんじゃないかと思ったから。


(やっぱり対策されてるよね……)

でも既にロックが掛かっていて、どのロッカーの扉も開くことは無かった。

仕方ないので『順路→』と書いてある通路を通り、そして看板に出くわした。


『「第3の試練」、通過おめでとうございます。

こちらが3つ目のカギです。』


(はぁ、これでやっと3つかぁ……)

今でもかなり疲れてるのに、あと2つあるんだよね……本当に先が思いやられるよ。

それで、続きにはなんて書いてるの?

『この試練では、3つのロッカーから衣類を選んで着替えていただきました。

1番にはスキニージーンズとノースリーブニット(男子用はタンクトップ)と小さなサイズの下着、

2番には伸縮自在のスウェットの上下とゆったりサイズの下着、

3番には陸上競技用のユニフォームと大きなサイズの下着が入っていました。』


「ってことは2番の方が良かったんじゃ……!」

スウェットだったらしっかり身体も包み込めるし、外に出てもギリギリセーフだったのに……!

下着もゆったりサイズだから多分着けれたと思う。

やっぱり裏を読んだ方が良かったってことだよね……


「はぁ……最悪だよ……でも今は進まなきゃ……」


気分が余計に暗くなりつつも、私は先に進むことにした。

……そういや今着けてるブラ……あんまりちゃんとバストを支えてくれないんだけど……

相変わらず歩いてるだけで胸がプルンプルンと揺さぶられてる……

何なのこれ……でも気にせず歩かないと……



鈍い歩みを進めながら、私は次の試練に恐怖を覚えていた。

今でさえ84kgになってしまってるし、身体にはどこもかしこも柔らかい贅肉が付いている。

これ以上太るなんて想像もしたくない。


単純に身体が重いのもあるけど、気分もどんどん重くなって歩くスピードが落ちてしまう。

でも……先に進まないと何も解決しない。

私は無我夢中で歩き続けた。



---



「ふぅ……ひぃ……次の部屋にたどり着いた……」

距離にしたら大したことは無いんだろうけど……とても長い時間歩いた気分になる。


部屋には案の上、説明文の書いた看板が設置されている。

『ここは「第4の試練」です。

部屋に設置されているルームランナーを5分間走ってください。スピードは徐々に上がります。

ギブアップすることもできますが、ペナルティが待っていますのでご注意ください。』


看板の先には説明通り、ルームランナーが設置されている。

しかもかなり大きい。


(大丈夫かな……でもこの恰好は都合がいいかも……)

肌が露出するスポーツウェアを着てるのがさっきから恥ずかしいんだけど、

この試練に限っては運動しやすいから好都合だね。

スウェットとかだったら走りにくいと思うし、さっき3番を選んで良かったのかも。


こんなに太ってちゃんと走れるのか不安になりつつも、私はルームランナーの上に乗った。


『(ピピッー!)』


乗った瞬間、開始の笛が鳴らされた。

そして足元の機械が少しずつ動き出している。



『30秒経過』

走っていると、突然天井のスピーカーから音声が流れた。

まだ30秒しか経ってないの?


「はぁ、はぁ……このペースならまだ……」

でもスピードはまだゆっくりで、太った私でも何とか付いて行けそう。

全身のお肉が邪魔でしょうがないけどね……



『1分経過、スピードアップ!』

「ふぅ、ひぃ、す、スピードアップ……って早い早い!」

今まで早歩き程度だったのに、突如本格的なランニングのペースに様変わりした。

前までの私なら大したスピードじゃないけど……大量の贅肉の重しがある今はかなり辛い。


「はぁ、お、お肉……邪魔ぁ!」

身体中の脂肪が揺れまくり、息がどんどん荒くなる。

巨大な胸、出っ張ったお腹、でっかいお尻、タプタプの太もも……

そのすべてが思いっきり揺れてしまう。


『2分経過』

「に、2分しか経ってないの!?

はぁ、はぁ、もう……限界……!」

アナウンスを聞いて気が遠くなり、ついにルームランナーから降りてしまった。


「はぁ……はぁ……ふぅ……」

ぺたんと座り込み、すごく荒くなった呼吸を整える私。

身体中から汗が流れ、ランニングウェアは早くも汗びっしょりになった。


『2分でリタイアされたため、ペナルティとして15kg太っていただきます』

「15kg!?」


『(プシュー……)』

私が驚いた瞬間、突如部屋の天井からミストが噴出し始めた。

さっと立ち上がって逃げたいけど、まだ疲れが溜まっていて機敏に反応などできない。



『噴出終了です。次にお進みください』

アナウンスと共に、奥にあった扉が開いた。


「ふぅ、よいしょっと……重っ……!」

15kgも太らされた私は更に重苦しい身体になってしまった。

立ち上がるだけなのに辛さを感じるなんて……!


今の身体って……確か35kgから更に15kg太ったから……50kgは重くなってるんだよね?

元が49kgだったから……もう倍以上だし……99kgとか100kg寸前だよ……


とぼとぼ歩いて部屋を出た私は、また看板とカギに迎えられた。


『「第4の試練」、通過おめでとうございます。

こちらが4つ目のカギです。』

(通過できてないけど……)


2分でギブアップしたんだから、通過なんてしてないよ……

そう思いながらカギをバッグに仕舞い込み、続きを読んだ。


『この試練ではルームランナーで走っていただきました。

ペナルティの詳細ですが、2分未満でギブアップした場合は25kg、2分から4分未満でギブアップした場合は15kg、

4分以上5分未満の場合は5kg増量するミストを浴びることになっています。

ちなみに、完走できた方は今まで太った分を10kg程度打ち消せるミストを浴びることが出来ます。』


「……最悪、じゃないけど……はぁ……」

2分は超えたから15kgで済んだけど……もっと頑張ったら痩せることも出来たんだね……

この看板を読んで余計にテンションが下がってしまう。


(何なのこれ、本当に嫌な趣味してる……)

しかも第2の試練の時みたいに大きな鏡が設置されていて、ブクブクに太った姿が嫌でも視界に入ってしまう。


顔はほっぺが凄く膨らんで完全にデブ顔だし、二重顎どころか首が姿を消しつつある。

ただでさえデカい胸は2周りは膨らみ、レーシングトップがずり上がって白いブラが覗いてしまっている。

スポブラはかなり食い込んで痛みも感じるし、大きすぎるバストを支えきれないらしく胸の位置は結構下がり気味になった。

そして胸に対抗するかのようにお腹も膨らみを増してて、レーシングショーツにこれでもかと大量の贅肉が乗っかっている。

ドンと張り出した様子はまさしく太鼓腹という言葉がぴったりだよ。

お尻も穿いているショーツがどっちもグイっと食い込んでキツいし、だらしなく横にはみ出している。

身体の側面を鏡に映すと、ヒップが後ろに大きく突き出してるのがよく分かってげんなりするよ……

太ももは尋常じゃない太さで、ミニスカートなんて穿いたら周りがドン引きしそうな程。


「はぁ……何でこんなことに……」

ほぼ100kgなんだから巨デブで当然なんだけど……改めて見るとため息しか出ない。

もう身体全体が『贅肉の山』という感じで、どこを触ってもぷにょんとしたお肉が掴めてしまう。

しかもサイズの合ってないランニングウェアを着てるのがとても滑稽に見えるし……


(でも、あと1つ……1つで終わり……)

私はそれを自分に言い聞かせ、また歩き始めた。


「はぁ……はぁ……重い……」

太り過ぎたせいで、もう歩くだけでも呼吸が乱れてしまう。

50kg太ってるから……誰か女子高生を一人背負って歩いてるに等しい状況なんだよね……



……


「あれ……もう看板がある……」

のっしりと重たい足取りで進んでいたら、もう次の部屋にたどり着いた。

今度は今までよりもかなり広い大広間になっている。


『ここは「第5の試練」です。

出口に繋がる3つのルートがありますので、お好きな手段で出口に向かってください。

なお、出口に到着した後にはミストを浴びていただきます。

1番のルートを通ると最大30kgの減量、2番なら最大15kgの減量、3番の場合は増量する効果のあるミストが噴出します』


(……でも……3番以外通れそうにない……)


『1番→』と書いてある先にはボルダリングの壁があって、よじ登らないと先に進めない。

高校のバッグとさっきの袋は肩に掛けてるから両手自体は空いてるけど……

そもそも壁を登った事なんてほどんと無いし、こんな巨デブになった身体でできる訳が無いよ。


『2番→』と書いてあるルートも中々酷くて、綱渡りやらはしごやらが途中にある。

流石に綱渡りの場所にはネットが張ってあるとはいえ、通りたいとは思えない。


『3番→』のルートは……途中に細長いプールがあって、その先には普通の階段が設置されている。

途中水の中を通るなんて決してまともじゃないルートだけど、通れるといえば通れるよね。

このルートを通ると更に太るけど……今更気にしてもしょうがない。


3番ルートの入口にたどり着くと、プレハブ小屋みたいなものが設置されていた。

中に入ってみると、水着がずらっと並んでいる。

案内の看板を読んでみると、

『お好きな水着に着替えてプールを通ってください。

手荷物はこの運搬ロボットに乗せていただくと、出口まで自動で運びます』と書いてあった。


(変なところが親切だよね……)

うら若き女子高生を巨デブにしておきながら、細かいところには配慮するのが逆に不愉快だよ。

しかも……用意されてる女子用の水着が全部ビキニなんだけど……何で?

この施設を作った人の意図を考えるのも面倒になってきた。



でも、着替えなきゃ先に進めないのも事実。

私はキツくて締め付けてくる陸上ユニフォームと下着を脱いで、そして一番大きなビキニを着けた。

入るサイズが無いんじゃないかと思ったけど、一応は着けれた。だけど……


(やっぱり恥ずかしすぎる……)

ここにも当然の如く鏡が設置されていて、デブデブな私がはっきりと映っていた。

サイズが大きいはずなのに胸は布地に収まり切ってないし、お尻はかなり見えてしまっている。

何よりぼよんとしたお腹が丸見えなのが……

こんな格好で海に出たら周りからどう思われるんだろう。


……今は先に進まないと。

さっき着ていた服と下着を黒い袋に入れて、そしてバッグと共にロボットの上に載せた。

『運搬を開始します』

載せた瞬間、ロボットの電源が入って高速に部屋から出て行った。

……今の私よりも早く動けるのかも。



小屋から出た私は、すぐそばにある3番のルートを歩いている。

しばらく進むと、さっき遠目で見えていたプールに出くわした。


(泳いで先に進んだらいいんだよね……?)


細長いプールが奥まで続いている。

プールの中にドボンと飛び込んだ私は、ゆっくりと平泳ぎをして進んでいった。

(デブになっても……水泳ならまだマシだね……)

汗だくで全身湿っていたこともあり、水の中に入れたのはちょっとだけ嬉しい。



特に何事も無くプールの端までたどり着き、はしごを登ってプールから上がった。

目の前には何の変哲もない階段があり、左の方にはシャワーとタオルが設置されている。

(気が利いてるけど……何か違うよね……)


シャワーを浴び、タオルで全身を拭いた私は階段をのぼり始めた。

「……はぁ、ふぅ……階段を上るだけなのに……!」

さっきは比較的スイスイと進めたのに、陸に上がるだけでこんなに重たいなんて……!

膝にはかなりの負担がのしかかるし、胸もたゆんと凄く揺れてしまう。

両脚の内股は擦れまくり、お腹はぶよぶよと震えて鬱陶しい。


「はぁ、ひぃ……やっと上り切ったよ……」

折角シャワーを浴びたのに、階段を上り切る頃には既に汗がダラダラと身体中に流れていた。



……


階段を上った先には、例の如く看板とカギが用意されている。

そしてさっきのロボットも到着していて、手荷物が受け取れるようになっていた。


『3番のルートを通ったため、15kg太っていただきます』

「……15kgね」

アナウンスの声にも、あまり動じなくなってきた。

まだ30kgとかじゃなくて良かった……なんて思えてくる。

既に50kg太ってるせいでなんだか感覚が変になってきた。


『(プシュー……)』

このミストを浴びるのも3回目かぁ。

また太っちゃうんだね……



「はぁ、歩くのもダルい……」

ミストの噴出が終わってから荷物を取り出し、私は先に進んだ。

65kgも重くなってるから……普通に歩くのも面倒になる。


『「第5の試練」、通過おめでとうございます。

最後のカギをお取りください。』

(やっと最後だよ……)


5つ目のカギを手に取り、私は目の前にある出口に進む。

扉には『集めたカギをここに差し込んでください』と書いてあった。


『認証に成功しました。脱出してください』

5つある鍵穴に全て差し込むと、アナウンスが流れてきた。

「やっと出られる!」


私は駆け足で……いや気分だけは駆け足のつもりでのそのそと歩き、この建物から出た。

まだ明るいと思ってたんだけど、既に日は沈みかけで暗くなってる……



---



建物を出ると、ゲートみたいな場所と『更衣室』と書いてる小屋が目の前にあった。

ゲートの前に来てみると、設置されてる画面に何かが表示されている。


『あなたは既定の脱出タイムよりも遅かったため、5000円プレゼントの対象外です。

それではまたのご来場をお待ちしております』

「絶対来ないよ!」

力いっぱいそう叫んでから、隣の更衣室に入った。



「うわぁ、もっと太ってる……」

114kgまで太った身体を見て、自分でも引いてしまった。


着けているビキニは更に膨れた身体に食い込んでて、サイズが合わなくなっている。

まさしくスイカサイズの立派過ぎるバストを包むのに無理があるらしく、胸が布地からかなりはみ出てしまっていた。

申し訳程度に胸を覆っている程度でマイクロビキニみたいになってる……背中にもかなり食い込んじゃってるし……

こんな布で巨大すぎるバストを支えられるはずも無く、だらしなく垂れて情けない見た目になっている。

お尻も更に膨れ上がり、水着がキツキツに食い込んでTバック状態と言ってもいい姿に。

丸太みたいな太ももは凄まじい太さだけど、何だかどうでもいい気がしてくる。


お腹に至ってはあまりにも脂肪が付きすぎて贅肉が垂れてきてて、前から見るとビキニが隠れてしまう程。

顔は首がすっかり見えなくなり、入る前の面影は感じるけど別人としか言いようがない。

餅のようなほっぺは目を少し細めてるし、これが自分の顔だなんて思いたくないよ。

一応水着を着れているとはいえ、到底まともな恰好じゃない。


ピチピチの水着を取ってから、さっきの下着とランニングウェアを着ようとしたんだけど……

「嘘でしょ……全然入らない……」

2回増量したせいでサイズが全く合わなくなってしまった。

ブラは着けられず、ショーツははち切れそうになって穿けない……

レーシングトップは全然胸を包めないし、ショーツも下着と同様お尻に負けて入らない……


一旦ビキニを着け直した私は、元々穿いていたスカートを取り出したんだけど……

試しに穿いてみると、無残にも太ももでつっかえてしまった。

ブラウスも袖が腕を通ることさえ無い……


つまり……今はビキニで外に出るしかないんだよね……

(こんなの頭が変だと思われるよ!)


100kgを軽く超えたデブが水着で街を歩くなんて……!

周りから奇異の目で見られるのは間違いないし、どうしよう……



……


更衣室から出た私は、訳が分からなくなりながらゲートを通った。

その先には長い下り階段が続いている。


「はぁ、ふぅ、早く出よう……」

上り階段よりはマシとはいえ、お肉が馬鹿みたいに揺れるし脚への負担が凄いから辛い。

でもこれ以上こんな場所には居たくないからさっさと出よう……



---



(あれ……開いてる……?)

さっき通ったケーキ屋さんの前を通ったら、なぜか入口が開いていた。


「お嬢さん!もしや隣の怪しい建物に入ったんじゃないかい?」

そして、店の中からおばちゃんが出てきて私に声を掛けてくる。

「は、はい……」

できれば誰にも見つかりたくなかったんだけど……


「そりゃそうだろうね。見りゃわかるよ。

凄く太らされたんだろう?」

「何で知ってるんですか?」

「あそこはそういう場所だからだよ。

元の姿に戻りたいかい?」

「戻りたいですよ!1秒でも早く!」

当たり前だよ。なんで114kgの巨デブに好き好んでならなきゃいけないの?


「じゃあ戻せるミストを浴びたらいい。

早く店の中に入りな!」

「はい!」



……


お店の奥にはミストを浴びる部屋があった。

そこに入った私は思う存分に痩せるミストを浴びて……


「はぁ……久々に元の体型に戻れた……」

さっきまでが嘘みたいに、元の身体に戻っていた。

ウエストにはしっかり括れが戻り、そして顔も元通り。


「ありがとうございます!

ところで何でこんな装置がこのお店に……?」

「悪いね、実は私はあの施設と連携してるんだよ。

これも商売のためだ」

「えっ……?」

商売のため……?どういうこと……?


「簡単な話だよ。あの連中は入って来た人たちをブクブク太らせる。

私は肥満になった哀れな人々を痩せさせるのさ」

「それが商売……?」

「ああ、儲かるね。

そういう訳で20万円払ってもらおうか」

「2、20万円!?高すぎますよ!」

親切かと思ってたら、とんでもない人だったよ!

そんな額払える訳ないじゃん!


「私は4万円、向こうは16万円取れるんだ。

こっちは装置を店の中に置いておくだけでどんどん儲かる訳だからねぇ。

オープンしてまだ日が浅いのに次々お金が入って来るよ。

まさか払えないって言うんじゃないだろうね?」

「は、払えません……」


恐る恐る私はそう言うと、この人はため息をついてから書類を持って来た。

「はぁ……ならウチの店でアルバイトして返して貰おうか。

20万円分しっかり動いてもらうからね!」

「……分かりました」

「よろしい、じゃあ早速書類を書きなさい」

「はい……書きます……」



---



”『それから私はケーキ屋さんで頑張ってバイトして、何とか20万円を返しました。

けれども……美味しそうなケーキを見ながら働いていて食欲が湧かない方がおかしいです。

しかも売れ残ったお菓子は食べて帰って良いと言われましたから……

一度114kgを経験したのもあって油断し放題です。

結局、お金を全額返し終わった頃には86kgまで太ってしまいました。

お腹はぶよぶよだし、脚だってタプタプです。顔もまた二重顎になってるし……

制服だって買い替えたのにスカートのホックが閉まらない……

本当に、寄り道なんてしなかった方がよかった……』”



(END)


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