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幼馴染同士でダイエットの競争をしたら逆に太らせ合いになった話 全文(公開部分4899文字+限定公開部分10235文字)


桜の花びらが舞い、気候も穏やかな季節。

今日から春休みも明け、高校2年生になった私の気分は少しだけ下がっていた。

でも、学校に行くのが面倒な訳じゃなくて……

休み期間中に食べ過ぎたらしく、少し太ってしまったのが理由。


体重計に乗ると、52kgという数字が表示されていた。

3月に測った時は49kgだったから、春休みで3kgも太ってしまったことになる。

どうして急に体重が増えたのかはよく分からないけど、ダラダラ過ごして太ったのかも。

何とかしてダイエットしなくちゃいけない。

どうやって痩せようかな。



……


学校で恵人に久々に会った。

「私……ちょっと太って……分かる?」

「そう?俺には分からん」

3kgぐらいの増量だとあまり分からないのかな?

確かに下着姿にでもならないと変化は分かりにくい気がする。

それでも太ったことには変わりない。


「まあ俺も少し太ったんだが」

「そうなの?」

「分からんだろ?そんなもんだ」

見た感じではそんなに変わった気がしないけど……

やっぱりちょっとした体型の変化なんて自分自身じゃないと気づかないのかもしれない。


「でもダイエットする気がイマイチ起きないんだよな」

「そうかもね……私も面倒だし……」

少しぐらい太っても勝手に減ってくれるかな、とか色々思ってダイエットを始める気が中々起きない。

でも太ったままなのも嫌だけどね。


「どうしたら……いいのかな……」

「うーむ」

私と恵人はどうやってダイエットしたらいいか悩んでいた。



……


「亜優、ちょっといい?ダイエットの事なんだが」

始業式が終わってから恵人が近寄って来た。

「何か……思い浮かんだ?」

「いいアイデアがある。競争するんだ」

「競争?」

「そう。2カ月間でどれだけ痩せたかを競って、より多く体重を減らせた方が勝ち。

負けた方は……”東案下ビーフマスター”で奢って、そして5km走る!

これでどうだ?」

「へぇ……ちょっと面白そう……」


体重が減らなかった方に、ハンバーガー屋さんで奢って長距離を走るというペナルティを課す……

そうしたらペナルティを受けたくないから頑張って痩せる気になるはず……

これならダイエットする気にはなるかも。


「どうだ?これで今日から2カ月間お互い頑張って減量すれば、多分元通りの身体にはなるだろう。

まあ、財布にキツいペナルティだが……」

「……大丈夫。これでやってみるよ。

恵人……負けないからね」

「おう。こっちも一生懸命痩せてやる」


私はすぐにこの”ダイエット勝負”の案を受け入れ、2カ月間頑張って痩せることにした。

……具体的にどうしたらいいんだろう。


まずは食事制限とかかな……?



---



1週間後。

(体重が……全然減らない……)

私は体重計から降りた後で頭を抱えていた。

そう、ダイエットが全然上手くいかない。

食事制限は3日で挫折し、我慢したせいで余計に食欲が増えてしまった。

そのせいで体重は1kg増えて53kgになっている。


出だしからこんな調子だったら……恵人に大差を付けられて負けてしまう。

そうなったらあの高い東案下ビーフマスターでご馳走しなきゃいけない。

しかも5kmも走る羽目になるし……!

どうしたらこのペナルティを避けられるのかな……


ちゃんと食事制限するしかないよね。

頑張らないと……


(お菓子もこれからは……我慢我慢……)

机の上に置いてある板チョコも……


(……でも……食べたい……)

ダメだ、やっぱり甘い物を頭が欲している。

何で買っちゃったんだろう……ダイエット中なのに。

こんなの置いてあったら食べたくなるに決まってるよ。


(この一枚ぐらいなら……大したこと無いよね……?)

まあ、食べたところでいきなり何kgも体重が重くなる訳ない。

これからは買わないことにするし、これで当分お菓子は食べないつもり。

だから……食べよう。勿体ない。


(甘い……)

慣れ親しんだチョコの味も、3日間お菓子を我慢して以来妙に美味しく感じる。

こんなに良かったかな……?錯覚なのかも。



---



更に1週間後。

(ちょっと待って……どうして……?)

計測した体重は56kg。また3kgも増えてる……

体重の増加が急激になっている理由がよく分からない。

”少し”お菓子を食べ過ぎた気もするし、運動した後に自分へのご褒美として”多少”何かを食べてたような気はするけど……


流石にこれだけ太ると見た目にもそこそこ変化が出てきた。

お腹は少しぽこっとおへそ周りが出てきてるし、括れは割と消えつつある。

二の腕も少しプニっとしてる上に、脚もちょっとお肉が付いてしまった。

後はそこまで変わってないけど、顔も何だかふっくらしたような……

まだ服を着てたらあまり分からないけど。それでもクラスメートにはバレるレベルかも。


どうして太ったのかな……

もしかして、無意識のうちにかなり食べてるのかも、私。

ダイエット中なのに……いや逆に意識するせいで余計に食欲が増幅してしまう。

痩せなきゃと思えば思うほど食べ物は美味しそうに見えてくるし……

今週なんて1日お菓子を我慢するのが精いっぱいだった。

しかも案の定その次の日には反動でかなりバクバクと食べてしまって……


……それが太った原因なんだよね。謎でも何でもない、実に簡単な理由だった。

でも、何だか腑に落ちない。今までこんなに食べたいって気持ちになったことが無いのに……

それはともかく、このままじゃダイエットどころか太っていく一方。

恵人は多分痩せていってると思うし、ダイエット勝負に絶対負けるよ。


(嫌だな……ペナルティ……)

後々に起こることを考えて憂鬱になる。

結局痩せるどころか太ってしまい、しかも奢って走らなきゃいけなくて……

何のためにダイエット勝負してるんだろう……


(ペナルティを受けないようにするには……)

この勝負に負けないようにするには、私が恵人よりも痩せるしかない。

でも既に4kg太ってしまった今では叶いそうにもないし……

一体どうしたら……


(……あっ、恵人が私より太れば……)

たった今、悪い事を思いついてしまった。

私が痩せるんじゃなくて、恵人が太れば……結果的に私が”勝者”になる。

今の私は4kg太ってるけど、恵人が5kg増えたら相対的に私の方が痩せてる方になる。

……ペナルティを回避するにはこの方法しかないよね。


恵人には悪いけど、これからは太ってもらわないと。



---



翌日、私は恵人の家を訪れた。

……お菓子を詰め込んだ紙袋を持参して。


「亜優、どうしたんだそれ?」

「これ……家に大量にあるお菓子で……

ダイエット中で食べたくないから……あげる」

「いや、こっちもダイエット中だが?」

「……あはは、そうだよね」


流石にこれはダメだったかな……恵人だってダイエット中だし。

きっと向こうは私と違って順調だろうから、お菓子の誘惑なんて効くはずが……


『ぐぅぅ……』

恵人のお腹が大きな音を立てた。


「……ま、まあ……少しだけなら貰ってもいいけどな……

それに亜優は痩せて無いみたいだし、この勝負は既に勝ったも同然だ」

「えっ、そんなの分かるの?」

「パッと見だとまだ分からない部類だが、よく見たら分かるレベルだな。

亜優、本当にダイエットしてるのか?」

「うぅ、それは……」

恵人にも太ったことがバレてる……そんなに分かるのかな……


「じゃあ、せいぜいダイエット頑張って。

この程度のお菓子で勝敗をひっくり返せるとは思わないように」

「はいはい」

私はお菓子を渡して、恵人の家から自宅に戻った。



(恵人……調子に乗ってるような……)

何だか私をからかってるような気がする。

自分は上手く行ってるからって……


まあ、逆に言えば恵人を太らせやすい状況かもしれない。

『自分は亜優よりも痩せている』と優越感に浸っている内にどんどんお菓子を渡しておかなきゃ。

調子に乗ると痛い目に逢うんだよ。



---



さらに翌日、今度は恵人の方が私の家にやって来た。

「なあ亜優、新しくできたドーナツ屋に行かないか?」

「だ、ダイエット中なんだけど……」

「1日位お菓子を食べても大して太らないと思うけどな。

それに”昨日のお礼”として俺が奢るから、好きなだけ食べてほしい」

「えっと……」


……完全に昨日のお菓子の”仕返し”だよね。

やっぱり一筋縄ではいかないって事かも。

まあ、私のやり方も露骨だったかもしれないけど。


どうしようかな……ドーナツ屋さんに行ったら絶対食べ過ぎるし……

でも元々ダイエットに失敗してるし、今更躊躇することも無いのかも。

それに恵人も食べるだろうから結果的には差は開かないよね?


私もずるい手を使った以上、恵人の提案を断る訳にもいかない。

「じゃあ……お願いします」



……


「”ドーナツバイキング”……」

ドーナツ屋さんに着いた私たちは、大きく掲げられた”ドーナツバイキング”という文字を見つめていた。

どうやら1800円で45分間、店内にあるドーナツが食べ放題らしい。


「これにするか?」

「……そうするよ。ただし……恵人も一緒にしてね」

「……分かった」



ドーナツバイキングに参加することにした私たちは……たくさんのドーナツをお皿の上に乗せてテーブルまで持って帰って来た。

量はどちらも同じぐらいで、私は8個で恵人は7個。

「恵人も……そんなに食べるんだね」

「ダイエットでしばらく甘いものを食べてなかったからな。

そういう亜優もかなり多いと思うけど」

「折角だからいっぱい食べないと……」

「それはそうだな」

「じゃあ、いただきます」

「いただきます」


まずはこのシナモンが香るドーナツから……

あっ、美味しい……



……


「お腹いっぱいだよ……」

「俺もだ……」

結局45分間で私は14個、恵人も11個食べてしまった。

……改めて数えると多すぎる気がする。

何でこんなに食べれるんだろう?不思議……


……これでドーナツ3個分は差が開いてしまったことになる。

折角昨日のお菓子で太らせたのに……

また明日も何か手を打たなきゃ。



---



さらに2週間後。

(……かなり太ってる)

あれから恵人が太るように努力を傾けてたけど……

向こうも私を太らせるために色々な手を打ってきた。

そのせいで私は更に増量してしまい、今の体重は66kgになっている。

もうパッと見でも体型の変化が分かるほどで、クラスメートからも『太った?』とよく言われてしまう。


お腹は段が出来てしまい、ショーツの上におへそ周りのお肉がだらしなく乗っている。

掴んでみるともちもちしてとても柔らかい。

お尻もムチッと大きくなってショーツがキツくなったし、太ももがムチムチと2周りは太くなってしまった。

顔も二重顎が少しずつ姿を現し、ほっぺは確実にふくらみを増している。

胸も育ったらしく、ブラを買い替えたはずなのに既にキツくなってしまった。


制服だってスカートのホックが上手く閉まらないし、ぽっこり出たお腹や膨らんだ胸のラインがブラウス越しでも分かってしまうのが恥ずかしい。

走ると全身のお肉が震えるし、何だかなぁ。

私服もサイズが合わないものが結構出てきてて、かなり危ない状況になっている。

もうそろそろ本格的にダイエットをしないとマズいかも。


……いや、本来はダイエット勝負中なんだよね。

そのはずなのに、今では私と恵人が太らせ合いをしている。

おかげで恵人の方も痩せるどころか順調に体重が増えているみたいだけど……


こんなことばっかりしてても意味は無い、それはそう。

でも、やっぱり5kmは走りたくない……今の状態だと、凄くしんどいと思うし……


取りあえず……また明日痩せる方法を考えよう。

そして、恵人をもっと太らせる方法も。



---



それから10日後の、5月15日のことだった。

今日は月曜日ということで2日間制服を着てなかったんだけど……


「うぐぐ……ぐぬぅ……」

私は必死にスカートを引っ張ってホックを留めようとしていた。

でもどれだけ頑張っても2~3センチは隙間が開いており閉まる気配はない。


「この……!金曜日は……お腹凹ませたらギリギリ閉まったのに……!」

週末、私は恵人を太らせようと90分間食べ放題のビュッフェレストランに連れて行った。

でも……私の方が山ほどの料理をバクバクと食べまくってしまい逆効果。

ついつい『食べなきゃ損』と考えて……10分もしない内に本来の目的を忘れて大食いに走ったんだよね。

最近食欲が全く止まらないし、太らせる作戦はイマイチだし……


「はぁ、ふぅ、安全ピンで……何とかしなきゃ……」

どうしようもないので、ピンを使ってスカートを何とか穿いた。

そろそろ買い替えた方がいいかな?でも恥ずかしいなぁ。



……


3時間目の休み時間、私は既にお腹がペコペコだった。

『ぐぅぅ……』

「亜優、もうお腹が空いたの?」

「えへへ……」

「最近食べ過ぎじゃない?お腹も出てきてるし、顔も二重顎でかなりデブってるよ?

いい加減ダイエットでもしたら」

「そうだね……考えておくよ」

「他人事だなぁ」


クラスメートからダイエットを促されてるけど……

そもそもダイエット勝負の真っ最中のはず。

なのに太らせ合っているせいで私も恵人も体重がひたすら増加傾向にある。

この勝負が終わったら、本気で痩せなきゃ……



……


(73kgかぁ……)

帰宅後、私は体重計に乗った。

表示された数字は始業式から21kgも多い。


(結構なデブだよね……)

ただでさえ太く見える私だけど、制服を脱ぐと余計に太く感じる。

鏡に映る下着姿もかなりお肉が付いてしまった。


ウエストは段々が膨らんでせり出し、括れはどこにも見当たらない。

ショーツの上に乗るお肉の量も増えてるし、両手で掴むと手のひらからお腹の脂肪が溢れそう。

更にムッチリ大きくなったお尻はショーツを食い込ませ、下着の布地にヒップのお肉が収まり切っていない。

その下の太ももはたっぷりと贅肉が付いてかなりのムチムチになっている。

胸も気づけばFカップのブラがキツく感じる程に育ち、しっかりと谷間を作る程に大きくなった。

クラスメートの指摘通り、顔は二重顎だし丸顔になっている。


(……太らせ合いをしてる場合なのかな……これ)

お腹のお肉を掴みながら、私は悩んでいた。

ぽよんと出っ張ったウエスト、左右にデカくなったヒップ、膨れつつある顔……

体型の変化も嫌だけど、私服のサイズもどんどん変わっていくのが辛い。

制服だってそろそろ買い替えが必要な位だし、それに……


(太るのが急激すぎるよね……)

まだ3月までは一応は40kg台だったのに、もう70kgの大台に乗っている。

食べ過ぎとはいえこんなに急に太るのも変だよね。

何か他に原因があるのかも……考えすぎかな。



とにかく、こんなに太ったからにはそろそろ真面目に減量の方も始めないと。

この勝負が終わってから考えたらいいと思ってたけど、それだと遅いよね。

あと、もっと恵人を効果的に太らせる手段を考えなきゃ。



---



あれから1週間、私は真剣に痩せる方法を考えていた。

でも……食欲は増えていく一方だし、運動はどんどん面倒になる。

制服だって買い替えて普通に着れるようになったし、痩せないとと思っても中々実行できない。

一方で太らせるのはそこそこ出来ている。


「ダイエットは順調?」

「そんな訳ないだろ……7kgも増えてるし」

恵人は着実に体重を増していた。

ベルトの穴が緩い位置に変わっていたり、顔もお肉が付いている。

ただ……私の方がもっともっと太ってるんだよね。


「それより亜優はどうなんだ。どう見ても凄く太ってるぞ」

「凄いって……そこまで太ってる?」

「ああ。一目瞭然だ」

「……そうかも」

今の私は78kgで、始業式から26kgも増えている。

本格的に肥満体型になってきたし、制服が大きくなってもお腹のポッコリ具合は丸分かり。

スカートから伸びる太ももはかなりのもちもちで、履いている二―ハイソックスも太ももに食い込んでしまっている。


「勝負はもう付いてるんだから、俺を太らせるよりも自分が痩せる努力をした方が良い」

「……」

恵人は7kg、私は26kg……この差をあと2週間ぐらいで埋めるのは絶望的だよね。

でも……まだ2カ月が経ったわけじゃないから……

この間に頑張って恵人を20kg太らせなきゃ。


「まだ……分からないよ。恵人が20kg太れば……」

「無理だろ、流石に」

「……今日も太ってもらうからね」

「……はいはい。でも太らせるより痩せる努力もした方が」

「分かってるって」



……


恵人を沢山食べさせてから、私は帰宅した。

……まあ私も負けないぐらい食べちゃったけど。


(またお肉が増えてる……)

鏡を見るたびに脂肪の量が増えている私の身体。

まあ80kg手前のデブになったんだから贅肉たっぷりだよね。


ウエストはさらにせり出し、段々腹のお肉がショーツの上から溢れつつある。

両手で掴んでみると相変わらずもにゅんと柔らかいけど、そろそろ手のひらに収まり切らなくなってきた。

お尻は巨大と言ってもいいぐらいに育っていて、サイズを上げたショーツすら少し窮屈に感じる。

太ももはお肉が増えすぎて内股の隙間が埋もれつつあり、ソックスもキツくて締め付けが激しい。

胸はGカップにサイズアップし、お腹に負けじと前に大きく突き出している。

顔はほっぺがかなりもちもちしてるし、二重顎がよりくっきりしてきた。


どんどんデブっていく身体を見て、私はショックというか恐怖すら感じている。

こんなにも急激に太るのは何かおかしいよね?

1週間で5kg……尋常じゃないペースで体重が増えている。

かなり食べ過ぎてはいるけど、幾らなんでもここまで太るのは変だよ。


もしかして……何か”肥満化薬”でも飲まされたとか……

いやいや、まさかそんな薬品がある訳が無い。

仮にあったとして誰が私に飲ませるって言うの。



(また太っちゃったし、もう少し飲んでおこうかな……)

私はダイエット勝負を始めてからこの”ダイエットドリンク”を飲んでいる。

一生懸命運動しなくても、飲むだけで体型が劇的に変わるらしいけど……

今の所何の効果も見られない。本当に意味あるのかな?

そう思った私は服用する量を2倍にすることにした。

これでダイエット勝負も一気に有利になる……よね?



……


『(ぐぅぅぅ)』

時計の針は午後8時30分を指していた。

でも私は強烈な空腹感に襲われている。

ダイエットドリンクを飲んでいるはずなのに、食欲は一向に減少する気配が無い。

むしろお腹が空きすぎて今取り組んでいる宿題にも集中できないし。


(今食べたら……恵人との差がまた開くよね……)

折角恵人をある程度太らせたのに、私がそれ以上に太っては何の意味も無い。

しかも後2週間の勝負。今お菓子を食べ過ぎたら確実に負けてしまう。



(……無理)

10分粘ったけど、今の私にお菓子を我慢することなど不可能だった。

私は恵人に押し付けるはずだったポテチの袋を開け、ひたすら口に放り込む。


「美味しい、もっと食べたい……」

無我夢中で私は食べまくり、そして何だか眠くなってきた……



……


(あれ、寝てたんだ……)

目が覚めると午前5時30分だった。

本来よりもかなり早い起床時間。


昨日って何してたんだっけ。

(私は、確か……お菓子を馬鹿みたいに食べてて……)

目の前には空になったスナック菓子の袋が複数あった。


(こんなに食べてるから太るんだよ、気を付けなきゃ……)

『(ぐぅぅ)』

……反省した瞬間にお腹が大きく鳴った。

寝ている間にお腹が空になってしまったらしい。


(……もう一袋食べて……あと宿題の続きをしなくちゃ)

私はコンソメ味の特大ポテチを食べながら、途中で終わっていた宿題を再開した。



---



更に1週間が経過し、5月もあと少しで終わりという時期になった。

来週の火曜日でいよいよダイエット勝負は終わりを迎える。


少しでも痩せようと私はダイエットドリンクを2倍飲んでるんだけど……


全く効き目が無い。


むしろブクブクと太りまくっている状況で……

体重計に乗ってみると87kgと表示されてしまった。

しかも少しでも軽くしようと下着姿で測ったのに。


(うわぁ、そろそろ本当にデブって感じになってきちゃった……)


鏡で見る下着姿はどこもかしこも贅肉だらけ。

至る所にお肉が付いてしまっている。


お腹の出っ張りはもっと深刻になり、溢れた贅肉がショーツを隠そうとするほどになった。

立派な太鼓腹は自分が主役かのように目立っており、どんな服でも膨らみが誤魔化せない。

こんなお腹周りに合う服が中々無いし、制服を着ててもでっぷりと大きく出てるんだよね……

揉んでると気分がリラックスする……っていうメリットはあるかもしれないけど……


ヒップも横に大きく成長し、後ろ姿が色んな意味で迫力のあるものに変化してしまった。

ぱっつんぱつんのジーンズを穿いたら形が物凄く目立つし、第一キツ過ぎて穿きたくない。

まあ、スカートを穿いてても大きすぎるお尻のサイズが嫌でも強調されるから……

こんなに太ると何をしても一緒って事かな。

インナーも大変な事になり、穿いてるショーツがかなり食い込んで破けそうになっている。

おまけに太ももは過剰過ぎる程ムッチムチに太くなっていて、内股の隙間がほとんど無いんだよね。

ふくらはぎだってパンパンに膨れてるし、下半身も凄い事になっちゃったなぁ……


顔も二重顎というかそろそろ首がお肉で埋もれ始めてる程で、女子としてはかなり危ない事態になった。

ほっぺの膨れ方も中々だけど、もう全身がぶよぶよだから……

痩せてる頃は比較的かわいい顔だったから、まだギリギリかわいい雰囲気はあるけど……

それにしても二の腕もたぷたぷだし、背中もお肉がかなり付いてるなぁ……

胸もGカップのブラがもうキツくなってしまい、サイズの合うブラが近くに売ってないレベルになってしまった。

買い替えるのも面倒だから騙し騙しブラを着けてるけど、もうホックが閉めにくくて……


こんなに太ったのもショックだけど、何より太るスピードが早いにも程があるって感じ。

服だって買い替えるのが追い付かないし、買ってもどうせあっという間に着れなくなると思うと買う気が失せてしまう。

しかも大きなサイズ程探すのが面倒になる上、見た目もなんだかなぁという服が多くなる。

どうせ何を着ててもデブには変わりないし、変にかわいい服を着ても滑稽なだけだよね……


そう思った私は服をあまり買い替えていない。

おかげで今着てるTシャツもパツパツで、お腹がすぐに顔を出してしまうほど。

穿いている明るいグリーンのミニスカートも70kg台の頃は難なく穿けていたのに、今はピチピチになっている。

既に安全ピンが欠かせない状態で、そろそろファスナーも閉まらなくなるかもしれない。


制服や体操服を一通り買い替えたおかげで学校ではそこまで大変な思いをすることは無いけど……

まあ体育の時にかなり辛いぐらいかな。

こんなに太ったら運動するのが大変なんだよね……

ダイエットのために走ることも面倒になるレベルで、このままじゃどんどん「動けないデブ」になってしまう……



あっ、電話が掛かって来た。多分恵人かな……

表示名が『恵人』になっているのを確認して私は電話を取った。

「もしもし、恵人?」

『亜優、あと1週間でダイエット勝負が終わるけど、分かってる?』

「わ、分かってるよ。だけど……太るのが止まらなくて……

このままじゃ……学校1のおデブさんになっちゃう……」

実際恵人を太らせてる場合じゃない位に自分自身が太ってるし……

というか今でも凄いデブなんだよね……


『ああ、多分そうなるだろうな。

でも亜優、1つ耳寄りな情報がある』

「情報って……?どんなこと……?」

『亜優は最近変なドリンク飲んでるだろ。

あれ、実際には太らせるドリンクと中身を入れ間違えて出荷されたらしい。

だから飲むと完全に逆効果だ」


……これが本当だったら、私は自分を太らせまくってたということだよね?

でも、どう考えても正しいとしか思えない……


「嘘でしょ……最悪……」

『でも今日からは飲まなくて済むだろ。

勝負はまだ1週間あるんだ。だから少しでも痩せるように頑張れ』

「だけど……もう勝負なんて……とっくに付いてるよ」

『まあ、そうだけど……

だったら……亜優だけ一旦リセットしよう。』


リセット……?

だったらこの勝負はどうなるの?


「リセットって……?」」

『亜優はダイエットドリンクを飲んでいない最後の1週間だけで勝負するんだよ。

俺は2カ月間で計測する。今が8kg増だから、亜優はこの1週間で8kg太らないように頑張れば多分勝てる』

「そ、そんなの……私に有利過ぎるよ……」

『別にいい。そもそもこの勝負自体が形骸化してきたし。

ビーフマスターで奢って5km走る覚悟は俺にある。大丈夫だ』


……意外と優しい所があるんだね。

だったらお言葉に甘えた方が良さそうかな……

別に向こうから言ってきた訳だし、良いよね?


「分かった。ありがとう」

『今の体重を測って教えてくれ』

「もう測ってる。87kgだったよ」

『おう。分かった。

じゃあ頑張って少しでも痩せるように』

「はい……」

『またな』


そう言って電話が切れた。



……これからダイエットドリンクを飲まない以上、あまり太ることは無いよね。

だったら勝負には多分勝つ。

それなのに、恵人を太らせる必要は……無い。


むしろ今から本腰を入れて痩せるべきだよね。

太らせる事なんて考えずに、自分の体型の事に集中しないと。

これ以上太ったら服も入らなくなるし……

まあ、太らないんだったら買い替えなくて正解だったかな。


それにしても、どうやって痩せよう……

相変わらずお腹はすぐ空いちゃうし、お菓子が食べたくてしょうがない……

今日はダイエットドリンク飲んでないのに。……もしかしたら明日から効果が切れるのかも。

だったら今日はいっぱい食べてもしょうがないよね。


……何だかお腹が空いたし、ポテチでも食べよう。

明日からちゃんと痩せたらいいや。

それにドリンクを飲んでないから、1週間で8kg太ることなんて無いよね。



---



6月に入り、気温がどんどん上がって来た。

おかげで外を歩いてるだけでも汗が身体中に流れて気分が悪くなる。

……こんなに暑がりだったっけ?


それはそうと、今日は6月6日。

いよいよダイエット勝負の決着が付く日がやって来た。

……私は凄く大きなハンデを貰ったけど。


そう、どう考えても勝てるようなハンデなんだけど……


「98……kg……」

お腹に隠れて見えにくい表示を見ると、98kgというとんでもない数字が表示されていた。


確か、1週間前は87kgだったはず。

なのに11kgも増えてるの……?

どうして……?

変なドリンクだって全然飲んでないのに……

まさかしばらくは効果が持続するタイプだったりして……


……でも、単純に絶対勝負に勝てると思って、気が抜けてただけかもしれない。

確かにハンデを貰って以降は楽勝だと思ってダイエットの事も忘れて食べまくってたし……

むしろドリンクを飲んでた頃より痩せようという気持ちが薄れてたかも……

……ドリンクの効き目が残ってたかもしれないけど、慢心してたのが主な原因だよね。



鏡に映った姿も先週より1周り太った姿になってしまっている。

おまけに食べるのに夢中で服を買い替える暇も無かったせいで、服装は70kg台でぴったりぐらいのサイズのまま。

そのせいで今の私は大変な状態になっていた。


まず顔はほっぺが凄く膨れてて、大きくてぱっちりしてたはずの目もちょっと小さくなった気がする……

首の方もかなりお肉で埋もれてきてるし、揺れる顎肉が何ともみっともない……

かわいい雰囲気は無くも無い……気がするとはいえ、かなり汗が流れてるしデブの印象が強すぎる。


顔だけ見てもかなりのデブだけど、上半身や下半身を見ると……もっと凄い。

腕は動かすたびに二の腕のお肉が頻繁に震えるし、指先まで太くなってしまった。

太りまくったせいで、バストは二つのメロンが身体から飛び出したかのような圧倒的なサイズになった。

多分Hカップはあると思うけど、アンダーもかなり太くなったから正確には分からない。

大きすぎて持っているブラがまともに着けられず、歩く度にたゆんたゆんと激しく揺れてしまう。


しかし、でっかく膨らんだお腹もかなり目立ってしまっているのは否めない。

上方でダンスする巨大な胸に勝るとも劣らない存在感を放っている。

ウエストは段々腹というか丸々としたボールが付いているかのよう。

ショーツはかなり隠れてるし、座ったら太ももの上にお腹のお肉がどっさりと乗っかってしまう。

ここまで胸とお腹がせり出すと足元も上手く見えないし、服が全部ぱつんぱつんになる。


下半身も上半身と釣り合うようにムチムチと太くなり、傍目でもどっしりしてるのがよく分かるほど。

お尻はこれでもかと横に広がり、サイズの合う服も下着も椅子も中々ない。

学校の椅子ははみ出すし、自転車のサドルがかなり小さく見えるし……

ショーツもミッチリときつく食い込むほどにピチピチで、昨日なんてしゃがんだ時に1枚破けてしまった。

脚も当然ぶよんぶよんで、贅肉で倍以上に膨れた太ももは制服の二―ハイソックスがはち切れそうになる。


ここまで太ったのに服を買い替えてないから、サイズが全く合っていない。

まずTシャツは胸に生地をかなり奪われてしまうせいでお腹が収まらず、おへそ周りがぽよんとはみ出ている。

そしてスカートはお腹のせいでファスナーが全く閉まる気配が無く、生地も裂けそうな位ピッチピチになった。

元々ミニだからしょうがないとはいえ、お尻を包むのが精いっぱいでぶっとい太ももがかなり見えてる……


しかも制服もパツパツになってしまい、今日だって登校前にスカートと格闘する羽目になった。

結局ホックはどう頑張っても閉まらなくて安全ピンを使ったんだけど……

ブラウスもボタンがきつくなってきたんだよね……

体操服だってキツいし、準備運動だけで息が上がって倒れそうになる……



……こんな感じで、ダイエットは失敗も失敗。

100kgまであと少しの巨デブになってしまった。


……多分恵人は11kgも太ってないよね?

はぁ、まさかこんなことになるなんて……



……


「……その、まあ、そんなこともある」

「……」

時計は午後6時30分を指している。

私たちは最終日のこの時間帯に、ハンバーガー屋さんで晩ご飯を食べることを前もって約束していた。

ルール通り、今回の勝負に負けた方がご馳走することになっている。

……当然勝ったのは恵人の方。

向こうは9kg増だったけど、私は11kg増だった。

しかも恵人は2カ月間で、こっちは1週間……


「うぅ……油断しすぎたかも……」

「そうかもな……」


自分の異様な食欲にショックを受けつつも、私は肉厚の凄いウルトラバーガーをバクバクと食べている。

太りまくったことは嫌だけど、だからといって食欲は減らないんだよね……

「……ねえ、恵人。

晩ご飯のお金は払うけど……その……走るのは……無理かも……」

「……」


恵人は私のお腹周りに目線を落とし、妙に頷いている。

シャツから顔を出した丸いお腹を眺めながら、『ほぉー、凄いなぁ』と独り言を呟いていた。

幼馴染とはいえ、いやむしろ幼馴染だからこそ……こんなでっぷりした腹部を見られるのが恥ずかしい。


「そ、その……凝視しないで……」

「あっ、すまん。

……まあ、歩く区間があってもいいから頑張って5km走らないか?

運動しないと運動不足がもっと深刻になるぞ?

次の土曜日はどうだ?俺も9kg増えたから動かないといけないし……」


走るのは嫌だけど……流石に身体を動かさなきゃマズいよね。

ダイエットの一環として運動しよう。



---



6月10日の土曜日。

私は家までやって来た恵人と一緒に近所を走ってるんだけど……


「はぁ、ふぅ、もう疲れた、休もうよ……」

「まだ3分しか走ってないぞ?」

「無理だって……!」


今の私は104kgにまで増量を重ねてしまっている。

ドリンクを飲まなくなって結構経つのに食欲は全く減る気配が無い。

……『土曜日にいっぱい運動して脂肪を燃やすし、ちょっとぐらい食べてもいいよね』と自分を甘やかしたのが原因だけど。

一度付いた大食の習慣が消えることは無く、体重は刻々と増加を続けている。


全身の贅肉が50kg以上も増えてしまった訳で、走ってるとお肉が邪魔で邪魔で仕方ない。

太ももの脂肪がたぷたぷと大きく震えるし、巨大すぎる胸がブルンブルンと勢いよく揺さぶられる……

お腹もお尻もぼよんと鈍く揺れてて、どうしようもない。

既にすごく疲れたし、これ以上走ったら気を失ってしまうかも……


「はぁ、ちょっと休憩……したい!」

「わ、分かった……」


私は一旦立ち止まり、呼吸を整える。

5分ぐらいはゆっくりしたい……



「亜優、大丈夫か?

本当に無理だったら止めていいからな」

「……ありがとう」

よっぽど私が疲れてるように見えるらしく、恵人から心配されてしまった。

でも動かないと痩せないし、頑張らなきゃ……


そう思った私は再び歩き始めた。

もう走るのは無理だけど、せめてウォーキングぐらいはしないと。



……


「今日は……かなり疲れたよ……」

「頑張ったな」

家に帰って来た私はもう汗びっしょりで、着ているシャツもかなり湿っている。

こんなに動いたんだから、結構脂肪は燃やせたんじゃないかな……


『(ぐぅぅぅ……)』

「……運動したから……お腹が空いちゃった……」

「おう、今日はちゃんと動いたし、少しぐらいはお菓子とか食べてもいいんじゃないか?」

「そう!?やった!」

「あ、亜優、そこまで嬉しいのか!?」


『お菓子』というワードに思わず過剰反応してしまった。

疲れ切った身体が甘味を求めて仕方ないんだと思う。


「じゃあ早速……食べようかな……」

私はすぐさま冷蔵庫を開けてケーキを取り出した。

そして飲み物のサイダーも。


「うわっ、こういう時は動きが素早いな!

普段はのっそりしてるのに!」

「だって……甘い物は1秒でも早く食べたいから……!」



……


「ふぅ、お腹いっぱいだよ……」

大きく出っ張ったおへそ周りを擦りながら、私はそう呟いた。

ケーキにシュークリーム、他にも色々……

ちょっとだけのつもりだったんだけどね……


「恐ろしく食べるなぁ……そんなに太る訳だ」

「う、うるさい……」

ちなみに一緒に運動してもらったお礼として恵人にもケーキを分けている。

好きなだけ食べていいよと言ったのに、1ピースだけしか食べなかったんだよね。

意外と小食なのかな?


「……でも、こんなに際限なく食べるようになったのは亜優のせいじゃない。

あのダイエットドリンクの件があったからな……

中身が間違ってなかったら、今頃亜優は痩せてたんだろう」

「……そうだよね」


しょうがなかったとはいえ、あんなドリンクを飲んだせいで私は痩せるどころか激太りしてしまった。

100kgを超えた今の私は巨大なデブとしか言いようがない。

服もそろそろ入らないというか破けたりするレベルになった。

キャミソールに穴が開いたり、スカートがお尻のところで裂けてしまったり……

制服だって金曜日にはブラウスのボタンが飛んだし、スカートのファスナーを無理に閉めようとして壊したし……


今の私って、もう女子高生としては論外なデブだよね……

そう思うと憂鬱になってしまう。


「こんなデブ……みんなドン引きだよね……」

「……亜優、そんなに落ち込むんじゃない。

確かにかなり太ってしまったが、別に俺は何とも思ってないから。

亜優は俺の大切な幼馴染だ。」

「……本当?」


私は顔を上げて、恵人の方をじっと見つめた。


「ああ。これからもダイエット、一緒に頑張っていこうな。

亜優は結構真面目だから、いつか痩せるだろう。

大丈夫だ、絶対元の体型に戻れるって」

「……嬉しい」


……私の心が少し明るくなった気がした。


「恵人って……そんなに優しかったっけ」

「おいおい、俺が普段は性格悪い奴みたいに言うなよ」

「そんなつもりで言った訳じゃないよ……ふふっ」


……デブになって悪い事ばかりじゃないかも。

お菓子だって好きなだけ食べれるし。

流石にこれからは控えめにしなきゃとは思うけど。


「これからも……よろしくね」

「おう、サポートはするけど、亜優も自分で痩せる努力をしろよ」

「分かってるから……」


まあ、恵人もサポートしてくれるし、そのうち痩せるよね。

ドリンクの効果だって流石に切れてると思うし。



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翌日、私は恵人と一緒にまた運動している。

もうダイエット勝負には懲りたから、単純に一緒にダイエットするということになった。

結局太らせ合いになったし、少しでも良い結果を出そうとダイエットドリンクを飲んで痛い目に逢ったからね……


そして、本当に痩せなきゃマズいレベルまで太ったこともあり、

ちゃんと痩せるように手伝ってほしいとお願いしたんだけど……


「け、恵人、はぁ、い、一旦休みたい……」

「これぐらいで根を上げてたら一生痩せないぞ」

「はぁ、ひぃ、昨日は、優しかったのに……はぁ」

「厳しくしなきゃブクブク太る一方だからな!

亜優、痩せたいんじゃなかったのか!」

「は、はい、はぁ……痩せたい、です」

「じゃあ走りなさい」

「う、うぅ……つらいよ……」


やっぱり、恵人は優しくないのかもしれない。

私ははぁはぁと息を荒げながら、贅肉を揺らして走るのだった。


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