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『大食のバケーションアイランド』プロローグ(1人目)

実際のゲームで使うかは未定ですが、1人目の登場人物「智味」編のプロローグです。


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「やっと着いた……」

住んでいる場所から7時間掛けてこの「バケーションアイランド」、通称VI島までやってきた智味(さとみ)。

彼女は希望していた国立大学に現役で合格できず、浪人生として勉強に励んでいる。

そんな智味だが、決してVI島にリラックスするために訪れた訳ではない。


この島は休暇を楽しむ場所としても知られているが、主にワーケーションを行ったり、独学での勉強をするための施設として整備されている。

海に出て気分転換をしたり、レストランで様々な料理を味わうことができるとはいえ、それは快適に仕事や学習を行うことを目的としているのだという。

離れ小島という邪魔の入りにくい環境で、集中できるワークスペースを作り出すのがメインなのである。

智味も入試対策の勉強をもっと集中して取り組みたいと思って、はるばるやって来ることに決めたのだった。



「おお……広々してる……」

指定されたコテージに入った彼女は、その空間の広さに驚いていた。

一人で過ごすには大きすぎる程であり、4~6人程度が宿泊できる規模である。


一番広い部屋は本当に何も無く、ノイズとなるようなものは存在しない。

シンプル極まりない白い内装はWeb会議にも最適だという。

部屋は、大きな机と空の本棚、高価そうなプレジデントチェアだけが陣取っている。

後は有線ネットワークや電源に接続するためのコンセントが存在しているだけだった。


他にも、使う必要があるかは微妙だがキッチンの設置された部屋もある。

また、寝室は別に用意されており、ダブルサイズのゆったりしたベッドが設置済みだ。

浴室もバスタブが大きく、リラックスできるようになっている。


このような立派な施設を見て、多くの宿泊客は却って身が引き締まるのだという。

しっかりと元を取らないと……等という感情が募るそうだ。


「集中して勉強できそう……」

智味は大半の利用者と同様に圧倒されつつも、入試対策が捗りそうな部屋に来れたことを喜んでいる。

そう、彼女は集中できる環境を求めていたのだった。

どうしても自室だと色々なものがあって気が散ってしまう、というのが智味の悩みである。

好きな小説や漫画といった娯楽には容易に手を伸ばせる上に、お菓子もついつい摘まんでしまう。

他にも、友達から一緒に食べに行こうと誘われることも少なくない。


「後は……ちょっと身体も絞りたいし……」

寝室に入った彼女は、服を捲り上げて腹部を鏡で見ていた。

運動不足にお菓子の食べ過ぎ、度重なる外食のせいで、確実に増量を果たしてしまっている。

1年前の体重は48kgだったが、今では57kgまで増えていた。


ぷにっとしたおへそ周りの贅肉を摘まんでいる智味。

高校時代は括れていたはずのウエストは、現在ではぽっこり出て弛みつつある。

二の腕や太もも、お尻といった場所も確実に駄肉が増えていた。

全身ムッチリ気味になった彼女は、緩んだ食習慣を一旦リセットしたいらしい。

そして、島内の運動施設に通ったり、朝にはジョギング用の道を走って運動する予定である。


「勉強だけしてても集中力切れるし……運動も大事だよね」

浪人生になったばかりの頃、智味は勉強のし過ぎで疲れ果てて、2日間何もせず寝込んだことがあった。

だから無謀なことはしたくないのだろう。


「まあ、ダイエットはメインじゃないけど。

まずは勉強する環境を整えないと……」

彼女は鏡を見るのをやめて、図書センターまで足を運ぶことにした。

その施設には大学受験や国家資格をはじめ、他にも様々な分野の参考書などが置いてあるという。

ちなみに、使っている参考書なども自宅から段ボールに詰めてVI島に送り込めるらしい。


……


こうして、智味は『勉強に打ち込み、そして食生活や運動習慣を改善する』という目標を持って、VI島での生活を始めた。

しかし……「大食のVI島」と形容される原因として知られる、恐るべきレストランの虜にならずに帰れるだろうか。

それはプレイヤーの選ぶ選択肢次第である。


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