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『いっぱい食べる方が良いのに』と幼馴染に言ったら激太りした話(限定公開後半)


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10月15日の今日、俺は亜優と食べに行くことになった。

最高気温は24度程度で、それなりに過ごしやすいレベルに落ち着いている。

俺はそう思って道中を歩いているのだが、幼馴染の方は……


「まだまだ暑いよ……何で……?」

半袖のTシャツはすでに汗びっしょりで、顔には絶え間なく汗がダラダラと流れていた。

左手には駅で買ったドーナツ8個詰め合わせの袋があり、右手は口元と袋の中を何度も行き来している。


先月よりも更に1周り太った身体は、もう全身のどこを見ても贅肉がミッチリ詰まっている状態だ。

軽装のおかげで身体のラインも把握しやすい。


もちもちした二の腕が動かすたびにタプンと揺れ、ドーナツを掴む手さえしっかりと指が太くなっている。

その甘ったるい輪状の食べ物を噛みしめる度に、たっぷり肉の付いた顎がタプタプ震えてしまう。

顔は頬がぷっくりと膨らみ、かつての繊細な姿とはかけ離れている。

目が大きいおかげでかわいい雰囲気はあるが、半年前の写真を見ても同一人物とは思えないだろう。


食べに行く所なのに菓子類を買って頬張っている亜優。

この人にとって、そんなことは何てことも無い日常なのである。

満足げに笑みを浮かべてドーナツを食べているのだから何の問題もない。

こんな量は食べた内にも入らないのだろう。



しかし、ドーナツを丁度食べ終わった時に亜優が立ち止まった。

「恵人、ちょっと休憩していい……?」

「別に構わないが」


目的地のイタリア料理店は降りた駅から7分程度歩いた場所にある。

しかしこんな距離ですら少し休みたいらしい。

確かに途中で歩道橋を上り下りしたとはいえ、大した運動量ではないはずだと思う。


俺たちは一息つくために少し先にある公園に向かった。

そして亜優はその辺にあった自販機でスポーツドリンクを買い、ゴクゴクと勢いよく飲んでいる。

全身にかいている汗、そして髪の毛から滴る雫と相まって、見かけだけは長時間運動したような雰囲気である。


改めて幼馴染の体型を観察できるチャンスがやってきた。

どれだけ太ったのかを把握しておくか。


さっきから顔とか腕は何度も見ているけど、上半身全体がかなりの肉厚となっている。

背中を見ても贅肉の段が色々と形成されているが、一番目を引くのは立派すぎる腹だろう。

ボールでも入ってるかの如く突き出しており、それでいてぷにょっと柔らかそうな雰囲気なのが女子らしい。

ただし弛み方も結構なもので、だるんと垂れつつあるのが目立っているが。

ちなみに着ているTシャツが亜優には小さいらしく、でっぷりしたヘソ周りがハッキリと出てしまう。

ここまで太ったおかげで胸は特大サイズまで育ち、歩くだけでユサユサとせわしなく揺れる。

確かに自慢できる大きさのバストだとは思うが、それでも腹の方が出てるのが悲しい。


下半身も無論贅肉が余すことなく付いている。

尻もでっかく広がってしまい、横から見ても前から見ても丸く張り出してるのがよく分かる。

無理に詰め込んだのか、はち切れんばかりにスカートの生地が張り詰めている。

そんなスカートから伸びる太ももは、たぷんたぷんの脂肪がたんまりと纏わりついていた。

肉が多すぎて両脚が密着しており、歩く時にブルブル揺れるし内側が擦れて歩きにくそうだ。


……まさかここまで太るなんて。

顔や腕、胸や腹、そして尻に脚……全身全てに駄肉が付きまくっていた。

スタイルはかなり崩れてしまっており、体重も100kg近くありそうな気がする。

この人は果たして現状をどう思っているのだろうか。


そう思って亜優に声を掛けようとしたが……顔が赤く染まっていた。

「……分かってるよ……凄く太っちゃった事ぐらい」

「亜優……」

俺にしっかりと観察された事を知っているのだろう。


幼馴染はシャツからだらしなくはみ出た贅肉を掴みながら、ため息をつく。

「はぁ……まさか私がここまで太るなんて……」

「確かに」

「お腹も凄いことになって……顔もパンパン、胸は重すぎて動きにくい……

お尻は大きすぎるし……脚も擦れて……」

どうやら亜優も自分の現状をしっかり認識しているらしい。

俺がちょっと見ただけでも分かるレベルだから、本人は把握してて当然だろう。

言っちゃ悪いが太ってることなどもう気にしてないと思っていた。


「昨日体重測ったんだけど……91kgだったんだよ?

もう100kgまで……後9kgしかないんだよね……」

91kg……流石に100kgは超えてないが、それでも近いレベルにはなっているのか。

ここまで太ったのは亜優がひたすら食べまくったのが原因だ。

しかし、食べることを後押ししたのは俺の言葉だった。


幼馴染がこんな肥満体型になったのは、間違いなく俺のせいだろう。

もしぽっちゃりしてきた程度でダイエットの必要性を持ち出していたら……

俺は『いっぱい食べる方が良い』『食べ過ぎなんて気にしなくていい』と口走ったのを責められただろう。

関係も悪化していたのかもしれない。だが確実にこんな立派なデブになることは無かった。


俺が痩せるように促すどころか、『嬉しそうに食べるのがかわいい』とか言ってしまって……

そのせいで亜優の食欲は加速してしまったし、とうとうクラスでも構わずに食べまくる程になった。


「恵人、私って……その……」

言葉を詰まらせ、どんどん声量が下がっていく。

「太り過ぎ……だよね……」

痩せてた頃を想起させる、か弱く繊細な声で呟いた。


「女子高生でこんなデブって……あはは……びっくりだよ。

好きなだけ食べまくるし……ダイエットなんて全く気にしなくて……

こんな体型に……なっちゃった……」


俺は相槌の1つさえ打つことが出来ないでいる。

自分を責めるかのような言葉を発しているが、この幼馴染が悪いのではない。


確かに……これほどまでに増量しても、まだ痩せようとしなかったのは驚きである。

ただ……それも俺が事実上『痩せないでいい』と取れる言葉を言ったせいだろう。


これ以上落ち込む姿を見たくは無いし、そしてこれ以上太らせたくも無いと思っている。

本人が気にしてないなら別に構わない。俺は今でもいっぱい食べる女子はかわいくて魅力的だと思う。

太るのが駄目だとも思わないし、痩せた姿が美しいと思っている訳でもないが……悩んでるなら話は別だ。

「亜優は悪くない、俺のせいだ」

「……恵人?」

きょとんとした目で見つめて来た。


「ハンバーガー屋で『もっと食べたいんだろ?』とか、『いっぱい食べる方が良い』とか言って……

どんどん食べるように仕向けたのは俺だ」

「でも……恵人が無理やり食べさせてる訳じゃないよ?」

「それはそうだ。だけど、俺が誘導した事実は変わらない」

「そんな事……無いと思うけど……

今日だって……ドーナツ買う時に『本気かよ!?』って言ってたよね……?

私が太ったのは……私の話だから、気にしないで……」

「……ありがとう」


亜優の名前には『優しい』という字が入っているが、実際そんな性格かもしれない。

俺にわざわざ気を遣ってくれているのだろうか。

俺のせいにしてくれていいのにな。


「それより……恵人。

私って……太り過ぎ?ダイエット……した方が良い?」

「……」

中々に答えがたい問いかけである。

幼馴染を傷つけたくはないし、かといって今更『デブだよな』って感じのことも言いにくい。

だが……もう腹を括るしかないな。


「ああ、ダイエットした方が良い。太り過ぎだと思う」

夏休み前には言えなかった言葉が、すんなりと俺の口を通って出て来た。

「……やっぱりそうだよね」

しゅんとした、悲愴な様相の亜優が俺の眼に映っている。

どうやってこの状況を取り繕えばいいのだろうか。


「……だから、痩せようと思ってて……

明日から……ダイエットするつもり。

出掛ける前から思ってたよ」

幼馴染の表情が少し柔らかくなったのを見て、なんだか安心した。


「……さっき、『いっぱい食べる方が良い』って誘導したとか……言ってたよね?

だったら……今度は痩せるように仕向けてよ」

成程なぁ。俺が時折言った言葉が亜優に影響を与えるんだったら、逆に痩せさせるのも可能かもしれない。

何と言えばいいのだろう。『太り過ぎじゃないか?』とか『それ食べたらまた脂肪が増えるぞ』って感じか?


「分かった。亜優が痩せるように頑張ってみる。

……だったら、今日食べに行くのも止めた方が」

「えっ……」

「どうせだったら今すぐにダイエットを始めた方が良いと思うけど」

俺の提案に何故か驚いた顔をする幼馴染。


「……分かった。今日からしっかりダイエットしなきゃ。

早速ありがとう……」

「おう、言うぐらいお安い御用だ」



結局ピザを食べることも無く、そのまま俺たちは家に帰った。


(はぁ……何とかなった……)

自室に戻った後も俺は冷汗をかいている。

亜優が太り続ける事にも終止符を打てたし、仲違いすることも避けられた。


思えばこちらが勝手に考え過ぎていただけなのかもしれない。

しかし長らくの懸念事項が解消されたことで気分が晴れた。


明日からどんな言葉を掛けるべきか考えるか……



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あれから1カ月、俺は度々『食べ過ぎには気を付けないと』、『その一口が太る元だぞ』みたいに言っていた。

その度に亜優はハッとした顔で『恵人の言う通りだね』等と返事をする。

その成果が……


「98kg……だったよ」

「ちょっと待て、先月より7kg増えてるじゃないか」

「で、でも……お腹いっぱい食べた後に測ったし、服も着てたから……実質95kg位で」

「そう言う問題じゃないと思うけど……」


何故だ。俺は太るように促してはいないはずだが。

太る方向には凄まじい効果があったのに、痩せる方向には何の力も無い。

というか太るのが全然止まっていないんだが。


学校でお菓子を食べてるのを見かけたら取り上げたりしている。

しかし家で何をしてるのかは分からない。

きっと恐ろしい量を食べまくっているのだろう。


制服姿の亜優は、まあ凄い状態である。


顔は真ん丸く、ふっくらした頬と顎肉の波打つ様子が特徴的だ。

こんもりとしたメロンのような胸が、制服を今にも突き破りそうになっている。

ボタンの糸が解れて限界ギリギリであり、ブラウスがパツンパツンだ。

だが、その下の腹はスイカでも入れたかのような立派な姿(?)に育っていた。

ボタンさえ留まっておらず、ボヨンとせり出したヘソ周りが見えてしまう。

尻は大き過ぎるあまり、理科室にある丸椅子から盛大にはみ出るほどだ。

無論スカートも腹や尻の贅肉のせいで破けそうで、ファスナーを閉めるのも完全に諦めたらしい。

太ももは脂肪でとてつもなく太くなり、二―ハイソックスが食い込んで凄く締め付けられている。


「そろそろ買い替えた方が」

「痩せるから……大丈夫!ダイエット……してるから!」

自信ありげに笑う亜優。……全然痩せる気配はないが。


「ダイエット中ならこのポテチは食べなくていいよな」

そう言って幼馴染の手元にあるビッグなポテチをさっと取り上げる。

「あっ、それは困るなぁ……」

しかし目にも止まらぬ速さで取り返された。

何でこんな時だけ素早いんだよ……


「このままだと100kg超えるぞ、だから食べない方がいい」

ここで諦めてはいけない。間髪入れずに痩せるように仕向ける。

「……そうだった。確かに恵人の言うとおりだよ」

我に返ったような表情でそう言った。


そして、返事をした後で食べるのをピタリと止め……

「美味しい……もっと食べたいなぁ……」

止めることもなく、何食わぬ顔で食いまくる。


……俺の痩せる言葉は、いつになったら効果を発揮するんだろう?

それとも何か言い方が間違っているのだろうか?


……まあいいか。亜優も楽しそうに食べてるし。

いっぱい食べる幼馴染の姿はやっぱりかわいい。


「美味しそうに食べるよなぁ」

「何か言った?」

……うっかり心の声を呟いてしまった。


[END]


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