「大食いでも太らない」はずだった女子高生が東案下市で太る話(全体)
Added 2023-01-05 03:32:50 +0000 UTC「いっぱい食べるねー」
「お腹空いちゃうんだよね」
私は昔から食欲旺盛で、ご飯もお菓子も沢山食べる。
そんなに食べまくったら太りそうだけど、どうも私は恵まれた体質みたい。
どれだけ食べても全然太らないし、胸にばっかり栄養が行ってお腹には全然お肉が付かないんだよね。
後はお尻とか脚に脂肪がほど良く付いてるぐらいで、全体的にグラマーな感じかな。
「食べても太らないなんて羨ましいなぁ」
「えへへ、何でだろ」
友達にこんな風に言われることも多い。
住んでいる案下市の隣町にある東案下高校に進学してから、以前よりも更に食欲が増している。
でも私は太らない。
好きなだけ食べれる私って、結構幸せ者だよね。
どれだけ食べても太らない。それが私の当たり前。
ダイエットなんて無縁で自分の食欲の赴くままに食べまくる。
きっとこれからもそうだと思う。
しっかりと大きなバストに、きゅっと括れたウエスト。
大き目のヒップと少しムチッとした脚。
そしてまあまあかわいい部類の顔。
これでよく食べるんだから、ギャップも大きいと思う。
周りはダイエットを頑張ったりしてるけど、お菓子の誘惑に負けている子は少なくない。
その結果、普段の食生活がお腹に反映されてしまっている女の子も結構いる。
でも私はそんな風にはならない。
中学の頃も全然太らなかったし、東案下高校でも大丈夫だよね。
「何か秘訣とかあるの?こっそりダイエットしてるとか?」
「全然。本当に何もしてないよ。体質かな」
「すごいなぁー」
周りにも羨ましがられて、いい気分。
そして私は持ってきたポテチを次々と口に放り入れて頬張る。
更に板チョコも食べてジュースもごくごくと飲んでいく。
「うぅ、ダイエット中なのに……美味しそう……」
「ごめんごめん」
自由気ままに食べる様子を見て、何とか脂肪を減らしたい友達も食欲が増してしまったらしい。
ごめんね、太らない体質で。
私って大食いなのに太らないから。
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(あれ?また胸が大きくなった?)
6月の中ごろ、鏡の前で私は自分の体型を確認していた。
久々にまじまじと見つめた身体のライン。
何だか前よりもふっくらして更に魅力的になったと思う。
ただでさえサイズの大きな胸がもっと育ってるし。
このままだと下着をまた買い替えないといけない。
……と思っていたけど。
よく見るとおへそ周りにもお肉が付いている。
私と言えば、大きな胸とお尻と、くっきり括れて無駄な脂肪の無いウエストが自慢だったはず。
でも鏡に映ったおへそ周りは少し弛んでて、縦に伸びていたおへそは横向きに方向転換しつつある。
括れは依然として残ってるけど緩やかで一応あるという程度。
触ってみると、ぷにょっとした贅肉が摘まめてしまった。
今までこんなことは無かったのに。
(嘘……ウエストが弛んでる……)
……見なかったことにしたい。でも実際お肉が付いているのは否定できない。
東案下高校に通い始めてからますます食欲が増えたけど、それが原因かも。
いくら太りにくくても限度があるって事かな?
あの高校周辺って美味しいお店が多いし、ついついドーナツとか買っちゃうんだよね。
何というか街全体が「いっぱい食べて!」という雰囲気がある。
元々食欲が多いのもあって私はうっかり食べ過ぎてしまったらしい。
……実際、太らない体質のはずなのに、それでも脂肪が身体の色々な所に付き始めていた。
お尻も大きくなってショーツがキツい気がするし、太ももは肉が更に付いた感じもする。
顔もちょっとだけ丸くなったかも。
これからはちょっとは反省して食べる量を抑えなきゃ。
今までこんなの考えたこともなかったなぁ……
周りの女子の気持ちが少し分かったかも。
猿も木から落ちると言うし、気を付けないと。
少し調子に乗ってたのかな。まあちょっと我慢したら大丈夫だよね。
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「太らない体質だったんじゃないの?」
「う、うぅ……」
7月中旬になり、水泳も始まっていた。
でも用意していた水着がキツくて入らず、大きなサイズに買い替えることに。
最初に買ったものは……来年こそ着れるようにならなきゃ。
取りあえず授業は受けられるけど……恥ずかしい。
太くなってしまった身体を周囲に長時間見せることになってしまう。
もっと大きくなった胸を見られるのはまだしも、確実に肉厚を増したおへそ周りを凝視されるのが少し辛い。
太ももだって結構脂肪が付いて太くなってるし、お尻もそろそろ恥ずかしい大きさになってきた。
友達にもウエストのお肉を掴まれるし、座ったら段が出来てだらしないし……
おへそも横を向きつつあり、かつてのウエストはどこにも見当たらない。
二の腕もプニプニと柔らかいし、顔も丸顔になってきた。
早く水泳の授業終わらないかな……
まさかこんなに太るなんて思ってなかったよ……
授業が終わり、急いで更衣室に駆け込んだ私は素早く制服姿に戻ろうとした。
(ふんっ……)
でも、最近は制服に着替える時も一苦労で時間が掛かる。
お腹を引っ込めながらスカートのホックを頑張って留めたりしなきゃいけない。
何回もグッと引っ張り何とか穿こうとする私。
そんな様子をからかう様な視線で眺める周囲。
「スカートもキツいなんて……かなり太ったよね」
「あはは……」
そう言われるのも当然だと思う。
高校入学前までは食べても食べても太らなかったのに……
東案下の街にいたら太るんだよね。きっと。
食べ過ぎたら太る。そんな当たり前な事も私には通用しないはずだった。
でも今は順調に体重が増えてしまっている。
家に帰って鏡を見ると、今の現実がしっかりと映っていた。
(うわぁ、かなり太ってるよ)
顔は本格的に丸くなり、二重顎が少しずつ姿を見せ始める。
胸は更に大きくなってかなりの重量感があるけど、ちょっと重くて邪魔かも……
そんな胸の下に目線を移すと、大分贅肉が付いてしまったウエストが目立っていた。
制服越しでも太くなったのが分かる上に、ブラウスを捲ればだらしないおへそ周りが露になる。
スカートの縁にも脂肪が乗っかるし、括れもついに消え去った。
お尻も胸と同様、大きく育ってしまいスカートに包まれていても存在感がある。
太ももの贅肉もかなり増えてるし、周りに見せたくない太さになってきた。
まだ胸が一番目立ってるし、グラマーな印象のある体型だとは思う。
でも女子たちからは『痩せなよ』『油断し過ぎでしょ』と言われるレベルだし、そろそろ本当にマズいことになってるのは分かる。
ただ……どうしたらいいのか全然分からない。
今まで好きなだけ食べても大丈夫だった。
『大食い女子は何故か太らない』はずなのに……
どうしてなんだろう。
いっぱい食べる子が食べた分しっかり太るなんて……いやそれが普通なんだよね……
ダイエットしなきゃいけないけど……そんな必要も無かったし考えたことも無いから方法も分からない。
今まで何もしなくてもスラッとしたウエストを維持できてたのに。
だから今更努力して痩せようという気になれない。
このままじゃ制服も着れなくなるかも……
でもお腹は空くし、今日もいっぱいケーキとかシュークリームとか買っちゃったし……
(ぐぅぅ)
私の食欲は果てしないんだから、お菓子を控えるなんて到底できる訳無いよ。
でも明日からはダイエット、だよね……
夏休み明けにはせめて少しは絞っておかないと……みっともない水着姿は見られたくない。
はぁ……大食いキャラって太ってないからこそ意味があるのに。
これ以上太りたくない……
でも……やっぱりダイエットとか面倒だよね。
どうなるのかな、私……
あっ、そういや夏休み中は東案下に行かないから……太らないかも。
だったら無理して痩せなくても大丈夫なんじゃ……!
……単なる願望だけど。
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長いようで体感ではそこまで長くない夏休み。
始業式が少しずつ近づいてきた。
この夏休み中、私は……意外にも全然太っていない。
東案下市に行ってないせいだと思う。
むしろ体重が減ってきた程だった。食べる量はそんなに減ってないんだけどね。
かなりキツくなっていた私服も少しだけ余裕が出てきている。
やっぱり東案下の街に行くと太るのかもしれない。
そんなことあるのかな、と思うけど実際太ったんだからそうだと思う。
この調子で夏休み明けまでには元の体重に戻っていて欲しいんだけど……
まあ、何とかなるよね。
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(ふふっ、ちょっと痩せて良かったよ)
夏休みも明け、水泳の授業がまた始まった。
東案下に極力行かないようにしていた私は、それなりに体重を落とせていた。
まだウエストはプニプニしてるけど、一時に比べたらマシで6月中ごろぐらいの体型には戻っている。
それに体重が減った割に胸がそんなに減ってないのも嬉しい。
おかげで前よりもバストがもっと目立つようになり、更に魅力の増した体型になった。
ウエストに目を瞑ればだけど。
水着だって一応最初に買ったサイズが着れるようになったし、スカートもホックをすぐに留めれるように。
ここまでは順調だよね。
後は……これからは調子に乗って食べ過ぎないようにしなきゃ。
東案下にいると太るみたいだし、もし食べるとしても家の近所にしないと。
私はそんな心構えを持ってこれからの学校生活を送ることにした。
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2週間ぐらいが経った頃。
(うっ……嘘……)
厚みの戻ったおへそ周りの贅肉を掴みながら、私は困惑していた。
学校が始まってから急激に太っている。
最後の水泳の授業なんて水着がキツくて大きい方を着る羽目になったし。
下半身もしっかり贅肉が付いてるし、またふっくらした丸顔になってしまった。
こんなに太った原因だけど……心当たりは……ある。
また東案下の街でたらふく食べてしまってるんだよね……
だって学校から駅までの道に飲食店とか食べ物屋さんが密集してるし、通りには美味しそうな匂いが充満してる。
元々食欲旺盛な私がそんな誘惑に勝てる訳が無く、毎日どこかに行っては山ほど食べてしまう。
おまけに『食べ放題』を謳うお店が結構あるのが……ズルいよね。
こんなんじゃ太るに決まってるんだけど……それでも太るのが早すぎるよ。
あっという間にこんな体型に戻るなんて。
いい加減ダイエットという現実に向き合わないといけないんだけど……そもそも東案下にいたら無理じゃないかな……
でも流石に今日からはダイエットしないと。そのためにはお菓子を控え……
(ドーナツ買ったんだった……)
何してるんだろう、私……そりゃ太るよ。
今日は仕方ないから、明日から!明日から頑張ればきっと……
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9月の終わりごろ。
「スカートまともに穿けて無いよねぇ」
「そ、それは……!」
「このままじゃすぐおデブになるよ」
……分かってるよと言いたくなる。
でも食欲が止まらなくてどうしようもないんだよ。
ダイエットをしようと頑張ったけど、東案下の街を歩くとすぐに「食べたい」って気持ちで頭がいっぱいになる。
2週間前と比べても更に1周り太ってしまっている身体。
制服もパツパツでスカートがキツくて仕方ない状態に。
壊れたホックの代わりにでっかい安全ピンで強引に穿いたスカートが、必死に私のお腹の贅肉に耐えている。
もうファスナーも閉まらないし、限界を迎えつつある制服。
ボタンが弾け飛びそうなブラウスも同様で、胸の頂点の部分に至ってはとうとう閉まらなくなった。
食べ過ぎが原因なのは明らかだけど、東案下にいたら太るんだからしょうがない。
どうせダイエットなんて出来ないし、大食いでもしてた方が楽しいよ。
周りからデブとか言われようが気にしない方が良いよね。
……実際には気にしないなんて無理だけど。
既に開き直りつつあるとはいえ、まだデブキャラになるのは抵抗がある。
何か月か前までは自慢できる体型だったから、いきなりそこまで吹っ切れるのは難しいよ……
家に帰ってから下着姿を見てみたけど、中々だらしない状態になっていた。
二重顎が徐々に日常的に形成されるようになった顔。しかもほっぺもふくれてきてる。
胸はかなり立派で巨大になったけど、重すぎるからかちょっと位置が下がり気味。
ブラもキツくて胸のお肉がはみ出てるし、背中にはバックベルトの部分が食い込んでしまう。
お腹はだるんとした段々腹がショーツの上に乗っかり、すっかり横に潰れたおへそを見て悲しくなる。
ポッコリ出たおへそ周りは女子高生というより中年太りの女性みたいで情けない。
お尻は大量のお肉が付いてムチムチとしたかなり大きなサイズになった。
それに連なる太ももはタプタプした贅肉ですっかりと太くなり、スカートから出すのが恥ずかしい。
太ったせいで胸がかなり大きいし、服を着てたらまだグラマーな体型にギリギリ見えなくもないかな。
でも控えめに言ってもぽっちゃりなのは事実だし、そろそろデブって言われる領域に差し掛かっている。
……自分でそう思ってるだけで実際は既にデブなのかも。
そういや周りの視線が胸よりもお腹に向いているかもしれない。
東案下で食べなきゃいいんだけど、食欲がいくらでも湧いてしまう。
それに元々いっぱい食べるのが大好きだから止めるのが難しい。
最近だとお店の人に顔を覚えられる程なんだよね。
それだけ足しげく頻繁に通ってるってことだから……どれだけ食べてるのかな……
何より、やっぱり東案下のお店の方が家の近所よりもずっと美味しいのが悪いよね。
味のレベルが全体的に高いし、しかもそれなのに安くて量も多い。
おまけに常連だと色々特典も付けてくれる。
カレー屋さんだとタダでご飯を大盛にしてくれたり、ドーナツ屋さんだと一つおまけで入れてくれたりすることも。
そのサービスが嬉しくて、学校が休みの日でも東案下にわざわざ出掛けてしまう。
食べれば食べる程お得になるんだから食べ歩きが辞められない。
そんなことしてるから、こんな体型になるんだけどね……
ちょっと前まではくっきりした括れがあったなんて信じられない。
前まではほっそりしたウエストにして大食家だったから、周りから『凄い』と思われてたけど……
このぷにょぷにょして弛んだお腹だと、意外性も何もない。
早く大食いを止めないといけないのに……
明日はどこに行こうかなと思ってしまう私がいる。
ダイエットなんて大食いの私に出来る訳が無いよ。
今後一体どうなるんだろう……
そんな不安ばかりが募ってくるけど……
(ぐぅぅぅ……)
容赦なく身体は空腹を訴え、何か食べるように私を促してくる。
……食べたい。太るのは分かってるけど。
それでもお腹をいっぱいにする方が今の私には大事。
---
10月の中ごろで、そろそろ冬服の季節だけど……
太り過ぎた私にとってはまだまだベストもブレザーも暑く、ブラウス姿で過ごしている。
「凄いお肉だよねー」
「お腹出すぎだよ」
「あはは……」
お腹にたっぷり付いた贅肉を友達に鷲掴みにされる私。
すっかりとデブキャラの扱いに変わっていて、入学時の扱いはどこかに行ってしまったみたい。
制服も入らなくなって買い替えた程で、随分と太ってしまった。
「そんなに食べてるからだよ」
「お腹がペコペコで」
「ペコペコなのに全然へこんでないけどね!」
「そ、そうだね、あはは……」
かつて私を羨んだクラスメートたちも今では私の体型を弄ってくる。
何だか情けないよね……そろそろダイエットしなきゃとんでもない事になるかも。
……既にスタイルが大変なことになってるけど。
(はあ……)
ため息をつきながら私はお腹を擦る。
大量の食べ物と贅肉が詰まっていて、すっかり丸みを帯びていた。
柔らかい脂肪が簡単にたくさん掴めてしまう。
これが今の私……と思うと悲しくなる。
学校が終わり、私は普段通る道を歩いて駅に向かっていた。
そう、この帰り道こそ私を太らせる張本人。
私だけでなく、様々な東案下に来る人たちを太らせているという話を聞いたこともあったなぁ。
ドーナツやケーキ、クレープといったお菓子や、カレーやラーメン、とんかつ屋さん等の飲食店が軒を連ねている。
歩いてるだけでもいろんな匂いが私の食欲を増大させるし、看板を見たら食べたいと言う欲望が募ってしまう。
そもそもご飯は1日3食で十分なはずなのに……
帰る途中で食べるのは「間食」のつもりなんだけど、周りからしたら全然間食じゃないんだよね。
こんなに食べてたら太るのは当たり前なのに……それでも中学までは太ることが全く無かったから……
(せめて今日ぐらいは我慢しないと……)
制服の大幅なサイズアップを経験したこともあり、大食いの私も危機感を抱かざるを得ない。
それに最近は歩くだけでも贅肉がプルプル震える気もするし、スカートから出る太ももがかなり太目になっている。
ぽっちゃり体型……というかデブな姿になって正直結構恥ずかしいし。
でも……看板に『今日は常連の方はサンドイッチが20%オフ!』とか、『常連様は大盛無料!』って書いてあると寄りたくなる。
見てたら食欲をそそられるし、美味しそうな匂いも相まって足が自然とお店の玄関に向かってしまう。
無意識の内にラーメン屋さんの前に来てしまった。
(だめ……今日は食べないって決めたから……)
私は立ち去ろうとして……
「いらっしゃい!今日は常連さんは替え玉無料だからね!
遠慮しないで入って入って!」
店主のおじさんが笑顔でそう言ってきた。
「は、はい……」
……断れない。折角サービスしてくれるのに無視する訳にはいかないよ。
私は結局店の中に入り、いつものように醤油ラーメンとチャーハンと揚げシュウマイを注文した。
女子高生が間食で食べる量じゃないよ……というかお昼でもこんなに食べないよね。
はぁ……大食いって楽しいのに。
また太ると思うと憂鬱になるなぁ……
「ふぅー、お腹いっぱい」
「お嬢さん、いつもありがとうね!」
替え玉を頼み、結局いつも通りガッツリと食べた私。
お腹は厚みを増した脂肪と今食べた「間食」で膨れ、制服越しでも丸いカーブを描いてしまっている。
こんなに食べても家に帰ればすぐにお腹が空き、晩ご飯を造作もなく平らげてしまう。
別に家で食べる分には構わないけど、東案下市で寄り道するのが駄目なんだよね。
分かってる。けどお腹の虫がうるさくてどうしようもない。
そもそも駅前に美味しいお店が充実しすぎてるのが悪いんだよ。
どんなにダイエットしたいと思っても意気を挫いてくる。
今日だって何も食べずに帰るつもりだったのに……
お店を出て、辺りを見渡すと東案下高校や他の学校の生徒たちが歩いているのが見えた。
二人で楽しく笑いながら何かを食べている女子高生の姿もある。
どちらも体型は標準的で、ミニスカートから顔を出す脚は見られても恥ずかしくない細さだった。
翻って私の方は……贅肉のたっぷり付いたぶっとい太ももを臆面も無くスカートから出している。
(はぁ……)
かつての私は、あの二人組よりもスタイルが良かったんだけど……
いくら食べても太らないことに気を良くして、友達の前でたくさんのお菓子を頬張ることも多々あった。
自慢気な表情で食べてたのも過去になり、今では羞恥を感じながら何かを口にしている。
周りから「まだ太りたいの?」と呆れられる有様で……
そんな感じで私は暗い気分で電車に乗り込んだ。
気のせいだと思うけど、周りの人も私のお腹に視線を向けている気がする……
家に着いてから私は制服を脱ぎ、下着姿になって鏡の前に立った。
俯いてないのにしっかり二重顎が出来る顔。ほっぺの丸みも分かりやすい。
Gカップのブラに包まれた胸は、大きさ自体は凄いけど重力に負けて位置が結構下がっている。
買い替えたはずなのに既に下着のサイズが合ってなくて、普段からプルプル揺れてしまう。
お腹は更に膨らんでしまい、立っていても段々腹が出来ている。
おへそ周りの柔らかい贅肉が重たげにショーツに乗ってるけど、多すぎて乗り切らずに溢れてしまっている。
下半身もムチムチと太くなり、だらしなく横に広がった巨大なお尻が嫌でも目立つ。
そして太ももはかなり太くなり、ブヨブヨしたお肉で内股の隙間が埋もれつつある。
一応は胸とお尻がお腹よりも突き出ていて、上手く誤魔化せば「ぽっちゃり美人」みたいに見えなくもない。
でも服を脱いだ姿はぽっちゃり体型と言い張るには無理があり、デブと言い切った方が潔いと思う。
事実周りだって私をデブとしか思ってないわけだから。
顔は今でもかわいい方だけど、お肉が付いて大きくなってしまっている。
まだ「デブになりたて」という感じだけど、このままじゃ暑苦しい立派なデブになってしまうかも……
東案下の街で食べるのを控えるのはかなり難しい。
今日もラーメン屋さんに入った訳だし、きっとこれからも寄ってしまうと思う。
いろんなお店で常連さんと認められてるし、近くを通るとお店から店員が出てくることも。
そして今日限定の常連用サービスを教えてくれたりする。
私は「優良顧客」らしく、普通の常連さんには無い特典まで付けてくれることも少なくない。
その結果がこのスタイルなんだよね……
見た目からしても「大食家」という雰囲気になってきた。
まだ女子高生、しかも高1なのに……こんなに太っちゃうなんて……
太りたくないのに……でも食欲は無尽蔵で果てしない。
何とかしなきゃいけないんだけど……
……考え事してたからか、もうお腹が空いてきたよ。
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11月になり、そろそろ肌寒さを感じる女子たちも多くなってきた。
でも贅肉という「服」を着こんでいる私はそんなことは無い。
顔は二重顎が深みを増し、真ん丸にふくれたデブの顔になっていた。
まだかわいいと言えなくもないけど、ほっぺがパンパンに膨れているのが大きなマイナスだよね……
Hカップのブラすら食い込んでキツい胸は、学校一のサイズといってもいいかも。
まあ、当然重すぎて位置はかなり下がったし、下着が合わず歩くだけでブルンブルンと大きく揺れてしまう。
胸に対抗するかのようにお腹は堂々と丸々大きくせり出して、大盛の脂肪がどっさりとショーツに乗っている。
当然お尻も無意味に大きく育ち、伸びきったピチピチのショーツが何とかヒップを包んでいる状態。
太ももにはこれまたたっぷりと脂肪が纏わりつき、歩くたびに両脚が擦れる程太くなってしまった。
胸が一番突き出ているのは変わらないけど、もうお尻もお腹も大きすぎて大したアドバンテージでもない。
服を脱いでも着てても「立派なデブ」にしか見えないよ。
ただ……おかげで大食家としての貫禄は出てきたらしい。
とうとうラーメン屋さんから、『ホームページやSNSに写真と料理のコメントを載せたい』という依頼まで来てしまった。
しかもタダじゃなくて大盛ラーメンの無料券や現金のお礼まで付けて。
「お嬢さんの美味しそうに食べる姿はきっといい宣伝になるよ」と言ってくれたけど……
きっとこのどっしりした体型が似合ってるってことだよね……
(はぁ……はぁ……)
こんな調子だから、登校するだけでもちょっと疲れるようになってしまった。
階段や上り坂を歩いてるだけでも体力を使うし、身体が重くて仕方ない。
「今日は何食べるの?」
「とんこつラーメンの大盛と黒豚チャーハン大盛!」
「それってもしかして!」
「共食いだよ!」
「あはは!」
ここまでブクブクと太るとデブキャラとして振る舞うしかない。
自分から共食いとか言って笑いを取る状態で、何だか芸人みたいだよね……
そのおかげで学校での居場所は確保できてるけど、女子としての大切なものを失ってる気がする。
まあ、豚みたいと言われても何も言い返せないけどね。
こんなに太ったら当然、体育の授業の度に憂鬱な思いをする。
元々苦手だったけど今はその比じゃない。
今日なんて持久走だし、授業受けたくないなぁ……
3時間目、とうとう持久走が始まった。
(はぁ、はぁ、ふぅ、ひぃ……疲れた……もう嫌……)
まだ2分だというのに息がとても荒くなり、今にも倒れるんじゃないかって位フラフラになる。
「歩いてでもいいから!」
「は、はい!」
幸い先生は優しい性格で、無理に走るようには言わなかった。
でも……こんな状態なのは私と……隣のクラスの100kg越えの巨大なデブの男子だけだけど……
入学時は『あんな太った高校生っているんだ~』って思ってたのに……
男女の違いを考えたら大差ないのかも……
体育の後、私は全身の汗をタオルで拭いてから制服に着替える。
当然、太り過ぎた結果サイズは全然合っていない。買い替えたはずなのに……
まずブラウスはお腹周りのボタンが閉まらず、お腹がまともに収まっていない。
普段はベストで隠れて見えないけど、めくって見ればおへそ周りがはみ出て白い肌が露になっているのが分かる。
スカートはファスナーも壊れ、縁にはお腹の贅肉が山ほど乗っていた。
ムチムチと立派に育ったお尻を包むのもそろそろ限界で、いつ破けてもおかしくない。
こんな体型なのにスカートの丈は短めで、ブヨブヨに弛んで極太の太ももがしっかり顔を出している有様。
全身贅肉だらけだし、恥ずかしくてしょうがないよ……
ぱつんぱつんの制服に着替えてから、一目散に教室に向かう。
疲れてヘトヘトなのに何故か急いで歩いている私。
理由は簡単、お菓子が食べたくてしょうがないから。
(はぁ、はぁ、ちょっと早歩きなだけでも……疲れちゃうなぁ……)
少し急いだだけなのに呼吸が乱れて、汗のせいで全身に湿気が漂っている。
教室に入って、すぐにお菓子を詰め込んだ鞄に手を伸ばす。
そしてチョコクッキーやポテチを出して、すぐさま袋を開けて口に次々と入れていく。
(おいしい~……)
頑張って体育の授業を受けた自分へのご褒美として、思いっきり食べまくる。
運動したから……これぐらい食べてもいいよね。
周囲から、「また食べてるよ」とか「あのままじゃ100kg超えそうだよね」とからかう声が聞こえて来る。
でももう気にしない。というか気にしたところで食欲は収まらないよ。
(……太らない体質……そんなの幻想だったのかな……)
家に帰ってから、全身の脂肪を触りながらそう考えていた。
凄く大きい代わりにだらしなく下がったバストに、
括れていたなんて想像もできない、でっぷりとせり出して丸々したお腹。
自分でもドン引きするぐらい大きなヒップに、ぶっとくて贅肉だらけの脚。
そしてパーツ自体はかわいい部類でも、二重顎や真ん丸な輪郭がかなり目立っているデブの顔。
これで際限なく食べるんだから、イメージ通りだと思う。
周りはダイエットを頑張ったりしてるけど、私はお菓子や大食への誘惑に負け続けている。
その結果、普段の食生活が体型に嫌という程反映されてしまっていた。
昨日なんて、友達が『ダイエットが上手く行った』って括れたウエストを喜んで見せてて……
『何か秘訣でもあるの?』と聞いたら、
『普通にダイエットしただけだよ、後痩せやすい体質なのかな』という返事が……
羨ましくて仕方ない。周りの子はみんな私よりもずっと細いから……気分が落ち込んでしまう。
私も痩せやすい体質になりたいなぁ……
Comments
体質が徐々に変わっていくのがとても良かったです! 最後の友達もフラグを建てて?しまったので次の犠牲者感があって良いですね!
ogota
2023-01-06 17:44:22 +0000 UTC