SakeTami
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食べ過ぎと言われても気にしなかった女子高生が案の定太る話(続きの部分あり)

新学期が始まって早3週間。 俺も高校2年生になったということで、とうとう所属しているPC部に下級生を迎え入れることになった。 この部員5名の零細部活にも誰か入るんだろうか…… しかも名前だけの奴もいるし、今年部員が入らないと廃部になると思う。 そう考えていた矢先だった。 何と1年の女子が入って来たのである。どうしてこの部活を選んだのかは分からない。 でも少ない部員が少しでも増えることは歓迎したいところだ。 名前は名貼颯希(なばりさつき)と言い、おとなしそうな女の子に見える。 まあ、この部活に入部するぐらいだから社交的な性格ではないだろう。 ちなみに見た目だが、かわいい部類の顔をしていて体型は普通ぐらいだ。 声は少し小さく内気な感じの雰囲気がある。 そんな名貼だが、見かけに寄らず食べることが好きなのだと言う。 「だったら部室にお菓子でも持ってきたらいい」と言ったら、「ありがとうございます」と返事してくれた。 最初の内は緊張して持って来る余裕など無いだろうが、どうせならくつろいでほしい。 --- 5月も中旬になり、新しい環境にも慣れて来たこの頃。 それは俺だけじゃなく、名貼もそうらしい。 「結構食べるなぁ」 「そ、そうですかねー」 ちょっと焦りながら返答する名貼。 先週辺りから少し慣れて来たのかお菓子を持ち込んで来るように。 しかもポテチとか板チョコとかを毎回持ってきては平らげる。 見た目は小食そうなのに。 「そういや冷蔵庫もあるぞ、好きに使っていい」 「ありがとうございます!」 とても嬉しそうにお礼を言ってくれた。 この部室には何年も前に卒業した先輩が寄贈した冷蔵庫がある。 俺たちが好きに使っていいことになっているのだが、空きスペースはかなり広い。 だから名貼が使っても十分余裕がある。 こりゃ夏にはジュースとかアイスとか色々持って来るだろうな……と思いながらも、嬉しそうだからまあいいかと思った。 それにしてもよく食うな……女の子って意外と食欲旺盛なのか? 男だったら「食いすぎだろ!」って笑いながら言うのだが、女子相手には言いにくい。 しかもまだ入部して1カ月も経っていない相手である。 変な事を言ったら辞めてしまうかもしれない。 まあ別に食べる量なんて気にしなくてもいいか。 そんなことより、さっさと開発中のゲームのコードでも書くことにしよう。 文化祭までには余裕で間に合うとは思うが、油断大敵だ。 後は漫画研究部に頼んでいたイラストの進捗も確認しないとな。 それに、そろそろ名貼にもPC部の活動に本格的に加わってもらわないと。 --- ジメジメして蒸し暑い6月。後半になってからますます湿気がキツくなってきた。 しかしこの部室にはエアコンがある。どうもこの東案下高校には予算が結構回るらしい。 ゲームの開発だが、進んではいるがちょっと遅い。 アイデアが思い浮かんでもどうコードを書けばいいのか分からないこともある。 今日もあまり頭が回らない。仕方ないから周りでも眺めているか…… と言っても今は部室には名貼しかいない。 何をしてるのか様子を遠目で見ると、大きな袋に入ったポテチをバリボリと食べている。 しかもチョコ菓子も近くにあり、どれだけ食べるんだと思ってしまう。 慣れて来たのは分かるが、こんなに食べる女子はあまりいない。 俺は近寄って名貼を眺めてみた。 最初に見た時とあまり変わってないように感じるが、それでも顔が少しぷっくりした気もする。 他はそこまで分からないが、多少太ったんじゃないか? 「頼んでたブログの更新は終わった?」 「終わりました」 まずは進捗確認を行う。これは特に問題なし。 次に、食べ過ぎだと忠告しておくか。 「名貼、そんなによく食べれるな」 「はい、お腹が空いちゃって……」 このままでは本格的に太るだろうから、しっかり言っておきたい。 今ならまだすぐに元の体型に戻るはずだ。 「流石に食べ過ぎだ。 そんなに食べてたら太るぞ」 そう言うと、名貼は一瞬びっくりした顔をしたが、すぐに元に戻った。 「あはは、大丈夫ですよー。 食べ過ぎぐらい大したことないですよ。 ちょっとぐらい太っても平気ですし、気にしないでください」 「……分かった」 この人は全然気にしていないようだ。 幼馴染とかだったら「大したことあるぞ!」とツッコむのだが、大人しい後輩には言いにくい。 名貼が太ろうが俺には関係ないが……でも心配ではある。 こんな発言をしてる奴に限って後悔するものだ。 一応忠告はしておいたからな。もう知らないぞ…… ---- 7月は暑いが、そろそろ夏休みと言う爽快感の方が勝るだろうか。 祝日も無い6月に比べたら鬱陶しい気分は少ない。 俺はいつも通り部室でコードを書いている。 そろそろα版でもリリース出来そうだ。思ってたよりもイラストの仕上がりが早かったのが助かった。 名貼もブログの更新とか、台詞を書くとか、色々手伝ってくれてまあ嬉しい。 「おはようございます」 名貼の声が聞こえて来た。 PC部では放課後でもこの挨拶である。バイト先と同じだ。 そして空いている椅子に座って…… ブチッ 何か変な音がした。一体何が起こったんだと音のした方を見てみると…… 名貼が赤面してすぐに立ち上がった。 そして床に落ちた何かを拾い上げる。 一瞬見えた落とし物は、照明の光を反射して輝いていた。 ……まさか、スカートの金具とかか? その推測は正しかった。 名貼がスカートの部分を触ってため息を付いているのが見える。 ……そりゃあんなに食べてたらな。 改めてこの人の姿を見ると、入部当初とはすっかり体型が変わっていた。 ほっそりしてたはずの顔は丸くてふっくらし、二重顎も見えつつある。 ウエストには贅肉がかなり付いてしまったらしく、スカートの縁には腹の脂肪が乗っていた。 下半身も肉がかなり付き、スカートから覗く太ももは脂肪でかなり太くなり、柔らかそうな見た目である。 太ったせいで胸も育ったらしく、サイズはかなりのものでブラウスのボタンを弾き飛ばしそうになっていた。 しかし全体的に見れば結構なぽっちゃり体型で、スタイルが良いとはお世辞にも言えない。 「……大丈夫か?」 「そ、その!別にこんなこと気にしてませんから!」 強がってるみたいだが、動揺しているのは明らか。 流石にここまで太ったら名貼も焦るだろう。 「6月にも言ったけど、食べ過ぎだ」 「それは!そうですけど……」 言葉を詰まらせながら答えてくる。 「でも、PC部なんでデブってた方がそれっぽいですよ!」 「何だそれは……」 意味不明な事を言いながら鞄の中を覗いている。 そしてポテチを取り出してバクバクと食べだした。 「別にいいですから……!太ったって……!」 威勢のいいことを口走りながら次々にポテチを食べていく。 しかし泣きそうな表情を見ると本心ではないのだろう。 一体どうすればいいものか。 「これ以上太ったら制服とか買い替えないといけないんじゃないか? だから……」 本当に痩せた方が良い、と言おうとした瞬間。 「そっか!その手がありましたね!名案です!」 名貼の顔がパッと明るくなる。 「服なんて買い替えたら大丈夫ですよねー」 ……これはマズいことを言ってしまったかもしれない。 まだ夏休み前でこれなら、これから一体どうなっていくんだ……? ゲームが完成するかよりも、名貼の体型が今後どうなるかの方が心配である。 11月の文化祭、どうなるんだろうな。 --- 夏休みも明けてしばらく経ち、9月も半分が終わった。 ゲーム作りはかなり順調であり、11月の公開にも間に合う予定である。 さて、開発は順調で良い事なのだが…… 「これも美味しい、ですねぇ」 部室でまったりとシュークリームを食べる名貼。 近くにはサイダーとポテチも置いてあり、その食欲の程が分かる。 この人の体重も順調に増え、見た目からしても立派な肥満だ。 ダイエットという言葉は名貼の辞書には存在しないのだろうか。 夏休みの間もブクブク太ったらしく、体重は80kgは軽く超えてそうな見た目だ。 顔は真ん丸く、何か食べるたびに二重顎がタプタプ震えている。 首なんて埋もれつつあり、折角のかわいらしい顔が暑苦しい感じになってしまった。 当然ながら額には汗が流れ、身体中が汗で湿ってるような状態だ。 腹の贅肉がドンとせり出し、大きな太鼓腹が自己主張をする。 ただし女子だからか柔らかいむにょむにょとした脂肪が溢れており、ビール腹のおっさんとはまた違う感じだ。 下半身も凄い肉の量で、ブヨブヨに弛んだ太ももがスカートから伸びている。 まあ、胸も凄いサイズに育って特大にはなっているが、残念ながらデブだから大きいというだけの話。 こんな体型だが、それでも夏休みに制服を買い替えたから大丈夫……でもない。 新しいはずの制服なのにすでに増量に耐えきれていないようだ。 ブラウスのボタンはヘソ周りが弾けそうで、スカートも既に留め具が閉まっていない。 折角新しくしたのに、後1カ月も持たなさそうだが…… 「もう新調するのか?買い替えた制服がもったいないだろ?」 「うぅ、確かにそうですね……馬鹿みたいです」 「だったらそんなにお菓子を食べるのを止めて、ちょっとは痩せなさい」 「……」 俺の言葉を聞いて、名貼は黙ってしまった。 流石に堪えたのだろうか? 「分かりました。ちょっとは減らします」 「お、おう……いきなりゼロは難しいもんな」 今すぐにでもお菓子を食わないという決意を持った方が良さそうなのだが…… ここまで食い意地を張る奴の場合は少しずつ減らさないとすぐ挫折しそうだからな。 まずは一歩前進と言う所か。 「じゃあ、早速ブログの更新を頼む」 「はい」 --- 10月もあと2週間で終わりだ。 翌月の11月始めには文化祭がある。 それに出すために俺が作って来たゲームがとうとう完成した。 ただ、俺だけの力で作り上げた訳じゃない。 漫画研究部の奴らも協力してくれたし、名貼も色々と設定や台詞を考えてくれた。 最近ではコードの書き方を少し理解してきたらしく、書くのをちょっと手伝ってもらうことも。 そんな感じで出来上がったのである。 ……あれ、他の部員は何をしてたんだ? 「ゲームが出来上がって良かったです!」 名貼も喜んでくれている。 「おう!手伝ってくれてありがとうな!」 「はい!ありがとうございます!」 これで文化祭も盛り上がるだろう。間に合って良かった。 ……それはいいのだが、問題なのは名貼の体型である。 お菓子を食べるのを「控えめ」にしたのはいいのだが、それ以上が難しい。 それに最近忙しくて俺も食べ過ぎを注意できなかった。 後、色々頼んでいる手前、あんまり言いにくかったのもある。 今の名貼は100kgぐらいあってもおかしくないような、凄い肥満体型になった。 完全に首の埋もれた顔は、ほっぺたもかなりふくれて元が思い出せない位だ。 一応大きな目といったパーツ自体は変わっていないのだが、もうデブの顔としか言えない。 腹肉はでっぷりとこれでもかと張り出し、凄い肉厚である。 並みの中年太りのおばさんよりもデカくて迫力満点だ。 太ももはあまりにも太くて、両脚が歩くたびに擦れる感じで隙間など無い。 そして胸も馬鹿デカくなり、こちらも歩くだけで柔らかそうに形を変える。 今からダイエットしても到底文化祭には間に合わないだろう。 いや、そもそもダイエットなどできるのだろうか? 制服は一応まだ着れている……正確に言えば強引に着れてることにしている、と言う感じだ。 ブラウスもボタンがとうとう閉まらなくなり、ヘソ周りや胸の辺りで隙間が開いてしまっている状態に。 スカートもファスナーが開きっぱなしで、無造作に付けられたでっかい安全ピンで何とかスカートを留めている。 ……正直、女子だからこんな恰好をされていたら目のやり場に困ってしまう。 例えかなりの肥満だったとしてもそれは変わらない。 クラスでどんな扱いなんだ?この人は…… きっと教室でも山ほど食べてるんだろうな。 「ちょっと……太り過ぎじゃないか?」 「……はい、でも食べるのが楽しいから、別にいいです」 しかし、言葉とは裏腹に表情は暗いものだった。 溢れる腹肉を掴んではため息をついて俯いている。 「……一区切り付いたし、ダイエットを始めるのはどうだ?」 俺は痩せることをもう一度持ち出した。 名貼がこのまま100kg越えの巨体に膨れていくのを放置できない。 「……大丈夫、大丈夫」 なにか自分に言い聞かせるように呟いている。 どう見ても大丈夫ではないのだが。 そして、名貼は顔を上げてこちらの方を向いた。 「先輩、『そんなに食べてたら太るぞ』って言ってましたよね。 もっとちゃんと受け止めてたら良かったです……」 ……ここまでデブったらショックも大きいだろう。 この人の責任とは言え、何だかかわいそうな気もする。 「これから食べ過ぎに気を付けて、少しでも運動していけば大丈夫だ」 「……分かりました!今後は部室で食べてるのを見たら注意してください!」 「おう、了解」 ようやく名貼も痩せる気になった模様だ。 少しずつでもダイエットしていってほしい。 --- 翌日、部室に入るとチョコを食べている名貼を見つけた。 「こ、これは……!」 「もうかよ!早すぎるぞ!」 ダイエット、まず始められるのかが気がかりだな…… [END]


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