SakeTami
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『太る可能性が100%と判定された女子高生の話』の、函伊綾音が出てくるシーンの抜粋

この小説では、最後辺りに函伊綾音が登場します。

今日は1129の日ということもありますので、そのシーンだけを全体公開にします。



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私は学校帰りにまた例の施設の前に来た。

特に誰もいないだろうな、と思って中を覗くと一人の女子高生がいる。

「(一体どうしたんだろう……)」

そう思って中に入って見たら……


女子高生が白衣の男性に詰め寄っている。


「あなたはこの街の女子たちに太る液体を飲ませたそうですね?」

「そんな事実はありません……」

目線を逸らしながら白衣の人は言う。

でもこの女子高生は言葉を続けようとする。


「いいや、証拠は揃ってますよ!しらを切らないでください!」

「そ、それは……」


……あれ、もしかして。

私が太ったのも……?


「すみません……」

「な、何ですかこんな時に!」

男性の言うことを無視して、その女子高生に話しかけてみる。


「その話って……本当なんですか……?」

「そうです!あなたも被害者?」

「えっと……多分……」

私がそう言うと、白衣の人がうなだれた。

そして女子高生の方を向いてゆっくり口を開く。


「……もう観念するしかありませんね。私がやりました。

これもテクノロジーの発展に必要不可欠なのですが……やり方がまずかった」

「認めましたね。ではまずこの子に謝りなさい」

「実は測定前、特殊な水を飲ませて体質を変えていました。だからあんな結果になったんです。

太るに決まってるのです。勝手なことをして、申し訳ない……」

「えっと……そうなんですか……?」

「はい……機械の精度自体は確かなのですが……お客様の食欲のブレーキをちょっと弄りまして……」

「そんなこと……できるんですね……」


何だか話が急展開でよく分からない。

でも、この人が私を太るように仕組んだらしいことは分かる。

本当だったら最悪。ただ、この白衣の人自体はそこまで悪意があるようには見えない。

今怒りをぶつけるよりも……


「だったら……痩せる水でも飲ませてください!」

「できます!それも開発してます!だから今回は見逃してください!どうか!」

深々と頭を下げる男性。

そしてその様子を訝しそうに眺めている女子高生。

その両者の近くに置かれている謎の機械。

異様な空間だった。


「分かりました……元に戻れるなら……許します」

「……こんないい子で良かったですね、全く!

他に後何人にこんなことをしたんですか?」

「2人にも似たようなことを……連絡先は分かります。万一の時に控えていますから」

「すぐに連絡して謝罪しに行きなさい、あと痩せる水も持って来るように!」

「はい……取りに行きます……」

そう言ってから、白衣の人は奥にある棚まで行った。


「ありがとうございます……」

「いえいえ!全然礼には及びませんよ!」

ところで、この人は誰なんだろう?

大人の男性相手にもかなり強気で、しかも証拠も揃えてるとか言ってたし……


「何者なんですか?」

「私?私は函伊綾音と言います。あなたの名前は?」

「豊佐藍璃(とよさ あいり)です……」

「私は単なる女子高生ですよ。藍璃さんと同じ」

「そうですか……」


年齢は多分あまり変わらないのに、とてもしっかりしている。

それに雰囲気もただ物ではない感じ。


そんなことを思ってたら白衣の人が戻って来た。

「これが食欲を抑え、脂肪を消費しやすくして痩せさせる水です。

今飲むだけで体質がすぐに変わります!」

差し出された水を私はすぐに飲んだ。

「……ありがとう……ございます」



私たちは全員、建物から出た。

「じゃあ、次また会う日まで!お元気で!」

「はい、お元気で」

綾音さんはそう言ってから、白衣の人の傍に行く。

「今日はずっと見張っておきますからね!早く次に行きなさい!」

「はいっ!」

男の人が女子高生にビクビクしている様子を見ると、何だか面白い。

結局綾音さんの正体は分からなかったけど、とにかくこれで良かった……のかな。




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