SakeTami
plecochikico
plecochikico

fanbox


2_1_『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』 特別なお客様へ To special supporters




2_1_『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』



 ここは辺境の土地。

 とても静かで、小さくても豊かな村だった。


 その日は朝から、その小さな村が慌ただしかった。

 蜂の巣をつついたような喧噪(けんそう)だった。


 村の細い農道を、プレートアーマーで身を固めた騎士団が馬に乗り通り過ぎる。


 騎士たちは、鎖帷子とプレートアーマーの組み合わせの防具を身につけていた。

 プレートアーマーの金属が、朝陽の光を白く反射していた。


 騎士を乗せた馬たちは悠然と歩いていく。

 唖然とする村人の前を、通り過ぎていった。


 こんな騎士団を見たことない村人は、驚いて立ち尽くすだけだった。


 村人たちが畑で鍬を片手に呑気に馬を見て感心してる。


「さすがに要塞都市の戦馬(せんば)は、農耕馬とはちがうなぁ」

「立派な馬だな」


 長閑(のどか)な村の農道に、馬の蹄の音とプレートアーマーの金属音が響いた。

 騎士団の一団の人数は少なく、10人ほどだ。

 その一団の中には最近負傷し、治療中のような者までいた。


 騎士団は村を通り過ぎて、山あい近くの森に入っていく。

 森の向こうの高台には小さな牧場があった。



 その牧場から、僕、アクアと友人の獣人のリーオンが騎士団を眺めていた。


リーオン「やっこさんたち、期日通りに来やがった」


 リーオンは、何かの入っていいる大きな布袋を担いだ。

 僕たちはくすんだ色の農夫っぽい服を着て、キャスケットのような帽子を被っていた。

 ただの牧場系モブキャラにしか見えなくもない。

 僕ば自分の白いエルフ耳を、被っているキャスケットの中に隠した。


アクア「ほんと、騎士団って初めて見た」


─────── 騎士団は、明日、農場を襲撃する。

─────── その混乱に乗じて、農場の竜の卵を盗み出す。


リーオン「畜舎にいた農場主も働き手も全員が昨晩のうちにトンズラしてる。畜舎の門の鍵は騎士団が無理やりにでも壊して開けるだろうな」

アクア「竜を生むために囲われてる女エルフ助けて、国に報告して騎士団の仕事は終わりでしょ」


─────── 竜は他の種族に種付けできるらしい

─────── 要塞都市の城の地下で、女エルフたちは竜に種付けされて

─────── 孕んだ女エルフは、この畜舎に運ばれる

─────── そこで"竜を産ませてる"・・・"らしい"


リーオン「要塞都市の城の地下で、竜を産ませていた城主が、貴族格を格下げされるだけだ」

アクア「城主同士の足の引っ張り合いってとこ?」


リーオン「転生前の日本でいうところの、"汚職事件"みたいな感じだろうな」

アクア「あー、そういうね・・・」


 そうこうしてる間に、騎士団の一行は森の中の道を進んでくる。

 ほとんどの騎士が馬に乗っているので、見かけは大人数のように見える。

 だが、実際には人間の数は10人程度だ。


アクア「なんか、ずいぶん少数だな・・・」

リーオン「噂じゃ、ちょい前に竜とドンパチしたらしい」


 森を見ると、僕たち以外にも、見える範囲で何人かが潜んでいた。

 僕たちと同じ、騎士団の視察の混乱に乗じて、竜の卵を狙う者たちだ。

 村のほとんどの人は知っていたわけだ。



 農場の門の前で、騎士団の先頭が門の鍵を壊して押し入る。

 慌てる様子もなく、淡々と騎士団と畜舎の大きな建物に入っていく。 


 農場の門前には、騎士の2名が馬とともに待機していた。

 しばらく門番のように仁王立ちしていたが、生草を喰みたい荒れる戦馬にこづかれて、牧場の柵の中に自分の戦馬を繋いだ。

 騎士の2名も、かなり疲れたように腰を下ろしていた。

 無理もない、プレートアーマーだけでかなりの重さがあるはずだ。



リーオン「じゃ、行ってくる。待ってな」

アクア「え?!何?どこ?っていうか、その袋、何?」


 リーオンは、割と大きめな布袋を肩に乗せ、農場の門の前へ歩いていった。


リーオン「袋の中身?あまったらアクアにも昼飯にくれてやるよ!」


 昼飯?え、なに、うそ・・・。

 騎士2人の前に何の躊躇もなく、リーオンが近づいていった。

 騎士はゆっくりと立ち上がり、手でリーオンの行く手を阻止した。


騎士の男「この付近に近づくのを禁ずる」


 リーオンは、雇われ農夫のような姿だったが、腰に白いエプロンがつけられていた。


リーオン「そっちこそ、誰?俺は、農場主にパン代の集金に来たんだけど」


 パン屋。パン屋の主人だと騙り(かたり)出した。


騎士の男「帰れ。無理だ」

騎士の男「すまんな、今は中には入れんのだ」


リーオン「え〜〜〜〜?困るんだけど。先月もパン代払ってもらってねぇんだけど」


騎士の男「こちらも任務中なのだ。用事があるなら、少し後にしろ」

騎士の男「まぁ、すぐに任務は終わるはずなのだ。パン屋の旦那、すまんな」


リーオン「チッ、仕方ねぇな。待ってるか」


 リーオンは少し離れて牧場の柵に腰掛けた。

 肩に背負っていた大きな布袋を、近くの牧場の柵にひっかけておく。


 しばらく動きはなく、騎士らも気が抜けたように地面に腰をおろした。


 パン屋の主人に扮したリーオンが、馬を見ながら暇そうに獣人の尻尾を振り。

 大きく欠伸した。


 思い出したように、牧場の柵にかけておいた袋から紙の包みを取り出した。


 それは紙巻きたばこタバコだった。

 火打金(ひうちがね)と火打ち石の入った袋も出し、その場ば火打ちをして難なくタバコに着火させた。

 紙巻きたばこタバコの煙が狼煙のように静かに白く立ち上っているのが見える。


騎士の男「タバコだ・・・」

騎士の男「タバコだな・・・」


リーオン「はぁ・・・何時間かかるだか・・・」


 リーオンは、牧場の柵にかけておいた袋から、手のひらわり大きな紙の包みを再び出した。

 獣の指が、紙包みを器用に開く。

 中には、ホットドッグのような食べ物が入っていた。

 騎士の男2人は、そのホットドッグに釘付けになる。


 リーオンは片手にホットドッグをもち、布フクロからチーズを取り出した。

 ホットドッグに分厚いチーズがズシリと乗せられる。


騎士の男「チ・・・チーズまで・・・」

騎士の男「おい、やめろ・・・」


 騎士の男たち姿勢を正した。

 リーオンはタバコを地面に落とし、靴のかかとで踏み、火を消した。


リーオン「馬はいいよなぁ。草ありゃまぁ、どうにかなる」


 リーオンは、大きな獣の口を開ける。


リーオン「すぐにくらい農場主に会えないってなら、時間もったいないから、村に降りて売るかいな」


 リーオンは大きな口をあけて、さらにホットドッグを頬張る。

 見るからに美味そうに食べて、リーオンはトマトのソースのついた指をねぶった。


 リーオンは、もぐもぐとホットドッグを食べながら、牧場の中の草を食む戦馬を眺めた。


騎士の男「おい!そのパン屋!・・・む、村ではソレ、幾らで売っているんだ」

騎士の男「・・・やめろ、隠れて飲み食いするな」


 リーオンは犬のような立ち耳を動かしながら、馬のほうを見ている。

 騎士同士の会話を黙って聞いていた。


騎士の男「パ・・・パンの中に・・・肉入ってて、チーズまで乗ってる・・・」

騎士の男「くそっ、辺境の"ケモノ"のくせに・・・」


騎士の男「肉なんて、何日も食ってねぇ・・・」

騎士の男「くそー・・・美味そうに食う"ケモノ"だな・・・」


 要塞都市の人間は、獣人のことを悪気なく"ケモノ"と呼ぶことがある。


騎士の男「あ〜あ、任務完了後に、野営もせずに城に直帰だもんな・・・」

騎士の男「きっと、城に戻ったら、多分、まともな飯が・・・」


 再び無言の時間が流れる。


 騎士の男たちの腹が鳴った。

 騎士の男たちは、深くため息をついた。


─────── 破れた城の、遁走している騎士団


 その噂は嘘ではないらしい。


 何日も野営と粗食で耐えてきた。

 戦馬も、騎士も。


リーオン「ろくずっぽ、食べてないのかい?」


 騎士の男たちの動きが止まる。

 何かを"事情"を隠しているようだった。


リーオン「お代いただけりゃ、パンくらい売るよ」

騎士の男「本当か」

騎士の男「おい、ケモノの言葉に乗るな」


リーオン「俺は別にどっちどもいいんだが。今から村に降りて店頭に、このパン並べるだけさ」

騎士の男「待て」

騎士の男「やめろ、バレたら騎士団長に怒られるぞ。姫様にも」


リーオン「あ!わかったぞ!あんたら・・・・」


 騎士たちが、立ち上がって腰元の剣に手をかけた。

 緊張感した空気になる。


リーオン「お金、持ってないんだな・・?」


騎士の男「かかかかかか金くらいある!!」

騎士の男「パン代くらい、持ち合わせている!!」


 リーオンは、悪意のない笑顔で袋の中身を騎士たちに見せた。


騎士の男「こ・・・これほど・・・!」


リーオン「じゃ、前金で。パン渡した後、ブスッとその剣で切られたら困るからな」


 騎士たちは剣を地面におろし、持ち合わせていた個人の路銀(ろぎん)をリーオンに手渡した。


騎士の男「我々、騎士を山賊のように例えるな」


 袋の中のパン代金にしては、大きな金額だった。


騎士の男「見ろ!本当に、パンと肉だ・・・!」

騎士の男「信じられない、水の瓶もある・・・!」 


 路銀以外にも、リーオンの服のポケットに、騎士たちのお金が次から次へと詰め込まれていく。


リーオン「なんだい、騎士さんたち。どうしたんだ」


 袋からパンやチーズ、ハムを取り出して食べだした後。

 リーオンが担いでいた袋のパンや肉、チーズや水が次々と騎士たちの胃袋へ消えていった。

 袋の中身が無くなるのは一瞬だった。


 騎士たちは無言で、袋の中の「美味しいもの」を堪能していった。


リーオン「待てよ、これじゃ、金のほうが多すぎるぜ」


騎士の男「まぁ、その金はパン屋の旦那がとっとけ」

騎士の男「我々が、ここで飲み食いしたことは内緒にしといてくれ」


リーオン「ああ、そういいうこと・・・」


 騎士たちには、個人の路銀を使う時間がなかった。

 ここぞとばかりに、金払いは良い。


リーオン「タバコも?」

騎士の男「全部もらう。価格は幾らだ」


 リーオンが騎士の手元に紙巻きたばこの包みを差し出した。

 騎士は、1カートンくらいの量のタバコをバッグの下のほうに隠した。


リーオン「あんたら、大変だったんだな・・・」


 騎士の男の1人は、半分泣いたように顔でハムをかじっていた。


リーオン「こんな辺境まで守ってくれて、本当に、ありがとうな」


 この腹を満たされた騎士たち2人に、門番のような緊張感はなかった。

 のんびりした辺境の牧場。

 守秘義務を忘れ、リーオンのような"犬1匹"に、くだらない世間話を話し出すまでに時間はかからなかった。


リーオン「あんたらに一体・・・何があったんだい」


 リーオンはここで「姫騎士の騎士団がなぜ破れたのか」を知ることになる。















:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


はい、1話目はじまったよ〜!飯うまそ〜!

前章の話を読まなくても大丈夫。

この話のみで楽しむことができます。


『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』

さて、このシリーズ第2章も全部10話予定です。


[ 予告 ] 更新予定は"本日の進捗( progress note. )"をご参照ください。


2_1_『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』

2_2_『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』

2_0_あらすじ『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』

2_3_♥︎『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』

2_4_♥︎『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』



・ "♥︎"このハートマークがついてる話がR18シーンです。

・ 誤字脱字、設定食い違いあったら教えてくださいまし。加筆修正いたします。




2_1_『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』 特別なお客様へ To special supporters 2_1_『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』 特別なお客様へ To special supporters

More Creators