SakeTami
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ウルトラティール三話 ティールvsラドゥ

突然の連戦に、エナジーが尽きボロボロになったカレンは、変身が解け意識を失ってしまった。

 ガラガラと振動が伝わってくるのを華恋は感じていた。彼女はすぐさま何者かに回収され、ストレッチャーのようなもので建物の中へと運び込まれていた。

「う……ぐぅっ……」

 腹部に鈍い痛みを感じ、思わずうめき声を上げる華恋。それと同時に全身から力が抜けていくのを歓喜ていた。

「エナジー低下。危険域です」

「すぐさま充填の用意をしろ」

「腹部に敵性反応あり。これは……怪人の卵……?」

「これがエナジー減少の原因か。さっさと取り出すぞ」

「んっ……♡」

 意識がおぼろげの中聞こえてくる何人かの話し声。

 その後、またしても意識を失ってしまった華恋が次に目覚めたのはしばらく後のことであった。


 所変わって瑠璃の病室。ウルトラカレンの戦う振動で目が冷めた彼女は自身の無力感に打ちひしがれていた。

「華恋……無事かな?」

 そんなときだった。

「瑠璃さん。入りますよ~」

 瑠璃の病室に一人の患者が運び込まれてきた。

「……!華恋……」

 ボロボロに傷ついた華恋は、あちこちに包帯やらギプスやらが付けられ痛々しい様子だった。それでも落ち着いたのか、今は安らかに寝息を立てている。

「彼女は無事?」

「えぇ。今はなんともないわ。貴方ももうしばらくは安静にね。怪人が出ても戦っちゃだめよ?分かった?」

「……ん」

 渋々、といった様子で瑠璃は首肯する。

もはや顔馴染みとなった看護婦に釘を刺される。事情を全て知っている彼女はそれ以上は何もいうことはなく、暫くして看護婦が病室を出て静寂が訪れる。

 瑠璃はそっとベッドを抜け出すと、華恋の元へ向かった。

「守るはずが守られるなんて……それに……貴方まで」

 首から提がったカラータイマーをそっと撫でる。それは彼女がウルトラヒロインとして覚醒してしまっていたことを否応なく示していた。

 ズゥン……!

 遠くで地響きが鳴る。

「行かなくちゃ。待っててね……お姉ちゃん」

 瑠璃は一言そう言い残すと、窓の外から飛び出していった。

 


 外は雨が降りつけていた。

そんな中、海の方からズン……ズン……とのっそりと街を踏み歩く怪人が一体。瑠璃の元へと向かってきていた。

「都合がいい……変身ッ!」

カラータイマーを胸に当て高らかに叫ぶ。

「ウルトラティール、参上」

特徴的な尻尾と角。ウルトラティールが街に現れた。

『遠くからでもわかる生臭い匂い……それにあの鱗。水棲の怪人かしら……』

「はぁっ!」

ティールは怪人めがけて走り寄ると、自慢の尻尾攻撃を繰り出す。

「……ぅぅ……ん?」

「なっ……!?」

しかし、当たりはしたものの、皮膚のヌルヌルに攻撃をすかされクリーンヒットはしなかった。それどころか怪人はティールに全く意に介することなくそのまま直進を続けた。

『私には目もくれない……一体何を……』

ティールは怪人の直進方向に目を向けると、今まさしく華恋が昏睡している病院が目に入った。

『こいつまさか……ッ!!?』

 怪人はその間も病院に向けてゆっくりと、だが確実に足を進めていた。

「させないっ!」

ティールは自分よりも一回り大きい怪人の背後まで走ると、そのまま抱きついて何とか足を止めようと試みた。

「!?」

しかし、体にうまく力が入らず、そのままずるずると引きずられていってしまう。何とか踏ん張ろうとするも、体に痺れが走り、うまくいかない。

『このままじゃ華恋が……それに、この痺れは一体……?』

「こ……のっ!」

そのまま怪人に引きずられていってしまうティール。なりふり構っていられなくなったティールは、一度怪人から離れると、尻尾を怪人の胴に巻きつけた。

「うぅ……あ?」

「ふぐぐ……!!」

うまく力が入らないティールは、地面に手足を突き立てて、何とか怪人の足を止める。

「う……ぁ……あ……っ!」

病院へ向かおうとする怪人とティールの力勝負。

その間もティールは敏感な尻尾に怪人の不快なヌメリに苦しめられる。

「うぐっ……気持ち悪い……」

それと同時に、ティールはどこか体に異変が訪れていることに気づく。

「……ぁ……うぅ……ん?」

病院を目と鼻の先にして、遂に怪人の足が止まった。

しかし、怪人は今度は胴体に巻き付いたティールの尻尾をむんずと掴んだ。

「あっ♡」

ティールは力を抜いてしまったが故に思わず声が漏れる。

怪人は止まらずそのまま攻撃対象をティールの尻尾に切り替えると、何とそのまま尻尾を口に咥えてしゃぶり出したのだった。

「……やめっ♡……っく……んっ……!」


必死に歯を食いしばり耐えるティール。

 尻尾を使って振り払おうとするも怪人の力が強く、思うように動かすことすらままならない。

「この……いい加減に、しろっ……!」

ティールは怪人の足を振り払い、バランスを崩したところで、尻尾と両腕で怪人を病院とは正反対の海の方へと思いっきり投げ飛ばした。

「はぁっ……はぁッ……」

 一連の戦闘により体力を消耗してしまったティール。胸元のカラータイマーはやがて赤く点灯し始めた。

「ッ!?」

不意に体から力が抜け、膝下からカクンと崩れ落ちるティール。そのまま、街中へと倒れ伏してしまった。

ピコンピコンとカラータイマーが鳴り響く。ティールはみじろぎひとつできずビクビクと痙攣を起こしてしまった。

『しまった……毒……』

朧げな視界の中、ズン……ズンと重々しげな地響きが遠くの方からティールの方へと確実に向かってきていた。

「う……ぐ……ッ」

 何とか立ちあがろうとするも、すっかり毒が回ってしまったティールは立ち上がることはできなかった。

 ズンッ……!


遂に目の前までやってきた怪人。髪で覆われた目は、補食対象として確実にティールを見つめていた。

 「……ぁう。た、楽し……楽しく……しましょ……?」


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ラドゥ(敵怪人設定画)

駄文失礼しました。

何となく怪人のデザインの方向性を変えました。どっちも両デザインを心がけていく所存。

シンプルの極みみたいなカレンももしかしたらおめかしするやもしれぬ。

来月分は後編でちゃんと収まるはずですのでこの子がどんな攻撃をするのかもお楽しみに。

では


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