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“東凶魔京”「姉妹散華」前編


それは閉塞した状況を打破する為の電撃作戦だ。

血の滲むどころか多くの血を流して所在を掴んだ上級妖魔たち。

彼らを、精強な一流の退魔師を送り込んでの同時撃破。

それにより指揮系統の崩壊した妖魔たちを人間側の総力を投じて大攻勢を仕掛けるという一大作戦だ。

全面戦争と称しても差し支えない、人間の未来を賭けた重要な作戦の一端を任されて、静の足は震えていた。


「静、落ち着いて。やることはいつもと一緒。“妖魔を倒す”それだけよ」「ね、姉さん…」

「少し…強いけどね」

二人の視線の先には、ただならぬ気配が、隠れもせず、社の階段に穏やかに座っていた。

退魔師の姉妹、西条麗華と西条静の標的。


「朋遠方より来たる、また愉しからずや…」

酷薄な笑みを湛えた老人はゆっくりと立ち上がる。

小柄で、ややもすると一般人でも制圧できそうな…しかしその姿は擬態である。

人間はおろか、その辺の妖魔が束でかかっても楽々と返り討ちにするだけの力を持つ。

“玄妖斎”。東京中に蔓延る妖魔共の要の一角。

同じように、七瀬圭と不動遼子のコンビと、朱宮母娘が、それぞれ別の場所でこの玄妖斎と同等の妖魔と対峙し、今頃は厳しい戦いに身を投じているはずだ。

各々が敵を討ち取り、その吉報が“特捜部”の立花莉子に届いたとき、”朱宮神社”や”剣の姉妹”をはじめ、東京中の退魔師たちが呼応して動き出し、作戦は初めてフェーズⅡに移行する。

誰一人失敗は赦されない。


麗華とて、これ程重要な局面を任されて、心に動揺がないはずがない。

だが、妹を不安にさせたくはない。姉として、いつもの通り気丈に振る舞う。

「こんな爺さんが相手なんて、つまらないわぁ。もっと若くて逞しいモノを持ってるのがよかったわぁ」

「ちょ…姉さん、こんな時までそういう事言って…」

露骨な挑発に、百戦錬磨の妖魔は動じず、むしろ嬉しそうに顔を歪ませて、麗華の均整のとれた美しい身体を胸元から下腹部、脚線美に至るまで、粘っこい視線でねめつけた後、舌なめずりをする。


「きひひ…お嬢ちゃんをどんな形にしてやろうかねぇ」「……」


麗華は応じず、無言で静に目配せをした。神社の境内に一陣の風が吹く。

枯葉が地面に落ちた音を合図に三者が弾け、死闘が始まった。 


機先を制する為、静の二挺拳銃は即座に弾丸を放ち、動態射撃にも拘らずその狙いは正確に玄妖斎の額と心臓を捉えていた。

狙い通りに着弾すると思われたその手前で、弾道は断ち切られてしまう。

玄妖斎の足元、影の中からのびた触手が、静の放った銃弾を絡めとっていた。

「…ふふ。そのくらい、織り込み済みですよ!」


ドパァッ!ダパァンッ!!


触手が内部より爆ぜた。静の持つ銃はただの銃ではない。

退魔仕様に特殊な改造を施された“零参式呪装拳銃”である。

すなわち弾丸も通常のものではなく、呪術が込められているため、下級妖魔であれば急所に当たらずとも致命傷になる。

「ほぅ…」「感心してる場合かしら?お・じ・い・さ・ん ・ ♡」

静の銃撃に気を取られた玄妖斎の死角から、麗華が彼を放射状に囲うように呪符を放った。

パチンッと麗華が指を鳴らした瞬間、一斉に着火し、玄妖斎の姿は爆炎に包まれ、周囲をすさまじい熱風が吹き荒れた。

「や、やったの!?」「ダメよ静、そのセリフは。この手の攻撃を加えた後に、“ソレ”言っちゃうと…」

煙が晴れてくると、妙なものが見えてきた。

影の中から新たにのびた触手の束が、玄妖斎をドーム状に覆っており、即席のシェルターと化していた。

「ホラね」「いや、セリフ関係ないから!」


「きっひっひっひ…」

触手が剥がれていくと、声の主はやはり無傷のまま再び現れた。

「なかなかの連携。お嬢ちゃんたちの関係の良さが伺えるねぇ」

「何を言い出すの!?」「静、耳を貸しちゃダメよ!相手のペースに巻き込まれるわ」

麗華は敵の話につきあわず、再度呪符による攻撃を仕掛け、静もそれに準じた。

「遅い」

しかし、麗華の呪符は発動前に空中で裂かれ、静の銃弾は半身になるだけで躱された。

「メガネのお嬢ちゃん、君は優等生なんじゃないかい?攻撃が真っ直ぐ過ぎる」「ッッッ~~!」

静は戦慄していた。この敵は戦術はおろか、精神性においてもスキがない。

己の能力にかまけて力押しできた今までの妖魔とは次元が違う。

麗華もまた、突破口を見出せないでいた。強敵だとはじめからわかってはいたが、想定以上だ。

だが麗華とて幾つもの死線を越えてきた。故に、その経験の中から策を講じるべく思考を回し続ける。


「ワシはねぇ。お嬢ちゃんたちのように、かた~い絆で結ばれたコたちが大好きなのだよ。姉妹、母娘、師弟…。そういった関係を大事にしているコたちを、…絆もろとも壊すのがワシの無上の悦びさぁ」

「…下衆ね」静は思わず、人生で使ったことのない言葉を口にした。

言葉と姿は人でも、中身は到底人ではない。冷たい隔絶がそこにある。

「そうそう…この前の主従関係の二人も、当主の小さなお嬢ちゃんが銃を使ってたよ。ちょうど君のような二挺のねぇ。あのときは従者を押さえつけたまま、当主のお嬢ちゃんで遊んでいたら、先に従者の心が壊れてしまってねぇ!きひひひッあれは実に愉しかったよ!!」

心底おかしくて堪らない、と。玄妖斎は下卑た笑いを撒き散らした。


「む!?」

その顔色が突如変わった。異様な気配。

視線を向けた先に、巨大な異形の獣が顕現していた。それを横で従えた麗華が、不敵に笑う。

「くだらない自慢話で時間くれたから、こんなの呼び出せたわ。式神“影喰い”!フツーは成功しないんだけど、強い妖気に引かれたのかしらね」

「ぬ…ぬぅぅッ!」

それは賭けだった。強力な式神を呼び出そうとするとリスクが伴う。

敵も味方も滅ぼしかねない邪神を降ろしてしまうこともある。ともあれ麗華は賭けに勝った。

「さぁ存分に喰い散らかしちゃって!!」

飛びかかる影喰い、触手で迎え撃つ玄妖斎。

しかしその性質は影であるがゆえに、ただ喰い散らされ、雲散霧消していく。天敵だった。

ついに影喰いは、その巨腕で玄妖斎を掴み、吊し上げた。

「とどめよ」麗華が合図を送ろうとした瞬間、妖魔は呟いた。


「妹が死ぬぞい」

「……え?」


振り返った先、静が見知らぬ巨大な人型の妖魔に羽交い絞めにされていた。

「姉さん、ごめんなさい…ッ!くぅ…離してよ!」

「静ッ!!ッッ…そんな!仲間が同行してるなんて話は聞いてないわ!」

「きひひ…アレはワシの懐刀のようなもの。常に影の中に忍ばせていたが、君らを迎える少し前に出しておいた。こんな時のためにねぇ」

「ッ卑怯な!」「老獪と、せめてそう言ってほしいねぇ」

静を押さえつける影の妖魔もまた、自在に形状を変えられるようだ。両手から銃を落とした静の抵抗は難しい。

たとえこのまま玄妖斎を倒しても、あの妖魔が静の首に巻きつき、妹の命が失われる可能性は高い。

しかし、式神を引けば敗北は確定して、結局二人とも…。どうすれば…!?


「迷ったねぇ。君の敗けだよ」

「姉さん、足元ッッ!!」「え……?」

麗華が逡巡する間に、その足元には影の触手が這い寄ってきていた。

一瞬でその身をのび上がらせ、式神を現世に留める札を破り、さらには麗華の秘穴を深く貫き、その身を宙へと舞い上げた。


ドスン…という鈍い衝撃が下腹部から胃へと突き抜けた次の瞬間、地面が消え、世界が回り、愛する妹の姿が視界の隅を横切ったと思うと、

再び現れた地面が横から麗華へと叩きつけられた。

「ッッッ!!…ッッ~~…!!」「姉さんッ!!」

何が起きたか理解できないままに、麗華は秘部を両手で抑え込みながら、歯を食いしばり、美貌を歪めて身じろいだ。


「ハゥ…ッッ!!か…あぐ…ッッ!!」

体内の異物感は消えたが、鈍痛は執拗に後に引いている。

「ハァッ…ッ!!ハァッ…!!ぐッ……!!」「ッッなんて卑劣なッ!!」

当事者たる麗華にはわけのわからない事態でも、第三者の視点に立てば実に簡潔。

急所への不意打ち。もしこれが、人間同士の、たとえば格闘技の試合だったら即退場処分で、ヘタをすれば永久追放ものの反則中の反則。

しかし、命の懸かった戦場では、人間同士ですらが“反則”という甘い概念を捨てる。

まして相手は妖魔だ。そこに躊躇いなど微塵もあるわけがない。


式神“影喰い”が現世より消えたことで、玄妖斎の身は地に戻った。

ニタリと笑い、一歩一歩と、横たわる麗華へと近づく。

「ぐぅ……ッ…!…」

「勝負あったかな。さてと…」

玄妖斎は足元へと集めた影から幾本の触手をのばす。


「!!ッッ」このままでは姉が嬲りものにされてしまう!それも、自分のミスで…。

この状況を打破するには、アレを使うしかない。早く…!もう少し…!


静は何も、ただおとなしく人質に甘んじていたわけではない。

格闘技のグラウンドでの攻防のように、少しずつ体をずらして、“使える”姿勢をつくっていた…。


カシャンッ 「よし!」

そのジャージの袖のに下に隠した、一発限りの仕込銃を!


パシュッ!「オォォオォッ!!」ダパァアンッ!!

羽交い絞めにされたまま、静が背中越しに放った銃弾が、彼女を捕えていた影の妖魔の上半身を爆散させた。

「何ィ!?」

驚いた玄妖斎が振り向いたときには、解放された静はもう片方の仕込銃を放っていた。

初弾同様に触手で迎え撃とうとした玄妖斎の横っ面に、何かがベチャリと張りつけられた。呪符である。

苦悶しているはずの麗華が、そこに平然と立っていた。

その事実に玄妖斎が驚愕してる間に、静の銃弾が彼の本体に届いた。

同時に麗華が後方に飛び退いた直後、ありったけの力を込めた麗華の呪符が、再度境内を爆炎で照らした。


姉妹の渾身の挟撃に、今度はシェルターをこしらえる隙もなく、玄妖斎の体は火だるまとなった。

「やった!やったよ、姉さん!」喜色満面で、麗華に駆け寄る静。

「だからそのセリフはダメって言ってるでしょ。ふぅ、危なかったわ。しばらく外せないわね、コレ」

捲り上げたボディコンの下には、破れてしまったヒョウ柄パンツ(お気に入りだった…)の代わりに、呪符が張りつけられていた。

その効果は、痛覚の遮断。ただもがくだけを装い、呪符を張って彼女は好機を待っていたのだ。

「姉さん、私のせいで…ごめんなさい」

それでも姉が酷い苦痛を味わった事実は変わらない。静の瞳は潤んでいた。

「…大したことないわ」

そんな妹を、麗華は優しく抱きしめてやる。

「さ、行こ。そろそろ他も終わってる頃だと思うわ」


「……ねぇ、姉さん…アレ、何かな…」「?」


静と同じ方を見遣ると、玄妖斎が燃え尽きた場所に、大きな影が落ちていた。上に、何もないのに。

「?………ッッ!?」

信じがたい現象が起きた。

影から、“人”が形成されていく、骨が、筋肉が、内臓が、血管が、皮膚が。やがて、“一つ”の老人が完成した。

「…うそよ」

紛れもなく、倒したはずの玄妖斎だった。


「やってくれたな、小娘ども」

そこに浮かぶ表情は、先刻までの余裕に満ちたものではない。

屈辱と憎悪に震え、醜く歪んだそれこそが、玄妖斎の残虐な本性。

「ッッッ~~!!」人の形に囚われ過ぎていた。

上に“生えた”部分は本体ともいえるが、同時に代替可能な器官に過ぎず、影が無事であれば再生可能だったのだ。

そんなばかなことがありうるのだ、妖魔なのだから。

“影喰い”が奴を捕えたあの時、足元の影まで含めて全てを喰いつくしていれば、勝負は決していた。


「くっ…ッ」

麗華は唇を噛みしめた。彼女は経験豊富な熟練の退魔師だ。

それゆえに、もはや万に一つも勝ち目がないことを、静かに悟った。

未だ闘争心を失っていない静の横で、麗華は伏目がちに言葉を絞り出す。

「…わたしたちの、敗けだわ」「姉さん!?」

「………」玄妖斎は無言で様子を伺っている。

小声で、麗華は静にだけ聞こえる声で告げる。

「よく聞いて、静。今のわたしたちには勝てないわ。だから、時間を稼ぐの!圭たちが、他の“百鬼衆”を破って救援にくる時間を!」

「え…!?」自分でも無茶な希望観測だとわかっていた。

「逃げて、時間をとにかく稼ぐわ!行くよ!!」

踵を返し、鳥居をめざして走り出した麗華の横に、…静の姿がなかった。


「!?ッ…し、静ぁッ!!」「きゃあああッ!!」

最愛の妹の声は頭上から降ってきた。

例によって、地面を這う影の触手が、静の四肢を絡めとって宙に吊っていた。

「はなッ…離しなさいよ!!」

空中でもがく静。その自由を奪うために、彼女の身体に更なる干渉が加えられる。

膝を曲げたまま脚を開かせ、両腕を背に回し、腰を弓なりに反らせる。

そう、静は地に足つかないままで“ブリッジ”をさせられていた。

彼女の穿いているものがブルマなのは、とんだ皮肉だ。

「い…痛い!やめ…ッ!」

無理な姿勢をとらされて、ギリギリと悲鳴をあげる静の身体。

「………」

あれ程饒舌だった妖魔が、ただ無言でいる。それが何より恐ろしかった。

麗華にはわかる。こんなものはまだ責め苦ですらない。

扇情的な姿勢をとらされている妹が、これから“犯される”という言葉では形容できないほどの、酷い陵辱に晒られることは明らかだった。


拘束する目的ではない、先端に亀頭を模した触手が、静の股へとのばさていく。

「ッッッ!!」ダメ!それだけはダメ!!

もう作戦も打算も時間稼ぎもない。今目の前で最愛の妹が汚されようとしている!

たとえ東京が魔の手に堕ちようとも、それだけは許されない!!

麗華は全てと引き替えにする悲壮な覚悟を以って、ある言葉を発するべく口を開いた。

「わ…」「“わたしはどうなってもいいから、妹を助けてほしい”、か?“それ”はもう、聞き飽きた」

「!!」一字一句違わなかった。

意思を先取りされた戸惑いは、理解と共に絶望へと変わっていく。紡がれた拒絶の言葉が示す未来は…。

「やめてェええッッ!!」「ひぃ…ッ!!」


ズギュルッ


回転を帯びた黒い触手は、静愛用のブルマを穿ちながら、彼女の性器へと捻じ込まれた。

「いぎぃッ!!」「いやぁああッ!!」

この世の何よりも見たくなかった悪夢。

静のジャージが、下腹部から盛り上がる。先刻の姉同様、子宮口までも貫かれているのだろう。

ただ、姉のケースと違うのは、すぐに抜けて終わることはなく、触手は静の子宮内で縦横無尽に幾度も幾度も突き上げられた。

「あッ…ッぎぃあァあッ!!ひぎぃいッッ!!」

「やめ……やめ……ッ」

両手で顔を覆う麗華は、指のすき間から、妹の腹がモコモコと不気味に変形を繰り返す光景を見せつけられた。



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例の件を受けて運営にひとこと叫びます。

何が嫌いかより、何が好きかで自分を語れよ!!(ドン!)

…排除するより他に考えることあるだろJK


※登場する女性キャラは全員18歳以上です

※行為に及ぶ人たちは血の繋がらない赤の他人です

※獣のように見えますが着ぐるみです

※嫌がってるように見えますが合意の上の行為です

※体が切断してる人たちは全員バラバラの実の能力者なので大丈夫です

今後は投稿全てにこんな注釈でもつけとけばいいんじゃないですかね。


さて、閑話休題。


スマッシュ代作さんとの合作“東凶魔京”シリーズ第2のエピソード「姉妹散華」西条姉妹の姉妹丼です(ドン!)

少年マンガを意識したバトル重視な展開でして、その辺りも書いてて楽しかったりします。

まぁ、エロゲーの敗北前のバトルシーンは、割と読み飛ばされがちでしょうが(^_^;)

時系列的には、前回の「鬼門謀辱」からずっと後の話ですね。

物語の終盤の一幕と思ってくださいませ。

エロゲーで言えば5章とか6章あたり。


追記:前回の「鬼門謀辱」後編のラストシーン挿絵増えてます!

   とてもエロいので既読の方もぜひ見てください!

“東凶魔京”「姉妹散華」前編 “東凶魔京”「姉妹散華」前編 “東凶魔京”「姉妹散華」前編 “東凶魔京”「姉妹散華」前編 “東凶魔京”「姉妹散華」前編 “東凶魔京”「姉妹散華」前編

Comments

ありがとうございます。異能バトルも書いてて楽しいです!

バトル描写いいですね!某二次元DN彷彿とさせる熱さですw 別働隊も気になります… 続編期待しています!

Five


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