平な岩に後ろ手に腰を下ろして休息するレナは潮目の変わりを肌で感じ取っていた。
夕暮れに向けて徐々に潮位が上がってくれば、今いるこの辺りも海の一部となるのだろう。
風情を感じる彼女の傍らでは、陰惨な光景が繰り広げられていた。
「うぐぅッッ!!ンあッ!?ふぐぅぅ!!」
パンパンパンパンパンパンパンパンッ!!
四人の少年(の姿をした何か)に取り囲まれた栗林ヒナが、
成人男性の倍程ものサイズの四本の肉棒で、四つの穴を同時に責め立てられていた。
膣、肛門、両乳首。
少年たちはが腰を打ちつけるたび、肉のぶつかる淫靡な四重奏が響く。
同じアルバイターの立場であったはずの赤間レナの奸計にかかり、
哀れな贄となり、すでにかれこれ半刻マワされ続けていた。
「嫌ぁ!!イヤぁ!!もう帰るぅぅ!!…ク…ァッ!?」
約束された一時間の陵辱、その折り返しを過ぎたあたり、変化が起きた。
ヒナの穴を掘削する肉棒が、徐々にその刀身をのばし始めた。
うねうねと内部で蠢く有り様が、皮越しに浮き上がる。
「ヒギィィィィッッ!?なにそのチンポ!?抜いて抜いてェ!!壊れちゃう!わたし壊れちゃうぅぅッッ!!」
それそのものが意思ある別の生き物であるように、四本の異形の男根はヒナの体内を自在に蹂躙する。
「うーわ。ご愁傷さまー」
ヒナの惨状を見降ろすレナは気楽なものであった。当然である。
すでに彼女はこのヤバい仕事を“アガっている”ようなものなのだ。
あと10分そこら、輪姦プレイを見届けるだけで終わるのだから。
「やめ…ぐるし…うぷ!?…え”…ボェェエエッッ!!ぐぇ!?」
フィニッシュの時は訪れる。
肛門を犯していた肉棒が、ヒナの消化器官を遡上し続け、ついに口唇を割って飛び出した。
同時に、少年たちは精を放ち、ヒナの身体は白濁に塗れた。
「もごが…ッッ…!」
女体を貫かれた衝撃と苦悶に、ヒナの意識は闇に落ち、四肢を投げ出してぐにゃりと弛緩する。
水着はとっくの昔にボロキレとなって浜に散っていた。
「終わったか…ん?」
ヒナから肉棒を抜いた“四体の少年”は、再び不定形の肉塊になり蠢き始めた。
「おいおい、まだ増えるのかよ」
三度目の分裂を終えたとき、そこには体格に不釣り合いな肉棒を反れ立たせた幼児が八体出現した。
レナは訝しみ、眉を寄せる。
「幼稚園児並のガキになった。大人並のチンポがアンバランスで気味悪いな。まぁ…標的はいないけどな」
そう、レナの言う通り。このヌーディストビーチにはもう、服を纏った無粋な輩はいない。
周囲を見回す幼児(のようなも何か)たちには、明らかな困惑が見て取れる。
と、その内の一体がレナと目が合い、指をさした。
「………え?」
八体が肉の波となって押し寄せるや、一斉に豊満な彼女に身に群がった。
「ふざけんなァ!!あたし服着てないだろ!ルール破っ…もがァ!?」
レナの抗議は最後まで言い切る間もないまま、頭を押さえつけられ、口を二本の肉棒が塞いだ。
同時に、両胸に抱きついた二体が、それぞれ乳首に、
下半身に纏わりついた四体は競い合うように膣と肛門に猛る欲望を捻じ込んだ。
「ふぐぁッ!!もごぁアアアッッ!!ん”ん”ん”ッッ!!」
幼児の体格に不釣り合いな力で押さえつけられながらマワされるレナ。
もはや抵抗も、意味ある言葉を発することもできず、成すがまま犯されるだけ。
彼女を眺めるは雇い主の女。その眼差しは先刻までのレナのものとよく似ていた。
より深くルールを理解する者による、愚者を憐れむ目である。
「…この浜に足を踏み入れた時点で、あなたもマーキングされてたのよ」
レナへの責めはひたすらシンプルであった。
幼児たちに途中で肉体的変化が起きることもなく、ひたすら腰を打ちつけては射精し、
また一定時間打ちつけては射精し、果てることなく犯し続ける。
陵辱は一時間を超えてなお続くが、レナにすでに時間の感覚はなく、
高みの見物で愉しんでいたビーチの客が、さすがに飽きて去り、
日が落ちて波が足元に届き始めた頃、それは終わった。
白目を剥いてとっくに意識を失っていたレナには知る由もないが。
「おお…!」
観察を続けていた雇い主の女が、感嘆の声をあげる。
レナから身を引き抜いた八体の幼児は、再び分裂…することもなく、
蠢きながらひとつの塊に戻ると、粒子のようにさらさらと散り、浜へと消えた。
「これで、今年の地鎮も無事終わった…。良い報告ができそうだわ」
「………はっ!?うわぁぁ!?」
「あら、お目覚めね」
跳ね起きたレナの視界に最初に移ったのは、スーツに身を包んだ雇い主の女だった。
己の身は、洗浄されてボディタオルに巻かれていた。
周囲を見れば、他のアルバイター3人も同様の姿であった。
どうやら覚醒したのは自分が最後だ。
「みなさん、お疲れさま。報酬はお約束通り振込済みです。適当に休んで、着替えてお帰りになっていただいて結構です」
それだけ告げると、雇い主の女は早々に退出していった。
部屋にはアルバイター四人だけが残された。
釈然としない顔で黙り込むレナの心境を代弁するように、アンナが口火を切った。
「けっきょく、何から何までわからねーまま、変なバケモンにヤりまくられただけだったな」
「………」
銀髪の言う通り、不覚にも翻弄されるだけで終わってしまった。“無事に”乗り切れたからよかったものの。
「まー、終わったんだし、どうでもよくね?マンコ、ガバガバになったけどねー」
楽観的なミーナは、己が股間の惨状を手で確認して尚、ヘラヘラ笑っていた。
レナが気まずそうに盗み見ていたヒナは、視線の意味を察することもなく、ぼんやりとしていた。
裏切りに対して思うところはないのだろうか。
…そのヒナが突然首を捻り、レナと目が合った。
「………!?」
ちっ!糾弾してくる気か?面倒だな。
「あ、あの!…ところでみなさん、何年生ですか?」
「…は?」
まったく予想だにしない質問が来た。
何のつもりか知らないが、何か探られるほどの質問でもないので、素直に答えておく。
「「「高校二年」」」「わたしもです」
「タメかよ、お前ら。名前教えろよ」
「…まぁ、素性教えたくなきゃ下だけいいぜ」
「はぁ…レナ」「ヒナです」「アンナだ」「ミーナ。じゃ、LINE交換しよー。グループ名『ナナナナ』なー」
「わーい」
「わーいじゃない。何勝手に進めてんだ」
「…まぁ、お互いどこの学校に行ってるかもわからない同世代が、こんな怪しいバイトで出会ったのも何かの縁だ。どうよ?」
「…ふん。まぁ、情報交換とかくらいならいいよ。お互い素性の詮索はタブーで」
「よろしくねー」
「…………」
成り行きで“バイト仲間”となった面々と連絡先を交換しながら、
レナは此度の仕事について未だ釈然としないことに不快感を感じていた。
いくつもあるが、とりわけ不可解なのは…
「なんで一時間なんだろな。誰の何に対する“ルール”だったんだ?」
客もアルバイターも去った、波のさざめき以外聞こえない静かなビーチ。
雇い主の女は一人、佇んでいた。
作法に乗っ取り、スーツを脱いで全裸になってから訪れている。
「ふふ…昼の乱痴気騒ぎがウソのようね」
余談ではあるが、ビーチの客の中にはアルバイターたちの陰惨なレイプショーにあてられて、一部の興奮した者たちが周囲で行為に及んでいたのだ。
彼らには“通常のルール”通りにご退場願った。
些末なことである。
足元の砂を掬ってみる。
サラサラと指の隙間から舞い落ちる、何の変哲もない砂だ。
…砂そのものはだ。
少し深くまで手を入れて掻き出してみれば、そこには骨のようなものが混ざる。
ここは維持しなければならない土地なのだ。
たとえ独り言でも語るわけにはいかないが、呪いの一つや二つあって当然の曰くつきの浜。
今年の分は禊を終えたからまた来年…
「……え?」
巨大な肉塊がいつの間にか眼前に出現していた。
疑問を発するより早く、女は踵を返していたが、肉塊は即座に人体を形成し、奔り、追いついた。
ミーナの時よりも遥かに体格を増した巨人は、女の身体を抱え上げた。
「なんでなんでなんでなんで!?鎮まったじゃない!!去年も一昨年もアレで終わりだったじゃない!!」
答えを求める女に、異形は何も答えない。
いや、言葉ではなく肉体言語で以って雄弁に答えた。
女の胴ほどもある肉棒を中心へと突き立てた。
子宮を圧し潰しながらつき進み、胸を内から押し上げる。
「ぐぇええええ……ッッ!!………ッッ………!?」
仰け反り、病的に痙攣する女を肉筒とし、巨人は巨根を激しくしごく、しごき続ける。
壊れた人形のように四肢を力なく揺らす女の瞳は焦点を失い、ただただ性処理玩具とされる。
どれほど時間が経ったか。絶頂に達した巨人が射精する。
その排出量はアンナを襲った二体のものと比較しても桁違いであり、
ただの人の身で受けるには膨大過ぎた。
女の腹部が膨張した一拍後に、白い濁流が夜空へと顔から噴出した。
それきり動かなくなった女を、巨人は使い続け、幾度も幾度も絶頂した。
来光が浜に差し、女が原型をなくした頃のことである。
傍らに佇み、天を仰いでいた人の形をした何かの身を光が包む。
浜に染み込んでいった昨夜とは対照的に、光の粒子となって、空へと昇っていった…。
“一時間”も“一年毎も”、彼が自分に課した“ルール”に過ぎなかった。
一線を越えてしまわない為の。