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古手川唯は謝りたい

 私が教室に入ると、教室が一瞬静まりかえった。  理由は理解している。  まず一つは私が風紀委員であること。少しでもやましいことがある生徒は私が近づいてくると警戒する。  そしてもう一つ。私がハレンチな格好をしていること。  いつもの私であれば真っ先に指導していたような服装。いえ、そんな服装など可愛く思えるような格好を今の私はしている。あえて例えるとすれば裸同然の格好。  まず、スカートの丈は考え得る限り短くした。シャツのボタンも5つ外したし、なにより私は下着を着けていない。目をこらせば下着で隠さなければいけない部分も見えてしまうだろう。  すべては教室の奥で西蓮寺さんを股の間に座らせて籾岡さんの胸を無遠慮に揉みしだいている男、猿山ケンイチの女にしてもらうためにしていることだった。  このために結城君にも相談に乗ってもらった。  猿山君の姿が見えた瞬間、彼の元に駆けよって抱きつきたくなる衝動を私はかろうじて押さえ込んだ。 猿山君の女になれば当然数多くの女の一人になる。嫉妬などしていたら猿山君に嫌われてしまう。  私はまっすぐ彼の元に歩み寄った。 「ねえ、猿山君。ちょっといいかしら?」  高鳴る鼓動を感じながら、私は彼に話しかける。 「どうした?」  猿山君がニヤニヤして聞いてきた。  ニヤニヤ笑う猿山君もかっこいい。籾岡さんの服に手をつっこんでおっぱいを揉んでるだけなのになんでこんなにかっこいいのかしら。 「猿山君、はなしがあります。生徒指導室に来てください......」  猿山君は「ようやくか」とつぶやくと名残惜しそうにする籾岡さんを振り払って立ち上がった。 「では、付いてきてください」  生徒指導室に入った私は、後ろ手に鍵を掛けた。これで、部屋には私と猿山君の二人だけ。 「で、なんのために呼んだわけ? もう授業始まっちゃうよ?」  猿山君の言うとおりだった。もうすぐ授業が始まってしまう。しかし、私は時計なんてみていなかった。歩いているときからあふれ出ていた愛液は、すでにぽたぽたと床に垂れている。 「あなたが、その。ハレンチだからです......。みんなのいる教室で、女の子のおっぱいを揉むなんて。あんな羨ましいことを見せつけられる身にもなりなさい......」 「へぇ、古手川もおっぱい揉んで欲しいんだ?」 「そんな! 当たり前でしょ?」  つい本音が漏れてしまった。でも、もともと猿山君の女になるために呼び出したのだからこれでいいのだと言い聞かせる。 「へえ、古手川って結構スケベなんだな。で、なにか言うことがあるんじゃない?」  猿山君が挑発するように私をみた。 「あの、私を......。古手川唯を、その。(風紀委員セフレに......)」 「よく聞こえないな? なあ、俺さ、女を待たせてるんだけど戻って良い?」 「それはだめ!」  どうしよう、最後の最後でプライドが邪魔をして思いを伝えられなかった。 「その、あれよ。私が彼女になってあげるわ......」  ああ、もう。私のバカぁ! なによ彼女になってあげるなんて。セフレになる覚悟なんてとっくにできてたのにぃ......。  私は、後悔の念に襲われながら猿山君の様子をうかがった。もしかしたら、彼女になれるのではないかと仄かな期待を抱いて。  しかし猿山君は黙って自分のズボンを下ろした。同時にパンツもおろして、猿山君のかっこいいオチンポが姿を現した。 「ちょっと、なにしてるの? ハレンチよ」 「古手川、座れ」  猿山君が足下を指さした。反射的にひざまずいてしまう。  目の前には、露出された立派なオチンポ。 「おい、なに勝手に舐めようとしてんだよ」  気づけば私は舌を伸ばして猿山君のオチンポを舐めようとしていた。  だって仕方ないじゃない。目の前にこんなに美味しそうなオチンポ垂らされてるんだもん。  勝手にオチンポを舐めようとしたことを叱られて落ち込んでいると、ぺちんと頬を叩かれた。手ではない、柔らかくてなおかつ重量感のあるなにかが頬を叩いた。 「え?」  私の頬を叩いたのは猿山くんのオチンポだった。ただ、状況を理解しても私がなんで猿山君のオチンポにビンタされているかまでは分からなかった。 「どうして?」 「は? 古手川が立場をわきまえずに彼女になろうとした罰だよ」 「そんな、私は本当に猿山君のことが好きで......」 「じゃあなんで上から目線で言ったんだ? ん? こう言うのはさ、まずは自分が何を差し出せるのか言うのが先だろ?」  ぺちぺちと頬を報復ビンタされる感触とは無関係に私の頬には涙が浮かんでいた。  私のくだらないプライドのせいで猿山君が怒ってる。 「ごめんなさい。なんでもしますから。もうプライドなんて捨てます。人権も差し上げます。ご主人様のすきなようにしてください......」  そのまま頭を下げて床に頭を擦りつけた私を、ご主人様は困ったように見下ろしていた。 「あ~、別にそこまでしなくても良かったんだけどな。まあいいや、俺ペットが飼いたいと思ってたんだよね。大型犬。だけど俺が住んでる家ってペット禁止でさ」  私はご主人様の意図を完全に理解した。 「はい! 私がご主人様の犬になります! もう人であることは止めます♡」 「まじ? じゃあ、なんで二本脚で立ってるの? 日本語喋るのおかしくない?」  ご主人様が私を求めている。ご主人様が私に命令している。その事実だけで絶頂思想なほど気持ちよかった。 「ワン! ワン! ワン!」  私は両手をついて這いつくばると、精一杯犬らしく鳴いてみせた。 「ん~。40点かな。古手川、今日からナナに犬の振る舞い方の特訓を受けろ。もう今日は帰って良いから」 「ワン♡」  学校を休むことになってしまうといいう感想は、もう過去のものになっていた。なんていっても私はご主人様の飼い犬だもの。

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