風船化実験に参加した話(後編)
Added 2025-02-08 08:30:00 +0000 UTCその言葉を聞いた先輩はベランダの窓を開けた。 縄の先は部屋の柱に結びつけられていた。 膨れ上がった私もギリギリ通れそうだ。 そして私は亜紀さんに軽く押されてベランダに出て、 そのまま外に向かって進み始めた。 「すごい・・・本当に飛んでる!」 私の体はどんどん上昇していく。 「すごいですね~。どんどん上がっていきますよ」 亜紀さんは興奮しながら言う。 私は今、空を飛んでいるのだ。 信じられない光景に感動していた。 上昇は10mほど浮き上がったところで止まった。 縄が伸びきったのだ。 学園の建物と校庭を見下ろしていた。 校庭にいる運動部の生徒達がチラチラとこちらを見ているが、 縄が科学部の部室から伸びていたため、 なにかの実験で使う大きな風船と思われているようだ。 私はその反応を見て、少し恥ずかしかったが同時に嬉しくもあった。 「風船みたいですね~」と亜紀さんが言う。 「うん・・・不思議な気分だよ・・・」 私は感動していた。 この高さから見渡す学園は、まるでミニチュアのようだ。 「どう?空を飛んでみた感想は?」と先輩が聞いてきた。 私は素直に答えた。 「・・・すごく楽しいです!」 それからしばらくの間、私たちは空の旅を楽しんだ。 最初は怖かったがすぐに慣れた。 むしろ心地よい風を感じられて楽しかった。 そして30分後・・・ 「さてそろそろ戻りましょうか」 先輩と亜紀さんが縄を引っ張って私を実験室に戻した。 「あの・・・ところでいつ元に戻るんですか?」 私は未だに全身が膨らんだままだ。 「・・・そろそろ戻るはずだけど・・・」 だが、一向に元に戻る気配がない。 もし浮力がなくなっても体型がこのままなら 歩くことはもちろんできないだろう。 そんな私を見て亜紀さんが笑いながら言った。 「大丈夫ですよ~すぐに元に戻りますから~」 そう言いながら私の体を触り始めた。 「ちょ、ちょっと・・・くすぐったいですよ~」 私の体は敏感になっていた。 「だって可愛いんですよ~それにすごく柔らかいですし・・・」と亜紀さんは言う。 そして今度は胸を揉み始めた。 「あっ・・・そこはダメですよ!」 私は抵抗しようとするが体が動かないためされるがままだ。 「すごいですね!本当に風船みたいです」 と言いながらさらに強く揉んでくる。 パンパンに膨れ上がった 私の体はとても敏感になっていた。 「はぁ・・・んっ・・・」と声が漏れてしまう。 「ねぇ、そろそろ話を聞きたいんだけど・・・」 先輩が呆れたように言う。 「あ、ごめんなさい」と言って亜紀さんは離れた。 「ところで何か変なことはなかった?」 「変というと・・・?」 「気分が悪くなったりとか」 「いえ・・・特に何もありませんでしたけど・・・」 私はそう答えた。 すると、先輩は少し考えてから言った。 「そう・・・じゃあいいわ。実験はこれで終わりよ。今日はありがとうね」と笑顔で言う。 「はい!こちらこそ貴重な体験ありがとうございます!」 私は膨張が収まったら着替えて帰るつもりだった。 だが、膨張は1時間ほどしても収まっていなかった。 「あの・・・まだ戻らないみたいなんですが・・・」 私は不安になり聞いた。 すると先輩は少し困った顔をして言った。 「・・・とりあえず今日はこのまま帰って」 「ええ!?こんな身体でですか?」 こんな風船のような身体で帰るのは不安でしかない。 「安心して、家まで彼女が送ってあげるから」 亜紀さんが一緒なのか。 「でも・・・」 私は亜紀さんを見る。 「大丈夫ですよ~私がついていますから」と言って私に抱きついてくる。 ・・・なんだか不安しかないけど仕方ないか。 「分かりました。じゃあお願いしますね」 私は諦めて帰ることにした。 私は風船のようにふわふわ浮かびながら亜紀さんと一緒に部室を出た。 「あの・・・本当に大丈夫なんですか?」 私は不安になり聞く。 「大丈夫ですよ~しっかりついていきますから」と笑顔で言う。 だが、その笑顔にはどこか裏があるような気がした・・・。 そして、私たちは校門までやってきた。 「じゃあここでお別れですね~」と亜紀さんは言う。 「・・・え?ついていくって言ったじゃないですか!?」と私は慌てて言った。 まだ浮力が収まらず、地面に足がつかない状態なのだ。 亜紀さんが私につながった縄を持っていなければ私は飛んで行ってしまうだろう。 「ごめんなさい・・・でも私も仕事があるんです」と申し訳なさそうに言う。 だが、彼女は明らかに楽しんでいるように見えた。 「じゃあせめて先輩を呼んでください」と言って私は亜紀さんに頼んだ。 すると彼女は笑顔で言った。 「嫌です♪」と言うと同時に彼女の手から縄が離れた。 私はどんどん上昇していった。 まさに風船のように。 「ちょっと!降ろしてください!!」 「ふふふ・・・風船さんまたね・・・」 私は恐怖を感じた。 このまま飛んで行ってしまったらいつかは破裂してしまうだろう。 「亜紀さん!お願いです!!」 私は必死で叫んだが、彼女は笑って手を振るだけだった。そして私は高くまで浮かび上がり、学園が小さく見える位置まで来た。 だが、まだ浮力は収まらず、どんどん上昇していく・・・。 もうだめだ・・・と思ったその時だった。 突然縄の先が引っ張られた感じがした。 見ると亜紀さんが縄の先を持っていたのだ。 「ふふ・・・冗談よ」 そう言うと縄を引っ張って地上まで下ろしてくれた。 「・・・悪ふざけはやめてください!本気で怖かったんですよ!!」 私は怒りながら言う。 「ごめんなさい・・・でも風船みたいに浮くのは気持ちよかったでしょ?」 と笑顔で聞いてくる彼女。 「実験の時はともかく今のは怖かっただけです!」 私は言い返す。 「うふふ・・・でも可愛かったですよ?」 「はぁ・・・」 私は亜紀さんに連れられて家に帰った。 「じゃあまたね~」と言って亜紀さんは帰って行った。 ・・・本当に自由な人だ・・・。 私はそう思いながら玄関に入った。 ギリギリ玄関は通った。 私は天井に手をついて、 手を足の代わりにするように自室に入った。 「はぁ・・・大変だったぁ・・・」 私はベッドに横に・・・ なることはできないので天井に背中をつけていた。 「それにしても・・・この身体どうしよう・・・」 私は改めて自分の姿を見た。 全身が丸く膨らみ、手足は短くなり球体のようになっている。 まるで風船のような姿だ。 こんな姿では一人で外になんて出られないだろう。 「でも、明日になればきっと元に戻ってるよね・・・」 私はそう願いながら眠りについた。 翌朝・・・ 私は目を覚ました。 だが、やはり体は膨らんだままだった。 昨日ほどではなくふわふわ浮かぶこともなかった。 だがお腹はパンパンに膨らんでいる。 まるでバランスボールでも詰まっているかのように。 胸は昨日より少し小さくなったがそれでも大きい。 バスケットボールほどだろうか。 お尻も大きくなっていて、 バレーボールほどの大きさがある。「はぁ・・・どうしよう・・・」 私はため息をついた。 こんな姿じゃ学園に行けない。 でも行かないわけにはいかない。 制服は着られないのでひとまずジャージ を着た。 「行ってきます・・・」 私は家を出た。 すると、そこには亜紀さんがいた。 「おはようございます。浮かばなくなったんですね」 「はい・・・」と私は力なく答える。 「じゃあ行きましょうか」と言って私の手を取り歩き出す彼女。 「はぁ・・・」 私はため息をついた。 彼女の手の感触を感じるが、 今の状態ではあまり嬉しくない。 「あの・・・どこに向かってるんですか?」と私は聞いた。 すると彼女は笑顔で答えた。 「もちろん学園ですよ~今日は休みませんから」 「・・・ですよね・・・」 私は諦めたように呟いた。 そして、私たちは学園に到着した。 「着きましたよ」と亜紀さんは言う。 私は校門の前に立っていた。 「・・・ありがとう・・・ございます」 私は力なく言う。 「じゃあまた放課後に会いましょうね~」と言って彼女は去って行った。 「・・・はぁ・・・」 私はため息をつきながら校舎に入った。 教室に行くと、クラスメイト達が私を見て驚いているようだった。 「どうしたの?その身体」 と一人の女子生徒が言ったので私は事情を説明した。 すると彼女は笑いながら言った。 「あはは・・・それは大変だったね」 「・・・笑い事じゃないよ・・・」と私は少しムッとしながら言う。 「ごめんごめん・・・でも風船みたいで可愛いと思うよ?」と言ってまた笑った。 「・・・もういいよ」と言って私は自分の席に座る。 休み時間になると女子生徒に私は囲まれた。 「早苗ちゃんかわいい~♡」 そう言って抱きしめられた。 ふわふわとした身体は触るとクッションのようで気持ちが良いらしい。 だが触られる身にもなってほしいものだ。 「次はあたしが触る 番ね!」と言ってまた別の子が私の身体に触れた。 「うわぁ・・・すごく柔らかい・・・」と言いながら私の身体を撫で回してくる。 正直くすぐったいのでやめて欲しいのだが、言っても聞いてくれないだろうと思い諦めた。 「どうやったらこんな姿になれるの?」 女子の一人が聞いてきた。 「科学部の実験に参加させられたんですよ」と私は答えた。 「へぇ・・・面白そう!」 と言って目を輝かせていた。 「ねぇ、あたしも参加したい!」と別の子が言う。 「あたしも!あたしも!」 と次々に希望者が出た。 「じゃあ放課後に行ってみようか?」と言うとみんな喜んで賛成してくれた。 授業が終わり放課後になった。 私はクラスメイト数名を連れて科学部の部室に向かった。 「失礼します」と言って中に入ると、 そこにはすでに先輩と亜紀さんがいた。 「あら・・・いらっしゃい。今日はお友達と一緒なのね」 先輩は笑顔で言った。 「はい!この子たちも風船になってみたくて・・・」と言うと、先輩は少し考えてから言った。 「・・・そうね、じゃあこれ飲んでくれる?」 そう言って昨日私に飲ませたのと同じ錠剤を出してきた。 「ありがとうございます!」 クラスメイト達は錠剤を受け取るとすぐに飲み込んだ。 すると10分ほどしてに変化が始まった。 「あ、膨らんできた」 クラスメイトの一人が言った。 彼女たちの身体はどんどん膨らんでいく。 特に胸は大きく膨れ上がり、 バランスボールのように大きくなりながら2つの球になっていく。 お腹も大きくなり、バレーボールほどのサイズになった。 手足は短くなり、 胴体が球体のような形になる。 そしてお尻も丸く膨らむと頭だけが元の輪郭のまま残る状態になった。 その姿はまさに風船のようだった。 「わぁ・・・すごぉい!」とクラスメイト達は喜んでいたが私は複雑な気持ちだった。 「どう?気分は?」と先輩に聞かれるとクラスメイトの一人が答えた。 「・・・なんか不思議な感じです・・・」 確かに私も最初はそうだったなと思い出していた。 ふわふわと浮かび上がりそうな感覚。 風船のような身体。 重力から解放されたような感覚。 だが彼女たちは私と違った。 すぐに膨張が進んだのだ。 「また膨らむの・・・?」と別の子が言った。 その言葉は不安ではなく期待に満ちていた。 お腹がさらに膨らみ、 胴体全体が巨大な球体のようになる。 胸も膨らみ、バレーボールほどのサイズになった。 手足は短くなり胴体と一体化する。 お尻も丸く膨れ上がると頭だけが元の輪郭のまま残る状態になった。 その姿はまさに風船のようだ。 「なんか気持ちいいかも・・・」と別の子が言った。 その言葉に他の子たちも頷く。 彼女たちは全員風船になったのだ。 制服はぱつぱつになり、 はち切れそうになっている。 「ねぇ、早苗ちゃんも触ってみてよ」と別の子が言った。 私は戸惑いながらも恐る恐る手を伸ばす。 彼女たちの肌はすべすべしていてとても触り心地が良かった。 胸やお腹に触れるとその柔らかさがよく分かった。 お尻も丸くなっていて弾力がある。 なんだか癖になってしまいそうだった。 彼女たちが膨らんだ私に夢中になったのも分かる気がした。 でも私は自分では膨らめないので少し羨ましくもあった。 「ふふ・・・みんな楽しそうね」と先輩が笑う。 「はい・・・」と私は答えた。 「あなたももう一度、彼女たちのように膨らむ経験をしてみる?」 先輩が聞いてきた。 「・・・遠慮しておきます」 と答えたものの少しだけ興味はあった。 そして彼女たちの足に亜紀さんと協力して縄を結んでいく。 「しっかり結んでよ!」 クラスメイトの一人 が言う。 「分かってるって!」と言いながら私は結ぶ。 これで準備は完了だ。 そして彼女たちを軽く押してベランダに出る。 「じゃあ、行くわよ」と亜紀さんが言った。 私たちは一斉に縄から手を離す。 彼女たちの体がふわりと浮かび上がり始めた。 「わぁ・・・すごい!」 「本当に空飛んでる~」 クラスメイト達が歓声を上げる中、私は不安でいっぱいだった。 もしこのまま飛んで行ってしまったらどうしよう・・・。 だがそんな心配をよそに彼女たちはふわふわと上昇していく。 やがて地面から10mほどのところまで来たところで止まることができた。 「すごい!本当に飛べた!!」と喜んでいるようだった。 私も内心ホッとしていた。 これで飛んで行ったらどうしようかと心配していたのだ。 上を見ると三つの大きな風船が浮かんでいるように見える。 「ふふ・・・まるで気球ね」 と先輩が言った。 確かにそんな感じかもしれない。 「どちらかというと昔のアドバルーンじゃないですか?」 亜紀さんが言った。 どちらにせよ、 浮かぶものという点では同じだろう。 「確かにそうね」と言って先輩は笑った。 しばらくして、 校庭にいる運動部の生徒達がふわふわ浮いている彼女たちに 気づいて騒ぎ始めた。 人間が膨らんで空を飛んでいるのだから驚くのも当然だろう。 だが、彼女たちはそんな周囲の反応などお構いなしに 自由に空を飛び回っていた。 そんな様子を見て私は少し羨ましく思った。 「ふふ・・・あなたももう一度膨らむ経験をしてみたい?」と先輩が聞いてきた。 「・・・少しだけ興味があります」 私は錠剤を受け取るのだった。