SakeTami
ぬか@nukka('ω')
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「けんぺいさんのおしごと その22」

⇐「けんぺいさんのおしごと その21」https://nuka.fanbox.cc/posts/3177959


「君は、この戦いで轟沈せよ。──仲間を、提督を助けたければな。」


「断る」

──何を言い出すかと思えば、いきなり『沈め』とな。

私が沈むことが、仲間や提督を助けることになる?訳が分からん。

「言葉足らずだったな。何故君が轟沈しなければならないのか、説明しよう。」

一蹴されたにも構わず、議長は続ける。だが、私の忍耐にも限界が来ていた。

「いらん。すぐに出撃だ。下らん話を続ける暇は無い。」

”秘密組織ごっこ遊び”は、もううんざりだ。これ以上付き合っていられない。

「・・・まぁ良い。理由を聞かずとも、君はいずれ選択を迫られることになる。提督の命か、自らの命か。その時は、選ぶ道を間違えないことだ。艦娘は沈もうともサルベージできるが、ヒトは死ねば終わりなのだ。」

「あの提督は、人類の・・・いや、『我々の』希望なのだ。失うわけにはいかん。君は正しい選択ができることを、信じているよ。」


無線は切れた。

全く。出撃前に嫌な気分にさせてくれる。

もうこの『コミュニティ』と関わるのは、やめだ。

第一、私に捜査や潜入調査は向かん。

私は駆逐艦・磯風。

戦場で敵を沈めることが、私の本懐だ。

とにかく、今は目の前の戦場に集中するのみ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「あれ?憲兵さん。こんなところで、何してるんですか?」

「・・・!」

駆逐艦・朝潮──。提督の艦隊に所属する、艦娘。

「・・・遠方の部下に、連絡を取っていたところだよ。ここの通信機じゃないと、遠くまでは無線が届かないからね。貴官こそ、こんなところで何をしている?提督と一緒に出撃したのではなかったのか?」

ここは、人里離れた海岸沿いの軍の施設。

普段は誰も使っていない、無線の中継基地だ。

それが何故、ここに艦娘がいる?

「私は今回、お留守番なんです。後方支援として、この施設の無線機を使って、無線が届かない区域の中継をするのが任務なんです。」

朝潮は残念そうに、しゅんとした声色で答える。

「そうか」

ここの施設は、他に誰も使わないと思っていたが・・・これは計算外だ。

朝潮がいたのでは、”仕事”がしにくくなる。

・・・何とか、しなくてはな。



              つづく('ω')





~登場人物~

・('ω')

艦娘を率いる提督。海軍中将。第3艦隊司令官 兼 呉鎮守府司令官。

今回の「マリアナ諸島奪還作戦」では、連合艦隊の司令を務める。

・憲兵

提督を調査するよう命ぜられた憲兵。独自で軍内部の闇を追う。

・磯風

艦隊の最古参にして歴戦の戦士。

憲兵と結託して、提督を葬ろうとする軍内部の闇を追う。

・朝潮

艦隊所属の駆逐艦。真面目だが天然で抜けている。

・議長

艦娘の地下組織『コミュニティ』のリーダー。正体不明。

「けんぺいさんのおしごと その22」

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